2008年01月14日

「( ^ω^)ブーンが巨大ロボットに乗り込んだようです」

ニュー速(vip)掲示板の◆oNwoV/bH1k氏による
「( ^ω^)ブーンが巨大ロボットに乗り込んだようです」をまとめた仮ページ

→のプルダウンメニューよりどうぞ

最終話掲載開始
君も世界の運命を見届けよ!

最終話は現在執筆中なので
途中までしか掲載していません。



PASS忘れたなんてかっこ悪くて言えませんでした
正直すまんかった

2006年12月31日

ブーンが巨大ロボットに乗り込んだようです。

ブーンが巨大ロボットに(プロローグ)

ブーンが巨大ロボットに第1話(1)

ブーンが巨大ロボットに第1話(2)

ブーンが巨大ロボットに第1話(3)

ブーンが巨大ロボットに第1話(4)

ブーンが巨大ロボットに第1話(5)

ブーンが巨大ロボットに第1話(次回予告)

ブーンが巨大ロボットに第2話(プロローグ)

ブーンが巨大ロボットに第2話(1)

ブーンが巨大ロボットに第2話(2)

ブーンが巨大ロボットに第2話(3)

ブーンが巨大ロボットに第2話(4)

ブーンが巨大ロボットに第2話(5)

ブーンが巨大ロボットに第2話(6)

ブーンが巨大ロボットに第2話(7)

ブーンが巨大ロボットに第2話(8)

ブーンが巨大ロボットに第2話(次回予告)

ブーンが巨大ロボットに第3話(プロローグ)

ブーンが巨大ロボットに第3話(1)

ブーンが巨大ロボットに第3話(2)

ブーンが巨大ロボットに第3話(3)

ブーンが巨大ロボットに第3話(4)

ブーンが巨大ロボットに第3話(5)

ブーンが巨大ロボットに第3話(6)

ブーンが巨大ロボットに第3話(7)

ブーンが巨大ロボットに第3話(8)

ブーンが巨大ロボットに第3話(9)

ブーンが巨大ロボットに第3話(次回予告)

ブーンが巨大ロボットに第4話(プロローグ)

ブーンが巨大ロボットに第4話(1)

ブーンが巨大ロボットに第4話(2)

ブーンが巨大ロボットに第4話(3)

ブーンが巨大ロボットに第4話(4)

ブーンが巨大ロボットに第4話(5)

ブーンが巨大ロボットに第4話(6)

ブーンが巨大ロボットに第4話(7)

ブーンが巨大ロボットに第4話(次回予告)

ブーンが巨大ロボットに第5話(プロローグ)

ブーンが巨大ロボットに第5話(1)

ブーンが巨大ロボットに第5話(2)

ブーンが巨大ロボットに第5話(3)

ブーンが巨大ロボットに第5話(4)

ブーンが巨大ロボットに第5話(5)

ブーンが巨大ロボットに第5話(6)

ブーンが巨大ロボットに第5話(次回予告)

ブーンが巨大ロボットに第6話(プロローグ)

ブーンが巨大ロボットに第6話(1)

ブーンが巨大ロボットに第6話(2)

ブーンが巨大ロボットに第6話(3)

ブーンが巨大ロボットに第6話(4)

ブーンが巨大ロボットに第6話(5)

ブーンが巨大ロボットに第6話(6)

ブーンが巨大ロボットに第6話(7)

ブーンが巨大ロボットに第6話(8)

ブーンが巨大ロボットに第6話(9)

ブーンが巨大ロボットに第6話(10)

ブーンが巨大ロボットに第6話(11)


2006年01月31日

ブーンが巨大ロボットに(プロローグ)

〜プロローグ〜


南極――その場に在ることすら許さないような極寒の地。
およそ人間が住むには厳しすぎる環境であるにも関わらず、
人々はこの地に対する好奇心を決して絶やさなかった。

それは、この南極が冷気と同時に内包するもの――神秘性である。

以前より、この南極からは数々の文化遺産が発掘されている。
化石、隕石、マンモスの頭……
そのいずれもが、世界の常識を根底から覆す価値を持った代物だ。

人々は、この地で呼吸することすら厳酷なのがわかっていても、
この地に対する探究心を止められない。

そして、今度も――

「ゴゴゴゴゴゴゴ…」

凍った大地に、無機質な音が木霊する。
ガリガリと氷を削りながら降下するそれは、
遠隔操作式のボーリングマシンであった。

「……ズズ」

髭面の男が、マシンの管制室のような場所でコーヒーを啜る。
男はぼーっと外を映す画面とにらめっこしながら、
時折地中を表すレーダーに目をやっていた。

「…ふぁ〜」
「あ、主任、今欠伸しましたよね?
 へへへ…やっぱり先輩の方がダントツで多いじゃないっスか」

髭面の男の背後から、少し若い青年がコーヒーを持ってやってきた。
コーヒーからは朦々と勢い良く湯気が立っている。
おそらく淹れたばかりなのだろう。

「…今さらこんなとこを掘って…何が出てくるってんスかねぇ」

青年が髭面の男の頭上からレーダーを覗く。
レーダーは何日も前から無反応を示していた。

「さあな…お偉いさんの考えはわからんよ」
「シーッ! 主任、聞かれたらやばいっスよ!」
「…誰が聞いてるんだよ…」

青年がけらけらと笑う。
つられて髭面の男も小さくシニカルな笑みを浮かべた。

「ホントに出てくるんスかねぇ…アレ」

青年がデフォルトの画面ばかり映すレーダーに向かってぽつりと呟いた。

髭面の男が頬杖をつく。
表情は明らかにぶすっとして、不満の色を表している。

「…一万と二千年前の遺産か?」
「ほんと、ロマンの世界っスよねぇ」

青年がわざとらしく胸の前で握り拳を上下させる。
髭面の男が笑いながらポーズの意味を聞いたが、
青年は人がやってるのを見ただけなそうだ。
場所は秋葉原だったらしい。

「しかも、見つけたところで公表するってわけじゃないんでしょ?
  一体何に使うつもりなんだか…」
「…お偉いさんの考えはわからんよ…」

髭面の男がコーヒーのカップに手を伸ばそうとした瞬間、
「ぴこん」と、管制室に甲高い音が一度だけ鳴り響いた。

「!?」

髭面の男が慌ててレーダーに目を移す。
青年も、もう一つのサブシートに飛び込むようにして座った。

「金属探知機! どうだ!?」
「待ってください……ありますよ! 微弱ですけど、反応あります!」

二人の瞳が爛々と輝く。
まるで森の中で誰も住んでいない小屋を見つけた子供のように、
二人は興奮で息を荒げていた。

「先端、掴めますかね?」
「バカ、何言ってんだ。こんな短時間で引き上げられるわけないだろ」

青年は恥ずかしそうにあははと笑う。
だが、そんな青年の意識に呼応するように、
レーダーが発する音はどんどんと勢いを強くしていった。

「…アレが、世界を救う切り札、か…」

――そして、発見から数日と経たず、
“それ”はまさに一万と二千年ぶりに人類の目に触れることとなった。


ブーンが巨大ロボットに第1話(1)へ つづく

ブーンが巨大ロボットに第1話(1)

第一話「鋼の愚神、起つ」


××県立荒巻高校。
この世の掃き溜め共が集まる……わけではなくて、
特に目立った部分のない普通の高校。
学業のレベルも普通なら、運動もサッカー部が少し強いぐらいである。

県立であることも関係しているかもしれないが、
特に考えることなく進学に選ぶようなごくごく一般の高校である。

「このように…WWFはパンダの自然保護団体との裁判に負けて、今のWWEに名前が変わったんだ…ここ、テストに出るぞ」

( ^ω^)「…」
('A`)「…」

歴史の教師がほとんど棒読みに近い発音で教科書の内容を読み上げる。
明らかにやる気がないその様子は、生徒達の方にも影響が現れていた。

('A`)「フアア…オイ、ブーン…ブーン?」
( ^ω^)「…」
('A`)「…コイツ、メヲアケタママネテヤガル…」

('A`)「…トゥア」
( ^ω^)「メメタア! …って、なんだおドクオ」

ドクオの狙い澄まされたチョップがブーンの頭頂部に振り下ろされる。
ブーンは蛙が殴られたがノーダメージのような擬音を発しながら目を覚ますと、
ドクオに恨めしげな視線を向けた。

('A`)「アンマリキモチヨサソウニネムッテルカラナ」
( ^ω^)「…なんでそれで起こすんだお?」
('A`)「…キミガシアワセダトボクガカワイソウダ」
(#^ω^)ビキビキ

