お待たせしました。前回の続きで、NetWalkerに軽量デスクトップ環境のWindow Makerを入れてみようというお話です。

数年前に初めてLinuxに触れたとき、当時のVine Linuxで使われていたデスクトップ環境がこのWindow Makerでした。そのときは、何て使いにくいんだろうと思っていましたが、使い慣れれば、これもまた軽量化に最適だと改めて実感しています。

Window Makerとは

その昔、スティーブ・ジョブズが率いていたNeXT社の開発したNEXTSTEP(OS Xの原型と言われています)というUNIX系のOSがありまして、そのデザインを受け継いで作られたウィンドウマネージャがWindow Makerです。

wmaker-0
Window Makerのデスクトップ。初期状態は非常にシンプルで、右サイドに3つのアイコンが並び、この部分はDockと呼ばれます。

wmaker-1
デスクトップの背景を設定しました。雰囲気がガラッと変わります。

wm-menu
さらに、MenuのStyleを変更してみたところです。Menuは、Fluxboxと同様、デスクトップ上で右クリックすれば表示されます。

どうでしょう、そろそろ試してみたくなりましたか?

Window Makerのインストール

導入に必要なものは「wmaker」という名前のパッケージだけです。NetWalkerのリポジトリに含まれているので、Synapticパッケージマネージャで検索してインストールするか、以下のコマンドを実行します。

$ sudo apt-get install wmaker

インストールしたら、ログアウトして「セッションの選択」で「Window Maker」を選択してログインします。

Window Makerの使い方

個々のアプリケーションの起動は、デスクトップ上で右クリックして表示されるメニューから行います。常用するものは、ランチャーとしてデスクトップの右サイドにあるDockに置くことができます。ここに置いたアイコンをダブルクリックすると、そのアプリが起動します。

Dockへの保存と削除
まずメニューから登録したいアプリケーションを起動します。次に、アプリの起動中、左下にアイコンが現れるので、それをDockのアイコンの一番下に左クリックでドラッグします。これだけで登録できます。また、アイコンをデスクトップの中央付近までドラッグして離せば、アイコンが消滅し、登録が解除されます。

クリップの利用
デスクトップの左上のアイコンは、クリップと呼ばれます。クリップのアイコンにDockと同じように、アプリのアイコンをドラッグすると、ランチャーとして登録されます。クリップのアイコンをダブルクリックすれば表示/非表示の切り替えができる点が、Dockと異なります。

なお、クリップ上の右クリックメニューから「クリップオプション>自動的に折り畳む」を選択すると、マウスオーバーでアイコンの表示/非表示が可能になります。

クリップのアイコンの右上と左下にある小さな三角印は、ワークスペースの切り替えに使います。右クリックメニューからワークスペースの名前を変更することも可能です。ちなみに、ワークスペースの追加は、デスクトップ上からメニューを出して、「ワークスペース>Workspace>新しいワークスペースの作成」で行います。

ファイルマネージャの追加

Window Makerには、デフォルトのファイルマネージャがありません。だからといって、Nautilusを立ち上げてしまうと、デスクトップ上での右クリックでWindow Makerのメニューを表示することが出来なくなってしまいます。

そこで、LXDEのファイルマネージャでもあるPCManファイルマネージャを導入しておきましょう。導入に必要なものは「pcmanfm」という名前のパッケージです。これも、NetWalkerのリポジトリに含まれているので、Synapticパッケージマネージャで検索してインストールするか、以下のコマンドを実行します。

$ sudo apt-get install pcmanfm

wm-pcman-1
ちょっとわかりづらいですが、
「アプリケーション>ファイル管理>PCManFM」
でファイルブラウザが開きます。


wm-pcman-2
何も設定せずに、PCManを起動すると、毎回このようなエラーが出ます。このメッセージに書いてありますが、これは以下の手順で回避できます。

PCManのエラー回避
端末から次のコマンドを実行します(端末の起動方法がわかりにくければGnomeから行って下さい)。

$ gedit ~/.gtkrc-2.0

Geditが開くので、次の1行を書いて保存します。

gtk-icon-theme-name="Human"

これで、次回起動時からエラーは出なくなります。ちなみに、指定するアイコンテーマは、エラー表示にあるように"Tango"でも構いません。

壁紙の表示方法

最後になってしまいましたが、壁紙を表示させてみましょう。

wm-back-1まず、壁紙に使いたい画像を、ホームディレクトリにあるGNUstep/Library/WindowMaker/Backgroundsというフォルダの中に保存します。

wm-back-2メニューから「ワークスペース>外観>Backgrounds>Images」と辿って「Tiled」または「Scaled」に表示される目的の画像ファイルを選択します。これで壁紙が表示されるはずです。


他にもいろいろと便利な機能がありそうですが、今回はこのくらいにしておきましょう。

僕はFluxboxの方が動きがスムーズだと思いますが、どの程度軽くなるかは、ぜひ実際に試してみて下さい。