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シングルス0回戦で敗退!団体戦に懸けよう!

1年間に及ぶ熾烈な代表争いに決着がつきました。女子卓球シングルスの東京五輪代表はいち早く選考レースから抜け出した伊藤美誠さん、そして年内最終戦で代表入りを決めた石川佳純さんの2名です。選考レースを長くリードしてきた平野美宇さんは、ラスト2戦で石川さんにまくられ世界ランク上位2名に与えられるシングルスの切符を失いました。



先週末のITTFチャレンジプラス・ノースアメリカンOPは、2枚目の切符を争う平野・石川両名が決勝戦で直接対決するという壮絶なシチュエーションでした。両者の獲得ポイントはハイレベルなため、この大会では優勝ポイント以外はランキングに影響を与えないという状況でした。「優勝しか意味がない」状況で優勝した石川さん、すさまじい勝負強さでの逆転劇でした。

しかし、それから1週間と空けずに行なわれたワールドツアー・グランドファイナルで「石川さんより上の成績」を残せば平野さんは再逆転が可能でした。組み合わせ抽選の結果、石川さんはランキングこそ世界3位ながら現世界女王である劉詩雯との対戦。平野さんは世界18位・王芸迪との対戦。中国選手にとって世界ランクなど名ばかりのものですが、「石川さんはほぼ確実に負け(だって一度も勝ったことないし)」と見通せる組み合わせ。平野さんにとって1週間で二度目となる「勝てば五輪」というビッグマッチでした。人生を懸けた大勝負でした。

先に試合を行なった石川さんは予想通り敗れ、ポイントで引き離すことはできず。あとはひとつ、平野さんの試合だけ。勝てば自力でシングルスの代表になれる。文句なしでなれる。紙も金色に染め、強気の高速ラリーで押し切る……ことができれば、東京五輪のシングルスに出られる試合でした。

しかし、平野さんは負けました。率直に言って弱かった。落ち着きのない表情、苛立ち、上手くいっていないことを感じながらのプレーでした。何本か素晴らしいプレーはあるものの、それが長くはつづかず、そして勝負の大勢が決したあとには少し崩れてしまう脆さ。それは強気で隠してきた弱気が、この正念場で顔を出したような姿でした。

あっという間に持っていかれた第1ゲーム、幸運も含めて大きくリードして始まりながら引っくり返された第2ゲーム、そしてあとがないゲームカウント1-3から終盤の連続失点で五輪代表ごと失った第5ゲーム。相手も強かったですが、それ以上に弱い日だったなと思わざるを得ない、平野さんらしい試合でした。五輪というものを、リオ五輪の出場を逃したぶん肥大した想像力で、重く考えすぎていたのかなと今さらながらに思います。重い、重いよ、空気が!

↓厳しい試合だった、でも負けたものはしょうがない!


その金髪、僕は似合ってると思いますよ!

選考レース、お疲れ様でした!




試合後のインタビューは「酷」の一言でした。ただ、それが「酷」に見えるのが平野さんの弱さだなとも思います。こういう争いであることはずっと前からわかっていたし、1年を費やした競り合いの結果なのですから、これはもう受け入れざるを得ないものです。泣くのはここではなく、もっとほかのどこか…あとひとつどこかで勝っていればという選考レースのなかにあったはず。

あえて言えば、2018年の世界卓球が勝負のアヤだったなとは思います。1勝を挙げるごとにランキングポイント250を積み上げられる団体戦で、石川さんは全試合に出場し7勝(1750ポイント)を取ったのに対して、平野さんはエジプト戦で起用されず6勝(1500ポイント)に留まりました。出ればほぼ間違いなく勝っていた試合に出られず、起用数の差で250ポイント差をつけられた。これが大きかったかもしれません。かもしれませんが、それでも1年もあったのですから誤差の範囲でしょう。すべて1年間の結果です。

1年やって負けた、それはもう仕方ない。

ただ、勝負はここからです。

卓球には団体戦があります。

石川さんはシングルス代表争いでは敗れた因縁の相手ですが、団体戦の代表入りという点では平野さんの後押しになる選手です。何せ石川さんは「左利き」です。団体戦のメンバーは「ダブルス重視で選ぶ」ことがあらかじめ決められており、一部ファンからはダブルスで無類の強さを見せる早田ひなさんを推す声もありましたが、石川さんも早田さんも同じ左利き。「左」を2枚入れるチーム編成はまずナイでしょう。であれば、順当に、素直に、ランキング通りに平野さんが団体戦メンバーとして五輪代表となるはず。それ以外の決断があったとしたら、ハッキリ言ってナンセンスだと僕は思います。

結局、ダブルス重視と言ってもダブルスで選ばれた選手も団体戦ではシングルスを戦うのですから、シングルスのランキングで決めるのが本筋なのです。そして、シングルスのランキングを上げることで団体戦は優位になるのです。団体戦のシードを決めるランキングは「シングルス上位3人のランキング」で決まります。現時点での日本女子は中国に次ぐ世界2位ですが、それはシングルス上位選手の奮闘…すなわち平野さんが頑張ったことも含めての位置です。この世界2位の座こそが、決勝まで中国と当たらない順番をつかむ方法、銀メダルへの最短切符です。

今の平野さんは「東京五輪シングルス0回戦」で負けたのと同じ状況です。

シングルスではいち早く負けましたが、まだ団体戦が残っています。それは自分のチカラでつかむ代表の座であり、自分の頑張りによって銀メダルに近づいたチャンスです。歴代の日本代表がそうであったように、シングルスで負けても団体戦のメダルを獲れば笑顔で帰れるのです。みんな褒めてくれるし、みんな喜んでくれるし、手元にはメダルという一生の土産が残る。

大本番では「シングルスに負けた」からと言って泣いているヒマなどなく真の勝負所がすぐさまくるように、平野さんには団体戦という真の勝負所が少し先に待っています。今度こそ五輪に出て、今度こそメダルを自分のものにする。そして、2024年を目指す。2024年でもまだ24歳、時間は十分にあります。東京でメダルを獲れば、肥大した五輪への想像力も鎮まるでしょう。まずは出る、そして団体戦でメダル。東京はそこに集中しましょう。そして、リオでのぼれなかった階段を、東京でのぼってください!

↓すごいつらい日にピッタリのTシャツがあるのでぜひ着てみてくださいね!

「笑顔でハピネスに」頑張りましょう!

メダルがあれば次の4年はまた違うものになる!




リオで球拾いさせられた悔しさ、東京では誰かに球拾いさせて晴らす(悪)!