ブーンが笑顔のまま握り拳をつくる。
ドクオはそれに動じたのか、慌ててブーンにわかるように自分の左側を指し示した。

(;'A`)「モチツケ…オイ、アレミテミロヨ」
( ^ω^)「…ツンさん?」

ドクオが指差したその先には、見目麗しき少女の姿があった。
彼女の名はツン。
このクラスで…いや、この学校随一の美少女である。

彼女に恋をする男子は数多いが、
いずれも彼女のクールな性格によって撃沈する者が後を絶たない。
かくいうブーンも、ツンに憧れを抱く男子生徒の一人であった。

( ^ω^)「…だからなんなんだお?」
('A`)「ヨクミテミロ」

ドクオの言うとおりブーンが細い目をさらに細くしてツンの姿を覗き込むと、
彼女は明らかに普段と様子が違っていた。
なんだか元気がないように見える。

具体的に言うと、ξ ゚ー゚)ξなのがξ ´_`)ξな状態なのである。

(;^ω^)「まあわかりやすいことだお」
('A`)「メズラシイヨナ、アイツガアンナニツカレテルナンテ」

「うぇうぇwwwwwww」

('A`)「オ、ヤットオワッタカ」
( ^ω^)「…相変わらず慣れないチャイムだお」

歴史の教師が目まぐるしい速度で教材をまとめ、さっさと教室を後にする。
ブーンとドクオの二人も教科書やノートを鞄に詰め込み、
大きく伸びをするように立ち上がった。

('A`)「オイ、ブーン。カエリニゲーセンヨッテコウゼ」
(;^ω^)「えー…また格ゲーかお? もう負けるの嫌だお…」

最近、ブーンとドクオはギル○ィギアというゲームにハマっている。
だが、実際のところハマっているのはドクオだけで、
ブーンは仕方なく付き合わせられているというのが本当は正しい。

('A`)「アンナニヤッテルノニ…マダナレネーノカヨ?」
( ^ω^)「うーん…僕はあんまり殴り合うのは好きじゃないお…」

鞄を肩に掛け、二人は教室を後にする。
廊下を歩く間、二人はゲームのテクニックについて話し合っていた。

とは言っても、これもまたドクオがべらべらと高説を振りまき、
ブーンが意味もわからず頷くという形である。

しかし、これが二人の極めてセオリー的な会話。
二人の間には毎日このような会話が続き、
惰性ではあるが彼らはそれに不満があるわけではない。

二人にとっては、これがいつもと同じく過ぎていく日々であった。



――だが、この後二人の“いつも”は突如として崩壊することになる。

それは少しだけ……幸運な出来事によって。

「きゃっ!」
(;゚ω゚)「おふぅん!!」

ブーンが衝撃で前につんのめる。
なんとかそのまま転ぶことは踏み止まったが、
依然としてブーンの背中には何か柔らかいものが乗っかっている感触があった。

(;^ω^)「な…なんだお〜?」
(;'A`)「ツ…ツンサン…」
(;^ω^)「え?」

ブーンが後方に頭を動かすと、鼻先に何かがふわりと触れた。
それは光沢を放つ金糸……
いや、ブーンにぶつかったツンのツインテールの片方であった。

ξ ´_`)ξ「ご、ごめんなさい…ちょっとぼーっとしてて…」
(;゚ω゚)「あ…あ、いや、あの…」

ツンはブーンに寄りかかったまま、いかにも元気が無さそうに呟いた。

(;゚ω゚)「あ…あの…」
ξ ´_`)ξ「え…?」
(;゚ω゚)「ど、どいて…いやどかないで…
い、いや、もうどいてくれないと…いろいろと限界が…」
ξ;゚Δ゚)ξ 「ご、ごめんなさい!」

ツンが慌ててブーンの背から飛び退く。
その際にツインテールがブーンの鼻先をくすぐり、
ブーンは「あふっ!」と甲高い嬌声を発していた。

(;゚ω゚)「あ…」
ξ ´_`)ξ「ぶつかってごめんなさい…もう行くわね…」

そう言って、ツンはフラフラと二人の前を歩いていった。
二人はその姿をただ呆然と見つめ、その場にはしばらくの間沈黙が続いた。

(;゚ω゚)「…」
(;'A`)「…」
(;゚ω゚)「…」
('A`)「…ノ…ノコリガー!!」

ドクオは勢い良くブーンの背後から飛び掛った。

(;゚ω゚)「なっ! なにすんだお!」
('A`)「ウオオオオ!!」

ドクオはブーンの背中にしがみつくと、
鼻をぐいっと近づけて酸素を思いっきり吸い込んだ。
香水とは違う、女性特有のほのかな匂いがドクオの粘膜を刺激し、
ドクオは恍惚の表情を浮かべた。

(*'∀`)「アハァ…」
(#`ω´)「こっ、これは僕のもんだおぉぉぉぉ!!」

ブーンは両腕を背中に回してドクオの頭を掴むと、
そのまま果たして火事場のナントカというやつなのか、
ドクオの体を思いっきり前方に投げ飛ばした。

('A`)「ビターン!!」
(#`ω´)「フォー!!」

ドクオは廊下に勢い良く叩きつけられると、そのままぴくぴくと四肢を奮わせた。
どうやら、意識はあるようだ。

(;`ω´)「はあ、はあ……ん?」

ブーンはその時、
自分のすぐ近くに何か丸い輪のような物が落ちていることに気が付いた。

( ^ω^)「これは…腕時計かお?」
('A`)(オ…オレハスルーカヨ…)

ブーンが“それ”を拾ってまじまじと見てみると、
果たしてそれは腕時計ではなかった。
どうやら腕に巻くもののようであるが、時計の表示板などは一切なく、
代わりに丸い板が取り付けられている。
その板の上には何やら文字が彫ってあるようだ。

( ^ω^)「V.I.P…?」
 
ブーンがその文字を読み上げる。
そこにはどう見ても「V.I.P」と書かれてあった。

( ^ω^)「V.I.Pって…あのVIPかお?」

ブーンの脳裏にアンダーグラウンドな巨大掲示板の、
そのまたアンダーグラウンドな板が思い浮かぶ。
最重要人物という意味のVIPよりも真っ先にそのサイトが思いつくあたり、
ブーンも重度にインターネット中毒だといえるだろう。

('A`)「アイタタ…ン? オイ、ブーン、ナニモッテンダヨ?」

ドクオはよたよたと体を起こすと、ブーンの持つ腕輪をまじまじと覗き込んだ。

('A`)「V.I.Pッテ…2chノVIPカ?」
( ^ω^)(うはwwwケコーンwwwww)

二人はその後腕輪をかざしたり裏側を覗いてみたりしたものの、まさかわかるはずもなく、二人は少しの間途方に暮れた。

('A`)「…ナアブーン、オマエツケテミロヨ」
( ^ω^)「え?」
('A`)「イヤソレ、ウデニツケテミロヨ」
(;^ω^)「な、なんでだお。いやだお…」

その後二人は腕輪を挟んで、しばしの間無言で見つめあった。
しかし、その視線からは「ツケロヨ」、「いやだお」というお互いの意思が強く伝わってくる。

そして、その沈黙を破ったのはまたしてもドクオだった。

('A`)「…ナアブーン」
( ^ω^)「なんだお」
('A`)「…ソレ、ツンサンガオトシタノカモナ」
( ^ω^)「セタップ!!」

ブーンは勢い良く腕輪に右腕を通した。

腕を通した瞬間、突如ブーンの右手首に激痛が走った。

(;゚ω゚)「くぁwせdrftgyふじこlp!!??」
(;'A`)「オイブーン!? ブーン、ドウシタ!?」

慌ててドクオがブーンに駆け寄る。
ブーンは左腕で右腕を押さえつつその場にしゃがみ込んだ。

(;^ω^)「はあ、はあ…」
(;'A`)「ダイジョウブカブーン!! ブーン!?」
(;^ω^)「…うう、なんかすごい痛かったお…」
(;'A`)「ブーン…スマン、オレガアンナコトイワナケリャ…」
(;^ω^)「と、とにかく、もうコレ外すお…」

そう言うと、ブーンは腕輪を根元から押し出すように力を込めた。

(;^ω^)「あ、あれ?」
('A`)「? ドウシタ?」
(;^ω^)「取れなくなっちゃったお…」

('A`)「ハァ? マヂカヨ?」
(;^ω^)「マヂだお…この腕輪…ちっとも抜けそうにないお…」

ブーンは腕輪をぐいぐいと引っ張ってみるが、腕の肉が波打つだけで、腕輪はちっとも外れそうな気配がない。
試しに二人は共同で引っ張り合ってみたものの、ただブーンの腕に痛みが走るだけであった。

