なるほどの素

小中高校生のみなさんがよく理解できていないこと、今更質問しにくいことをいろいろな角度からまとめてあります。 若い教育者の方々の参考になればとも考えています。

2013年09月

英語/「木の上」は in the tree でいいか?

 The bird is singing in the tree. という英語の例文をよく見かけます。
これを日本語にすると、
「鳥が木の中で鳴いている。」 でも差し支えないでしょうが、
本来の日本語の感覚で言うと、
「鳥が木の上で鳴いている。」の方が正しいでしょう。

「木の中」と言うと、幹に穴をあけて巣を作っている鳥のようにも理解できます。
この違いは、英語と日本語の tree の概念の違いによるものです。

日本語で「木の上」と言う場合、枝の上に居る鳥をイメージします。
ところが英語の tree は枝だけでなく葉も茂った様子をイメージします。
したがって葉に覆われた「樹木の中」という考え方です。

結論として、「鳥が木の上で鳴いている。」を英語にする時には
 in the tree を使うのが正しいということになります。
( on the tree とはしない)

There are some birds in the tree.
Can you see that little bird in the tree?

も同様です。

Some small birds were singing in the trees.
 「小鳥が木々の間で鳴いている。」
のように tree の複数形でも使えます。

「鳥が梢(こずえ)で鳴いている。」も
The birds are singing in the treetops.
のように、やはり in を用います。

啄木鳥(きつつき)の類が樹木の幹の穴に巣を作る場合は、
The woodpeckers nest in tree cavities.
と言うことになります。

木に止まっているのではなく、「木の上を飛んでいる」時には
移動する意味が含まれるので、
 Some birds are flying over the tree.
とするのがよいでしょう。

on the tree
   一方で on the tree という表現ももちろんあります。
   in the tree の方が葉で見え隠れしているのに対し、 
   on the tree の方は枝に止まっていたり、付いていたりするのが
   はっきりと見えているニュアンスになります。
    I can see a cat on the tree.
          The apples are on the tree.


さらに、「枝」の意味の branch を使う場合は、
a bird sitting on a branch=「枝にとまっている鳥」
のように前置詞は on になります。

yamaga1

【まとめ】
つまり、日本語の「木」と英語の "wood" の概念が完全にイコールではないということです。
「木」は幹や枝のイメージが強いのに対し、wood は茂った葉も含めた全体のイメージが強いということでしょう。
これに似た例として、「山」と mountain があります。
「山火事」は英語では forest fire または wild fire になります。
岩や石が燃えるわけではなく、表面の植物などが燃えることから forest fire の方が正確なようにも思えます。
ただ、日本語では「山に入る」というように、そこに生えている樹木も含めて「山」という概念があるからでしょう。


小鳥が主語の場合は sing は「歌う」よりも「鳴く」や「さえずる」で
いいのですが、短く高い小鳥の声は、 chirp や  tweet も使われます。



《関連記事》

「tree, wood, forest の違い」(ここをクリック)


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「アメリカの小学生が学ぶ歴史教科書」留学する前に読む本

「アメリカの小学生が学ぶ歴史教科書」(発行=ジャパンブック)

将来、アメリカに留学したいと考えている人は必読の書です。
留学をして困るのが、やはりその国の地理と歴史。数学や理科は日本で学んだことが役に立つが、歴史はその国の人間なら誰でも知っているようなことが全く知らない状態になっている。

留学をするつもりがなくっても、アメリカ人が教育によってどのように世界観を作り上げていくかを知る参考にもなります。

日本でなら聖徳太子や德川家康のように小学生でも知っていることが、アメリカの同様な人物を日本の教科書では知ることができません。
George Washington や Abraham Lincoln なら知っていると言う人も多いことでしょう。
では、次のような人物を何人知っていますか。また、何をした人か知っていますか?
 (赤字は女性です)
Betsy Ross, Paul Revere,James Monroe, David Crockett, Robert Lee, U. S. Grant,
Rosa Parks
この他にも歴史上重要な役割を果たした歴代大統領は多くの人が知っています。
高校生にとっては世界史の学習の助けにもなるでしょう。

この本はヨーロッパ人による新大陸発見以前の土着原住民の歴史から始まり、
1976年の200年祭までの歴史を詳しく紹介してくれています。
中学生の英語文法でほぼ読める文章です。単語はかなり調べなければいけないが、日本語の対訳が付いているので日本語だけで読むこともできます。
しかし、できるだけ英語のまま読むことをお薦めします。文章が分かりにくい所は日本語対訳と両方を読むという進め方がいいと思われます。

常識的な人名・地名(固有名詞)は比喩的に使われることもあるので、知っておかないとその比喩の本来の意味が理解できないこともあります。

各州の位置など地理は必要に応じて覚える機会が多いでしょうが、地図帳を横に置いておおよその位置を確認しながら読むとなお好いでしょう。

◆英語の listening がスムーズになる。

 英語に限らず、外国語を聞くときに意外につまづくのが固有名詞です。
 stone wall  って石垣のこと?それにしては文の流れがよく理解できない。
  Stonewall (Jackson)は人名だということを知っておれば、そのような詰まり方はせずに全体の流れを理解することができます。地名についても同じようなことが言えます。

◆生活に根づいている歴史的人物
 歴史上の人物名は、地名や施設・建築物に残されていることがよくあります。
 また、アメリカの紙幣や硬貨にも歴史上の人物が描かれています。
        (2ドル札に描かれた Thomas Jefferson )
JEFERSON

