なるほどの素

小中高校生のみなさんがよく理解できていないこと、今更質問しにくいことをいろいろな角度からまとめてあります。 若い教育者の方々の参考になればとも考えています。

比較級

英語・than が付かない比較級の文

比較級の文で、
 My brother is taller than I.
 Taro can swim better than you.

のように than を含んだ文に慣れていると、
   That mountain is higher.
 You should run faster.

のような than を含まない文がなんだか不完全に思えてくるかも
知れませんが、これも立派な比較級の文です。
than 以下は比べるもの(物・人)を明確にするために付いていますが、
 ●前後関係から比べるものがはっきりしている
 ●比べるものを明示する必要がない

場合は、 than 以下はなくてもかまわないのです。


   Look at those two flowers.
   I like the red one better.

     「私は赤い方が好きです。」
   (赤色とそうでない色とを比べている)
     
 Please speak more slowly.
     「もっとゆっくり話してください。」
   (今の状態よりもゆっくりと)

 Walk faster, or you will be late for school.

     「もっ速く歩かないと、学校に遅れるよ。」
   (今の状態よりも速く)

 I feel better this morning.
     「今朝は気分がいいです。」
   (きのうよりも良くなった) 

◆原級との違いを上手に表現する

  次のように原級でも同じように表現できそうですが、
  比較級になっている時は「より、もっと、さらに」などを付けて
  その違いを出した方がいいですね。
 You should study hard.
     「熱心に勉強しなさい。」
 You should study harder.
     「もっ熱心に勉強しなさい。」
   (今も熱心かも知れないけど、さらに熱心に)  

 You look beautiful in white.
     「白い服を着ると美しく見えるよ。」
 You look more beautiful in white.
     「白い服を着るとより美しく見えるよ。」
   (ふだんから美しいけど、さらに美しく見える) 

中・高校生の作文で
  When I was young,  I often played video games.
とすると少し違和感があります。
今も若いはずなので、
  When I was younger,   I enjoyed watching Doraemon.
と比較級を使うと適当な文になります。


later late (遅い、遅く)の比較級ですが、比較級であることを
あまり意識せずに、独立した副詞と考える方がいいでしょう。
  I'll call you later.
         「後で電話をするね。」
  He visited our house two days later.
         「彼は2日後に私達の家を訪れた。」

◆比較級+比較級 の表現
  次のような表現では「ますます、だんだん」のように訳すとよい。
  It's getting colder and colder outside.
        「外はどんどん寒くなってきている。」

  The girl became more and more beautiful.
        「その少女はますます美しくなった。」

※more を前に置いて比較級を作る語は more だけを2回繰り返して、
  原級は1語だけでよい。


◆会話でよく使うパターン
  How are you? と聞かれたときに、
   I'm fine, thank you. というお決まりの返答だけでなく、
 
  Couldn't be better. (絶好調だよ。)
  Couldn't be worse.(最悪だよ。)
 のような答え方もあります。この場合、主語の I が省略されていますが、 
 次のような場合は、主語が It になります。

  How's work?  How's your business going?
 
 と言われた返答に
  It couldn't be better.
  It couldn't be worse. 
  を使うことがあります。


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ここからは高校で学習する表現です。
 prefer という動詞は「AよりBを好む」の意味で、
比較するものを表すには、than ではなく、to を用いる。
 I prefer vegetables to meat.
    「私は肉よりも野菜の方が好きです。」


◆ to を使う比較級
 ラテン語から英語に残った -or で終わる比較級は
 than ではなく、 to を使います。
  senior, junior, superior, inferior など

 He is two years senior to me.
   「彼は私より2歳年上です。」

 Our school is ten years junior to yours.
   「私達の学校はあなたの学校より10年新しい。」

 Your car is superior to that one.
   「あなたの車はあの車よりすぐれている。」

 
I feel inferior to him.
   「私は彼より劣っているように思う。」
   (劣等感を抱いている)


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英語・比較級を修飾する語句

比較級の文で、その程度の差を明確にするために、修飾語を付け加えることがあります。今回はそのような修飾語句について整理してみましょう。

◆比較級の前に much を入れる
  これは、中学校でも出てくる最も基本的な比較級を強める語です。
  日本語では「ずっと~」とすればよい。
  Taro can run much faster than you.
      「太郎はあなたよりも、ずっと速く走ることができる。」

●比較級の意味を強めるのには very は使えない!
 Taro can run very faster than you.  ×

much と同様に比較級の意味を強める語として
  far (ずっと), still (いっそう、さらに), even (いっそう)などがある。
 いずれも、比較級の直前にその語を入れる。

   The winter in Akita is very cold,
                     but the winter in Hokkaido is still colder.

