NDです。

今日はポケカについて、カードゲームをやったことがある方向けに、「どれくらいヤバいゲームか」を語ります。
転売とか品薄とかの話ではないです!
カードゲームを知ってて、ポケカをあまり知らないという方は、ぜひ読んでみてください。
早速いきます。
⚫イカれたルール
デュエルマスターズというTCGをご存じでしょうか?
そうです、アレです、アストラルリーフとかボルバルザークとか鬼丸「覇」とかのやつです。
なつかしいですね。
デュエマのライフは「シールド」という5枚のカードです。これがなくなったら負け的な感じです。
ダメージを受けた側は、ライフである「シールド」を手札に加えていきます。
ダメージを与えることができる状況はだいたい優勢なので、ダメージを受けた劣勢のプレイヤーが逆転する機会を得るためにカードが増えるわけです。当然です。
つまり、ダメージを与える側は、ダメージレースの優位と引き換えに、相手にアドバンテージを与えることになります。
これが、デュエマというゲームのミソなわけですね。
ポケカにもシールドにあたる「サイド」というカードが6枚あります。
ポケカのサイドは、ダメージを【与えた側】が、手札に加えていきます。
ダメージを与えると、どんどん有利になっていきます。
そして、6枚すべて手札に加えると勝ちです。
……今、ちょっと戻って読み直しませんでしたか?
僕はポケカのルールブックを初めて読んだとき、3回くらい読み直しました。
⚫イカれたカードたち
・オーキドはかせ
カードを引くという行為は、カードゲーマーが最も「気持ちいい」と感じる瞬間のひとつです。
MTGでいえば<渦巻く知識>、遊戯王でいえば<光神テテュス>、ヴァンガードでいえば<スカーレットウィッチ ココ>……自分も大好きなドローソースがたくさんあります。
ですが、気持ちいいことというのは簡単には達成できません。童貞を捨てるのが難しいのと一緒ですね。
遊戯王には、<強欲な壺>という魔法カードがあり、こいつは「カードを2枚引く」というシンプルなテキストを持っています。
シンプルに禁止カードになっており、永久に戻ってきません。
MTGには、「アンリコ」こと<Ancestral Recall>というドロー呪文があります。
こいつはカードを3枚引きます。気持ちよすぎますね。
どんなカードでも使っていいレギュレーションでさえ1枚制限ですが、使用は可能です。
ただし、10万円します。童貞を捨てに風俗に行った方がマシでしょう。
1枚で2枚ドローするカードはすでにかなり危険で、3枚ドローするとなると、童貞を捨てるレベルのパワーがあります。
<オーキドはかせ>は7枚引きます。
・アララギ博士
すみません、先程は少し嘘をつきました。
『手札をすべて捨てた後』に「7枚引く」のが<オーキドはかせ>の正しいテキストです。
(ちなみに禁止制限はまったくかかっていません)
とはいえ、ポケカでは、ポケモン(モンスター・クリーチャーにあたる)はベンチに5枚並べられ、どうぐ(呪文・魔法罠にあたる)はその場で使い放題です。
進化ポケモンや、手札コストのある<ハイパーボール>などのカードも踏まえると、おおむね7ドローといって問題ないでしょう。
ところで、カードを作る人々は学びます。
あのコナミや木谷でさえ学び、禁止制限やエラッタを出しています。リズベットの制限は永遠に解除されませんし、アンリコが再販されることは二度とありません。
当然です。ヤバいカードをもう一度出したら、またヤバいことが起きるに決まっています。
人間は反省ができる生物です。一度、過ちを犯したとしても、それを次回に活かしていけばいいのです。
<アララギ博士>の効果は、<オーキドはかせ>と同じです。
・プラターヌ博士
「そんなヤバいカード同型再販すんなよ!」と思ったあなた、安心してください。
ポケカは「ローテーション」制度を採用しています。
MTGでは、直近2年に出たカードしか使えないフォーマットがあります(スタンダード)
シャドウバースでも、最新5つのパックと基本カードしか使えない「ローテーション」フォーマットがありますね。
ポケカも同様です。
直近1シリーズのみ使える「スタンダード」でも、直近3シリーズが使える「エクストラ」でも、<オーキドはかせ> や <アララギ博士>は使えません。
