このエントリーをはてなブックマークに追加
Clip to Evernote
07:00
ダメ元で他人に責任をなすりつけて、ダメ元で土下座してみる作戦!

リオ五輪まで残り100日を切り、五輪に出る出ないバトルはグツグツと煮詰まっています。日本のバドミントン界では、ワザと負けときゃ2チーム五輪に出られるところを正々堂々の真っ向勝負で1チームを蹴落とすという凄絶な戦いが行なわれるなど、相変わらずの厳しさでピリピリしています。賭博即斬、手心無用。その厳格さはまっこと日本らしい振る舞いです。

しかし、世界にはいろいろな戦術がある。お隣の韓国では、ドーピング違反というスポーツ界最大の罪を犯しながらも、ダメ元で土下座してみる大作戦で復活をうかがう御仁もいる模様。ダメ元しくじり先生の名はパク・テファン。北京五輪競泳男子400メートル自由形で、同種目アジア人初の金メダルを獲得した韓国の英雄です。

パク先生は2014年9月のドーピング検査でテストステロン(筋肉増強作用を持つホルモン)に対する陽性反応が検出され、1年6ヶ月の出場停止措置が下されていました。この処分自体は今年3月に満了となり、競泳界的にはリオに出てもOKという状況。ただ、韓国国内には独自の規定で、ドーピングに引っ掛かった選手は3年間国家代表の資格をはく奪するという決まりがあるそうで、本来ならパク先生はリオ五輪には出られない立場となっています。

しかし、ようやく年季が明けたところで韓国国内の選手権に出ましたらば、3冠を達成する好成績だったことで、にわかに「勝てる選手ならやっぱり出すべき」「二重処罰はオカシイ」というイカサマ上等論が巻き起こるのが韓国らしさ。さすが東京都知事並みに「自分の都合」を最上位に置いて物事を判断するお国柄だけのことはあります。その「風」……つまり、押せば何とかなるんじゃないか的な雰囲気を敏感に察知したパク先生が「よっしゃ土下座してみよ」とフリースタイル土下座を敢行した。そういう戦術でパク先生は闘争中なのだそうです。

結果どう転ぶかはどうでもいいところではありますが、パク先生のタフネゴシエーターぶりは日本人も大いに見習うべきものがあると思います。パク先生はドーピングという最大級の大罪でもまだ足掻いているのに、バカラで負けたくらいのことで何故しおらしくなっているのか。バカラの処分は検察と裁判所の仕事なんだから、バドミントンが勝手にオマケを乗せてくるのはオカシイと、ダメ元で暴れてみたりしないものか。競技と関係ないところの素行で、まだ逮捕も何もされていない段階なのに、人生丸ごと引っくり返されるようなことが何故まかり通るのか。他人事ながら、僕はいまだに納得がいきません。

金は出せない、サポートはできない、そこまではまだわかる。関係者もそれなりに手間を掛けさせられたでしょうから、報復的懲罰はあるでしょう。バカラ先輩と関わるの面倒臭いでしょうし。しかし、バドミントンごとやらせないなんてのは行き過ぎた罰ではないのか。バク先生はドーピングでテストステロン検出されましてなおフリースタイル土下座でチャンスをうかがっているというのに、バカラで負けた選手は家でうなだれているなんて、その差たるや。

世の中は、「自分は悪くない」と主張しつづければ、一定数の擁護は得られるような塩梅になっています。どんな主張でも、力強く行えばそれなりに応援してもらえる。水素水みたいなものでも、断じて行なえば信じちゃう人がいるじゃないですか。そこをもっと突いてみてもよかったのではないか。どうせ国内では干されるなら、悪くないと主張したまま海外リーグに参戦するほうが、筋立てとしてはキレイでしょう。悪いことしましたとうなだれつつ海外リーグでよろしくやっているほうが、二枚舌のようでよほど感じが悪い。「ダメ元で言ってみる」気持ち、パク先生の爪の垢ぐらいの割合で取り入れたいもの。もう少し早く、このタフさを伝えられたらと、他人事ながら残念です。

ということで、バカラ台の上で土下座してみればよかったなと思いつつ、パク先生のタフネゴシエーターぶりをチェックしていきましょう。


◆クスリを打ったのは医師!僕は知らなかった!土下座で許してください!

相手の主張を受け入れたら、何でも相手の思い通りになってしまう。それが「世界」。日本人はその点において主張の弱さは否めません。世界はきっと厚切りジェイソンみたいな人だけで出来ているのです。アレぐらいデカい声で言えば、ダメ元な主張も通ったりする感じに。日本人は大声のやり取りの時点でビビりますが、彼らの本番はそのあとの鉄砲持ち出す段階なのですから、交渉の時点では何を恐れる必要もないのでしょうね。

パク先生はその点においてはワールドクラス。2012年のロンドン五輪でも、そのタフネゴシエートぶりは話題になりました。パク先生は得意の400メートル自由形予選で、フォルススタート(いわゆるフライング)による失格判定を一旦は受けながら、抗議によって復活し、最終的に銀メダルを獲得しました。パク先生にしてみれば、フォルススタートの判定を抗議でひっくり返すことぐらい、当たり前のことなのです。だって、してないったらしてないんだもん。

↓見てもよくわかんないレベルのアヤしさなら、パク先生は当然抗議するぞ!



