ルーツ・ザ・原チャリにベスパが増えたらいいな、ということで、
参戦してみたい方向けにマシンのことや装備についてまとめてみます。
<重要!>
「大人のミニバイク運動会に相応しいシャレの解る、遊び心のある人を優先!」と
ホームページに明記されている通り、良くも悪くも厳密なルールでガチガチに縛られていないのが、
ルーツ・ザ・原チャリというレースだと思います。
ここで書いてあることは「参考」にしてもらって結構ですが、決して「正解」ではありません。
実際のレギュレーション等の解釈や判断については、主催者のはっぴいえんどプロジェクトさんの
決定や指示に従ってください。
ベスパは古い車種ですが、多種多様なタイプの改造部品が今でも入手できます。
なので改造する場合、自分が望む性能は何か?をしっかり決めておかないと、
アレもコレもになって費用がかさんだり、いつまでたっても完成しない改造泥沼にはまりがちです。
レース参戦が決まると、どうしても「レーシングクランクにリードバルブ組んで・・・」とか
「PKフォークにディスクブレーキで・・・」とカタログやネットを見て仲間内で盛り上がってしまいますが
ライダーのウデやメカニックのウデを考慮した「ひとまずここまで」という
現実的なプランのマシンをまずは完成させるべきだと思います。
そのマシンを元に後々バージョンアップしていくのが、なんだかんだで確実です。
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では具体的にベスパで参加する場合のマシン作りについて。
今回はホイール&タイヤです。
<注意!>
ルーツ・ザ・原チャリでは、スタート時とゴール時にメーターの走行距離をチェックして
時間内にどれだけ走行できたか、その走行距離を競います。
なのでホイール直径やメーターそのものなど、メーター距離に関わる部分に手を入れる場合、
純正からどれだけ変わったかをしっかりと申告する必要があります。
基本的に効きの悪いブレーキ、ヒョコヒョコと動くボトムリンク式サスペンションなど
フロント足回りの構造はベスパ最大の弱点と言えるかもしれません。
フロント足回りに関しては、作業&効果の少ない順に、以下の3つが現実的なところです。
・50sの元々の構造は変えずに各部を調整して最適化する
構造自体は変えないため、改造のノウハウが少なくても行える。
具体的にはスポーツサスへの交換、ブレーキシューの交換&擦りあわせ、
ブレーキワイヤーを強化品に交換、などの作業を行います。
ただし、基本的な構造自体はそのままなので、劇的な改善にはなりません。
・上位機種の125ET-3用足回りを移植してアップグレードする
フォークはそのままで、前後ともハブから先をET-3用に変更すれば移植可能なため、
比較的交換部品と作業が少なくて済む。メーターギヤもそのままなので安心。
50sの純正ホイールに比べて軽量なホイールと、リヤ用には若干大きいブレーキシューが使える、
社外品のチューブレスアルミホイールの使用も可能になるなどのメリットがあります。
ただし、基本的な構造自体は50sに近い構造なので、劇的な改善にはなりません。
・後継機種のPK等の足回り一式をゴッソリ移植する
昔からある定番改造ではありますが、完全に別車種の部品を組むので
各部の寸法調整や加工など部品・改造のノウハウが必要になります。
フォークから交換するため、ブレーキ時にヒョコヒョコしない構造のフロント周りになります。
各フロント周りを並べるとこんな感じ。
左から、PKフォーク化(緑)、ET-3化(シルバー)、50s(赤)、50s(黄)
滋賀チームは「50sそのまま最適化」のフロント周りですが、何とかやっていけてます。
<ホイールはどうする?>
メーター距離で勝敗を決めるルーツ・ザ・原チャリのシステム上、
ホイール径は変更しないのが無難だと思います。
それを踏まえた現実的に選択可能なホイールのメリットとデメリットは、以下のような感じです。
・50s用 純正ホイール
メリット:入手しやすい。取り付けに加工が不要。
デメリット:重い、サビやすい、チューブが必要。ホイールとしての精度が悪い。
・125ET-3用 純正ホイール
メリット:入手しやすい。軽量。
デメリット:サビやすい、チューブが必要。ホイールとしての精度が悪い。
なお、50sへの取り付けには、ハブもET-3用にする必要があり。