<プラターヌ博士>は、<オーキドはかせ>・<アララギ博士>とまったく同じ効果で、「エクストラ」で使用可能です。
というか、ついこの間まで使えました。
【カード画像(※興奮注意)】
今シャカパチできないなら絶対に見ないでください。ほぼ100%、その場でカードを7枚引いてシャカパチしたくなります。

(※基本的なことですが、ポケカにはハンドの上限枚数がありません。)
(※ちなみに現スタンでの「博士」枠カードは<リーリエ>や<シロナ>です。ぜひ調べてみてください。)
・シェイミEX
先程紹介した博士シリーズはさすがにやばすぎます。
7枚引いたら普通のカードゲームなら一瞬で勝ちですよね。
(互いに普通じゃないから大丈夫なのですが)
……言い忘れていたのですが、「サポート」という種類のカードはターン1しか使えません。
なので、<プラターヌ博士>で<プラターヌ博士>を引いてまた7枚引く……という動きは不可能です。
まあそりゃそうです。7枚引いた後に7枚引けたら気持ちよすぎて腰が砕けます。皆さん腰は大事にした方がいいです。
<シェイミEX>はサポートではなくポケモン(つまり場に出せるモンスターカード)で、出たときに手札が6枚になるまで引きます。
ついでに自分の技でハンドに返ってきます。
・ユクシー
当然といえば当然ですが、シェイミのドロー枚数は7ではなく6です。
シェイミは場に1枚残って6枚引いているので、博士シリーズと得ているカード枚数は同じだからです。
ところで、<ユクシー>は、出たときに手札が7枚になるまで引きます。
なんと、さきほどのシェイミはユクシーをちょうせいしたカードだったのだー(棒読み)
【カード画像(※興奮注意)】
・メタグロスGX
ここまではドローを見てきましたが、ポケカでドローの壊れを探すとキリがありません。<アクロマ>や<ダイゴのアドバイス>などなど。
そろそろ怖いのでやめておきましょう。
次は、デッキからサーチするカードを見てみます。
古来より、山札から探すカードは「ヤバい」ことが知られています。
MTGでは<Demonic Tutor>というカードがあり、「デッキからカードを1枚もってくる」という簡潔なテキストで、余裕の終身刑となっています。
遊戯王では<クリッター>・<黒き森のウィッチ>を用いた【エクゾディア】デッキが有名です。
エクゾディアは、言わずと知れた「5枚ハンドに揃えば勝ち」のカード。
それを山札から1枚確定で持ってこれるクリ&ウィッチがいかに強いか、想像するのは簡単でしょう。簡単すぎてもちろん禁止されました。
<メタグロスGX>は、デッキから5枚の好きなカードを探して手札に加えます。
スタンダードでも使える最新のカードです(宣伝)
・ロケット団の幹部
カードゲーマーが気持ちいい瞬間が「ドロー」ならば、最も不快な瞬間は何でしょうか?
そう、それは「ハンデス」です。手札を捨てさせられるのは、そりゃもうとてつもなくムカつきます。
ムカつく奴がCSで優勝したり、賢者がCSで優勝したり、誰か知らん奴がCSで優勝したときと同じくらいムカつきます。
ただし、ハンデスを相手に強いる側に回ると、気が狂うほど気持ちいいです。不思議なものですね。
ちなみに、ハンデスは「1対1交換」が基本です。
MTGの<思考囲い>は、最軽量のコストで相手のハンドを見て1枚捨てさせます。
遊戯王では、古来、「ハンデス三種の神器」と呼ばれる、<いたずら好きな双子悪魔>・<強引な番兵>・<押収>というカード群がありました。
これが揃われると失神するくらいムカつきます。あるいは、相手を失神させるくらいムカつきます。
ムカつくので当然すべて禁止カードです。
そして、ポケカにもハンデスするカードがあります。
この<ロケット団の幹部>というカードは、相手の手札をすべて山札に戻させ、相手のサイドの枚数分のカードを引かせます。
ポケカのハンドの基本は7枚、サイド(冒頭に紹介した「シールド」的なやつ)は6からスタートなので、これ1枚で2~3枚の手札をサヨナラバイバイさせます👋
ピーピング(特定のカードを落とす)で手札破壊はできませんが、まとめてカードを持っていく感じです。
ところで、これって、「互いに」行う、だったら超強くないですか???
