【2017年の金星の概略】
  3月23日の内合までは、太陽より東側にあり、「宵の明星」として
  見られる。
   年末の離角が約2° で、2017年には外合は起こらない。
   ☆宵の明星
     東方最大離角=1月12日 (E47°)
     最大光度=2月17日(-4.6等)
 ☆明けの明星
     西方最大離角=6月3日 ( W46°)   
     最大光度=4月30日(-4.5等)

●月・主な惑星との接近
   1月 2日   月の南 (1° 54′ )
   1月31日   月の北 (4° 04′ )
   5月22日   月の北 (2° 23′ ) 
   6月21日   月の北 (2° 22′ ) 

   7月21日   月の北 (2° 44′ )
   8月19日   月の北 (2° 15′ )
   9月18日   月の北 (0° 33′ )
  10月 5日   火星の北(0° 13′ )
  10月18日   月の南 (1° 58′ )
  11月13日   木星の北 (0° 17′ )
  11月17日   月の南 (3° 57′ )
※9月18日は日本では星食(金星が月に隠れる)は
 見られないが、かなり接近して見える。


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地球から見られる天体の中では、太陽と月に次いで明るく見えるのが
金星です。夕方、「一番星見つけた!」と言われるのはほとんどの場合、
金星のことです。

最大光輝(最も明るい時)は-4.5等星にもなります。
これは、通常の1等星の100倍以上の明るさです。
等級100
金星と地球の距離は変わるので、その明るさも変化して見えます。
しかし、地球から最も遠く離れた時でも-3.9等星くらいの明るさが
あります。

つまり、地球と金星が最も近づいた時には約4千万kmの距離にある
のに対し、最も離れた時には約2億6千万kmになり、遠い時は近い時
の6倍以上になります。
このために、金星は大きさと明るさが変化して見えます。

【内合と外合】

地球から惑星を見た時に、その惑星が太陽と同じ方向にある時を
「合(ごう)」と言います。内惑星(水星・金星)の場合は、内合と外合の
2種類の状態があります。
言い換えると、地球から最も遠い位置にある時が外合、
地球に最も近い位置にある時が内合ということになります。
合の前後の時期は、金星が昼間、太陽の近くにあり一緒に移動している
ため、地球からは見えません。

※地球も太陽の周りを公転しているが、分かり易く地球を止めて考えます。
VENUS_ANI

【最大離角】
地球から見て、太陽と金星の間にできる角度を離角(りかく)といい、
太陽より東に見える時を東方離角、西に見える時を西方離角と言います。
どちらの場合も、最も離角が大きくなった時、約45°になります。
●太陽-金星-地球の角度が直角(90°)になる時が最大離角で、
 地球からは金星が半月状に見えます。

【最大光輝】
 金星が最も明るく見えるのは、半月状の時ではなく、少し三日月形に
欠けた状態の時なのです。
三日月形の方が半月状の時よりも、地球に近いために、見える面積が
大きくなることと、光の明るさは距離の2乗に反比例するためです。

◆「宵の明星」から「明けの明星」へ

 2017年の1月には、2016年末から引き続き「宵の明星」
 として日没後、西の空に見られています。
 3月23日の内合の後、「明けの明星」に変わります。
 明るさが格別に際立つのはやはり「明けの明星」です。
 日没後はまだ人間が活動しているために、街の照明で空が明るい。
 また、排気ガスなども多いのでしょう。
 それに対し、夜明け前の4~5時というのは、街の照明も少なく、
 活動している人間が少ないからでしょう。さらに、雨がほこりを落として
 くれた後、少し風が吹いているような時は最高です。
 4月初旬はまだ太陽との角度が小さいため、日の出前に見られる時間
 が限られていますが、4月下旬以降は長い時間、見ることができます。
【会合周期】
  内合から内合、 外合から外合のように、地球との位置関係が元の
  状態にまで戻るのにどれだけかかるかというのを会合周期と言います。
  地球から見た金星の会合周期は約584日。
  (2017年は外合がなく、2018年1月初めになります。)

《参考》
【金星の日面通過】 (撮影=2012年6月6日12:30頃)
kinsei2ka
金星が太陽の前を通過した時の写真です。
 (太陽上部の黒い点が金星)
太陽と金星の大きさの違いがよく分かります。

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数値だけでは分かりにくいかも知れませんので、グラフにしてみると
次のようになります。
離角(太陽から離れて見える角度)と明るさには少しズレが
あることが分かります。

●明るさ(等級)の変化
VENUS17


《関連記事》

「人工衛星を見つけて天体の学習をしよう」(ここをクリック)


参考文献
  「天文年鑑 2016」(誠文堂新光社)
  「天文年鑑 2017」(誠文堂新光社)

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