・125ET-3用 FAイタリア社製 アルミホイール(チューブタイプ)
メリット:軽量。サビない。
デメリット:チューブが必要。
なお、50sへの取り付けには、ハブもET-3用にする必要があり。
・125ET-3用 FAイタリア社製 アルミホイール(チューブレス)
メリット:軽量。サビない。チューブ不要。
デメリット:手工具でのタイヤ交換が難しく、タイヤチェンジャーの使用を推奨。
なお、50sへの取り付けには、ハブもET-3用にする必要があり。
<タイヤはどうする?>
スリックタイヤ、レインタイヤは使用禁止なので、ハイグリップタイヤが候補になります。
純正指定の3.00-10サイズだと以下のような感じです。
・ダンロップ TT92-GP(廃盤、店頭在庫のみ)
・ダンロップ TT93-GP(TT92-GP後継。近似サイズの90/90-10あり)
・ブリヂストン BATTLAX BT-39SS Mini YCX(ソフトコンパウンド)
・ブリヂストン BATTLAX BT-39SS Mini YCY(ミディアムコンパウンド)
・IRC MBR-740 DIX RR
・IRC MBR-740 DIX RR サマーSP(熱ダレ対策コンパウンド)
まあド定番のTT92-GPかBT-39SSを選んでおけば性能的には間違いないと思います。
ただTT92-GPは廃盤で店頭在庫のみ、後継のTT93-GPは3.00-10サイズの設定が無く
きわめて近いサイズの90/90-10サイズになります。(2015年8月現在)
また、新興タイヤメーカーからお求めやすい価格のハイグリップタイヤも出ているようですが、
コケるコケないに大きく関わってくるパーツだけに、試すのは勇気が要りますね・・・。
滋賀チームでは、FAイタリア社製の純正タイプホイールを使用しています。
エアバルブ穴に若干の加工が必要でしたが、使用感はまぁ普通といったところ。
タイヤは以前はTT92-GP、現在はBT-39SS(ソフトコンパウンド)を使用中。
どちらのタイヤもしっかりグリップしてくれますので、選択は好みでしかないかも?
ただBT-39SSの「コンパウンドが選べる」ってのは、気分を高めてくれますw
<タイヤ空気圧について>
気温やライダー体重なんかで多少変わる部分ではあると思いますが、
冷間時フロント1.5(kg/cm2)、リヤ1.7(kg/cm2)くらいを目安にしています。
空気圧を高くするとスピードは出る反面、コーナーで頑張ったときにスコンと抜けるように
スリップしやすくなるとのことなので、このあたりの空気圧で落ち着きました。
タイヤ自体の剛性が高いハイグリップタイヤでは、空気圧が低下していても
目視でわかるほどタイヤが変形しませんので、空気圧チェックは定期的に!
<タイヤ交換頻度について>
滋賀チームでは、タイヤは毎年シーズン開始時に、新品タイヤに交換しています。
ルーツ・ザ・原チャリは当日の練習走行時間も含めると、ひとレースで
約2時間20分くらい走ります。それが年間3回あるので、約7時間。
各レース前に1回練習走行したとしてもトータルで年間12〜15時間くらい、
距離にすれば500〜700kmくらいです。
距離的には2年は充分もつと思いますが、転倒にかかわる不安は極力減らしたいので、
思い切ってシーズンごとに履き替えています。
ホイール&タイヤ関係のまとめ
・メーター距離に関わる部分に手を加えるときは要注意!
・フロント周りの改善度合いは改造度合いに比例
・タイヤはBT-39SSを選んでおけば間違いない
次回はサス&ブレーキ編です
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>m-spoonRTさん
ありがとうございます!3時間体力的にはツラかったですが楽しめました。
更新遅くなってすみません。地元で参戦してはったんですね!
ちょっと検索して画像見ましたが、水冷勢との混走はなかなかヘビーですね(^^;
同じロータリーバルブ式としてYB-1には負けられないところですが(笑)、
YB-1も当時レースキットとか出てましたし手ごわそうです。
ウチもポイント点火のままです。
しかも点火時期も組んだときに20°に合わせてそのまんまです。
ポイントは調整できるメリットがありますし、9月21日のルーツ・ザ・原チャリに向けて
ツメられるかどうか、ちょっと手を入れてみようかなと思います。
面白そうなことに気付かせてもらってありがとうございます!
