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スペイン戦でのボール回し談合はなくなりました!

いやー、厳しい結果でした。国民の期待感が8年ぶりに高まった状態で迎えたワールドカップグループステージ第2戦コスタリカ戦。「ドーハの奇跡」「世界が興奮」「史上最強の日本代表」という触れ込みでテレビをつけた多くの休眠復帰層の方々にとっては、心のなかの安西先生が「…まるで成長していない」と愕然とする試合だったことでしょう。日本、コスタリカを相手に0-1の敗戦。この試合に勝てばもうひと試合の結果次第でグループ勝ち抜けが決まっていたところでしたが、残念ながら勝ち抜けは第3戦スペイン戦へと持ち越しになりました。



ドイツ戦からはスタメンを5人入れ替え、早くもターンオーバー発動かという顔ぶれの日本。第3戦に強豪&多分苦手のスペイン戦を残す日本としては、この試合で勝ち抜けを決めたいという願望があります。2戦目で決めることができれば、極論スペイン戦は全員休養でもいいわけです。完全ターンオーバーで全員をフレッシュな状態に戻すことができれば、大願であるベスト8のための試合に全精力を注ぎ込めます。勝って決めたい、もちろんそれが一番の望み。

ただ一方で、過去に同じようなシチュエーションで痛い目に遭った記憶も甦ります。1996年のアトランタ五輪、日本は初戦で優勝候補のブラジルから白星を挙げながら、2戦目のナイジェリア戦で0-2の負けを喫し、結果的に2勝を挙げながらグループステージを突破することができなかったことがありました。その記憶からの教訓は「勝って決めたい」と同じくらいに「負けたらよくない」「無用な失点は避けたい」ということ。後がないコスタリカの焦りを引き出して、じらして、トドメを刺す、そんなプランを描いていきたいところです。

↓終わってから見ると全員戦犯に見えるかもしれませんが、違いますよ!

この尺だと戦犯の全員は入ってないですからね!

って、そういう意味じゃないか!


↓ブラボー長友がお客さんのパワーを集めています!

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日本のゴールデンタイムに合わせていただいたのか、現地時間の夕方キックオフとなったこの試合。眩しい日差しのなかで攻撃にも守備にも慎重になるようなコンディションです。そんななか日本の動きは悪くありません。左サイドに入った相馬勇紀さんは最初のプレーから敵陣深くえぐる突破を見せ、日本のオープニングのチャンスを作り出します。前線からのプレスも機能しており、高い位置でボールを奪える場面もしばしば。5バック気味にしてガッチリ守ってくるコスタリカを崩せる感じもありませんが、向こうにやられる感じもありません。

「持たされている」という見方も可能かもしれませんが、「持たせてくれている」なら大いに結構な話。スペイン戦に大敗を喫しているコスタリカにとって勝利以外は負けも同然。どこかで絶対に得点を取りにこなければいけないのはコスタリカのほうです。持って、回して、焦らせて、向こうが前掛かりになったところを光速のカウンターで刺せばいい。「優位」を握っているのは日本のほう。何の問題もありません。

チャンスらしいチャンスは前半13分の「触れれば1点」という堂安さんの鋭い折り返しの場面くらいでしたが、ピンチらしいピンチはひとつもありませんでした。想定内、余裕のなかでピンチを未然に防ぎ、日本は得意の「塩試合」に持ち込みむことに成功。瞬く間に前半の45分は過ぎ、後がないコスタリカを「残り半分」まで追い詰めました。前半のアディショナルタイムが1分だったというあたりに、何事もなく、スムーズに終わった前半だったというところがよく表れています。

↓森保監督もメモを取る余裕があります!


↓取り立てて助けてはくれないが、いつも見守ってくれている全国名産品旅人の姿も!


