本稿を読んでいる諸君は、私が前稿で書いたことを実践してみただろうか?何wpmで読めただろう?因みに、私も書きっぱなしでは無責任なので、受け持っている高校3年生に実践させた。結果は、日大レベルの入試問題で、遅い生徒が70wpm、速い生徒が120wpmであり、平均値が85wpmであった。平均値では、センター試験の英語の場合、読むだけで47分もかかってしまうと言うことで、先週から速読の練習に若干の時間を費やすことにした。
次に、時間配分と言うことについて考えてみよう。受験生の多い、センター試験を例に説明するが、その他の試験についても同じようなことが言えるので、参考にしていただきたい。
河合塾の問題集によると、第一問は5分・第二問は15分で回答することを標準と考えているようだ。しかし、筆者が考えるに、第一問の発音・アクセント問題は、考える問題ではなく(考えても得点に差異は出ない)瞬間的に解答すべきものであるから、多く見積もって、制限時間2分である。次に、第二問の文法・対話・語句整序問題は、文法問題(A)が10問5分、対話(B)が3問2分、語句整序問題(C)が3問3分で解けるように訓練すべきであろう。すると、55点分(第一問&第二問)の解答時間が12分で完了する。すると、第三問から第六問迄は、基本的に読ませる問題(トータルで約3500ワード)だが、それに68分かけられるのである。85wpmで読んだとしても、思考時間を25分以上確保できるので、かなり読むのが遅い生徒も対応できるのではないか。
さて、このことについて、生徒と話していて興味深いことに気がついた。それは、黙読する時、文字を音声化するか否かと言うことである。即ち、黙読する時、文字を音声に変換して理解する(本稿では、以下、「擬似音読」とする)か、それとも文字を文字としてそのまま理解する(以下、視読)かと言うことである。すると、日本語も英語も擬似音読する生徒と、日本語は視読するが英語は視読出来ず擬似音読する生徒に分かれた。言語の専門家ではないので、その原因等については言及しないが、擬似音読より視読のほうが遥かにスピードは出ると思われる。この点について、学校教育では日本語でも英語でも何ら言及も訓練をしていないのは何故なのかと思った次第である。
<金井教室>