(;^ω^)「ど、どうするお」
(;'A`)「…」

「ん〜? お前らいつまで残ってんだぁ?」

その時、二人の背後からいかにも気だるそうな声が聞こえてきた。
聞き慣れた声に二人がもしやと振り向くと、
そこには既に帰り支度を整えた歴史の教師の姿があった。

(;^ω^)「せ、先生…コレが取れなくなっちゃったんだお…」

「あぁ〜? うはwwwきめぇwwwwwww」



ブーンが巨大ロボットに第1話(2)へ つづく

ブーンが巨大ロボットに(プロローグ)へ もどる



ブーンが巨大ロボットに第1話(2)

荒巻コーポレーション。
技術という点において世界でトップクラスを誇る日本において、
業界の一位をひた走る超大物企業。
そのシェアは日本だけに留まらず、アメリカ、英国、インド……
果ては南の極みまで。

/ ,' 3「…」

荒巻コーポレーションを牛耳る、若き鬼才――
荒巻スカルチノフは、社長室から街の風景ばかりを眺めていた。
その視線は穏やかだが、何か奥深くに大きな意思のようなものを感じる。

まるで、いとおしいものを見つめるかのような、見守るかのような、強い意思。
若き鬼才は瞬きも少なく、ただじっと眼下に広がる街を見つめていた。

「父さん、入るわよ」

がちゃり、と社長室の扉が開く。
美しい金髪をたなびかせながら、見覚えのある少女が姿を現した。

/ ,' 3「ツンか…」
ξ ゚_゚)ξ「…父さん、準備ができたわ」

/ ,' 3「そうか…来るのだな、脅威が」
ξ ゚_゚)ξ「…ええ…」

荒巻の顔が一気に強張る。
それに合わせて、ツンの表情も一気に引き締まった。

/ ,' 3「お前にも苦労をかけたな…」
ξ ゚ー゚)ξ「ううん…これがあたしの仕事だもの」

荒巻が労うと、ツンの表情が少しだけほころぶ。
目の下のくまが目立つものの、その表情はまさしく可憐な美少女と呼べるものだった。

(`・ω・´)「社長…入ります」

その時、逞しく端正な顔立ちを持った青年が社長室の入り口に姿を現した。

/ ,' 3「ショボンか…入りたまえ」
(`・ω・´)「はい」

荒巻に言われ、ショボンという名の青年は社長室に足を踏み入れた。

(`・ω・´)「いよいよ…ですね」
/ ,' 3「うむ…結局“アレ”との適応率は君がトップだった…期待している」
(`・ω・´)「ありがとうございます」

荒巻はともすれば圧迫するかのような視線をショボンへと向ける。
ショボンはその視線をさらに強い視線によって返した。

/ ,' 3「ではツン…VIPライザーを彼へ」
(`・ω・´)(wktk…)
ξ ゚_゚)ξ「わかったわ」

荒巻に言われて、ツンが上着のポケットへと手を差し込む。
ポケットは少し外に盛り上がると、そのままごそごそと何度も動いていた。

/ ,' 3「…ツン?」
ξ;゚_゚)ξ「…」

ツンは突然何度も目をぱちぱちと瞬かせると、
何故か自分の衣服のあらゆる収納を手探りし始めた。

ξ;゚Δ゚)ξ 「お…」
/ ,' 3「お…?」
ξ;゚Δ゚)ξ 「落とした…」
/ ,' 3「なっ!?」
(´・ω・`)「ぶち殺すぞ」

/ ,' 3「ショボンくん…?」
(;´・ω・`)「あっ、いえ、なんでもありません」

ショボンは額の汗を拭うと、苦笑いを浮かべた。

/ ,' 3「しかし…ツン、落としたというのは本当なのか?」
ξ;゚_゚)ξ「う、上着のポケットに入れておいたはずなんだけど…」

三人の間に気まずい沈黙が訪れる。
冷静な荒巻でさえも、その表情には若干の焦りを見せていた。

/ ,' 3「ま、まずいな…あれがないとどうすることもできん…」
ξ;゚Δ゚)ξ 「う、あ…あうあう」
(´・ω・`)「…」

三人はどうすることもできないまま、ただ唇を噛み締めるだけ……
のはずだったが、その時ショボンがさも当たり前であるかのその一言を言い放った。

(´・ω・`)「あの…」
/ ,' 3「ん…な、なんだね」
(´・ω・`)「あれには発信機が付いてるんじゃ…」
/ ,' 3「…」
ξ ゚Δ゚)ξ 「…」

荒巻とツンはお互いにぽかんと口を開いた後――

/#,' 3「そういうことは早く言え」
ξ#゚Δ゚)ξ 「そういうことは早く言え」

親子だな――と、ショボンは思った。

/ ,' 3「と、とにかく…早くVIPライザーの居場所を突き止めるんだ」
ξ ゚Δ゚)ξ「わかったわ! 急いでオペレーティングルームへ…」

――その刹那、ツンの言葉は爆音によって遮られた。

/ 。゜3「なっ!?」

荒巻が窓の外に見た光景――
そこには高層ビル群と並ぶかのようにそびえ立つ、機械の魔獣の姿があった。

/ 。゜3「ばっ、ばかな…早過ぎる!!」

荒巻が叫んだ次の瞬間、ロボットの右腕から極大の火の玉が放たれた。
火球はロボットから一番近くにあった高層ビルの中ほどに当たり、
ビルは窓ガラスをぶち撒けながら朦々と黒い煙を吐き出した。

続けざまに、ロボットの左腕の機関銃が火を吹く。
機関銃と言ってもあのサイズから繰り出される砲弾は、
ほとんど対艦砲のそれである。
住宅の屋根は菓子細工のごとく吹き飛び、木々はへし折れ、まるでその場にだけ台風が通り過ぎたかのようだ。

/ ,' 3「くっ…! ぐっ、ぐうう…!」

瞬く間に蹂躙されていく街を見て、荒巻は憎々しげに唸った。

/ ,' 3「…ツン」
ξ;゚Δ゚)ξ「はっ、はい! 父さん!」
/ ,' 3「はやく…VIPライザーを探し出せ…」

荒巻はいつもと同じく穏やかな口調で言い放った。
しかし、ツンは痛いほどにわかっている。
あの穏やかな父は今、心の奥底から怒っているのだと。

この街を、日本という国を、そしてなにより人間を愛しているこの父が、あの残虐非道な行いを許すわけがない。
ツンは一度だけ荒巻――父へと頷くと、急いで社長室を後にした。

/ ,' 3「…ショボンくん」
(`・ω・´)「はっ!」
/ ,' 3「君は人命救助を頼む。できる限り…命を…助けてくれ」
(`・ω・´)「はっ!」

ツンは走った。
地下へと続くエレベーターを降り、オペレーティングルームへと続く長い長いオートラインの上をただひたすらに走った。

ツンは前だけを見つめながら、ぐっと歯を喰いしばって走る。
何故か、気が緩んだら涙を流してしまいそうな気がしたからだ。

荒巻の血が流れているツンが、あの光景を許せるはずがない。
そしてなにより、
VIPライザーを落としてしまった自分への責任感が彼女にはあった。
荒巻はツンを責めなかったが、ツンは誰よりも自分で自分を責めていたのだ。


――ツンがこのプロジェクトに参加した発端は荒巻によるものだった。
考古学者としての側面を持つ荒巻が見つけた、南極の未知の金属。

荒巻は、その金属をValuable Importance Package(とてつもないものを内包したもの)、略してV.I.Pと名づけた。

そして、荒巻は同時に世界を襲う脅威の存在にも着目していた。
荒巻は仮に、その世界を襲う存在を「ARASHI」という風に呼称した。

荒巻はとある古典よりその存在を認知し、いち早くそれに向けての対策を講じたのである。

業界では磐石の地位を獲得している荒巻でも、にわかにはこの説を人々に信じてもらうことはできなかった。

それもそうである。
荒巻が言っているのは、まさしく漫画やアニメに出てくるような話なのだから。

しかし、それでも荒巻は対策を確立することを諦めなかった。
自衛隊への軍備拡大の提唱や、大規模なシェルターの建設に荒巻は勤しんだ。

そして、荒巻がツンをこのプロジェクトに誘ったのもこの時だった。

その頃ツンはロボットテクノロジー業界の若き革命児と言われ、優秀な頭脳を如何なく発揮していた。
荒巻は勧誘をする時、命令などという形ではなく、選択を彼女自身に委ねた。