ただ、後半に入ると個人的には「そうきたか」と思うような展開に。日本はハーフタイム明けにブラボー長友さんを下げて伊藤洋輝さんを投入し、1トップに入って身体を張った守備を見せていた上田綺世さんを下げて浅野拓磨さんを投入します。システムを3-4-3に変更して攻撃へのスイッチを入れたのです。

コスタリカが後半から攻めてくるであろうという見立てのなかでのクロスカウンターの策なのか、あるいは先制点を挙げて試合を決めようという号令なのか、いずれにしても「そうきたか」という感覚でした。どんな策にも一長一短はありますので、そのなかで何を選択してどこに注力するかという話ではありますから、日本が先に攻撃のスイッチを入れたらいけないということはないのですが、「そうきたか」と。「何ならこのまま0-0でもウチは大丈夫ですけど」「ボール回しでよければ付き合いますよ」「ドイツはスペインに負けると思ってますんで」という態度ではないのだなと。

日本はその号令に応えるように攻めます。後半立ち上がりの1分には細かいパス交換で持ち上がった守田英正さんが鋭いシュート。惜しくも相手のGKナバスにセーブされますが、ヒヤッとさせる攻撃ではあったでしょう。直後には浅野拓磨さんの突破をキッカケとした波状攻撃もあり、相馬さんにあと少しの表現力(※防御を捨てて相手の体当たりを受け、10メートル吹っ飛んで大流血とか)があればPKがもらえそうなタイミングの突破もありました。間違いなく日本の攻撃のスイッチは入りました。

↓この日も攻守に渡ってデュエル連戦連勝の働きを見せる遠藤航さんの突破なども!


その流れは後半17分に山根視来さんを下げて三笘薫さんを投入したところでより鮮明となります。攻めるぞ、と。点を取るぞ、と。コスタリカが日本に反応するように2枚のメンバーを入れ替えると、日本はさらにつづけざまに伊東純也さんを投入し、「絶対に点取ってみせるからな!」というメッセージを発信します。そして、あわやという場面までにじり寄ります。

↓伊東さんの突破はファウルで止められるも、エリア外でした!レッドカードも出ず!


後半30分に入るとコスタリカもいよいよ前から追ってくるようになり、オープンな攻防を展開する両チーム。日本のほうがチャンスの回数で上回るものの、最後の詰めの精度は欠いており得点にはつながりません。後半34分にはコーナーキックの場面で鎌田大地さんがエリア内で倒される場面があり、僕もテレビの前で「PK!PK!レッド!レッド!」と勢いよく野次を飛ばしたところ、倒したのは吉田麻也さんだったというオチが。「吉田を退場させるのでPKをいただけないでしょうか…?」と聞いてみたいところですが、さすがに却下ですかね。

そして迎えた運命の後半36分。オープンな攻防のなかで簡単なボールロストから互いのゴール前を行き来する試合の「波」がグッと日本のほうに押し寄せてきます。日本の左サイドを攻めるコスタリカは、キャンベルさんが前半からたびたび見せていた突破力でゴリ押しをしてきました。何度かボールに絡むも、奪い返すまでには至らない日本。フワリとDFラインの裏へ入れられたボールに対して、伊藤洋輝さんはヘッドで落として中央の吉田麻也さんへのつなぎを選択。すると吉田さんはアウトサイドでオシャレに浮かせて、中央の守田さんへのつなぎを選択(?)したか、中途半端なクリアに。守田さんは後ろからのボールに上手く対応できず、滑り込みながら前に小さく弾きます。

しかし、そこにはコスタリカの選手が詰めてきていました。前につないで、コスタリカのフレールさんが放ったシュートはゴール隅へと一直線。GKの権田さんが反応するも、ジャンプのタイミングが合わず、また慎重さゆえか両手でセーブにいってしまい、片手でシュートを弾き出すような強い当たりができませんでした。ズドンと突き刺さってコスタリカが先制。いやー、そうきたか。誰かひとりではなく、「誰でもいいからひとつ確実なプレー」があれば防げていただけにもったいない失点でした。

↓ドイツ戦のような恐れのなかでの守備であれば、どこかで止まっていたでしょうが…!


