なるほどの素

小中高校生のみなさんがよく理解できていないこと、今更質問しにくいことをいろいろな角度からまとめてあります。 若い教育者の方々の参考になればとも考えています。

中学地理・世界の鉱産資源と日本の輸入

鉱産資源に乏しい日本はその多くを輸入に頼っている。
代表的な鉱産資源の主要な産出国と輸入先を理解しておこう!

※Mineral Commodity Summaries 2017 の資料から
 最新のデータに一部改訂作業中。 


●原油の産出国と輸入先
 最近の数年間はロシアが世界1位であったが、
 2016年はわずかの差でサウジアラビアが1位。
原油_C 

原油はエネルギーとして、また石油化学製品の原料として重要な意味を持っている。

●原油の輸入先(日本が輸入)
原油入
※3位以下は年度によって順位が入れ替わることがある。

●原油の埋蔵量
「埋蔵量(まいぞうりょう)」とは、これから技術的・経済的に掘り出す事ができる資源の量のこと。
つまり、埋蔵量は減り続けるのではなく、新しく見つけられたり、少ない経費で掘り出す技術が開発されると、増えることがある。カナダの埋蔵量は、サンドオイルと呼ばれる、砂岩に含まれる原油を取り出すことができるようになったため、急増した。
また、ベネズエラでも、オリノコ川流域の重質油が加算されるようになったため、急増して、2013年以降のデータでは、サウジアラビアを追い越して1位に浮上している。
原油の埋蔵量は中東諸国の合計が全世界の半分になる。

    原油の埋蔵量が多い国々
石油埋蔵

●石炭の産出国と輸入先

  石炭は国内の炭鉱を閉鎖し、100%輸入に頼っている。
  最大の輸入先はオーストラリアで、輸入量の6割以上を占める。

       石炭の産出   
石炭14
石炭は火力発電所の燃料などの他、製鉄所で鉄鉱石から鉄を作るのにも使われる。

   石炭の輸入先
石炭入15

●鉄鉱石の産出国と輸入先

  鉄鉱石は経済発展が著しい中国が1位になっている。
【注】2007年までは、産出量はブラジルが1位だった。
  鉄鉱石の産出
鉄鉱石C

  ●鉄鉱石の輸入先
鉄入_C

●銅鉱石の産出国と輸入先
  銅は昔は日本国内で産出されたが、現在は100%輸入に頼っている。
銅鉱C
     銅鉱石の産出         銅鉱石の輸入先 

●銅鉱石(2015年の推計値)
銅鉱15
※  MINERAL COMMODITY SUMMARIES 2016 による資料。
銅は配線や電気製品の他、合金を作る材料としても多く利用される。


●金と銀
 金の産出も中国が1位。
金銀_C
        金の産出            銀の産出
金銀H
※Mineral Commodity Summaries 2016 から

●ボーキサイト
  ボーキサイトはアルミニウムの原料
ボーキサイトC
※Mineral Commodity Summaries 2017 から

●錫(すず)
スズ_C
※Mineral Commodity Summaries 2016 から

●天然ガスの生産
天然ガス
天然ガスの埋蔵量はロシアが世界で最も多い。
ロシアの天然ガス埋蔵量は世界の約4分の1を占める。

●天然ガスの輸入
 天然ガスは冷却し、液化した状態で船で運ばれてくる。
 輸送に便利な東南アジア、オーストラリアが中心
天然ガス入
    天然ガスの輸入先

天然ガスは主に都市ガスとして使用されている。

※さらに鉱産資源の最新のデータを見たい方のためには
    Mineral Commodity Summaries 2017 が
  あります。ただし、英語版です。

ここをクリック

※「粗鋼」の国別生産高の資料は World Steel Asssociation のHPで
  かなり新しく、詳しいデータが得られます。(ここをクリック)
    (こちらも英語版です)

●ウランの生産
ウラン13H
 ( *印は推計値)