結果、ツンは快くその誘いに乗り、今では父に負けないぐらいの強い使命を持っている。
そして、彼女はついにこのプロジェクトの最大の核と言えるプランを成し遂げるに至った。

彼女はついに造り上げたのである。

南極で発見された未知の金属をベースとした、鋼鉄の愚神を――

ξ;゚゚)ξ「礼子さん! 今すぐVIPライザーを探して欲しいの!」

ツンは網膜認証のドアを開けると、勢い良くオペレーティングルームの中に飛び込んだ。
すると、中央にあったシートに座っていた人物が、くるりとそのシート自体をツンに向ける。

b゚ー゚)「大丈夫よツンちゃん。もう場所は突き止めてるわ」

妙齢の女性がツンへと微笑みかける。
彼女の名は緒辺礼子。
このオペレーティングルームを一人で制御する、まさしくITの申し子と呼べる女性である。

ξ;゚゚)ξ「本当! じゃ、じゃあVIPライザーはどこにあるの!?」
b゚ー゚)「ここよ」
ξ;゚゚)ξ「え…ここって…」

礼子が指し示したその場所は、ツン自らも登校している――荒巻高校であった。


ブーンが巨大ロボットに第1話(3)へ つづく

ブーンが巨大ロボットに第1話(1)へ もどる

ブーンが巨大ロボットに第1話(3)

(;^ω^)「な、なんなんだお…」
(;'A`)「ウ、ウソダロ…ナンダヨアレ…」

ブーンとドクオは窓の外から見えるその光景に、恐怖を禁じられないでいた。
先ほどから、ロボットによる破壊は依然として続けられている。

歴史の教師は誰よりも早く逃げ出し、今学校に残っているのはブーンとドクオの二人だけである。

(;'A`)「クソッ…デグチサエフサガッテナケリャ…」

そう言ったドクオの視線の先には、見るも無残に崩れ落ちた校舎の姿があった。
運悪く、ブーンとドクオが逃げ出そうとする前に、ロボットの放った銃弾が校舎に直撃したのである。

(;^ω^)「窓から逃げようにも…迂闊には動けないお…」
(;'A`)「チ、チクショウ…ドウナッテンダヨ」

ブーンとドクオが途方に暮れていたその時、なんとかラインの生きていたマイクから元気良く声が鳴り響いた。

「ちょっと! そこに誰かいるの! いたら返事しろー!」


( ^ω^)「!」
('A`)「!」

「ちょっとー! 返事しろって言ってんでしょー!」

(;^ω^)「(な、なんだお…?)」
(;'A`)「(シ、シラネーヨ…)」

ブーンとドクオはあまりにも突然に聴こえてきた声に驚愕し、二人で訝しげにマイクの方を見つめた。

(;^ω^)「(ど、どうするお…?)」
(;'A`)「(ヤ、ヤッパヘンジシタホウガイインジャネーカ…)」

「聞いてんのか! 返事しろって言ってんでしょ! わかったか! わかったらラジャーといえ!」

(;^ω^)「ラ、ラジャー」


「! いるんなら早く返事しなさいよ! このグズ!」

(;'ω`)「フヒヒヒ、すいません…」

ブーンは思わずマイクに向かって頭を下げた。

「誰がいんの! あんた一人!?」

(;^ω^)「ふ、二人ですお」
(;'∀`)「ド、ドーモ、エヘヘ」

「なによ! 二人いんなら最初っから二人で返事しなさいよ!」

('A`)「…」

ドクオはきょろきょろと辺りを見回すと、教室から吹っ飛んできたのか、そんなに状態の悪くない机を一つ持ってきた。

('A`)「アトハロープ…」
(;^ω^)「いや、はやまるなお」


(;^ω^)「とっ、とにかく! 早くここから助けて欲しいお!」

「ちょっと待って。ねえ、あんた達のどっちか腕輪みたいなもの持ってない?」

当然、二人の視線がブーンの右腕へと集中する。
どう考えても、声の主が言っているのはこれのことである。
二人はお互いにばつの悪い顔をしたが、この状況下において既に答えは出ているようなものだった。

(;^ω^)「持って…ますお」

「ホント!! じゃあ腕輪を持って…ああ、腕輪を持ったまま二人して手を繋いで、腕輪に向かって“リターン”って言ってちょうだい」

(;^ω^)「へ…」

相変わらずマイクから聞こえる声は一方的なものだが、やはり二人に選択の余地などない。
なにより、先ほどから聞こえる爆音が、段々近くなっているのだ。

ブーンとドクオはごくりと唾を飲み込むと、言われたとおりに手を繋いだ。

(;^ω^)「…」
(;'A`)「…」
(*^ω^)「うほっ」
(*'A`)「ヤラナイカ」

「いいから、早くしなさい」


( ^ω^)「リターン!」
('A`)「リターン!」

二人が腕輪に向かってそう叫ぶと、二人はまるで腕輪に吸い込まれるかのように粒子へと還元された。
そのまま二人を吸収した腕輪は窓を突き破り、自らの主が待つ荒巻コーポレーション地下へと飛んでいった。


( ^ω^)「う…」
('A`)「ココハ…ドコダ…」

二人が目を覚ましたのは、冷たい床の上だった。
ライトで充分なほどに明るさは満ちているが、どこかおどろおどろしいふいんき(ry)に包まれている。

二人がわけもわからずうろたえていると、そんなことを吹き飛ばすかのような大声がその場に響き渡った。

ξ ゚゚)ξ「待ってたわよ!! このVIPライザー泥棒!!」

(;^ω^)「えっ…」
(;'A`)「ツ…ツンサン?」

ξ;゚゚)ξ「え…独多くんに…内藤くん!?」


ξ;゚゚)ξ「な…なんで二人が…あれ?」

ツンの視線は、一直線にブーンの右手首へと向けられた。

ξ;゚゚)ξ「あああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!1111111」

(;^ω^)「ひいい」
(;'A`)「ヒイイ」

いきなりのツンの叫び声に、二人はその場にぺたんと座り込んだ。
ツンは口を「あ」の形にしてわなわなと震えた後、ブーンに向かって凄まじい剣幕でにじり寄った。

ξ;゚゚)ξ「な…なんで…付けちゃってる、のよ…?」
(;^ω^)「す、すいませんすいませんすいませんすいませんすいません」

口を開けたまま驚愕の表情を浮かべるツンと、それを見て必死の形相で謝り倒すブーン。
なかなかシュールな光景であった。

ξ;゚゚)ξ「はっ、早く外してっ!!」
(;^ω^)「あ、あの…それが、取れないんだお…」
ξ;゚゚)ξ「えっ!?」


ξ;゚゚)ξ「とっ、取れないって…あ」

ツンはそこであることを思い出した。
このVIPライザーの開発者はもちろんツン自身であるが、彼女はこの装置にある画期的な細工を施した。

それは、VIPライザーと装着者の神経をバイパスを通して繋ぎ、その生命活動にVIPライザーが呼応するという仕掛けである。
これによってVIPライザーはなんらかによって装着者の生命活動が停止した場合、その効果の一切を失われる。

もしVIPライザーが敵に奪われたとしても、既に装着者が死んでいる場合、それはただのガラクタと化すのだ。
また、もしもVIPライザーを無理矢理外そうとした場合、神経に通ったバイパスがその神経から毒物を注入し、外した者を死に至らしめる。
これは、もしもの裏切り者のための措置である。

ξ;゚゚)ξ(解除コードを付け足すことはできるけど…時間が足りな過ぎる…!)
(;^ω^)「あ、あの…」

ツンの不安そうな表情を察してか、ブーンは心配そうにツンの顔を覗き込んだ。
ツンはそれに気付くと、慌ててそれどころではないことを思い出した。

そして、ツンはそこで、ある一つの決断を下した。

ξ ゚゚)ξ「内藤くん…」
(;^ω^)「な、なんですかお…」
ξ ゚゚)ξ「あなたに…闘ってほしいの…!」


(;^ω^)「へ…」

ブーンは当然ながら、その言葉を理解することができなかった。
だが、ブーンはなんとなくなら彼女の言っていることの内容がわかっていた。
と言うより、今の状況下ではそれ以外にはまず考えられない。

