同名直木賞作を映像化したもの。
原作については、コチラ過去記事参照ください。

もう何度も書いているように、角田光代、一番好きな作家なのだけどストーリーが気に入ってるものは少ない。
そんな数少ない中の一作がこの作品。
氏の文章とストーリーが車の両輪のようにバランスが取れていて、それまでの仕事の集大成と言っても過言でないだろう。
それだけにその両輪の片方、文章が映像に置き換えられたとき、この作品がどのような変化を見せるのか、興味津々だった。

結果的に言うと良く撮れている。
ロケ地にもかなり神経を使ったと思えるし、原作にも非常に忠実だ。
一般の人には、小説を読んでいてもいなくても、胸にしみる作品に仕上がっていると思われる。
けれど、個人的には氏の文章力に崇拝にも近い思いを持っているだけに、“別物”の印象は否めない。

魚子(ナナコ)役をドラマ『山田太郎ものがたり』で大ブレイク中(か?)の多部未華子が演じているのは高ポイント。
それに引き換え、女子高生時代の葵(アオイ)役の女優さんは華がないなぁ。
多部未華子が小顔なのか、やけに顔が大きく見えるし。
一番感動的な魚子、葵別れのシーン。
葵のバストショットでは、あまりのオカメ顔に可笑しさすらこみ上げてしまったじゃないか。

DVDで改めて味わった『対岸の彼女』。
葵が大人になって、正反対とも思えた魚子のような性格になっていることに気が付いた。
葵の魚子化。
かつての葵と魚子、そして現在の葵と小夜子。
最初は“対岸の彼女”とも思えたお互い。
けれど彼女たちは互いを知ることで、手を振りさえすれば振り返してくれる関係であることを知るのだ。