ハモンドオルガン B-3 多列接点の修理

トーンホイールで1つの音が出ないという症状は、ジェネレーター側の不具合か鍵盤の不具合、あるいはジェネレーターから鍵盤までの配線かの3つに大別できます。それぞれにいろいろな原因が考えられるのですが、今回は鍵盤部分の不具合でした。お客様は、「トーンホイールオルガンのいろいろな画像がSNSで見られるけれど、多列接点はあまり見たことがない」ということでしたので、画像をアップします。

中央下から2番目の切片にだけ配線がつながっていないのが分かると思いますが、ここの音が出ないということです。外れている線材を探し当てなければなりません。拡大してみると鍵盤切片への配線が溶接だというのが分かると思います。修理は半田付けするしかないので、半田付けで対応しました。

修理自体は簡単なのですが、ばらすのと組み立てるのとだけで へたをすると1日以上かかることがあります。集中力を維持しないといけない作業なので、結構疲れますね。

裏側の配線部分の画像と鍵盤を全部外して、金属カバーを取り外した画像です。鍵盤の上に乗っているのは劣化したクッションで、切片をカバーするパネルの内側(つまり、線材や切片に触れる側)についていて、錆びをよんで断線のもとになるといわれています。取り外して、フェルトに交換します。

一般的には1964年を境にクッションフォームが採用されたと言われていますが、本当のところは?です。このB-3はシリアルナンバーからいくと1973年製です。B-3やC-3等をお持ちの方は大体製造年を把握しておられる方が多いのでご心配でしょうが、私が年に1回か多くても2回あるかないかの遭遇確立なので大きな心配をされる必要はないと思います。
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