――ツンは、ブーンに外のロボットと闘えと告げたのだ。

(;^ω^)「む、無理だお!! そんなの絶対無理だお!!」

ブーンは力の限り否定する。
それは、明らかにツンの瞳が冗談ではないことを語っているからだ。

ξ;゚゚)ξ「お願い…! 一度だけ…一度だけでいいの…! そうしたらそのVIPライザーを外せるようにするから…!」
(;^ω^)「そ…そんなこと言われても…」

「私からも…頼む」

ξ;゚゚)ξ「!」
(;^ω^)「!」

そこには、ブーンを真っ直ぐに見つめる荒巻の姿があった。


(;^ω^)「あ、テ、テレビで見たことある人だお…」
ξ ゚゚)ξ「私の…父よ、内藤くん」
(;^ω^)「!」

/ ,' 3「…荒巻スカルチノフだ。初めまして」

荒巻はゆっくりとした足つきでブーンの下へと近付くと、そのままじっとブーンの瞳を見つめた。

/ ,' 3「…君は、優しい子のようだね」
(;^ω^)「…」
/ ,' 3「率直に言おう。私は、君に犠牲になってもらいたい」
(;^ω^)「!!」
ξ;゚゚)ξ「と、父さん!?」

しかし、ツンの言葉は荒巻の掌によって遮られた。

/ ,' 3「君には今からある兵器に乗り、外のロボットと闘ってもらいたい」
(;^ω^)「…そ、そんなの…僕には無理だお」
/ ,' 3「内藤くん…だったかな? もうわかっただろう、平穏とは唐突に崩れ去るものだ」


/ ,' 3「だがな、内藤くん…平穏を取り戻すのも、また我々なんだ」
(;^ω^)「…」

荒巻の視線はブーンを貫くように鋭い。
しかし、口調はあくまでも穏やかなままだった。

/ ,' 3「今闘わなければ…大勢の人が死ぬ。私はそれを助けたいんだ。だから君に協力してほしいんだよ」
(;^ω^)(死ぬ…ママもみんな…)
/ ,' 3「だが、自分のせいで人が死ぬなんて風には絶対に思わないでほしい。もし君が乗らないことを選んだとて、君を責められる者などいない」
( ^ω^)「…」
/ ,' 3「しかし、その人々を救えるのは…やはり君なんだよ」

荒巻は静かに、そしてゆっくりとブーンに語りかけた。
ブーンもその話に穏やかな表情で聞き入り、その言葉の一つ一つが体の奥底へと染み渡っていくような感覚を憶えていた。

ξ ゚゚)ξ「…内藤くんがこんなことになってしまったのは、運が悪かったとしか言えないわ…」
( ^ω^)「…」
ξ ゚゚)ξ「…でも…でも……もう、あなたしかいないのよ」
( ^ω^)「…僕は…」

ブーンの口が、ゆっくりと開いた。

( ^ω^)「…僕は…自信がないお…」


/ ,' 3「…そうか」
ξ ゚_゚)ξ「…」

ブーンはすまなさそうに視線を床に向ける。
しかし、荒巻もツンも、ブーンを責めようとはしなかった。
荒巻は優しくブーンの肩を叩き、二人ともブーンを安心させようと、顔には笑顔を浮かべていた。

/ ,' 3「…とにかく、ここよりシェルターに移動した方がいい」

荒巻は近くにいた警備員を呼ぶと、シェルターまでの道案内をするように告げた。

/ ,' 3「さあ、早くここから移動するんだ」
('A`)「マテヨ」

その時、荒巻を呼び止めるドクオの姿があった。

('A`)「ブーン…ソレデオワリジャネエンダロ?」

ドクオはブーンに向かって、その一言を呟いた。
それ以上は何も喋らず、ただ真っ直ぐにブーンを見つめている。


――しばらくして、ブーンはその問いかけに頷いた。


( ^ω^)「…僕は…自信がないお…だけど…」

ブーンは次の一言を、静かに……しかしとても力強く呟いた。

( ^ω^)「みんなにいなくなってほしくないから……僕は、一度だけ闘うお…!」
( '∀`)「…ヘヘッ」

ブーンとドクオはそのまま視線だけを交わして、お互いに笑い合った。
二人にだけしかわからない、親友同士の会話がそこにはあった。

ξ ゚ー゚)ξ「ありがとう…内藤くん」
( ^ω^)「お礼は後回しだお! 僕はどうすればいいんだお?」
ξ ゚゚)ξ「そうね! じゃあ内藤くん、こっちへ来て!」

ブーンはツンに言われるがまま、地下格納庫のような場所へといざなわれていった。

( ^ω^)「真っ暗で何も見えないお…」
ξb゚゚)ξ「ちょっと待って、今明かりを点けるわ」

ツンはいつの間にか装着していたヘッドセットのマイクに向かって何かを呟くと、次々と天上のライトが点灯していった。

(;^ω^)「!! こ…これは…!?」
ξb゚゚)ξ「これこそが、あたしが造り上げた鋼鉄の愚神……ダイヴィッパーよ」


ブーンが巨大ロボットに第1話(4)へ つづく

ブーンが巨大ロボットに第1話(2)へ もどる

ブーンが巨大ロボットに第1話(4)

ダイヴィッパー――ツンが造り上げた、「ARASHI」に対する最大の武器。
身長50m、体重6000tを誇り、
装甲には南極で発見された未知の金属「V.I.P」が使われている。
ツンの「戦闘は火力よ!」という鶴の一声によって体内に様々な兵器を仕込み、
胸に雄々しく「V」のマークが取り付けられている。

(;^ω^)「す、すごいお…」
ξb゚゚)ξ「感想はいいわ。早く乗ってちょうだい!」

ツンの指示によって、ブーンは昇降式のリフトに飛び乗った。
リフトは真っ直ぐにダイヴィッパーの胸部――乗り込み口へと向かう。

( ^ω^)「どうすればいいお?」
ξb゚゚)ξ「胸の脇に付いてるレバーを引いて。そうしたら開くはずよ」

言われたとおりブーンがレバーを引っ張ると、
ぷしゅうという空気が抜けるような音と共に
ダイヴィッパーの胸部がゆっくりと開かれた。
中には人一人が収まるスペースがあり、中央に搭乗席が存在していた。

ブーンは泉のように湧き出る唾を飲み込み、搭乗席へと移動した。
座った途端に開いた胸部がゆっくりと閉じていき、
その様子にブーンは一度だけびくりと体を震わせたが、
その後は決して動じることはなかった。

( ^ω^)「うわぁ…ダイヴィッパーの中…とてもあったかいなりぃ…」
ξb゚゚)ξ「ただの暖房よ」


ξb゚゚)ξ「内藤くん、次は起動よ。
腕のVIPライザーに向かって“VIP START”って言ってちょうだい」

ブーンが右腕のVIPライザーを覗き込む。
ここでツンの指示通りにすれば、もう後へは引き返せない。

さっき言った言葉はまぎれもないブーンの本心だが、
恐怖を無くすことはできなかった。
だが、ブーンが口でその一言を言うより先に、既に心がそれを告げていた。

( ^ω^)「VIP すてっ…START!!」

肝心なところで噛んでしまったブーンだが、
その心に応えるように、コクピット内部に光が渡っていく。
ブーンの周りは一瞬にして外の様子を映し出し、
まるで搭乗席が中央に浮かんでいるようである。

ξb゚゚)ξ「内藤くん、イメージコン…いえ、両腕を筒みたいなのに通してちょうだい」

ツンの声がコクピット内部に響く。
どうやら、ツンのヘッドセットのマイクはダイヴィッパーのコクピットにも繋がっているようだ。

( ^ω^)「こうかお…」


ブーンが両腕を筒のようなもの――イメージコンバージョナー(感覚変換装置)へと通す。
その瞬間、ブーンは頭に何か爽やかな風が吹いたような気がした。

ξb゚゚)ξ「内藤くん、それはあなたのイメージをそのまま機体にリンクさせるわ。
試しに自分が歩く姿を想像してちょうだい」
( ^ω^)(歩く…)

ブーンが頭の中で右足を持ち上げるイメージを行う。
すると、それに呼応するようにダイヴィッパーの巨大な右足が持ち上がった。

そのままブーンがイメージを続行すると、
ダイヴィッパーはまるで人間のように格納庫内を進み出した。
驚くべきは、ブーンのイメージと機体の行動にほとんどタイムラグが無いことだ。
ツンはプロジェクトに参加した後にこの装置を組み立てたが、
もし世界に公表していれば今後文明に大きな変化をもたらしたかもしれない。

ξb゚゚)ξ「いいわ…その調子よ。前にあるカタパルトに機体の足を固定してちょうだい。イメージはなんとなくでいいわ」
( ^ω^)(…)