参戦してみたい方向けにマシンのことや装備についてまとめてみます。
<重要!>
「大人のミニバイク運動会に相応しいシャレの解る、遊び心のある人を優先!」と
ホームページに明記されている通り、良くも悪くも厳密なルールでガチガチに縛られていないのが、
ルーツ・ザ・原チャリというレースだと思います。
ここで書いてあることは「参考」にしてもらって結構ですが、決して「正解」ではありません。
実際のレギュレーション等の解釈や判断については、主催者のはっぴいえんどプロジェクトさんの
決定や指示に従ってください。
ベスパは古い車種ですが、多種多様なタイプの改造部品が今でも入手できます。
なので改造する場合、自分が望む性能は何か?をしっかり決めておかないと、
アレもコレもになって費用がかさんだり、いつまでたっても完成しない改造泥沼にはまりがちです。
レース参戦が決まると、どうしても「レーシングクランクにリードバルブ組んで・・・」とか
「PKフォークにディスクブレーキで・・・」とカタログやネットを見て仲間内で盛り上がってしまいますが
ライダーのウデやメカニックのウデを考慮した「ひとまずここまで」という
現実的なプランのマシンをまずは完成させるべきだと思います。
そのマシンを元に後々バージョンアップしていくのが、なんだかんだで確実です。
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では具体的にベスパで参加する場合のマシン作りについて。
今回はホイール&タイヤです。
<注意!>
ルーツ・ザ・原チャリでは、スタート時とゴール時にメーターの走行距離をチェックして
時間内にどれだけ走行できたか、その走行距離を競います。
なのでホイール直径やメーターそのものなど、メーター距離に関わる部分に手を入れる場合、
純正からどれだけ変わったかをしっかりと申告する必要があります。
基本的に効きの悪いブレーキ、ヒョコヒョコと動くボトムリンク式サスペンションなど
フロント足回りの構造はベスパ最大の弱点と言えるかもしれません。
フロント足回りに関しては、作業&効果の少ない順に、以下の3つが現実的なところです。
・50sの元々の構造は変えずに各部を調整して最適化する
構造自体は変えないため、改造のノウハウが少なくても行える。
具体的にはスポーツサスへの交換、ブレーキシューの交換&擦りあわせ、
ブレーキワイヤーを強化品に交換、などの作業を行います。
ただし、基本的な構造自体はそのままなので、劇的な改善にはなりません。
・上位機種の125ET-3用足回りを移植してアップグレードする
フォークはそのままで、前後ともハブから先をET-3用に変更すれば移植可能なため、
比較的交換部品と作業が少なくて済む。メーターギヤもそのままなので安心。
50sの純正ホイールに比べて軽量なホイールと、リヤ用には若干大きいブレーキシューが使える、
社外品のチューブレスアルミホイールの使用も可能になるなどのメリットがあります。
ただし、基本的な構造自体は50sに近い構造なので、劇的な改善にはなりません。
・後継機種のPK等の足回り一式をゴッソリ移植する
昔からある定番改造ではありますが、完全に別車種の部品を組むので
各部の寸法調整や加工など部品・改造のノウハウが必要になります。
フォークから交換するため、ブレーキ時にヒョコヒョコしない構造のフロント周りになります。
各フロント周りを並べるとこんな感じ。
左から、PKフォーク化(緑)、ET-3化(シルバー)、50s(赤)、50s(黄)
滋賀チームは「50sそのまま最適化」のフロント周りですが、何とかやっていけてます。
<ホイールはどうする?>
メーター距離で勝敗を決めるルーツ・ザ・原チャリのシステム上、
ホイール径は変更しないのが無難だと思います。
それを踏まえた現実的に選択可能なホイールのメリットとデメリットは、以下のような感じです。
・50s用 純正ホイール
メリット:入手しやすい。取り付けに加工が不要。
デメリット:重い、サビやすい、チューブが必要。ホイールとしての精度が悪い。
・125ET-3用 純正ホイール
メリット:入手しやすい。軽量。
デメリット:サビやすい、チューブが必要。ホイールとしての精度が悪い。
なお、50sへの取り付けには、ハブもET-3用にする必要があり。
・125ET-3用 FAイタリア社製 アルミホイール(チューブタイプ)