資料は主に「世界国勢図会 2016/17」
     「日本国勢図会 2017/18」
     Mineral Commodity Summaries 2016
のデータに基づいています。

《関連記事》

   「レアメタル(希少金属)の産出高」(ここをクリック)

MKJ_BTN

=========================


中学地理・統計資料の見方/果物・野菜


★「日本国勢図会」(2016/17) および、農林水産省の統計からグラフや表を作成してあります。

※できる限り、農林水産省の統計から2015,2016年のデータに改訂してあります。
 
●リンゴ vs ミカン

よく出題されるのが、リンゴとミカン。これはすぐに分かると思いますが、
リンゴは寒い地方
で作られるのに対して、ミカンは暖かい地方で作られるというのが最も大きな違いです。そのことによって、生産量が多い県名も違っています。
リンゴは青森が全国の5割以上、長野を合わせると4分の3近くになります。
ミカンは以前は愛媛が一位でしたが、最近では和歌山-愛媛の順で定まっています。
ミカンリンゴC
      リンゴの生産量           ミカンの生産量 
※農林水産省統計より

リンゴの生産量は青森県が全国の半分以上。
 青森と長野県の合計は全国の70%以上を占める。
 また東北6県の合計も約75%に達する。
ミカンリンゴ

ミカンは九州7県の合計が全国の約3割になる。
九州ミカン
 九州7県のミカンの生産量と割合


●葡萄(ぶどう) vs 桃
 ぶどうと桃は山梨が1位なので、2位以下で判断します。
 ぶどうは長野-山形と続き1~3位の合計が全国の半分に届かないのに対し、
 桃は福島で判断。福島はほかの果物ではあまり名前が出てこない。
 山梨と福島の2県で全国の5割以上を占める。
     ぶどうの収穫量              桃の収穫量
ブドウモモ
(農林水産省統計から)

●梅 vs 桜桃(オウトウ=さくらんぼ)
 桜桃もよく出題されますが、これは基本問題。
 桜桃は山形、梅は和歌山が圧倒的に1位なので、これは常識として覚えておきましょう。
梅桜桃16
   桜桃の生産量             梅の生産量
(農林水産省統計から)

●いちご
ichigo
いちご
は九州だけで全国の約3割になる。

●日本なし vs びわ
千葉ナシ
(農林水産省統計から)

●レタス vs 白菜(はくさい)

  長野と茨城の両県が1・2位になるので、紛らわしくなりますが、
  レタスは長野が1位。3位、4位に群馬・兵庫と続く
  白菜は北海道を含め、関東以北がほとんど。
レタス白菜
     レタスの生産量           白菜の生産量

ハクサイは長野県が1位の年度もある。
  (農林水産省統計より)

●カンショとバレイショ
  甘藷(かんしょ)はサツマイモのこと、
  馬鈴薯(ばれいしょ)はジャガイモのこと。
  薩摩(さつま)の名前どおり、カンショは鹿児島県が約4割。
  他の農作物には向かないシラス台地などで栽培されている。
  バレイショは北海道で大規模に栽培されている。
イモ16
    カンショの生産量       バレイショの生産量

※農林水産省統計より

●愛知県の農作物
  キャベツは群馬県と愛知県の順位が入れ替わることがある。 
  愛知が1位で他が関東地方ならキャベツ
   菊は抑制栽培した電照菊が有名。また、気候の違いを利用して出荷時期をずらしている沖縄が2位に続く
キャベツCA
   キャベツの生産量  

キクC
       菊の出荷量

 
●その他の野菜  【2016年】
  (農林水産省の統計資料から)
キュウナス
トマピー

●農業全体の産出額をまとめると
  北海道以外では、東京近郊の茨城・千葉の農業産出額が大きい。
茨木農業
※「農林水産省・統計」により改訂。
 農業産出額には畜産関連も含まれます。

●野菜の産出額
野菜産15


【ポイント】
  *どの農産物がどのような気候に向いているかを考える。
  *1県が圧倒的に多い品目はそのまま覚える。
  *1位・2位がよく出てくる県名の品目は3位以下で判断する



MKJ_BTN
===========================

地理/熊本県の気候・産業

◆熊本県

  
面積7409k㎡
  人口=178万7千人 【2015年】

●県庁所在地=熊本市
  熊本市の人口=74万1千人 【2015年】

※2015年国勢調査(10月1日現在)



◆平成24年4月1日に熊本市が政令指定都市に!
 
