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ありがとう、お疲れ様、松坂大輔!

行ってまいりました、ライオンズサンクスフェスタ2021へ。お目当てはもちろん松坂大輔さんの引退セレモニーです。シーズン終盤の引退登板の日にファンへのあいさつをすることなく球場を去った松坂さん。舞台裏では「僕から一言なくていいんですかね?」「いいのいいの!あとで有料でやるから!」「え!?金取るんですか?」みたいな会話がされていたことでしょうが、大いに結構だと思います。

平日の試合ではなかなか球場に足を運べないファンたちも、こういう形ならば万難を排してやってくることもできるでしょう。アメリカから…は来れない状況かもしれませんが、どの道ご家族は来ないものと理解しておりますので、そのあたりも影響はなし。国内各地から野球ファンたちが日本の大エースに感謝を届けるべく集まりました。僕も、そのひとりです。

↓やってまいりました、ライオンズサンクスフェスタ2021!
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現地では早速嬉しいお出迎えが。西武球場前駅のホームの1本を、この日は松坂さんの背番号にちなんで「18番線」としています。そこにはライオンズのラッピング装飾を施した特別車両L-trainが停車し、行き先表示は「ありがとう松坂」となっています。電車の発着を示す掲示板にも「松坂選手、感動をありがとう (^-^)」の表示が。駅前では記念乗車券なども発売しています。何ならどこかの駅名をひとつくらい「松坂」にしてもいいんじゃないかなーと思いました。名前を変えても住民が困らない駅(※強い賛同が得られるor住民がいない)で松が生えた坂のある駅、ひとつくらいあると思いますのでね。

↓ありがとう松坂号が18番線で停車中!
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記念グッズの発売や松坂さんのクリアファイルがもらえるキャンペーンなど、ここぞとばかりに推してくる各方面。イベント開始からイベント終了まで「スマートニュースをダウンロードしてライオンズチャンネルを追加するとクリアファイルを差し上げます!」と休みなく叫ばされていたお姉さんは、はたして日当に見合った仕事量なのかはわかりかねましたが、きっとお姉さんも松坂さんのためならばとひと肌脱いだ感じなのでしょう。松坂引退ですからね、ちょっと常軌を逸した頑張りができそうですよね。

↓クリアファイルをいただきました!
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松坂さんの引退セレモニーはイベントの最後で…ということですが、セレモニーの前にも松坂の活躍場面が。ともにライオンズで一時代を築いた松井稼頭央さんとトークショーに出演してくれました。改まってトークをするのは初めてということで、ふたりともちょっとギコちない感じ。メジャーリーグで世界の頂点を争ったこのふたりが、再び西武ドームで同じチームに集っていること。ふたりともが西武のユニフォームで現役を終えること。素晴らしい出会いと別れに改めて感謝が募ります。

「前の日から楽しみだった」というワールドシリーズでの両雄初対決。松坂さんはあいさつ代わりの真っ直ぐを投じたところ、待ち構えていた松井さんにクリーンヒットを浴びたあの試合のことが、まるで夢のなかの出来事のようです。ふたりがいればもっと日本一にはなれたかもしれないけれど、ふたりが世界一の夢を追いかけて、そこまでちゃんと進んだのだから、まぁ仕方ないという気持ちにもなります。こうして帰ってきてくれてありがたいと思うばかり。

トークショーでは「100球制限がある時代ならもっと勝てたのでは?」なんて詮無き質問も飛びますが、松坂さんは静かで穏やかです。「投げ過ぎたと思ったことはない」と言い切り、自分のプレースタイルに胸を張りました。たくさんボールを投げて、カウントを増やしながらも最後は三振で相手をねじ伏せ、完投勝利を挙げる松坂さんの力投は、まさに「エース」という姿でした。今の時代には合わないスタイルかもしれませんが、それでもなお憧れてしまうピッチャーでした。「松坂を生で見たことがある」は永遠の自慢のひとつです。

↓家族と過ごして、何年か勉強をしたら、また戻ってきてください!
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その頃には、松井監督が新・黄金時代を始めていると思いますので!

一緒に日本一になりましょう!