4レーンの先生はちょっと動いてる気がする!動いてない気もする!

イーブンなら当然即抗議です!

行動してみることで人生は開けるまず、できることから、やってみる【電子書籍】[ 加藤諦三 ]

価格:500円
(2016/5/3 05:16時点)
感想(0件)




日本人だと「審判がそう言うんならそうなんやろなぁ」と思ってしまう場面でも、「審判がウソついてそう」「審判が金もらってそう」「審判が脅されてそう」という発想が自然に出てくるパク先生なら、そこは当然抗議となる。このレベルの揉め事はノータイムで抗議に行けるようでなくては、本番の闘争にはとても耐えられません。

2014年の仁川アジア大会、この大会は今振り返ると競泳界を激震させる三重殺みたいなのが起きた大会でした。まずコチラも400メートル自由形の金メダリストである中国の孫楊が「日本の国歌は不快」発言からの、のちにドーピング違反が発覚して同大会のメダルをはく奪されるというワンナウト。つづいて日本の冨田尚弥がカメラを盗んだという件でツーアウト。そして直前のドーピング検査で引っ掛かったパク先生が、のちに同大会の獲得メダルをすべて剥奪されるというスリーアウト。これらを上回るには盗んだクスリでドーピングする一人ゲッツーくらいしかないという、花盛りの大会でした。

その中でもパク先生のショックは韓国競泳界に大きなショックを与えました。何せ、韓国競泳界はパク先生くらいしかいないのです。仁川アジア大会の競泳会場がパクテファン・アクアティクスセンターという名前なくらい、パク先生は唯一無二の英雄。環境も整わない中で何故かひとりだけ飛び抜けた選手が出てくるという英雄伝説は、「クスリだろ」「やっぱりクスリだった」「自由形だけ強いヤツは大体クスリ」という納得感を生むと同時に、パク先生を何としても守ろうとする賛同者も多く生みました。

↓そしてパク先生陣営は、ダメ元で「何度も大丈夫かと確認したのに、医師にクスリを注射された」と医師に責任をなすりつける大作戦を敢行!


「無料のカイロプラティクスを受けただけ」

「クスリについては何も知らない」

「実は知っていたが中身は知らなかった」

「実は中身も知っていたが男性ホルモン剤だと聞いた」

「疲れていたので検察の取り調べでは正しく話せなかった」

「でもテストステロンが禁止薬物だとは知らなかった」

「実はクスリの瓶に書いてあったが、見てなかった」

「何度も医師に確認した」

「スタッフとか協会には確認していない」

「医師が問題ないというので安心して注射を受けた」

「クスリを打ったあと、身体に痛みが出た」

「医師を傷害罪で訴える」

絶対に訴えてやる! [ 矢野輝雄 ]

価格:2,052円
(2016/5/3 05:17時点)
感想(1件)




しかし、医師を責めても処分がなくなるわけではありません。パク先生は出場停止処分を受けたのち、近所のプールで練習したり、恩師が運営する水泳教室のプールで練習したり、日本で練習したりして再起を目指しました。そして、見事に韓国国内の選手権で復活を果たしました。応援するすべての人は、「もう1年半もガマンしたから許されていい頃だろう」と感涙し、行動に出たのです。土下座メドレーという、感情に訴える行動に…!

↓まずパク先生はリオ五輪に出るにふさわしい実力があることを証明!


400メートル自由形の3分44秒26は、去年の世界水泳でもメダルに絡むタイム!

先生はクスリがなくても強い選手だった!

もしくは新しいクスリが手に入った!


↓成績は十分と見るや、まずパク先生の恩師がフリースタイル土下座でリオ行きを懇願!


第一土下座泳者、勢いよく入水!

美しい土下座で規則を曲げるように訴えます!


↓所属先の市役所の会見に登場したパク先生は、恩師につづきフリースタイル土下座でリオ行きを懇願!


第二土下座泳者、勢いよく入水!

美しい土下座で規則を曲げるように訴えます!

裏最強土下座 [ 板垣恵介 ]

価格:1,296円
(2016/5/3 05:18時点)
感想(0件)




どうですか、めっちゃタフでしょう。心にやましいところがあれば「アジア大会のメダルだけで済んで助かった」と、実家に引きこもるところを、まだガンガン攻めてくる。リオのメダルを狙ってくる。テストステロンというドーピング界のエースで4番を「本番の大会期間中には検出されない程度の絶妙な量で」投入してきておいて、まだメダルを欲しがっているのです。この心の強さ。ドーピングとか土下座とかではなく、ダメ元で主張してみるこの強さは見習いたい。

アメリカとかジャマイカの陸上界でも、一回クスリで捕まった選手が平然と英雄ヅラで出てきたりしていますが、アレが世界標準。そういう意味ではバカラで泣くのは「負けてスッた」ときだけで十分であり、それを咎められている場面は泣くほどのことではないのです。「それはそれ、これはこれ」という強い主張をすべきだった。もしあの日、強く主張できていたら、戦いはまた変わっていたと思うのです。もし、今後バレる予定の野球選手、バドミントン選手、相撲取りがいましたら、どうぞパク先生を見習ってください。実家に引きこもるのは、他人に罪をなすりつけて、ダメ元で土下座してからでも遅くはないのですから…!


バカラもしばらく謹慎してから坊主頭で土下座してたらイケた気がします!