 九州では北九州市・福岡市に次いで3番目、
  全国では20番目の政令都市になった。

熊本map


◆地形
 
沿岸部には菊池平野・熊本平野・八代平野があるが、
 東部は九州山地、南部は国見山地になっている。
 
わが国で代表的な火山・阿蘇山は熊本県内にある。

◆熊本の気候

  太平洋岸式気候で温暖湿潤
  
年間の降水量はあまり多くないが、梅雨の季節に多量の雨が降る。

熊本U

農業産出額は全国で6番目に多い。
農業産出14
(2013年は5番だった)
※農林水産省統計より


農業産出額の内、野菜産出額は西日本一、
全国でも4番目に多い。
熊本野菜

トマト
トマト28
なす  
ナス
※農林水産省・統計

●いちご
イチゴ九H
いちごの生産は九州の4県で約30%になる。

●ミカン
  みかんは九州の7県で全国の約3割を生産
  熊本県は全国で4位。
ミカンC


九州ミカン
※農林水産省・統計

●栗(くり)
kuri
※農林水産省統計より

●海苔(のり)の養殖
  九州の3県で全国の半分以上。
  有明海で養殖が行われている。
ノリ
 
◆九州の畜産業
  乳用牛・肉用牛の飼育数は次のとおり
牛熊本

◎たたみ表に使用されるい草の生産は全国の98%を占める。
イグサ_C

---------------------------------------
◆熊本の工業
熊本工14

《関連記事》

  九州7県の比較/人口・気候・産業(ここをクリック)
 


MKJ_BTN

=====================================

理科・アゲハ蝶の育て方

アゲハ蝶の中でも、最も代表的でよく見かけるのがナミアゲハです。
網で捕まえると、せっかくの羽を傷つけたりしますが、幼虫から
育てると、きれいな状態を見ることができます。
羽化してすぐは、指に止まったりしてくれるので、じっくりと観察する
ことができます。

AGEHA

●卵の見つけ方
  庭にミカンやカラタチの木を植えてあると、どこからともなくやってきて
  卵を産み付けます。
  家にそんな木がなければ、鉢植えの山椒(さんしょう)で育てることが
  できます。花屋さん(園芸店)で苗を売っているので買ってきましょう。
   っと言っても、必ず産卵に来てくれるわけではありません。
  そこで、苗を買ってくる時に、卵や幼虫が付いているものを探して 
  来ます。
  前もって花屋さんに、卵や幼虫が付いているものがあれば、残して
  おいてもらえるように頼んでおくのもいいでしょう。花屋さんにとっては、
  アゲハの幼虫は葉を食い荒らす“害虫”とも言えるので、よく知っている
  はずです。

★ナミアゲハの好む葉
  山椒の他、ミカン・カラタチ・グレープフルーツなどの柑橘(かんきつ)類
  レモンの葉も大好きです。
  数匹以上育てる場合は、山椒の葉はすぐに食べ尽くされてしまいます。


●ナミアゲハの産卵 
  (山椒の葉に卵を産み付けているところです)
AGEHA_S

●ナミアゲハの卵
 直径1mmくらいの卵を葉の裏側に産むことが多いが、
 葉の端や表に産むことも珍しくはない。
tamago
  [2017.4.18 産卵直後]

