浮沈子(ふちんし)の実験は自由研究の本やウェブサイトでも見かけます。
しかし、ただ単に浮沈子がうまく浮いたとか沈んだだけでは、理科の研究と
してはもの足りないですね。これだけでは、レポートもいいものが書けません。
そこで、その応用編を考えてみましょう。

「パスカルの原理」と「アルキメデスの原理」の両方の学習につながります。

《アルキメデスの原理》


「流体中の物体は、その物体が押しのけた流体の重さと同じ大きさの浮力を受ける。」
流体ということばが分かりにくいかも知れません。
浮沈子の実験では、液体だけが対象になるので、上の表現は;
「液体中の物体は、その物体が押しのけた液体の重さと同じ大きさの浮力を受ける。」
と考えていいでしょう。

まずよく行われる一般的な浮沈子の実験からです。

◆基本実験1◆

【用意するもの】
 ペットボトル(1.5Lか2.0Lのもの)・・・1本
 たれびん                ・・・1個
 ねじ                   ・・・数本
 コップ(高さ10cmくらい)      ・・・1個

※ペットボトルはお茶やジュースのやや薄いものよりも、
 炭酸飲料の丸い形をして、模様の少ないものの方が適しています。

※ねじはおもりにできるもので、短い釘などでもかまいません。
  長期間使う場合には、水に濡れてもさびにくいものを利用しましょう。

※コップは浮沈子(たれびん)が適当な重さになっているかを確かめる
 ために、水に入れて確かめるときに使います。
 やや口が広いものの方が出し入れに便利です。
  洗面器などに水を入れて、試してもかまいません。

タレビン

この浮沈子の解説の本やウェブサイトでは、なぜか魚の形をしたたれびん
での説明が多いようです。最近はこの魚の形をした醤油のたれびん
あまり見かけない(袋状にしたものが多くなっている)ので、今回は、
スーパーで売っている6mLの角型のたれびんを利用しました。
 (8本入りで100円前後)
これくらいの大きさの方が重さの調節もしやすいようです。

重さを調節する時に、おもりとなるねじだけでは微妙な調整が難しいので、
たれびんの中に水を少し入れます。この水と空気の量を少しずつ変化
させると、ちょうど適度に水に浮くように微妙な調整が楽になります。

cup1



futin1

この状態で、ペットボトルを手で押さえると、浮沈子は静かに沈んで
行きます。

※ペットボトルのキャップをしっかりと閉めておくのを忘れないように!


※強く押してもうまく沈まない場合は、浮沈子が軽すぎる可能性があります。
  重さを調節しなおす必要があります。



以上が、よくある基本的な実験です。
さて、これだけではおもしろくないので、次の実験に進みます。

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◆応用実験1◆ (食塩)
【準備するもの】
  上の基本実験1の場合とほぼ同じ。
  + 食塩を用意する。
  (箱に入ったクッキングソルトが注ぎ入れる時に便利)
salt

 上の基本実験1の場合より、浮沈子を水の密度より少しだけ大きくする。
 最初にコップで静かに浮沈子が沈む程度に調節します。
 浮沈子をペットボトルに入れたら、ゆっくりと沈むことを確認します。
 (あまり急激に沈むようであれば、重過ぎます。)

 ペットボトルに静かに食塩を注いでいきます。
 時々ペットボトルを振って、食塩がよく水に溶けるようにします。
 やがて、浮沈子が静かに上に浮いてくるはずです。
 浮いて来ない場合は、食塩の量が足りないので、さらに注いでください。

●浮沈子が水面に浮かぶようになったら食塩を入れるのを止める。
 この状態で、基本実験1と同じように、ペットボトルを押さえると、
 浮沈子が沈むことが確認できます。

※食塩水以外の水溶液で試してみるのもいいかも知れません。

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◆応用実験2◆ (食用油)
【準備するもの】
  上の基本実験1の場合とほぼ同じ。
  + 食用油(またはアルコール)を用意する。

浮沈子を【基本実験1】と同じように水の密度より少しだけ小さくして、
まず水だけで試します。
この時、水の量を【基本実験1】の80~90%くらいにしておきます。
浮沈子が水の表面に少しだけ出ることを確認できたら、
静かに食用油を注ぎ込みます。

食用油の比重(密度)は0.91前後です。
futin2
食用油は水よりも密度が小さいので、水の上に溜まります。
すると、浮沈子は水と食用油の間で止まります。

●このことから、この浮沈子の密度は;
   0.91<浮沈子の密度<1.00
 であることが分かります。

※一度、食用油を入れると、ペットボトルの中を洗うのは大変なので、
 基本実験や応用実験1も同時に行う場合は、複数のペットボトルや
 たれびんを用意しておく方がよいでしょう。


《付録》
 実験が終わったら、上の写真のように、食用油と水が分離した状態で、
 食塩をざざ~っと 注ぎ込むと、少しおもしろい現象が起こります。
 試してみてください。



食用油の代わりにアルコールを入れると、水との境界が分からないために、
水の途中で止まっているようにも見えるおもしろさがあります。

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以上のような実験の結果の理由や考察はあえて省略しますから、
自分で考えてレポートをまとめてみましょう。

レポートの書き方については、次の記事を参考にしてください。

「自由研究のヒント/レポートの書き方」(ここをクリック)


《関連記事》

「水に浮く金属(表面張力の自由研究)」(ここをクリック)

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