当然、自分はハンドを使いきってから、<ロケット団の幹部>を使用するので、6枚引けますよね。しかも相手はハンデス。
嫌な予感がしたあなた。正解です。
<ロケット団の幹部>は、互いに手札を山札に戻し、サイドの枚数分だけ引き直します。
6枚引いた上で、相手にカードを捨てさせるカードです。
・N
しかしながら、<ロケット団の幹部>は、「攻撃をしてサイドをとると、どんどん優位になっていく」というポケカのイカれたルールを咎めた名カードと言えるでしょう。
なぜなら、劣勢で使えば使うほど効果が大きいカードだからです。
相手にサイドをとられたところに打つと、自分は6ドローして相手は3ハンデスみたいなことがザラに起きます。
ただ、相手の手札に干渉しながら自分はハンドをリフレッシュできるというのは、いくらなんでもやりすぎです。
何度でも言いますが、人間は反省ができる生物です。
<ロケット団の幹部>が登場したのは2004年。
「あんなカードあったね」とたまに語り草にしつつ、二度と刷られないカードとして懐かしめばそれでよいのです。
<N>は<ロケット団の幹部>の同型再版です。つい一年前までスタンで現役でした。
もうこのパターン飽きたよ…………
【カード画像(※興奮注意)】
(※サーチについて、現スタンには他にも<ウツギ博士のレクチャー>という山から3枚サーチするカードがあります(対象制限あり)
また、<N>にはなんと相互互換の<エリートトレーナー>というカードが存在します。)
・バトルコンプレッサー
「墓地は第2の手札」という言葉があります。
カードゲームは段階が進むほど墓地利用デッキが登場する傾向にあり、墓地のリソースはとても重要になります。
墓地をシャカパチしてもいいという意味ではありません。いやマジで。
MTGでは「リアニメイト」や「ドレッジ」というデッキタイプがあります。
前者は重いクリーチャーを軽く墓地に落とし軽く釣り上げ、後者は墓地にいると効果があるやつを墓地に落としまくるデッキです。
似たようなデッキはデュエマや遊戯王など他TCGにも多数あります。
MTGの<納墓>は、デッキからカードを1枚墓地に落とすシンプルなテキストですが、懲役6年半の前科持ちです。
遊戯王の<おろかな埋葬>も同じ効果で、あまりにおろかな動きをするので、制限カードになっています。
<バトルコンプレッサー>は、デッキから好きなカードを3枚、墓地に送ります。
(※一応書いておくと、バトルコンプレッサーを使うのは「よるのこうしん」デッキです。
レックウザなど相手のクソデカポケモンを、バチュルやランプラーがワンパン200ダメージ(遊戯王でいうと攻撃力5000、デュエマでいうと18000、ヴァンガードでいうと58000くらい)出し続けてボコボコにします。
興味がある方は調べてみてください。)
・ファーストチケット
「言うて、先攻ゲーだしな~」
「こんなんジャンケンやん✊✌️✋」
そんな言葉を聞いたことがあると思います。
カードゲームはその性質上、先攻有利になりやすいです。
明らかに後攻に利があるバディファイトや、後攻じゃないとまともにシャカパチできなくて不愉快なゼクスなどの一部カードゲームを除き、基本的にすべてのカードゲームは先攻が有利です。
コインやダイスやジャンケンで勝って先攻をとるべく、神社にお参りに行ったバカなプレイヤーもいるのではないでしょうか。自分のことです。
<ファーストチケット>は、ゲーム開始時に手札にあると先攻がとれます。
もうお参りの必要はないのです。
……しかし、互いに<ファーストチケット>を持っている場合、じゃんけんの必要があります。
やっぱり、多少はお参りした方がいいかもしれません。
・まとめ
ここまで紹介したカードの最もヤバい点は、「何の禁止制限もかかっていない」ということです。
(※シェイミとユクシーはちょっと例外)
なので、「ポケカ 壊れ」とか「ポケカ 禁止」とかで調べても、【ヤバいカード】として紹介されることすらありません。
そもそも紹介したほとんどのカードは、つい最近まで現役だったカードです。
それが何よりもヤバい。
少なくとも他のカードゲームをやっていると、そう思うはずです。
(もちろん、他TCGよりもカードを並べる必要があったり、ハンドをボードに繋げにくいがゆえのカードパワーの高さなのですが……
<プラターヌ博士>が初手にあるかないかで、いきなり7アド差がつくのはやっぱり強烈です。)
まあ、ポケカは「ちょっと違う」カードゲームなんだなと、ふんわりわかってもらえればと思います。
・スタメン落ちメモ
以下、紹介する候補にあったカードです。
気になった方は調べてみてください。
Nより強い!? お前のハンドは3枚になって俺は6枚引く! <エリートトレーナー>!