   「秋田県の冬はとても寒いですが、北海道の冬はさらに寒い。」

  You look even prettier in white.
   「あなたは白い衣装を着るといっそう可愛く見えるよ。」

far は最もくだけた感じで、文末に by far を付けることもある。
  I can play the piano far better than you.
  I can play the piano better than you by far.
     「僕は君よりもずっとうまくピアノが弾けるよ。」

●「ずいぶん、かなり~」の意味で considerably も使われる
  It's considerably colder today.
     「今日は(いつもより)ずいぶんと寒い。」

way を副詞として使って「はるかに、ずっと」
  アメリカ人の口語では way で比較級を強めているのも
  よく聞きます。
   His house is way bigger than mine.
        「彼の家は私の家よりずっとでかいよね。」

◆比較級の前に  a little を入れる
       「少し~」の意味では a little を比較級の前に入れる。
  My brother is a little taller than my mother.
      「兄は母よりも少し背が高いです。」

  「わずかに~」の意味では slightly も修飾語になる
  I feel slightly better.
      「多少気分がよくなりました。」

◆数値でその差をはっきりさせる場合
   「何歳~」「何センチ~」「何m~」のようにその差を
  より明確にするには、
●数値+単位を比較級の前に入れる
●文末に by +数値+単位 を付け加える

の2つの方法があります。
  I am five centimeters shorter than my sister.
  I am  shorter than my sister by five centimeters.
   「私は姉よりも5cm背が低い。」

     Your father is two years older than my father.
     Your father is older than my father by two years .
       「あなたのお父さんは私の父より2歳年上です。」

◆「~倍・・・」の意味にする場合
  「数字+times 」を比較級の前に入れる
  This tower is about two times taller than Tokyo Tower.
  「この塔は東京タワーの約2倍の高さがあります。」

  Jupiter is about eleven times larger than the earth.

  「木星は地球の約11倍の大きさです。」

  This bridge is two point five times longer than that one.
  「この橋はあの橋の2.5倍の長さがあります。」

※「~倍」の表現は 数字+times as ~ as の形でも用いられる。

●two times は回数の時と同様に twice を使うこともできるが、
 as ~ as の場合だけで、比較級の前では使えない。
  This bag is twice as heavy as yours.
       「このカバンはあなたのカバンの2倍の重さがあります。」


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英語・現在分詞(~ing)の作り方と母音の整理

中学1年生の学ぶ現在進行形に使う「~ing」の形を現在分詞と言います。
現在分詞は、過去進行形や現在分詞の形容詞的用法でも使う他、
同じ形で動名詞として「~する」の意味にも使われるので、
しっかりと理解しておきましょう。

現在分詞の作り方にはいくつかのきまりがあります。
run swim だけは子音を重ねるというような丸暗記では、後々応用が効かないので、あまり意味がありません。もっと単語が増えた時にも、応用が効くように理解しておきましょう。

現在分詞の作り方は、母音の種類によって違ってくるので、まず母音を整理しておきましょう。一口に母音と言っても次のような種類があります。

【母音の種類】
VOWEL
現在分詞を作る時に大切なことは、短母音とその他の母音との区別です。

【現在分詞の作り方】
(1) 動詞の原形にそのまま ing     <原則>
    play  → playing,  sing  → singing  
        walking,  sleeping,    など
(2) 発音しない e で終わる語(黙字)は e を取って+ing
     make  making     use   using   leave  leaving
     writing, taking, coming  など
(3) 短母音+子音で終わる語は最後の子音を重ねてからing
    run  →  running   swim  →swimming   
      sitting, putting, stopping, dropping など

※中学1年生レベルではここまで分かればOKですがさらに、
 
(4) -ie で終わる語は -ying に変わる
  die  →  dying ,    lie     → lying  
      tie  →  tying
※中学生レベルではここまでで充分ですが、高校英語ではさらに
(5) c で終わる語は k を加えてから ing
      picnic → picnicking,   panic → panicking
    mimic →  mimicking
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以上で現在分詞を作ることができますが、間違いやすい例をいくつか挙げておきましょう。

rain, read二重母音、長母音なので、そのまま ing
       raining, reading
look, cook, book のように、短母音ではあるが、
   oo のつづりの時は、原形にそのままing
を付ける。
    looking, cooking, booking, hooking など
enjoy, play はそのまま ing
      enjoying, playing
 ※ y は子音ではなく、-oy, -ay で二重母音として発音する。
● 2音節以上の単語では、
 後ろの母音にアクセントがある時だけ子音を重ねる

   begin→ beginning , omit→ omitting , refer →  referring
 ※  visit, limit  は短母音+子音字で終わるが、
   前にアクセントがあるので、そのまま ing
         