合間の茶番などを見守ったあとは、いよいよ松坂さんの引退セレモニーです。全員が松坂さんの背番号をプリントした記念のシャツに着替え、主役の登場を迎えます。大型ビジョンには松坂さんの栄光の歴史を紐解くVTRが。高校時代の姿やライオンズでの栄光はもちろん、メジャーでの活躍やWBCでの世界一の場面も。何と輝かしいことか。

アナウンスの声に送られて、松坂さんは最後のマウンドへ。すでに別れを告げたピッチャープレートにはもう触れることはなく、マウンドのふもとあたりに立つ松坂さん。横浜高校野球部監督の渡辺元智さんを筆頭に、松坂さんに寄せられるメッセージたちのひとつひとつに松坂さんは深々と頭を下げて応じます。よく頑張った、ありがとう、その経験を後輩に伝えて欲しい、そんな言葉の数々は、松坂さんの巨大な栄光と少しの影とを誰もが胸に秘めているかのよう。

VTRで流れたあれほどの栄光を残してもなお、選手生活の終盤に苦しんだ怪我のことを思って「もっとできたのではないか」と悔しさや無念がよぎってしまう。それだけの大きな選手でした。どこどこまでも可能性を感じさせるような選手でした。ワールドシリーズにもWBCにもちゃんと勝ったのに、まだその先に見果てぬ夢が残されていたはずなのにと思ってしまう。「いまだ未完成」の大投手でした。

↓実際には大型ビジョンにお辞儀をしているのですが、マウンドに一礼している雰囲気でご覧ください!
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↓花束贈呈には俳優の妻夫木聡さんらが登場!
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↓東尾修元監督からは「ライオンズのユニフォームしか着るな」という要求も!
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引退のあいさつではご両親・ご家族をはじめとしたたくさんの人に感謝を捧げ、後輩たちには「身体のメンテナンスにはお金をかけろ」という金言を残した松坂さん。ちょっとカメラのメモリーカードがいっぱいになってしまって中間部分を撮り逃してしまったのですが、途中では何やら「申し訳ありませんでした」みたいな言葉も言っていたような気がします。しかし、松坂さんが謝るようなことはただのひとつもないと思いますので、その部分は忘れることにします。場内の観衆も、その瞬間だけ「スーン」と心を伏せて、やれやれ何を言い出すのやら…という雰囲気だったことを申し添えて。

球団からの一年の締めの言葉などがあり、この日のイベントはすべて終了。あとは松坂さんが場内を一周して終わり……と思っていたのですが、すでに一部の観衆が帰り始めるタイミングまで引っ張ってから、最後の最後にビッグサプライズが待っていました。スタッフから「ちょっと待ってください!ちょっと待ってください!」と退場を引き止められた松坂さんが大型ビジョンを見上げると、スペシャルメッセージとして、何と、イチローさんの映像が!

「大輔にどんな言葉をかけていいのか」
「なかなか言葉が見つからない」
「だから、僕には」
「こんなやり方しかできません」
「許せ大輔」

そのメッセージを聞いた野球ファンなら、その先の展開は察しがつくというもの。「許せ大輔」の言葉を聞くや否や、場内では悲鳴のようなどよめきが起こりました。もしかして、イチローが来るんじゃないのか。イチローが来るぞ。そして、一塁側スタンドのどよめきを受けて松坂さんがそちらに視線を送ると、黒のスーツに身を包んだイチローさんが歩み寄ってきます。花束を渡しながら「おつかれ」と声を掛けたでしょうか。一言二言ふたりだけで言葉をかわすと、イチローさんは颯爽と帰っていきました。言葉にするのは難しいほどのたくさんの想いを、今日ここに来たということで受け止めてほしい。イチローさんらしい粋なやり方でした。

↓「許せ大輔」から始まる最高のサプライズ!
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↓イチローと松坂大輔、投打の日本一が集った!
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↓花束を渡して颯爽と去っていくイチローさん!
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「主役は大輔だから」という姿勢で何もせず去っていくのに、結局主役になってしまうイチローさん!

それこそ「許せ大輔」案件ですわ!




松坂さんは駆け寄ったスタッフが花束を受け取ろうとしても渡すことはなく、イチローさんの花束を持ったまま去っていきました。東尾修さんの花束の立場が若干ない感じもしますが、まぁ最後だからですかね。もう帰るだけなのだから、その花束は自分で持ち帰るということでしょう。それにしても、こんな素晴らしい出来事をわずか1000円ほどで見させていただけるなんて、ファン冥利に尽きるというもの。とてもいいものを見ました。そして、イチローさんと松坂さんが互いを認め合う素晴らしい関係であること、同じ時代の野球を見守った者として心から嬉しく思います。最高の餞別になったと思います!

↓イベントの模様は動画でまとめてありますのでご覧ください!

メモリーカードがパンパンだったこと大変後悔しています!

松坂さん、もう一回引退してくれませんかね!




イチローさん、オリックスが優勝したのでそちらにも顔出してあげてください!