1 :さく・え/ななし :2006/02/20(月) 18:45:35 ID:???
一寸に満たない剣士の刃は鬼を倒すことが出来るのか?
正体不明の笛吹きの音色は鼠を退治することは出来るのか?
出来る、出来るのだ


4 :さく・え/ななし :2006/02/20(月) 19:13:25 ID:???
桃太郎の剣名が日本一帯に広がり
最盛期門弟千匹を越えるほど隆盛を示したのには理由がある
他種のもの丁重に扱うべし
たおすことまかりならぬ、満腹にして帰すべし
かかる者の姿は「黍団子旨し」を世に知らしめ桃太郎の名声を高むるに至るなり


5 :さく・え/ななし :2006/02/20(月) 20:13:16 ID:???
「お猿さん、お待ちくださいやし」
「なにか用か」
「へえ、あっしの柿がまだにございやす」
 
猿の契約不履行を咎めたのは柿の木の持ち主・蟹
 
「おお、忘れておった」 

ゴッ 

猿が支払ったのは青い柿であった
 
甲殻類一匹、無礼討ちにしたくらいでは他種族は動かぬ
そう自惚れていた


6 :さく・え/ななし :2006/02/20(月) 20:26:49 ID:???
じいさま「あの折ばあさまを狸汁だと騙し食わされた恨み
忘れようとて忘れられぬわ。狸が一族根絶やしにしてくれる」


10 :さく・え/ななし :2006/02/22(水) 01:41:51 ID:???
継母「パーティーに出席したければ王子様にお願いしては」
義姉「王子さま御指名の招待状ならば貴方だって出席可能にございますよ」
シンデレラ「お、王子様」
王子様とは、
昔々あるところの王国の第一王位継承者であり、
並の貴族以上の家蔵を構え、
親衛隊十三人緩々と暮らし、
王権の威光を楽しむ身分の者である。
シンデレラの身分では王子様に謁見することなど到底不可能である。
シンデレラ「母様姉様、貴方たちはそれをわかっていながら」


14 :さく・え/ななし :2006/02/22(水) 06:24:00 ID:???
全裸の王を嘲笑うことなど不可能であった


21 :さく・え/ななし :2006/02/23(木) 19:31:27 ID:???
あの折
儂がグレーテルの指と思うたのは小枝

はかった喃
はかってくれた喃


22 :さく・え/ななし :2006/02/23(木) 21:15:48 ID:???
金太郎がマサカリをかついだら用心せい


23 :さく・え/ななし :2006/02/23(木) 21:48:27 ID:???
正気にては玉の輿ならず

「シンデレラの姉たちは足を切ってガラスの靴に押し込みました 」

社交道はシグルイなり


24 :さく・え/ななし :2006/02/23(木) 22:14:56 ID:???
玉手箱という器は…
ひとたび
ひとたび蓋を開けば二度とは
二度とは


29 :さく・え/ななし :2006/02/25(土) 01:03:05 ID:???
王妃「とぼけまいぞ。うぬらも鏡と同じく白雪姫の方が美しいと思っておるのだろう。白状せえ!」
王様「誓うて左様なことは…」
(王妃が鏡を王の頭に叩きつける)

四十九日ぶりに、誰が最も美しいか鏡に尋ねた王妃は鏡の答えを聞くや憤怒の形相に変じ

王妃「儂の目は節穴ではない。うぬらも白雪姫の回し者ならん!」

それ以上の事情説明は不可能となっている

王妃「口では何とでも申し開き出来よう。
   儂の方が美しいと思うならば…娘の肝にて身の証を立てい!」
狩人「し…白雪姫の肝と?」
王妃「 明 朝 じゃ 」


33 :さく・え/ななし :2006/02/25(土) 23:27:30 ID:???
赤ずきん「お祖母さま…
     これが我が家で作った――」

・・・・・・

赤ずきん『誰じゃ!?』
祖母の顔が別人に見えたのは日も暮れかかった薄暗さゆえ
赤ずきんは自分にそう言い聞かせた


37 :さく・え/ななし :2006/02/26(日) 23:48:41 ID:???
それはおよそ一切の書物に
聞いたことも見たこともない奇怪な桃であった


38 :さく・え/ななし :2006/02/27(月) 00:00:07 ID:???
これは尋常の桃ではない
読めぬ……中身が全く


39 :さく・え/ななし :2006/02/27(月) 18:31:46 ID:???
爺さま
切る
切るのです


40 :さく・え/ななし :2006/02/27(月) 20:05:21 ID:???
一尺七寸のナタを神速にて操る爺さまの腕は
包丁であろうと容易に人体を破壊しうる


