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24時間テレビお疲れ様でした!

今年の24時間テレビはとてもスポーツ色の強いものでした。来年に東京五輪・パラリンピックがあることを意識してのことかもしれませんが、チャリティーパーソナリティーが浅田真央さんであることをはじめ、高橋尚子・澤穂希・吉田沙保里の国民栄誉賞トリオの登場、瀬戸大也さんの遠泳チャレンジ、国技館での開催ということで相撲取りがいっぱい、日本テレビ恒例の巨人関連情報、スペシャルドラマも自転車でしたし、視覚障がいの子どもが挑む1500メートル走などなど、スポーツを通じて困難を乗り越えていくさまがたくさん描かれました。

近年のメイン企画であるところの24時間マラソン(今年は駅伝となりましたが)も、マラソンという肉体的・精神的にも過酷なスポーツを人生の困難になぞらえ、それに挑むための練習であったり、本番での頑張りであったりを通じて、「頑張れる」「乗り越えられる」という気持ちを掻き立てようというものでしょう。アスリート多数登場でも違和感がないどころか、相性バッチリという感じも。オリンピックイヤーとなる来年は、さらにスゴイことになりそうですね…!

↓国民栄誉賞が3人並ぶとかビッグすぎてズルいぞ!

あっ、ナチュラルに丸山桂里奈さんがアスリートだったこと忘れてました!

出てました、出てました、夜中のエロ要員で「元カレ全員の携帯に自分の裸の写真を潜入させている」トークをしていたことを!

あっ、しかも国民栄誉賞だったこともナチュラルに忘れてました!


そんな24時間アスリート祭りのなかでも個人的にもっとも注目していたのは、6年連続6回目の登場となる羽生結弦氏の企画。今年は北海道胆振東部地震の被災地へと足を運び、松任谷由実さん、清塚信也さんとのコラボレーションによる復興への祈りをこめたアイスショーで「春よ、来い」を演じるとのこと。東日本大震災で被災した羽生氏だからこその支援。僕もそこで届けられる「元気」や「勇気」を、テレビを通じて少しだけいただこうと思います。



6月下旬に北海道厚真町を訪問したという羽生氏。車窓から眺める景色は土砂崩れによって切り立った土がむき出しの山と、それによって埋め崩されたかつての街並み。「すごい範囲」「至るところにある」と走るクルマのスピードでもようよう終わらない被害の範囲に羽生氏も声を沈ませます。「どうしても津波を連想してしまう」という言葉は、理解であり共感であり、無力感であったかもしれません。一瞬ですべてが断ち切られてしまう、天災というどうしようもないほど大きなチカラに対しての。

「これを見たときは絶望しかなかった」

羽生氏が訪れた、当地の名産品・ハスカップを育てる農家である山口さんは、作り上げたハスカップの畑が土砂に埋まったのを見たときのことをそう振り返ります。地域全体で4万本以上生産されていたハスカップの1万1000本以上が被害にあったのだと言う山口さん。羽生氏は言葉少なに「そうですよね…」とつぶやくばかり。その絶望を消すチカラなど誰にもなく、ただ受け入れるしかないのでしょう。

ただ、絶望の上に新たな希望を積み上げることはできる。そのことを経験として知るからこそ、こうして足を運ぶ理由も生まれます。羽生氏は誰よりも深いおなじみのお辞儀で当地のみなさんを訪ね、そのたびに人々にはサプライズの笑顔が生まれていきます。笑い崩れるおばあちゃん。何だかしらないけど拍手してしまうご婦人。おばあちゃんが「本当に幸せです」と頭を下げれば、羽生氏はその笑顔を見上げるようにあらかじめひざまずいて待っています。

「あぁ、プリンセスへのお辞儀だ」と僕は思います。王子や騎士がひざまずくから何となくそうするものだと思っていたけれど、あれは相手がどれほど頭を下げようが決して自分より下にならないように最大級の敬意を持って臨むための仕草なのだなと、今になって初めて気づきました。羽生氏は「相手がどれほどよろこんでも自分に頭を下げさせるさせるようなことにはならないように」とたくさんの機会で考えるなかで、プリンセスへのお辞儀にたどりついたのかもしれません。羽生氏とのお辞儀合戦に勝とうと思うなら、初手で土下座するくらいしかないかもしれませんね。勝ち負け以前に全員が「えっ?」と困惑するかもしれませんが…。



