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また来年頑張りましょう!

誰の決断かはわかりませんが、いい決断となりました。12日、東京都武蔵野市からJリーグ参入を目指していたJFL東京武蔵野シティFCが、来季のJ3参入を断念することを発表しました。懸案となっていたJ3ライセンスを取得し、あとはJFLで4位以内・平均入場者数2000人という条件面をクリアできれば参入可能という状態でしたが、順位条件はクリアできそうなものの入場者数の条件をクリアする見込みが立たず、断念となったのです。

「あとは人数だけだ」とシーズン終盤になりふり構わぬ動員作戦を展開した武蔵野シティFC。しかし、クリアラインとなる総入場数30000名に対して、最後の3試合で14815名の動員が必要という状態は率直に言って無茶でした。直近の2試合で3828人、5284人と確かに惜しいところまでは迫ってきていましたし、消防法とか運営体制とかを無視して、スタジアムに人を詰め込むだけなら最大で1万人くらいは1試合で入れられるでしょうが、1シーズンの8割かけて自然に集まった人数以上の人数を最後の動員策で強引に集めたとしても、それはやはり「虚構」でしかありません。

仮に数字的に満たしたとしても、本来その条件を設けた意図であるところは「虚構」では満たされないのです。地域とチームの「地力」という条件が。なりふり構わぬバラまきと奇策で人を集め、見かけ上の目標数を達成したあとになって「虚構はダメですよ」となるのはフェアではありませんので、どこかからの神の声があったのだとしたらとても適切だったと思います。達成してしまう前に制止し、断念を公表できたのは納得の結末でした。

↓「いや、ないでしょ」という状態で頑張ってはみたものの、やはり背伸びが過ぎました!


J3ライセンス交付決定⇒順位いけそう⇒人数足りてない⇒タダ券バラまけ!

夏休みの宿題を最後のほうで頑張っている状態!


↓市内のスタンプラリーイベントで「景品がもらえるゴール地点」を試合会場に設定するという奇策も!

これはナイス虚構アイディアwww

「お疲れでしょう。無料で座れますんで、少し休んでいってください」のご提案www




何故この話をしているかと言うと、コチラのチームは僕が住んでいる街のご近所さんなのです。ときどき試合を見に行ったり、ゆるやかに応援している地元のチームですから、できることなら希望は叶ってほしいとも思います。個人的感情としては「このままゆるい感じでいてほしい」という想いから強くJリーグ昇格を望んでいるわけではないのですが、まぁ、上がりたいという希望が叶ってほしいなとは思います。

ただ、険しい道であることも予感しています。ホームスタジアムの最寄駅からは味の素スタジアムへの直行バスが出るくらいの距離感で、地域の商店にFC東京のポスターが貼ってあるようなサッカー密集地帯。営業の気配は正直あんまり漂ってはいないのですが同じく味の素スタジアムには東京ヴェルディ1969もありますし、そこから少し西に行けばFC町田トウキョウ(仮名)もあります。信長の野望で初ターンに攻め落とされるような配置になっている地域です。

J3昇格と言っても23区から人が流れてくるほどのインパクトではないでしょうし、足元は常に揺らいでいます。そして昇格すればそれはすなわち「次の年に降格する可能性がもっとも高いチーム」ということでもあります。さらに上…J2であるとかを目指すときには、サッカーの強さはともかくとして地盤が物足りないなと思います。おそらくはこのJFLからJ3への昇格というのが、現実的に想定し得る最大の喜びイベントなのだろうな、昇格の翌年はつらい一年になるだろうなとも。

としたときに、昇格を「虚構」で乗り切ってしまうのは意味がないなと思うのです。リーグ側で平均2000人と言うのは、それぐらいは人がくる感じでないとやっていけないですよという話でしょう。いいことが起きるタイミングだけでなく、平凡なシーズンであってもそれぐらいの人がゆるゆると集まってくるだけの地力がほしいのだと。

むしろその地力を育てるチャンスこそが、「人さえ集まれば昇格できるんです」のタイミングのはず。普段の試合であれば1500人いくかいかないか、日取りと天候によっては500人くらいという地力を2000人まで伸ばしていくにあたって「昨年は人が集まらなかったので昇格できませんでしたが、今年は人さえ集まればいけると思います」を年頭からアピールしないでどうするのかと。そして、一番いいタイミングを共有した人を増やさないでどうするのかと。

すべての基盤は「人」であり、人がない状態で「器」だけ大きくなっても意味がありません。「Jリーグに上がらないとチームがなくなっちゃうんです」という危機感もあるかもしれませんが、であればチーム自体が「虚構」です。限られた狭きプロリーグに参入しなければ維持・成立しないものであるならば、そもそも身の丈にあっていないという話。

仮に草サッカーとなろうとも地域の宝として大切にしていくんだと考える「人」があってこそ、その先にあるJリーグ参入であったりスタジアム整備というものが見えてくるはず。「昇格したけれど、スタジアムを整備しないと降格しちゃうんです」という筋立てで行政を動かしていくのは順番が違いますし、そうした動きに賛同する「人」の数自体が足りていないことがまさに今回断念となった要因。その意味ではまだまだ「適切なタイミング」ではないなと思います。

上がれるものなら上がりたい、わかる。

上がったらあとから「立場に器がついてくる」かもしれない、わかる。

けれど、順番を違えたままの虚構では意味がない。

僕はまさにステークホルダーである「地元の住人」「地域のスポーツファン」「納税者」のひとりとして、「また来年頑張ろう」に1票を投じるものです。来年は「今年こそ絶対上がるぞ!」という意気込みとともにタダ券以外での実体のある「人」を集めていきましょう。有り体に言って、一年間ずっとタダで見られるくらいさまざまな手法でバラまいてますからね。地域の祭りやバザーに行くとタダ券が何枚ももらえたり、地域のミニコミ誌持っていくとタダで入れたり、子どもを連れていくとタダで芝生席で遊べたり、「芝生席で子どもを遊ばせるため」に親がついてきてたり。売るほどタダ券がゲットできるチーム、それって「プロ」じゃないですからね!

↓これで3828人とのこと!これぐらい毎試合集まったらいけると思います!





「人」が「金」を持ってきて「器」が生まれる!その順番を守りましょう!