◆太平洋戦争でアメリカと日本は戦った
  今でこそ、日本にとってアメリカは最も親しい国になってはいるが、
  約70年前には戦争でお互いに多くの犠牲者が出たという歴史的な
  事実があります。
   それをアメリカ側から見た時、どのように小学生に教えているのかも
  分かります。少なくとも、この本では当時の日本は中国・朝鮮などアジアの
  国への“侵略者”として教えています。また、広島・長崎への原爆投下について
  もアメリカ国民の犠牲者を少なくするためにはやむをえなかったという位置
  づけをしています。小学校で習うものの見方はおとなになっても、そのまま
  “常識”になってしまうことが多いのです。
  この本を読みながらそんなことも考えさせられます。

●歴史と英語の両方の学習のためにも、このような本を利用することをお薦めします。


《参考図書》
 
さらに高校生レベルの英語力が必要になりますが、
 "A Short History of America(アメリカ史)"
  by Coen Nishiumi(西海コエン)
   発行=IBCパブリッシング 
  もアメリカの歴史の学習にとても参考になります。
   定価=1,000円+税

《関連記事》







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地理/ニュージーランドの気候と産業

●面積=約26.8万k㎡
(日本の本州だけの面積(約23万k㎡)より少し大きい程度)

●人口=約519万人 【2022年】
 東京都の人口(1403万人)の約3分の1。
 人口よりも羊(2980万頭)の方がはるかに多い。

●先住民=マオリ族


●立憲君主国

 議会=一院制  
 首相=クリス・ヒプキンス(2023年1月~)

NZMAP


●国旗=南半球で見られる南十字星をデザインにしてある。
NZ_F
◆時差=首都ウェリントンの東経が約175度。
     日本より3時間早い。
  (日本の正午=ウェリントンの午後3時)

◆通貨=ニュージーランドドル
     
【歴史】
 1642年 オランダのアベル・タスマンが発見
 1769年 イギリスの探検家ジェームズ・クックが上陸
 19世紀中ごろからイギリス人が入植
 1840年 マオリ人代表とワイタンギ条約を締結してイギリス主権下になる。

●気候
ニュージーランドは南半球にあるため、
北島と南島のほとんどが南緯35°~45°の間にあり、日本とほぼ同じ緯度にある。
日本とは季節がちょうど逆になるが、日本とよく似た気候になる。
南に行くほど、赤道から離れるため、寒い気候になる。
夏と冬との気温差が少なく、ほぼ全土が西岸海洋性気候

●ウェリントンの気候
WELINTON

●地形も日本に類似した点がある。
 最高峰のクック山(3,724m)=(富士山=3,776m)とほぼ同じ高さ。
 北島にも2000m以上の山があり、活火山もある。

【産業】
牧畜や酪農が中心
   ●酪農製品の生産量
牛乳nz

●人口が少ないので、生産された牛肉の多くが輸出される。
牛肉出
※年度によって順位の入れ替わりがある。


●貿易の主な相手国
相手国nz

●品目別の貿易額
貿易nz

◆日本とニュージーランドの貿易品目
貿易nz
※日本が輸入しているのは食料品関係が多い。
※日本と同じ同じように、車は左側通行なので、日本製の
 右ハンドルの自動車がそのまま利用できる。

 

◆羊毛の生産と貿易
羊毛18
    羊毛の生産           日本が羊毛を輸入している相手国

※最新データ
●羊毛(洗上羊毛量)
羊毛


●羊肉の生産
羊肉
※FAOSTAT統計より

**********************
◆通貨=ニュージーランドドル
    1NZ$ が約92.6円 (2024年2月21現在)
nzdol
紙幣は合成樹脂を使用したポリマー紙幣。

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中学英語/tree, wood, forest の違い

まず、「木」の意味で用いられる tree wood の違いについて考えてみましょう。

tree は比較的伸びた幹に枝や葉が付いた状態のものを言います。
特に地面に根が張って、しっかりと立っている状態の木は tree で、
日本語の「樹木」が最もニュアンスが近いでしょう。
 pine tree =松の木、 cherry tree =桜の木


 Christmas tree
は枝葉が付いた状態なので、Christmas wood とは言いませんね。
xmastree

これに対し、wood は材質としての「木材」の意味で用いられます。
 したがって、「この箱は木ででてきている。」という表現では
 This box is made of wood. が正しく、
 ×   This box is made of tree.  は間違いです。
また、この場合の wood は不可算名詞として用いられるので、
単数形になります。

逆に「家の前に大きな木がある。」という時には;
   There is a big tree in front of the house.  となり、
wood は使いません。

ところでこの tree は幹が伸びて、地面から少し離れた所から
枝が出ているものを指します。
根元付近から多くの枝が出ているものは、bush shrub と呼びます。
したがって、バラの木は rose bush と言います。

bush は複数の低木が植わっている“茂み”の意味でも用いられます

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材質を表す wood の意味では
wooden という形容詞があり、wooden product =木製品
のように使われます。

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◆「森」の意味の wood と forest の区別

もう一つ、wood には「森」の意味にも使われます。
そこで、wood forest の違いについても考えておきましょう。
「森」の意味では複数形の woods で使われることが多い。

wood (woods) は植林や伐採など、人間の手が加わっているものを
指すのに対し、forest は、ほとんど人間の手が加わっていない、自然の
ままの「森、森林」
の意味に使われます。規模も wood(s) より大きく、
自然の動物が住んでいる状態のものに使われます。

ちなみに、「熱帯雨林」は rain forest と言います。


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「"木の上"は in the tree でいいか?」(ここをクリック)

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