41 :さく・え/ななし :2006/02/27(月) 21:10:52 ID:???
油断したか桃太郎・・・
桃の中で正中線を抜かれるとは・・・


42 :さく・え/ななし :2006/02/27(月) 21:29:00 ID:???
赤ん坊、正中線より血を流しつつ、

桃太郎「ようやく外に出られ申した
    桃中の月日今は悔ゆるのみ
    今日ただいまより親子の礼をとらせて頂きたく…」


43 :さく・え/ななし :2006/02/27(月) 21:50:28 ID:???
ピウ

我が家は芝居をするところではござらぬ


44 :さく・え/ななし :2006/02/27(月) 22:16:52 ID:???
桃太郎「て、てめえら」

桃!俺の桃!

桃太郎「どけ!己の桃だ」
婆さま「桃は食するためのもの
    逃げ込む場所ではありませぬ」


45 :さく・え/ななし :2006/02/28(火) 15:15:36 ID:???
この時桃太郎が見せた跳躍は
鍛錬によって到達しうる領域を明らかに凌ぐものである
爺さま「彼奴め 天稟がありおる」
婆さま「否、彼奴はすくたれものにござる」

爺さま「黍 を も て」


46 :さく・え/ななし :2006/03/01(水) 21:07:00 ID:???
桃の中より生まれ出でた赤子は
生まれたその日に二本の足で飛び回り、人語を話した
五月目には近所の黍畑を食い荒らし
四つの時には十三歳の子供の黍団子を奪い取った
九つの時には人外の言葉を解し
十二の時には「日本一」と称する浪人者と立会い、これを打ち負かした
爺さま婆さまを相手にするよりも、はるかにたやすいことを知った


47 :さく・え/ななし :2006/03/02(木) 12:25:53 ID:???
いや、それなら爺さん婆さんが鬼退治にいけよw


48 :さく・え/ななし :2006/03/02(木) 13:29:22 ID:???
>>47
爺様が
心の平衡を失ったのは
いつの頃からであろう

神妙である筈の
指の動きを 制御
できぬと自覚した時
ではなかったか


49 :さく・え/ななし :2006/03/02(木) 20:30:43 ID:???
おつかいの用事を帯びた赤頭巾が祖母の家に入った頃
すでに夜が明け始めていたが
家の中で奇妙な光景に出くわした
ベッドの中で老婆が横になっている
詳しい容貌は判別できぬがどうやら祖母らしい

赤頭巾「どうしてそんなにお口が大きいの?」

かまわず問いかけた赤頭巾は
恐るべき事実に気付いた

赤頭巾『おばあさんにあらず!』

さらに恐るべき事実
寝ているのではない
それはすでに構えているのだ

「こやつは、こやつがおばあさんを…」


明朝
仮死状態となった赤頭巾がいたのは
狼の腹腔の中であった


52 :さく・え/ななし :2006/03/02(木) 21:22:33 ID:???
「うぬか ぽちを殺めしはうぬか」
爺が灰を担いだ
花咲か爺さんの必勝形である


60 :さく・え/ななし :2006/03/05(日) 01:45:06 ID:???
そして
始まりの一息は走り
響く
藁の家が地に崩れゆく音

狼を迎えたその国で
荒ぶる豚どもは知る
始まったのだ
狩りが
己たちが狩るのではない
己たちが狩られるというのだ
豚どもは微笑む
そんなことを敵に飢えた
己のこの無敵の家が
許すと思うか?