ダイヴィッパーが体を預けるようにしてカタパルトに背中から触れる。
その途端、機体の四肢がアームによって固定された。

ξb゚゚)ξ「ちょっとだけ揺れるわよ」
( ^ω^)(いよいよかお…)

ダイヴィッパーは一度だけガタンと揺れた後、
凄まじい勢いで地上へ排出されていった。


ダイヴィッパーの上昇が止むと、既にそこは荒巻コーポレーションビルの目の前であった。

(;^ω^)「なっ…!」

ブーンはそこで言葉を失った。
無理もない。
ブーンのモニター越しに見た光景――
それは、まるで世紀末が来たような、凄惨な街の姿であった。

倒壊したビル群。
潰れた住宅。
焼け野原となった公園――

荒巻が愛し、美しかった街は、今や見るも無残な姿となっていた。


――そしてその中央にいた“それ”は、
まるで獲物に気付いたかのように、ダイヴィッパーへと視線を向けた。


(;^ω^)「くっ…来るのかお…!?」
ξb゚゚)ξ「内藤くん、落ち着いて!
あいつは多分“DQN”、それほど強くはないはずよ」

オペレーティングルームからのツンの声が響き渡る。
ブーンは落ち着けと言われたものの、どんどん心臓の動悸が激しくなっていく。
元々気の弱いブーンには、気絶すらおかしくないような状況だった。

(;^ω^)「…でも、本当に…僕にできるのかお」
ξb゚゚)ξ「内藤くん、あたしはあなたを信じるわ…
だから、あなたもあたしの造ったダイヴィッパーを信じて!」
( ^ω^)「…わかったお…で、どうすればいいお…?」
ξb゚゚)ξ「そうね、まずは…」

しかし次の瞬間、DQNの左腕から放たれた無数の銃弾がダイヴィッパーを襲った。

(;゚ω゚)「うわああああああああ!!??」

ダイヴィッパーが咄嗟に両腕を前に出す。
ブーンのイメージした姿に、機体が応えたのである。
だが、銃撃は容赦なくダイヴィッパーへと降り注ぎ、機体からは朦々と煙が上がった。


銃撃が止んだ頃、ダイヴィッパーの姿は舞い上がった土煙によってほとんどシルエットしか見えなくなっていた。
DQNはまるで勝利を確信したかのように、頭部に付いたモノアイをぎょろりと動かした。

(;^ω^)「うう…」
ξb゚゚)ξ「内藤くん! 内藤くん!
     衝撃はそんなになかったはずよ! ほら、見てみなさい!」

ブーンが瞑っていた眼をゆっくりと開く。
同時に、舞い上がった土煙も段々と晴れていった。

(;^ω^)「な…なんともないお…」
ξb゚゚)ξ「当然! あたしの造ったダイヴィッパーは無敵よ!」

土煙が晴れてその姿が再び明るみに出る。
すると、ダイヴィッパーには文字通り傷一つ付いていなかった。
その姿を目にしたDQNも、驚いているかのようにモノアイを急激に動かしている。

ξb゚゚)ξ「ただ、何回も攻撃を受けてちゃだめだわ。内藤くん、攻撃して!」
(;^ω^)「へっ!? こ、攻撃かお!?」


(;^ω^)「こ、攻撃って…何をすればいいお…?」
ξ;b゚゚)ξ「ええ!? な、なんでもいいわよ! パンチとかキックとか!」
(;^ω^)「そ、そんなこと言われても…僕ケンカしたことないお…」
ξ;b゚゚)ξ「えーっと…じゃ、じゃあテレビで格闘技ぐらい見たことあるでしょ! それを思い出して!」
(;^ω^)「わ、わかったお…」

ブーンが頭の中でイメージを始めると、ダイヴィッパーは一気にDQNに向かって走り出した。

(#`ω´)「うおおおおおおおおおおお!!!!」

ダイヴィッパーは勢いを付けながら、DQNに向かって体当たりをした。
体当たりとは言っても、
なんだか相手を両手で押し出しただけのようなものになっている。
しかし、その衝撃でDQNは大きく後方に吹っ飛んだ。

ξb゚゚)ξ「いいわよ内藤くん!」
(#`ω´)「うわああああああああああ!!!!」

DQNが起き上がったのを見計らって、ダイヴィッパーは再び走り出した。
しかし、今度は最初よりも相手が吹っ飛んだ分だけ若干距離があったため、
ダイヴィッパーの体当たりは足裏のローラーを使ったDQNにひらりとかわされてしまった。

ξ;b゚゚)ξ「ちょ、ちょっと! 同じことしてどうするのよ!」
(;^ω^)「そ、そんなこと言ったって、
      僕がテレビで見たお相撲さんはこれしかしてなかったお…」
ξ;b゚゚)ξ「ど、どんな格闘技を見たのよ…」


ξb゚゚)ξ「! 火球が来るわ! 内藤くん、左によけて!」
(;^ω^)「うわあっ!」

ダイヴィッパーが倒れ込むようにして左へ移動する。
次の瞬間、DQNの右腕から放たれた火球がダイヴィッパーがいた場所を通り過ぎた。

ξb゚゚)ξ「あの火球にだけは気をつけて!」
(;^ω^)「ぜ、善処してみますお…」

ダイヴィッパーが火球をかわすのを見届けたDQNは、ローラー移動で後方へと進む。
そのままDQNは足首をアンカーで地面に固定し、
両腕をダイヴィッパーに向けた体勢で動きを止めた。

(;^ω^)「ね、狙い撃ちされるんじゃないかお!?」
ξb゚゚)ξ「大丈夫! 飛び道具ならこっちにもあるわ! 内藤くん、相手に石でも投げ付けるようなイメージを!」
( ^ω^)(…)
ξb゚゚)ξ「音声入力でロックが外れるわ! 内藤くん、ZIPミサイルって叫んで!」
( ^ω^)「ZIPミサイル!!」

ダイヴィッパーは一度両腕を左右に広げた後、胸の前で交差し、上半身を前のめるように動かした。
そして次の瞬間、ダイヴィッパーの背中から、二本の極太ミサイルが発射された。


二本のミサイルが、DQNへ向かって一直線に進む。
DQNは撃ち落そうと両腕をミサイルへと向けたが、それより先にミサイルは両方とも空中でぱかりと散開した。

散開した極太ミサイルの中から、ぎっしりと詰められた無数のミサイルが飛び出す。
小型になったことで速度を増したミサイル群は、うろたえるDQNに向かって火薬の雨を降り注いだ。

(;^ω^)「こ、これはやり過ぎじゃないのかお!?」
ξb゚゚)ξ「大丈夫! 住民の避難は既に父さんがやってくれているわ!」

どかん、という凄まじい破裂音と共に連続して小爆発が繰り返される。
たちまちDQNの周りにはいくつもの小規模なクレーターが出来上がった。

(;^ω^)「や、やったのかお…?」

全てのミサイルが命中したわけではないが、それでもあの爆発に巻き込まれたのである。
普通なら木っ端微塵になっていてもおかしくはない。


しかし次の瞬間、煙の中からぎろりと一つ目が瞬いた。


ローラーの駆動音と共に、DQNが煙から飛び出す。
DQNはそのままなめらかな右回りでダイヴィッパーの背後へと移動すると、右腕の火球を撃ち込んだ。

(((;゚ω゚)))「うっわああああああああ!!」

たちまち衝撃で機体が前につんのめる。
DQNはそのまま体勢が崩れたダイヴィッパーに肩から体当たりした。

地響きと土煙を上げながらダイヴィッパーの巨体が地面に倒れ込む。
DQNは左腕の機関銃で銃撃を放ちながら、ダイヴィッパーの周りをぐるぐると回りだした。

(((;゚ω゚)))「わああああああ!!??」

ダイヴィッパーの全身を、銃弾が揺さぶる。
内部への衝撃はV.I.P装甲によってかなり減少されるが、それでもある程度の衝撃がコクピットのブーンを襲った。

(;'ω`)「うっ、うう…」
ξ;b゚゚)ξ「内藤くん! しっかりして!」
(;'ω`)「うう…やっぱり僕じゃだめだお…」
ξ;b゚゚)ξ「なに言ってるの! 諦めちゃだ…」