手札のサポートを自分の効果として使える! サポートの使用制限を無視! <ポリゴン2>!
手札から2枚山札の下において6枚になるまでカードを引くよ! しかもターン1起動効果! なにいってんだコイツ! <ネンドール>!
「どく」も「ねむり」もあるんだよ。頭がわるすぎる! <どくさいみん光線>!
ブルブルパンチ! 名前も効果も不愉快! <ガマゲロゲEX>!
これが一般的な性能でターン1もなく無制限に使えるの冷静におかしい。<ダートじてんしゃ>!
・おわりに
ここまで言っといてアレですが、
ポケカはむちゃくちゃ面白いです。
他TCGをやってると笑うしかない豪快な効果と、意外に緻密なデッキ構築、繊細なプレイング、環境を読んだカード選択など……
浅いところから奥深いところまで、魅力的なカードゲームになっています。
というわけで、僕もポケカ復帰しようと思います。
誰か僕の旧世代ルカリオダストと対戦してください(無茶)
以上、NDでした!
お読みいただきありがとうございました!!
ツイートから飛んできてくださった方は、リツイートを押すまでがポケカですよ!!!
ご意見、感想、文句、クレーム、懐古、「こんなカードもあるのじゃ」おじさんなど、
ツイッター(@Air_K_ND)かコメント欄にて常に受け付けています!!!
ではでは!
(※サムネの<そらをとぶピカチュウ>が一切出てきていないことをお詫び申し上げます。)
(追記:やっぱ公式のこの動画は観てもらわないとなということで貼っておきます。1分です。
【公式】フーパのひみつ篇 ポケモンカードゲームXY バンデットリング http://nico.ms/sm26316138?cp_webto=share_tw-androidapp #sm26316138)
コメント
コメント一覧 (28)
破壊された時のディスアドバンテージが半端ないんだよな
しかもサイドカードまで引かれる
どれだけ早く強いたねポケを出して殴るかゲーだったわ
やっぱりコストがないと調整が大変なんやなって
カード毎の制限枚数もなかったのでかなり派手なターン進行してましたねえ(回顧)
手札誘発や罠の数々でやりたいことを止められまくる遊戯王に比べれば全然ストレスなんてないですね
久々にやってみたらイライラがマッハでした
まぁ~、「遊戯王」みたいにカード効果のチェーンや「カード効果(カードの発動)を無効!」なんてするカードゲームなんて滅多にないですからね。俺が知ってる限りだとMTGとデュエマの「超神星マーキュリー・ギガブリザード」のメテオバーンくらいでしょうか?でもそういう「簡単にはコンボが決まらない」というのが「遊戯王」を始めとしたこの手のルールがあるカードゲームの魅力なのでしょうが・・・
なかなかに面白い文章構成で笑いながら読ませていただきました
ポケカすごいですねー
対戦動画漁ってみようと思いました
ポケカからはいってきた勢にしてみれば
他のTCGがぜんぜん回らなくてつまらないんですよね
あまごいカメックスやどしゃぶりオーダイルなど
山・トラッシュをぐるぐるするのが前提のカードも多いのに
あの頃のゲームが楽しかったなぁ・・という20年以上の老人会より
遊戯王オタクくんイライラで草
ですが個人的にはガブルカの並びもメタグロスのGX技以上にヤバいから解説して欲しかったなぁという感じですね
ちなみに簡潔に説明すると、一定の2体が揃うと毎ターン1進化のポケモンであるルカリオを並べた分だけデッキから好きなカードを1枚何でも持ってこれます
しかもアタッカーのガブリアスはドロソのシロナを使ったターンは200ダメージ出ます
(まぁグズマ使えないのは痛いけども普通にぶっ壊れな気がする)
他のtcgに比べてピン刺しでも光る活躍しやすいですし
こんなん笑うしかない。
伝わったから最新携帯ゲームで最新のポケモンカードを遊ばせてくれ!
文豪並のワードセンスを感じました。
どんどんぶっ壊れ刷ってもどうせ一年ちょいでスタン落ちするし、全カード使えるレギュも無いから調整に気使う必要無いでしょ
同型再販でデザインもサボれるし
なんかそうやって聞くと上手いって聞こえない
単に全部禁止にしてるようなものでは