塩酸、硫酸、酢酸、硝酸のように「~酸」と付き、
水素イオン(H)を生じるものを酸。
水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムのように、
「水酸化~」が付き、水酸化物イオン(OH)を生じるものが
アルカリ性。
ということはなんとか理解できるでしょう。
まだ習ってなかった人は、そう理解してください。

では、二酸化炭素(CO2)は水素(H)がないのに酸性、
アンモニア(NH3)はOHがないのにアルカリ性を示すのはなぜでしょうか?

酸性、アルカリ性というのは、水に溶けたときの状態で判断します。
したがって、二酸化炭素、アンモニアのような気体のままでは考えません。

※高校の化学では、水溶液中のオキソニウムイオン(H3)によって
  酸の性質が現れることを学びますが、中学校理科では簡単に
  水素イオン(H)によると理解していいでしょう。

----------------------

まず、二酸化炭素を水に溶かした時の電離式を考えてみましょう。SODA
すると、
 CO2 + H2O   → HCO3 H  
 のように、水素イオン(H)ができあがっているのです。
 この水素イオンが酸性を示すわけです。
 二酸化炭素が水に溶けた H2CO3 を炭酸
 と言い、やはり酸性のなかまです。

 炭酸水炭酸飲料という言葉はよく聞きますね。
 
  サイダーやコーラのあのスカッとした感じも
 炭酸水のおかげです。

●気体の二酸化炭素を「炭酸ガス」とも言います。
---------------------------------

次に、アンモニアを水に溶かした時の電離式を考えてみましょう。
すると、
   NH3 + H2O   →  NH + OH
 のように、アンモニウムイオン(NH4)と水酸化物イオン(OH 
 の状態になっているのです。
 この水酸化物イオンがアルカリ性を示すわけです。

------------------

では、少し難しいですが、さらに炭酸ナトリウム(NaCO)が
なぜアルカリ性を示すのかも考えてみましょう。
炭酸ナトリウムは炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)を加熱した時に残る白い
粉末状の固体です。

中学生の範囲を少し超えているでしょうが、なぜかなと疑問に
思った人のために説明しておきましょう。

炭酸ナトリウムは炭酸水素ナトリウムよりも水に溶けやすく、
水に溶けるとアルカリ性を示します。

まず炭酸ナトリウムは水に溶けると次のように電離します。
   Na2CO3   →  2Na + CO3

このCO3は水(H2O)からHを奪う力が強いために、
     CO3 + H2O   →  HCO3+ OH

となって、やはり水酸化物イオン(OH)が生じます。
このために、アルカリ性を示します。

 HCO3は炭酸水素イオンという1価の陰イオン

パンやホットケーキなどをふっくらと焼き上げるための
ベーキングパウダーは炭酸水素ナトリウムだということを
知っている人も多いと思います。
しかし、炭酸ナトリウムができてしまって、アルカリ性がパンの味
を損ねてしまいます。
それで、ベーキングパウダーは純粋な炭酸水素ナトリウムではなく、
アルカリ性を中和するための酒石酸などが含まれています。

---------

◆酢酸(さくさん)の電離式
   酢酸の化学式は CH3COOH です。
   酢酸が水に溶けた時の電離式は
     CH3COOH →  CH3COO+ H
   となり、やはりHが酸性を示すことになります。

***********************************

◆この記事を見てもらっている方が高校生でしたら、
 「水に溶かした時に電離してオキソニウムイオンを生じるような化合物を
  酸という。」という定義も理解しておくといいでしょう。オキソ


水素イオンが酸性を、水酸化物イオンがアルカリ性を示すことの
実験については、次の記事を参考にしてください。





MKJ_BTN
================================