●ナミアゲハの幼虫
 卵から孵って数日は数mmの大きさでうっかりすると
 見落とすくらいです。
ageha0


  最初はこんなに黒い色をしています。
  この頃からすでに、触るとにゅ~っと黄色の角を
  出して、独特のにおいを放ちます。
   まだこの頃は食べる葉の量もさほど多くはありませんが、
  幼虫がたくさん居ると小さな苗では葉がすぐに足りなくなります。
  あまり多く居る時は、かわいそうだけど、間引きしなければ
  いけません。そうでないと、結局全滅してしまいますから。
   また、あまりたくさん居ると、どの幼虫がどれくらい成長したのか
  観察が難しくなります。
AGEHA0


●2cmほどになったところ。まだ黒い色をしています。
AGEHA2CM

●触ると、2本の角を出して威嚇し、独特の臭いを発します。
 少し離れていたら、人間にとっては別に刺激臭ではありません。
AGEHA_N



●ナミアゲハの幼虫
  やがて、きれいな黄緑色の幼虫に変身します。
  この頃から食欲が旺盛になり、葉をどんどん食べます。
  山椒の小さな苗では葉が足りなくなります。

木から離れてサナギになることがあります。
大きめの虫かごに入れて葉を絶やさないようにして飼育するのも
いいでしょう。
虫かごの壁面でさなぎになりますが、しっかりした枝を入れておいて
あげるのもいいでしょう。

※鳥のエサになってしまうことがあります。
 屋外で育てる時は、スズメ、ムクドリなどの鳥が来ないか
 気をつけましょう。

AGEHA1
急に、葉を食べなくなり、うろうろとし始めると、サナギになる
準備です。
枝でサナギになりますが、時には他の場所に移動して、
家の壁などでサナギになることもあります。

●サナギ

  サナギになってからでも、色の変化が見られるのでよく観察しましょう。

●サナギになったら、鉢植えなら、部屋の中に入れておくか、
 大きな網をかけておく方がいいでしょう。
 知らないうちに、羽化してどこかに飛んでいってしまいます。

sanagi


●下の写真はサナギの抜け殻です。
ageha_n


 ●羽化してすぐはあまり飛べないので、指に止まったりします。
ageha_4

★サナギの成長は日照時間とも関係がありそうです。
  天気と共に、日の出・日の入りの時刻も調べておくといいでしょう。
  



よく見かけるアゲハのなかまにキアゲハがあります。
成虫はナミアゲハと大変よく似ていますが、幼虫は下の写真のように
違っています。
キアゲハもほぼ同じように育てることができますが、ニンジンやパセリ
産卵します。
パセリの苗は花屋さんで売っているので、入手しやすいですね。
でも数匹育てるにはかなりの量の葉が必要になります。
早い目に苗を買ってきて育てておく必要があります。

特にサナギになる直前には、かなりの量の葉を食べるので、多い目に
葉を用意しておく必要があります。

kiageha2

●ニンジンの葉を食べるキアゲハの幼虫
kiageha1

ナミアゲハもキアゲハもきれいな蝶に成長したら、“記念撮影”をして
「元気でね~!」って放してあげましょう。
葉を用意しておいてあげると、また産卵に来ることもあります。


※ニンジンも育ててみよう!
 ニンジンも葉に近い部分を切って水に漬けておくと葉が出てきます。
 うまく葉が伸びたところで、土に埋めておくと根が出て成長します。
 上の写真のニンジンもその方法で育てたものです。
 次のページもご覧ください。

「自由研究のヒント/レポートの書き方」(ここをクリック)


【写真の撮り方】
 幼虫の成長の記録を残すために、写真を撮っておくと変化がよく分かります。
 レポートに添付することもできます。
  写真を撮る時に、ものさしを一緒に写しておくと、その大きさが一目で
 分かります。硬貨やお菓子の箱など、大きさがはっきりしたものでも
 かまいません。何もない場合は自分の指を一緒に写しておくのもいいで
 しょう。