そして羽生氏は貴重なハスカップのスムージーをいただくことに。直前に畑から採れたてのハスカップを食べた際には、「おいしい」「もうおいしい」「すごいおいしいです」「びっくりした」「酸味って感じのすっぱさじゃない」「ファーッってさわやかな感じの広がり方をするから」「食べやすいなぁって思って」と落ち着いた食レポを見せていた羽生氏。ハスカップへの感想を一周したあとの「二周目の感想」というプロ食レポラーでも違いを出しづらいだろう局面に羽生氏は遭遇してしまいました。

ストローでスムージーを吸う羽生氏。ワイプでそれを「美味そうだな…」と見つめる真央さん。そして「畑で先に試食してしまったが…」と不安に見つめる僕。しかし、羽生氏とハスカップは期待と不安を軽々と乗り越えていきます。ひとしきり吸い終わったあと羽生氏はカッと目を見開き、驚いたような顔で「アッ!めっちゃ美味しい!」と叫ぶと、「美味しくて普通の口調になってしまった」と青年・羽生結弦に戻り、スムージーを吸いつづけます。

元に戻すことよりも新たな希望を持って復興に取り組みたいと語る山口さんに、「食べることで応援できるなら」「食べます」と応じていた羽生氏。その応援は力強い一歩を踏み出したように思います。貴重な一粒、貴重な一杯を費やした甲斐があったと思います。僕の胸に広がる「ハスカップのスムージーが飲みたい」「そんなに美味いなら飲みたい」「生もいいっぽいけど、スムージーははるかに美味そうだな、飲みたい!」」という熱い気持ち。「北海道展はいつだ」「早く来い!」「9月に池袋の東武でやるのか!了解!」と僕も待ちきれない気持ちです!

そういった形で羽生氏が訪れる先に広がる笑顔。訪れた仮設住宅ではそれを知らずに帰宅した長女が妹に頭をうずめ、涙を流していました。ほかのコーナーでもそうでしたが、本当に会いたい人に会うと人間は泣いてしまうものなんだなと思います。それは幸せだなぁという気持ちであり、こんな幸せがある人生はいいものだなぁという気持ちなのでしょう。愛する人と出会ったあと、「たとえ人生をやり直すことができても、もう一度この出会いはないかもしれない」と思ったら辛いこと苦しいことも含めて佳き人生として今を再び選び取るような。

↓そして羽生氏は復興への祈りをこめてアイスショーに臨みました!

ピアノは清塚信也さん、歌は松任谷由実さんというパーフェクト「春よ、来い」のお披露目!

当地で被災した厚真町民吹奏楽団もともに復興への祈りを捧げました!


清塚さんのピアノ演奏をベースに作った演目ですが、パーフェクト版ではやはりユーミンの歌が中心となります。CDとは違う、生の音楽。アイスショーでボーカリストとの共演は多数ある羽生氏ですが、それは練習から本公演の積み重ねのなかで磨かれていくもの。ユーミンさんと綿密に合わせる時間も機会もあるはずもないなかで、互いの調整力で生のコラボレーションをしていく。ジャズのセッションのような、生ものゆえの緊張感と特別さのあふれる演技です。

ふたりをつなぎとめるような清塚さんのピアノ、音を受けて滑り出す羽生氏、会場を包み込むユーミンの歌。鍵盤の上を踊るようなツイズル、ユーミンに音ハメしながら跳ぶトリプルループ、氷にくちづけながら一層長く一層低くまわるハイドロブレーディング、そして桜の花びらのように舞い飛ばす氷の粒。ディレイドアクセルやイナバウアーなど見せ場の数々が盛り込まれたこの演目が、いつにも増して輝いています。ワイプの浅田真央さんも、「うむ」という納得の表情でした!

↓この先も永く演じてほしい、いつの時代の困難にも通じる演目です!


困難に立ち向かう元気と勇気がわき上がりますように!

春はいいものです!


「夢をくれし君の 眼差しが肩を抱く」というこの歌の一節。手を引いて立ち上がらせるのとは違うけれど、迷い立ち止まったときに思い出す夢の場所は、何かが起きる前も起きたあとも変わらない。目指す幸せ、まだ見ぬそれの在り処は、変わらない。途中にはいろいろなことがあったとしても、人生がつづく限りそこに向かっていく…そんな気持ちで今日を過ごしていきたいもの。被災ほどの大きな困難を抱えているわけではない僕ですが、「もらった元気」を大切に過ごしていきたいなと思います。「もらった元気」は長くずっと効果がつづいていますよ、と言いつづけられるように。とりあえず当面はハスカップのスムージーを飲むという夢に向かって生きていきます!


月曜日だからと言っていちいちうなだれてはいられない!今週も頑張ろう!