「やられてなかった」から「やられた」という失点!

これがワンチャンスを決めるというヤツなんですね!



これでコスタリカは攻撃を手じまいし、この1点を守り切る構えに。「引いた相手を崩す」のは日本にとって苦手とするところであり、非常に苦しくなりました。ゴール前にはスペースがなく、スピードスターたちの突破は有効に生かせません。それでも「戦術三笘」が何度かサイドからエリア内まで侵入し、あわやという場面を作りますが、ゴール前に人数も多く、なかなか詰め切れません。日本もそこしかチャンスの匂いがしないなかで、三笘・三笘・三笘でいくほどの徹底ぶりもなく、時間は過ぎていきます。今大会ではおなじみとなった長めのアディショナルタイム6分も攻めつづけますが、結局はゴールは奪えず。日本はもったいない負けを喫しました。

↓グループEが混沌とする日本の敗戦で、面白くなったとは思います!


まぁ、コスタリカ戦での日本というのはやる側も見る側も「できれば、勝って決めたい」であるべきものを「勝って決めたい」まで自分で圧を掛けてしまったのかなと思います。それは一見するとコスタリカを攻めているようで、その実スペイン戦から逃げていたのだと思います。勝ってラクになりたい、と。しかし、何も勝たなくても、コスタリカに引き分けだったなら(※その時点で勝点および得失点差でまずコスタリカに上にいかれることはなくなる)、別会場の試合でスペインがドイツに勝てば事実上勝ち抜けが決まっていたわけで、どうしても勝点3を取る必要はなく、勝点1でも十分な試合でした。日本が勝ちでも引き分けでも、「勝てばドイツが消えるな」というスペインさんのモチベーションは変わらなかったわけですから。コスタリカと戦わず、スペインと戦って負けた、そう思います。

ただ、こう言うとアレですが、日本が負けたことで「面白くなった」とは思います。日本が勝ったり引き分けていたりすれば、第3節は消化試合となる可能性がありました。そうなれば日本はガラリとメンバーを入れ替えてターンオーバーをしたでしょうし、スペインは絶対に失点はしないようにしつつ、1点取ったら打ち止めみたいな試合をしたでしょう。「お互いに怪我しないようにボール回しでもしますか?」みたいな談合も生まれたかもしれません。

この世界最高の舞台で、優勝経験のあるスペインを相手に、「できれば消化試合でオナシャス!」なんてマインドではもったいなかったのです。真の理想としてはドイツをぶっ飛ばし、スペインをぶっ飛ばし、ベルギーにリベンジして、憧れのブラジルを乗り越える、そういう道のりを歩みたいと思っていたところ。もともとスペインに負ける気できたわけではないのですから、しっかり勝点を取って勝ち抜ければいいのです。

美しい道のりを振り返るとき「しょっぱい試合」のことはスルーされるのは歴史が証明しています。今大会の数々の振り返りにおいても、4年前のポーランド戦のことは基本的にスルーされ、ダイナミックな攻撃で勝ち上がった日本代表はベルギーと互角の撃ち合いの末に美しく散ったことになっているのです。スペイン戦で素晴らしい試合をすれば、コスタリカ戦のことは「そんなこともあったな!」で終わりになります。

「世界を驚かせる」

そのためのベスト8であり、その一部となるのがドイツ戦であり、スペイン戦です。スペインとドイツの試合がどうなろうが、日本にとってスペイン戦は消化試合にはなりません。スペインがドイツに勝ってくれるのが一番ラクな展開ではありますが、それでも「負けてOK」な試合にはなりません(※負けても相手次第で可能性は残る)。ならば相手など関係なく、全身全霊でスペインに立ち向かって、自力で勝ち抜けるだけ。スペインとの真剣勝負、大いに楽しみましょう!



「スペイン戦から逃げよう」としたその心根に活を入れてもらった敗戦でした!