  カゲロウの写真

KAGERO_1


《関連記事》

「ツマグロヒョウモンを育ててみよう」(ここからリンク)

MKJ_BTN

=====================================

国際学習到達度調査(PISA)に見る学力と言語体系の関係

「国際学習到達度調査」(PISA)【2012年】の国別の結果は
次のようになっています。
PISA_6H
※(朝日新聞の記事より)2014.4.2

◆最新追加データ◆
 同じくPISAの2015年に実施された調査の結果は次のとおり。
  (文部科学省・国立教育政策研究所 HPより)

 【数学的リテラシー】
 1.シンガポール
 2.香港 
 3.マカオ
 4.台湾
 5.日本
 6.北京・上海・江蘇・広東
 7.韓国

 8.スイス
 9.エストニア
 10.カナダ

 【科学的リテラシー】
 1.シンガポール
 2.日本 
 3.エストニア
 4.台湾
 5.フィンランド
 6.マカオ

 7.カナダ
 8.ベトナム
 9.香港
 10.北京・上海・江蘇・広東
 11.韓国 
※2015年調査からはコンピューター使用型調査に移行した
 ことによる順位の変化も考えられる。
※中国の上海だけから北京・上海・江蘇・広東の4地域に
 広がったことによる順位の下降が考えられる。


上のデータから何を読み取るかは、いろいろな視点からできるものですが、
私見では言語体系による違いが大きいのではないかと考えています。

上記のデータで一目瞭然なのは、ヨーロッパ言語の国が1つも6位以内に入っていないということです。
青色で太字の国は中国語・日本語・韓国語が主な公用語になっている国です。

まず、シンガポールは中国系の人口が多く、英語と共に中国語が
公用語になっています。
Data Book of The World 2015 によるとシンガポールの人種別の
人口比は次のようになっています。
SINGA

ここで特筆すべきは、フィンランドとエストニアです。
位置的にはヨーロッパなのですが、フィンランド語はウラル語族の系列に属し、
エストニア語もフィンランド語に近く、他のインド・ヨーロッパ語と異なっているということです。

特に重要なのは、数の表現です。中国語・日本語・韓国語は数表現が十進法になっています。
ベトナム語もやはり十進法、そしてフィンランド語・エストニア語は11~19に於いて十の位と一の位が逆になりますが、それ以外はやはり十進法になっています。
それに対し、英語やフランス語では十進法にはなっていません。
 英仏数字

日本語の感覚から言えば、11は ten-one のはずなのですが、そうはならない。
特にフランス語では91が 4×20+11 (quatre-vingt-onze) というかなり複雑な表現になります。
ドイツ語も21位以上は十の位と一の位が逆になります。
※スイス、カナダの一部で使用されているフランス語では元のフランス語
 とは違って、70,80,90それぞれ別の表現を用いているようです。  
 スイス、カナダが上位に入っていることと無関係
ではないのでは?

一方、日本語では、かなり大きな数字になっても、
 65321=6×万+5×千+3×百+2×十+1 という発想で数を読みます。
これらの違いが数的な学習には大きな影響を及ぼすのではないかと予想できます。

また、分数は中国語・日本語・韓国語では分母→分子の順に言うのに対し、
インド・ヨーロッパ言語では、分子→分母の順に言い、しかも分母は序数を使い、
単数と複数の区別もするという複雑なことになります。
分数に関しては、フィンランド語・エストニア語も私が調べた限りでは(英語などと同じように)分子→分母の順に言い、分母には序数を用いるようです。

たとえば、2/3(3分の2)の場合、日本語で「3分の・・・」と言った時点で3分割したイメージを描くことができ、「・・・2」といい終わった時点で3分割したものを2つ取り出すというイメージの作業が行われます。
ところが、英語で two thirds の場合、"two ・・・" と聞いた時点ではまだ大きさも分からずイメージが描きにくい。"・・・thirds"と聞き終わった時点で初めてその2個は実は3分割した大きさのものだったということになります。
さらに 5/12を five twelfths というのは、native speaker でも発音しづらく、子供にとってはなおさらです。つまり、学習の段階でストレスを感じてしまうのではないかと考えられます。