その時、今にも泣き出しそうになるブーンを、力強い声が受け止めた。

(#b`A´)「バーロー!! ナニヤッテンダ、ブーン!!」


(;'ω`)「ド、ドクオ…」
(#b`A´)「ブーン!! ナニハイツクバッテンダ!! タチアガレ!!」

それは、ツンのマイクを無理矢理奪い取ったドクオであった。
なので、マイクの向こうからはツンの怒声も聞こえてくる。

(;'ω`)「で、でもドクオ…僕はどうすればいいんだお…」
(#b`A´)「バーロー!! ナニマヨッテンダ!! オマエガマヨッタンナラ、ヤルコトハヒトツダロウガ!!」
(;゚ω゚)「!!」

その時、ブーンは自分の中で、何か小さな火のようなものが灯ったような気がした。
そして、頭の中で自分のやるべきことを瞬時に思い出す。

もし何かにぶつかった時、迷った時、自分がやるべきこと、それは――

(#`ω´)「突撃だお!!!!」

ブーンは頭の中で即座にその姿をイメージする。
ダイヴィッパーはそれに応え、力強く立ち上がった。

( ^ω^)「ブーン!!!!」

ブーンの叫びと共に、ダイヴィッパーは大きく両腕を左右に広げた。


ξ;゚゚)ξ「こ、これは!?」
;b゚Д゚)「クオリティゲージが…こ、こんな上昇見たことないわ…」
(;b'A`)「エ、ナニ、オレヤッチャッタ?」

ダイヴィッパーの体が青白いオーラのようなものに包まれる。
このような現象は、開発者であるツンであさえも初めて見る光景であった。

オペレーティングルームで焦る三人をよそに、
ダイヴィッパーは勢い良く空中へ跳び上がった。

( ^ω^)「ダイヴィッパー・ブーン・アタック!!」

ダイヴィッパーは空中で機体をバーニア噴射で姿勢制御すると、
そのまま凄まじい勢いでDQNへ向かって急降下した。

その姿は、まさに炎の中から甦った不死鳥。
DQNは危険に気付いたかのように両腕の火器を一斉に放ったが、
そのいずれもダイヴィッパーのオーラに遮られた。

( ^ω^)「うわあああああああああああ!!」

オーラに包まれたダイヴィッパーは、そのまま勢い良くDQNと衝突した。


凄まじい衝撃。

オーラを纏ったダイヴィッパーの体当たりは、
DQNの体を大きく後方に吹っ飛ばした。
そのままDQNは背後にそびえ立っていた高層ビルと衝突し、
座り込むようにしてビルへとめり込んでいく。

(;^ω^)「!!」

勝負は決まったかのように見えた。
だが、ブーンの目の前でDQNの体がびくりと震える。

驚くべきことに、DQNはこれだけの攻撃を受けてなお、
未だその活動を停止していなかったのだ。
一度は勝利を確信したブーンの額に、一筋の汗が流れる。

(;^ω^)「こ、これでもダメなのかお…」
ξb゚゚)ξ「いいえ!!」

ドクオからヘッドセットを奪い取ったツンの声が響く。
見ると、確かにDQNはまだ動いているものの、
その体のあちこちから火花が飛び散り、その動きも極端に鈍かった。

ξb゚゚)ξ「内藤くん! トドメよ!」

そして、ツンはブーンへと最後の指示を伝えた。


( ^ω^)「クリティカル…」

ブーンの声とイメージと共に、ダイヴィッパーが右手で握り拳をつくる。
そのまま弓を引き絞るかのように、ぐぐっと右腕を後方に動かした。

( ^ω^)「ブロォォォォォォォォォッ!!!!」

ダイヴィッパーの右腕が勢い良く前方に出される。
そのまま肘の部分のロックがバチンと外れ、
さながらロケットのように右腕が発射された。

発射された右腕は、DQNへ向けて一直線に突き進む。
DQNの装甲、内部、背部装甲……むしろその前に立ち塞がる全てを貫かんと、
放たれた右腕は意思があるかのようにひた走る。


――そうして破壊の右腕は、DQNの体を背後のビルごと貫いた。


DQNの背後から飛び抜けた右腕は、
そのままオペレーティングルームの操作によって再びダイヴィッパーの元へと収まった。
体に大きな風穴を空けられたDQNはわずかに腕を動かしたものの、
すぐにその四肢をだらりと垂れ下げ、その活動が停まったことを表した。

(;^ω^)「はあ…はあ…」
ξb゚゚)ξ「や…やった…」
(;^ω^)「ぼ…僕は勝ったのかお…?」
ξb゚∀゚)ξ「そうよ内藤くん! あなたのおかげで勝てたのよ!!」

ツンの嬉しそうな声が聞こえてくる。
オペレーティングルームでは三人ではしゃいでいるようだ。
マイクから黄色い歓声と少々不気味な笑い声が聞こえてくる。

ξb゚∀゚)ξ「ありがとう! ありがとう内藤くん!!」
( -ω-)「よ。よかった…お…」
ξ;b゚゚)ξ「え!? ちょ、ちょっと内藤くん!? 内藤くん!?」

ブーンの意識は、そのまま混濁の海へと沈み込んでいった――


ブーンが巨大ロボットに第1話(5)へ つづく

ブーンが巨大ロボットに第1話(3)へ もどる

ブーンが巨大ロボットに第1話(5)

( -ω゜)「んん…?」

ブーンが目を覚ましたのは、医療用のベッドの上だった。

ブーンの未だぼーっとする頭でも、大体の顛末は理解できた。
あの戦闘が終わった後、ブーンは病院へと搬送され、生命維持措置を行われたのだろう。

あの戦いで街は無残な姿へと変わり果ててしまったが、それは荒巻が補修工事を行うものと思われる。

ブーンは自分があのダイヴィッパーというロボットで闘ったことの事実を簡単には受け入れられなかったが、それでも窓から見える光景がそれがまぎれもない事実だということを教えていた。

( ^ω^)「…ママやドクオは…大丈夫かお…」
ξ --)ξ「う、んん…?」
(;゚ω゚)「!? ツ、ツンさん…?」

ブーンはその時初めて近くに座っていたツンの存在に気が付いた。
いい加減疲れが出たのだろう。
ツンもブーンと一緒に眠ってしまっていたようだ。


ξ ゚゚)ξ「あ…」
(;^ω^)「ど、どうもだお…」
ξ ゚∀゚)ξ「よかった! 気が付いたのね!!」
(;゚ω゚)「うッひょおおおおおおおおお!!??」

突然、ツンはブーンに抱きついた。
ブーンは驚きで全身の毛が逆立ち、どうしようもなくなった手足の指が縦横無尽に動き回る。

ξ;゚゚)ξ「あ…」
(;゚ω゚)(フッ、フラッ、フラグッ、フラッ)
ξ///)ξ「ご、ごめんなさい…」

ツンは慌てて体を離すと、ブーンの体はぷしゅうと穴の空いた風船のようにへなへなと脱力していった。
何を勘違いしたのか、ツンは心配そうにブーンのことを覗き込む。

(;゚ω゚)「だ…大丈夫ですお」
ξ;゚゚)ξ「そ、そう…」


ξ ゚ー゚)ξ「内藤くん…あなたのおかげで街は救われたわ…ありがとう」
( ^ω^)「正直まだ実感はないけど、よかったお」

ツンとブーンが同時に微笑む。
気付けば部屋に二人っきりでいいムードなのだが、どちらも色恋沙汰には朝方のニート並に鈍い二人は、そんなことは頭の片隅にもなかった。

( ^ω^)「そういえば…ドクオはどうしたのかお?」
ξ ゚ー゚)ξ「独多くんならカーチャンが心配だって言って帰ったわ。多分、避難シェルターにいるんじゃないかしら」
( ^ω^)「そうかお…」

ドクオが無事なことを聞き、ブーンの顔が緩む。
あの時、もしもドクオの一言がなかったら自分は一体どうなっていただろうと、ブーンは感慨にふけっていた。

ξ;゚゚)ξ「…あ、あの…内藤くん…」
( ^ω^)「? なんだお?」
ξ;゚゚)ξ「その…どうして独多くんは内藤くんのことをブーンって呼ぶの…?」
( ^ω^)「あれは…まあ、あだ名みたいなもんだお。僕は、両腕を広げてブーンってするのが好きなんだお」

すると、何故かツンは俯いて、恥ずかしそうに頬を朱に染めた。


ξ///)ξ「あ、あの…内藤くん…」
( ^ω^)「?」
ξ///)ξ「あたしのこと、ツンって呼んでいいから…その…あたしも…」
( ^ω^)「…?」
ξ///)ξ「あたしも…内藤くんのこと、ブーンって呼んでいいかな…?」
(;゚ω゚)「え゙」