メリット:軽量。サビない。
デメリット:チューブが必要。
なお、50sへの取り付けには、ハブもET-3用にする必要があり。
・125ET-3用 FAイタリア社製 アルミホイール(チューブレス)
メリット:軽量。サビない。チューブ不要。
デメリット:手工具でのタイヤ交換が難しく、タイヤチェンジャーの使用を推奨。
なお、50sへの取り付けには、ハブもET-3用にする必要があり。
<タイヤはどうする?>
スリックタイヤ、レインタイヤは使用禁止なので、ハイグリップタイヤが候補になります。
純正指定の3.00-10サイズだと以下のような感じです。
・ダンロップ TT92-GP(廃盤、店頭在庫のみ)
・ダンロップ TT93-GP(TT92-GP後継。近似サイズの90/90-10あり)
・ブリヂストン BATTLAX BT-39SS Mini YCX(ソフトコンパウンド)
・ブリヂストン BATTLAX BT-39SS Mini YCY(ミディアムコンパウンド)
・IRC MBR-740 DIX RR
・IRC MBR-740 DIX RR サマーSP(熱ダレ対策コンパウンド)
まあド定番のTT92-GPかBT-39SSを選んでおけば性能的には間違いないと思います。
ただTT92-GPは廃盤で店頭在庫のみ、後継のTT93-GPは3.00-10サイズの設定が無く
きわめて近いサイズの90/90-10サイズになります。(2015年8月現在)
また、新興タイヤメーカーからお求めやすい価格のハイグリップタイヤも出ているようですが、
コケるコケないに大きく関わってくるパーツだけに、試すのは勇気が要りますね・・・。
滋賀チームでは、FAイタリア社製の純正タイプホイールを使用しています。
エアバルブ穴に若干の加工が必要でしたが、使用感はまぁ普通といったところ。
タイヤは以前はTT92-GP、現在はBT-39SS(ソフトコンパウンド)を使用中。
どちらのタイヤもしっかりグリップしてくれますので、選択は好みでしかないかも?
ただBT-39SSの「コンパウンドが選べる」ってのは、気分を高めてくれますw
<タイヤ空気圧について>
気温やライダー体重なんかで多少変わる部分ではあると思いますが、
冷間時フロント1.5(kg/cm2)、リヤ1.7(kg/cm2)くらいを目安にしています。
空気圧を高くするとスピードは出る反面、コーナーで頑張ったときにスコンと抜けるように
スリップしやすくなるとのことなので、このあたりの空気圧で落ち着きました。
タイヤ自体の剛性が高いハイグリップタイヤでは、空気圧が低下していても
目視でわかるほどタイヤが変形しませんので、空気圧チェックは定期的に!
<タイヤ交換頻度について>
滋賀チームでは、タイヤは毎年シーズン開始時に、新品タイヤに交換しています。
ルーツ・ザ・原チャリは当日の練習走行時間も含めると、ひとレースで
約2時間20分くらい走ります。それが年間3回あるので、約7時間。
各レース前に1回練習走行したとしてもトータルで年間12〜15時間くらい、
距離にすれば500〜700kmくらいです。
距離的には2年は充分もつと思いますが、転倒にかかわる不安は極力減らしたいので、
思い切ってシーズンごとに履き替えています。
ホイール&タイヤ関係のまとめ
・メーター距離に関わる部分に手を加えるときは要注意!
・フロント周りの改善度合いは改造度合いに比例
・タイヤはBT-39SSを選んでおけば間違いない
次回はサス&ブレーキ編です
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>m-spoonRTさん
ありがとうございます!3時間体力的にはツラかったですが楽しめました。
更新遅くなってすみません。地元で参戦してはったんですね!
ちょっと検索して画像見ましたが、水冷勢との混走はなかなかヘビーですね(^^;
同じロータリーバルブ式としてYB-1には負けられないところですが(笑)、
YB-1も当時レースキットとか出てましたし手ごわそうです。
ウチもポイント点火のままです。
しかも点火時期も組んだときに20°に合わせてそのまんまです。
ポイントは調整できるメリットがありますし、9月21日のルーツ・ザ・原チャリに向けて
ツメられるかどうか、ちょっと手を入れてみようかなと思います。
面白そうなことに気付かせてもらってありがとうございます!