小学校でも、酸性では青色リトマス紙が赤色に変わり、
アルカリ性では赤色リトマス紙が青色に変わることを習ったでしょう。

では、酸性とは何か、アルカリ性とは何かを説明しようとすると、
中学1年生くらいまでは、
酸性=「酸っぱいもの」、アルカリ性=「苦いもの」くらいの説明しかできません。

そこで、イオンの学習をした後は、イオンが酸性・アルカリ性を示すことに
関係していることが分かってきます。
それを確かめるための実験です。

まず、次のような装置を準備します。
めがねクリップではさんだろ紙には、
硝酸カリウムまたは硫酸ナトリウムを浸み込ませておきます。
これは、電流を通しやすくするためです。

イオンろ紙

上の装置の右側を+極、左側を-極にして電流を流す。
  (20V程度の直流電流)

【注意!】
 電流を流している間は、めがねクリップなど装置に直接触らないように
 する。


【うすい塩酸の場合】 (酸性)
 塩酸は塩化水素が水に溶けたときに、下の図のように、
 水素イオン(H)と塩化物イオン(Cl)に分かれた状態になっています。
HCLイオン

塩酸をしみこませた糸、またはろ紙を下の図のように、
2枚のリトマス紙を横切るように置き、電流を流します。

●電流を流し始めてしばらくすると、
 青色リトマス紙の-極に近い側だけが赤色に変化します。
イオンHCL1

●これをイオンの移動で考えてみると、
 塩酸から出た水素イオン(H)が-極
          塩素イオン(Cl)が+極に 引かれました。

その結果、水素イオンだけが、青色リトマス紙を赤色に
変化させたことが分かります。
このことから、酸性を示すのは水素イオンに関係していることが分かります。

イオンHCL2
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【水酸化ナトリウムの場合】 (アルカリ性)
 水酸化ナトリウムは水に溶けたときに、下の図のように、
 ナトリウムイオン(Na)と水酸化物イオン(OH)に
 分かれた状態になっています。

NAOHイオン

水酸化ナトリウムをしみこませた糸、またはろ紙を下の図のように、
2枚のリトマス紙を横切るように置き、電流を流します。

●電流を流し始めてしばらくすると、
 赤色リトマス紙の+極に近い側だけが青色に変化します。
イオンNAOH1
●これをイオンの移動で考えてみると、
 水酸化ナトリウムから出たナトリウムイオン(Na)が-極
          水酸化物イオン(OH)が+極に 引かれました。

その結果、水酸化物イオンだけが、赤色リトマス紙を青色に
変化させたことが分かります。
このことから、
   アルカリ性を示すのは水酸化物イオンに関係している
ことが分かります。
イオンNAOH2

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では、本当に理解できているか確認してみましょう。

{確認問題}
下図のように、硝酸カリウムをしみこませたろ紙の両端を
金属製のクリップではさみ、ろ紙の上に青色と赤色の
リトマス紙を置いた。次にうすい塩酸をしみこませた糸を
2枚のリトマス紙の上に置いて電流を流した。

① 色が変化するのは、リトマス紙のア~エのどの部分か
イオン移動M

【答】
 うっかり、「ア」と答えた人は間違いです。
 今度は最初の説明の場合とは、陽極と陰極、青色と赤色の
 リトマス紙の位置が逆に入れ替わっています。
 水素イオン(H)は陰極に引かれて、青色リトマス紙を
 赤色に変えますから、正解は「エ」です。
 問題を解く時は、陽極・陰極の位置もしっかりと確かめましょう!

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【pH試験紙を使用した実験】
  リトマス紙の代わりに緑色のph試験紙を利用した実験で
  出題されることがありますが、基本的には上で見た
  リトマス紙の場合と考え方は同じです。
ph移動

◆うすい塩酸の場合、水素イオン(H)が陰極に引かれ、
 pH試験紙の陰極に近い方が赤色に変わる

◆うすい水酸化ナトリウムの場合、水酸化物イオン(OH)が
 陽極に引かれ、
 pH試験紙の陽極に近い方が青色に変わる

ということです。

◆それぞれのイオンが移動する方向と、
  リトマス紙の色が変化する部分をしっかりと理解しておきましょう!


MKJ_BTN

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