残酷無惨絵本劇
新章開幕


62 :さく・え/ななし :2006/03/06(月) 01:53:30 ID:???
>>60
「兄者は藁の家であったな」
豚の家には藁の家、木の家、レンガの家の三つがある


63 :さく・え/ななし :2006/03/07(火) 16:57:29 ID:???
用心せい
敵は相当の者ぞ


64 :さく・え/ななし :2006/03/07(火) 17:25:48 ID:???
オオカミは息を吸い込んだ

オオカミの必勝型である


65 :さく・え/ななし :2006/03/07(火) 19:09:09 ID:???
次兄「うぬか
   兄者を喰らいしはうぬか」


66 :さく・え/ななし :2006/03/08(水) 02:47:16 ID:???
次兄は木の家を組んだ。
子豚流建築の必勝形である。


67 :さく・え/ななし :2006/03/08(水) 02:54:55 ID:???
肺活量、風速ともに木の家を凌駕する息であった。

油断したか兄者。木の家を吹き飛ばされるとは。


71 :さく・え/ななし :2006/03/09(木) 07:40:41 ID:Plqizn8S
息で…

子ブタ相手に大工道具は用いぬ


72 :さく・え/ななし :2006/03/09(木) 21:25:44 ID:???
狸「かっち かっちいうのはなんだべな。」
兎「かちかち山のかっちんどりさ。」
狸「ぼうぼういうのはなんだべな。」
兎「ぼうぼう山のぼうぼうどりさ。」




じゅうう・・・・・・ぶすぶすぶす
形容しがたい異臭がたちこめ焼けた脂肪が山にしたたり落ちた


77 :さく・え/ななし :2006/03/10(金) 23:45:58 ID:???
光が熱を持つ。
冷気をはらむ風が吹く。
コートを深く着込んだ旅人に
北風と太陽は対峙する!!


80 :さく・え/ななし :2006/03/11(土) 23:13:47 ID:???
二人の鬼の友情が途絶えて
赤鬼青鬼の風評どのようなものになったか?

村人A「八百長?」
村人B「おうさ八百長よ。青鬼どんとの殴り合いは八百長だったそうな」
村人A「なにゆえ赤鬼どんは八百長などを?」
村人B「わからぬか、赤鬼どんにとっては青鬼どんなど八百長のダシに過ぎぬと・・・」
   パキイ  ドサア
赤鬼「八百長と申したか」
村人A「拙者はさような事は・・・」 パキイ

真実を語ることなど不可能であった


83 :さく・え/ななし :2006/03/13(月) 16:37:13 ID:???
失うことから全ては始まる

「幸せの王子」


86 :さく・え/ななし :2006/03/16(木) 09:01:22 ID:???
寝込んでいた祖母の形相は 一変していた
いや 一変していたのは形相だけではない
己の牙が向けられたのは 小動物ではなかった
食欲を抑制出来ぬ オオカミの本性が剥き出しになっていたのだ


91 :さく・え/ななし :2006/03/23(木) 22:34:15 ID:???
ブリキの兵隊は心臓を貰うことができるのか?

臆病なライオンは勇気を貰うことができるのか?


92 :さく・え/ななし :2006/03/26(日) 01:26:50 ID:???
できる!
できるのだ!


103 :さく・え/ななし :2006/07/06(木) 16:30:01 ID:???
間に合う!そう確信していた

うさぎの俊足はすでに八合目

バオッ!!

(待っていろ、亀!)


104 :さく・え/ななし :2006/07/08(土) 22:03:42 ID:???
猫の十二支への夢は絶たれた

「あのとき元旦を寝過ごせしはネズミが指図
 はかった喃・・・はかってくれた喃・・・!」


105 :さく・え/ななし :2006/07/10(月) 23:30:51 ID:sGftAnpF
腰のあたりがじわりと重くなった

失禁かと思ったが小便の色ではない

目の前の小人を食った際、自分の腹部に感じた「熱さ」の真相を知った時

鬼の心臓は停止した

姫「ホォォ」

要は胃壁一枚。針によっても鬼は死ぬのだ


122 :さく・え/ななし :2006/09/13(水) 08:22:20 ID:4uoPHoRH
異な掴み…。

りんごを満載したバスケットを指二本でつかみながら闊歩する赤ずきんに狼は恐怖を覚えた。




【ネタ元】
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/ehon/1140428735/

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