 ( t を重ねない)
    
  visit    → visiting, limit  limiting
listen はそのまま ing
  短母音+子音のように見えるが、実はe 発音せずに、
  [ lisn ] なので、子音+子音 で終わっているから
see, dye は最後の e も発音していると考えて、そのままingを付ける
  see   → seeing,  dye → dyeing になる。

◆アメリカとイギリスで異なる場合
 travel, equal, level, quarrel などは
アメリカではそのままing を付ける
  taveling, equaling, leveling, quarreling
イギリスでは子音のl を重ねてからingを付ける
  tavelling, equalling, levelling, quarrelling
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★現在分詞は中学3年生で「分詞の形容詞的用法」に使う他、高校英語では「分詞構文」でもよく使います。
しっかりとマスターしておきましょう!

★比較級(-er)・最上級(-est)の作り方も現在分詞の作り方が適用されます。基本をしっかりと理解しておきましょう。


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中学英語・文の抑揚(イントネーション)

英文を読む(話す)時の上げ下げを抑揚(イントネーション)といいます。
  This is my book.     ()  
  Is this your apple? ) 
  Yes, it is. )  /  No, it isn’t.  (

よく、「疑問文の最後は上げる」と覚えてしまう中学1年生がいますが、それは正確な覚え方ではありません。

 単純に「疑問文は上げる」と覚えてはいけない!
   
次のような場合は疑問文でも文の最後を下げて読みます。

    What is that?
    Is this a pen or a pencil?
 この2つの疑問文はいずれも、 It’s a pen. / It’s a pencil.
 などが答となり、 Yes, No, では答えない。
つまり疑問文でも、 Yes, No, で答えない時は、最後を下げて言います。
疑問詞で始まる疑問文や or が入る疑問文は下げて読むのです。

【正確な覚え方】
      Yes か No で答える疑問文だけ上げて読む。

会話では、
 You like juice?) 
  「ジュースは好きですか。」
 のように形はふつうの文のままで最後を上げて、疑問文にしてしまう
場合がよくあります。
   
      How are you?
        Fine, thank you.    And you?
     I'm fine, too.   Thank you.
  

******************************************************
【中学2年生以降】
まず、
Will you ~?  Shall I ~?  Shall we ~?
なども Yes で答えられる疑問文なので、最後を上げます。
  Wil you help me? ) 
    Shall I make a cake for you?) 
    Shall we play soccer together? ) 

他に文の途中での上げ下げに気を付けないといけない場合があります。
●同じような単語を並べる時、
  I like apples) , oranges ) , bananas)  and so on.

比較級の疑問文では、コンマの前で下げ、or の前で上げ、最後に下げる。
    Which is bigger  (), this ball or that one?
    Who can swim faster) , Tomor Taro?

※Yes, NO, で答えないですから、最後は下げる。

文の途中だが、まださらに文が続く時
  When I saw him, he was reading a book.

●驚きの感情などを込めてあいづちを入れる時:
  I found a nice bag.          Oh, did you?
     I bought a new game.     Really?


◆付加疑問文の文末は上げる場合と下げる場合があります。
    You did your homework , didn’t you? 
    You did your homework , didn’t you? 
同じ文でも最後を上げると、「~ですか。」っと尋ねる感じが強く、
下げると「~でしょ。」と確かめたり、念を押す意味。
下げるのは場面によってはきつい調子に聞こえることがあります。

※ 以上は、基本的なきまりです。
  会話では、省略された表現があったり、微妙なニュアンスを出すために、
  抑揚が変化する場合があります。

【応用レベル】

[例]
 Would you like coffee or tea?
  (この文の後に milk, juice などが省略されていて、
 コーヒーと紅茶以外にもまだ用意できるものがある意味が含まれる)

 Where did you go last Sunday?
  と聞かれて、「“どこへ行ったか”ってか?」
 と相手の質問を繰り返したり、確かめたりする時に
  Where did I go?   (
※ I が主語の疑問文はあまり使わないと教える先生もいますが、意外と日常的によく使います。
       何かをやりかけていたのに、度忘れしてしまった時などに;
   Well, what am I gonna do? 
   「え~と、何をしようとしてたんだっけ。」のように独り言をよく言う人がいます。       

  I bought a new guitar.
     と相手に言われたけれども bought の後が聞き取りにくかったり、聞き逃した時に、
  「何を買ったんですか。」と聞き直すには:
  Bought what ?   (
      と、聞き取れた最後の語の後ろに what を付けて聞き直す。

※外国人と話をする時に、この方法も知っておくと便利ですよ。

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