【漢字の有用性?】
数だけでなく、読解力一般について言えることですが、中国語・日本語とその他の言語との大きな違いは、表意文字かそうでないかです。
漢字はそれぞれの文字が意味を表しているので、一度習得すれば、意味の理解が早くできるという利点があります。
たとえば、数字の「 - 」という区別も一目で理解できますが、英語では large - small と表現することになります。アルファベットのような表音文字は一つ一つの文字が意味を表していないからです。
さらに、数学の図形の学習においては、漢字文化圏では「円O」「角ABC」「弧AB」のように簡潔に表すことができるのに対し、アルファベットのように、文字の種類が少ない場合は、circle, angle, arc のように表さざるを得なくなり、それでも同じような文字が並んで読みづらくなります。
そのため、高校数学のようになるとギリシャ文字を借りてきたり特殊な記号を約束事として使用することになります。
さらにもっと基本的な数の表現と読み方にしても、漢字を使用することによって、
「十・百・千 ・万・億・兆・・・」と一文字で単位を表すことができ、発音も1音節に近い2~3音節で済まされます。これに対して、英語では hundred, thousand,  million ・・・と小学生ならつづりを間違いそうな複雑な表現が必要になります。
このように、漢字の利点による読解力やリテラシーについては研究の余地があるかと思われます。
実際に、表意文字である漢字が各科目での理解に有用であるとすれば、漢字教育についてのあり方も再考する必要があると考えられるからです。

以上のように見てくると、PISAのデータを分析して、教育政策や学習方法を考える際には言語体系による違いを考慮する必要があるのではないかということです。

もちろん、言語体系を変えるということは非現実的でその必要もありませんが、教育政策の中に言語体系の違いを踏まえた上でどのように反映させるか。
もし、不利な点があるのであれば、それをどのように克服するかという視点が必要なのではないかと考えています。
そして、日本の場合には、そのような利点があるのであれば、それを更に利用し伸ばす方向を考慮すればいいのではないでしょうか。
PISAが対象としているサンプリング数や生徒の層がどのようになっているのかは定かではありません。
もし、言語体系による違いに助けられて、日本が高順位にあるとしたら、検査方法によっては急に順位が下がってしまうことがありうる訳です。
PISAの問題自体が中国語・日本語・韓国語に有利な傾向にあるのかも知れない
そのことも踏まえて、PISAのデータを分析し、今後の教育政策を考えて行く必要があるのではないでしょうか。

もう一点、気になるのは、上位になる国々の共通点として、外国人労働者が少ない国だといいうことです。
アメリカ合衆国・イギリス・ドイツのように外国人労働者の率が高い国は上位に入ってこないという傾向も見られます。日本も人口減少によって、外国人労働者に頼る必要が出てきたときの教育の問題が考えられます。
が、ここでは少し主題が異なりますので、別の機会に譲りたいと思います。

【ノーベル賞】
 一方で、ノーベル賞受賞者の数は、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスに
 比べ、日本、中国、韓国が圧倒的に少ないのは、一つの原因として言語の
 違いにあるとも考えられます。

★結論として最も念頭に置いておかなければいけないことは、PISAの結果データから安易に東アジアの教育が特別に優れているとか、人種的に優位にあるというような間違った判断をしてはいけないということです。

私自身、すべての言語に熟知している訳ではありませんので、間違いがあるかも知れません。
他の言語、特にフィンランド語・エストニア語に詳しい方がおられましたら、ご意見・ご指摘もいただきたいと思っています。

また、PISAの問題がそれぞれの国の言語に翻訳されたものを読んだわけでもありませんので、その翻訳の違いによる影響の大きさについて分析した訳でもないことをお断りしておきます。


MKJ_BTN

================================
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