……その頃、無事避難シェルターへと辿り着いたドクオは……

('A`)(…ッタクヨォ)
J( 'ー`)し「ん? どうしたのドクオ…」
('A`)「ン…ナンデモネェヨ、カーチャン。ホラ、ニモツオレガモツゼ」
J( 'ー`)し「そうかい…ありがとうね…」
('A`)(ブーンノヤツ…ウマクヤッテルカナァ…)


第一話 完

ブーンが巨大ロボットに第1話(次回予告)へ つづく

ブーンが巨大ロボットに第1話(4)へ もどる


ブーンが巨大ロボットに第1話(次回予告)

次回予告

( ^ω^)「やっと終わったお…」

初めての闘いを終えたブーンに、一時の安息を訪れる。
しかし、それもそう長くは続かなかった。

ξ ゚゚)ξ「“ARASHI”はあの一つで終わりじゃないわ」

再び街を「ARASHI」が襲う。
ダイヴィッパーとブーンの闘いは、まだ終わっていなかった。

/ ,' 3(このゲージの上昇率…彼になら、託せるかもしれん)

ダイヴィッパーの原動力……クオリティゲージ。
しかし、未だその力は謎に包まれていた。

(´・ω・`)「内藤くん、君がこれ以上闘うのは…無理だ」
( ^ω^)「ショボンさん…僕は…」


第二話「ブーンか、ショボンか」




('A`)「…オレハ?」


ブーンが巨大ロボットに第2話(プロローグ)へ つづく

ブーンが巨大ロボットに第1話(5)へ もどる

2006年01月30日

ブーンが巨大ロボットに第2話(プロローグ)

( ^ω^)「解除コード?」
ξ ゚゚)ξ「ええ、その機能を取り付ければあなたの腕からVIPライザーを外すことができるわ」

「ARASHI」との闘いが終わって――ブーンとツンの病室での会話は続いていた。
付けたら外すことのできないVIPライザー。
開発者であるツンの話によれば、解除コード入力機能さえ付け加えれば外すことができると言う。

(;^ω^)「そうかお、よかったお…」
ξ ゚゚)ξ(…)

ブーンが安堵の溜め息を吐く。
それもそうであろう。
自分からダイヴィッパーに乗り込んだものの、ブーンは一介の高校生である。

自分が巨大ロボットに乗って敵と闘う……そんな、漫画やアニメの世界でしか起こりえない出来事。
およそ普通の一生を送る上では起こりようもないであろう出来事を、ブーンは何の前触れもなく経験したのである。

( ^ω^)(そういえば…)

ブーンは、自分が好んで閲覧するインターネット上のアンダーグラウンドな巨大掲示板のことを思い出していた。
自らの搭乗したロボットの元となった、南極で見つかったという未知の金属「V.I.P」。

それは、偶然にもブーンの頭に浮かんだサイトの名と一致するものであった。


(;^ω^)「あの、ツンさ…あ、ツ、ツン…」
ξ///)ξ「な、なに…ブーン…」

なんともぎこちない会話。
それなりに打ち解けたはずの二人であっても、互いに呼び捨てというのは抵抗があるようだ。
ツンは自分から言い出したことなのに、顔が熟れたトマトのように真っ赤になっている。

(;^ω^)「あのV.I.Pっていう金属って…もしかして名前の由来なんて、あったりしないかお…?」
ξ ゚゚)ξ「…」
(;^ω^)「あっ、いや、無かったら無いでいいんだお。変なこと聞いてごめんだお」
ξ ゚゚)ξ「…あるわ」

突然、ツンの表情が緊張感に包まれたものに変わる。
ブーンはそれを見て既に驚きの表情を作ったが、次のツンの発言はその感情をさらに触発させるものだった。

ξ ゚゚)ξ「…ブーンは、2ちゃんねるというネット上の巨大掲示板を知っているかしら?」


(;゚ω゚)「え!? …あ、あるお」

ブーンはその細い目を限界まで開き、驚きを体現する。

そして、まさかと思っていたことが実際にツンの口から語られていった。

ξ ゚゚)ξ「そう、なら話は早いわ。あのサイトの板の中に、VIPっていうものがあるでしょ?」

ツンは淡々と言葉を切り出す。
ブーンはその様子に一旦緊張を抑えたが、それでも高鳴る心臓が治まる様子はなかった。

ξ ゚゚)ξ「これは父さんから聞いた話だけど…ある時、そこに一つのスレッドが立ったらしいわ」
( ^ω^)「カカオかよwww」
ξ ゚゚)ξ「違うわ」


ξ ゚゚)ξ「そこの>>1に、“ARASHI”が襲ってくることが書き込まれていたのよ」
(;^ω^)「な…」

ブーンは思わず言葉を失った。
自分のまさかと思っていた想像――そして、現実はそれ以上のものであったのである。
ブーンは自身がサトラレではないかという疑惑すら抱いていた。

(;^ω^)「じゃ…じゃあ、あの未知の金属っていうのも…」
ξ ゚゚)ξ「ええ」

ツンは、そこで一旦言葉を区切る。
ブーンは次に聞く言葉が用意に想像できるものの、思わず口の中の唾をごくりと飲み干した。

ξ ゚゚)ξ「そのスレッドには、南極に未知の金属が眠っていることも書かれていたわ」


ξ ゚゚)ξ「一応“V.I.P”という略称として表向きには捉えられているけど、本当はそのことが由来よ」
(;^ω^)「どうりで…なんか紛らわしい名前がたくさん出てくると思ったお…」

流石にブーンとて、先ほどの戦闘中にいくらかの疑問を抱いていた。

そもそもの疑問であった偶然の一致から始まり、武装の名称、マイクから聞こえてきた聞き覚えのある言葉。
そして、ブーン自身が乗り込んだ機体であるダイヴィッパーも、その内の一つである。

ツンの言葉によって、ブーンの頭の中でバラバラだったピースが一つにまとまっていった。

(;^ω^)「…」
ξ ゚゚)ξ「ブーンは…もしかしてそのサイトによく行っているんじゃない?」
(;^ω^)「え!? ま、まあ、毎に…い、いや、確かによく見てるお」
ξ ゚∀゚)ξ「! やっぱり!」

そこで、ツンが一瞬嬉々とした表情を垣間見せる。
それは少女としての可愛らしいと言うより、新しい発見をした科学者としてのそれであった。

ξ ゚゚)ξ「実は、今更だけど…本当なら、一般人にはダイヴィッパーを動かすこともできないのよ」
(;゚ω゚)「え!?」


ξ ゚゚)ξ「今までにね、何人もダイヴィッパーの起動テストを行ったんだけど…結局、あまりいい成果は得られなかったのよ」

その後のツンの説明を、ブーンは驚愕の表情を浮かべたままで耳にした。
驚くべきことに、当初ダイヴィッパーは誰が搭乗しても手の指の一本すら動かせなかったらしい。

初めは、軍人や特殊な訓練を施されているなど、逞しく健康的な肉体を持つ者がテストには選ばれていた。
だが、そのいずれもがテストにはことごとく失敗し、開発者であるツンでさえ一度は諦めようかと思ったほどであった。

そんなある日、冗談で開発スタッフの一人がダイヴィッパーに搭乗してみたところ、なんと今まででは得られなかったほどの適応力を示したのである。
これによりツンは起動テストの用法を変え、今度はあらゆる人間のデータを取るように努めた。

すると、ダイヴィッパーの適応力が高いのは総じて女性よりも男性で、年齢は若い方が良く、それも若干不健康な人物であった。

ξ ゚゚)ξ「ブーンも一応…当てはまってるわよね」
(;^ω^)(なにやら今僕は酷いことを言われた気がするお…)


(;^ω^)「じゃ、じゃあ、僕が操縦できたのは…偶然なのかお?」
ξ ゚゚)ξ「…多分、違うと思うわ」

ツンが何かしら考え込む。
ブーンとしては、ツンが話し出すまで黙ったまま待つことしかできなかった。

ξ ゚゚)ξ「あの時のブーンほどじゃないけど…もう一人、高い適応力を叩き出した人がいるのよ」
(;^ω^)「え…」

「やあ…おじゃまするよ」

その時、病室の扉が音を立てて開かれた。
二人が同時に扉へと視線を向ける。

果たしてそこには、逞しく精悍な顔つきの青年の姿があった。

(´・ω・`)「やあ…君が内籐くんだね」


ブーンが巨大ロボットに第2話(1)へ つづく

ブーンが巨大ロボットに第1話(次回予告)へ もどる