08:00
そうか、こっちが悪かったのか!

本日は日本に住む者のひとりとしてお詫びから始めたいと思います。お詫びの内容は「すってスマン」でも「知らんかったんやスマン」でも「さっきの話は全部言い間違いだったスマン」でも「大規模窃盗してスマン」でも「信じ過ぎてスマン」でも「あれだけ日本一の投手と前振りしておいて初回5失点KOされてスマン」でもありません。我が日本で、致死率が3〜7割と極めて高い「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の患者が増えている件についてのスマンであります。

2023年12月17日現在の状況として国立感染症研究所が報告した内容によれば、2023年は過去6年間のなかで2番目に症例報告数が多く、その数は340例にものぼったと言います。届出時死亡例も97例が報告されており、特に50歳未満においては届出時死亡の割合が2023年7月以降30.9%と増加したのだとか。国立感染症研究所も「さらなる感染拡大が懸念されることから、周知が必要」としており、非常に憂慮される状況だったのです。

なるほど、我々は勝手に、日本は世界でもトップクラスに衛生的で、人々が健康元気に暮らす長寿大国であるからして、何かヘンなものが日本に入ってくるリスクはあってもコッチから相手方への危険性は何もナイだろうと、聖域か何かのように思い込んでおりましたが、今我々の足元では未曾有の危機が静かに進行していたわけです。この感染が雪だるま式に拡大していけばあっという間に数万・450万・6億7500万という数になりかねない…と心配になる向きは当然あるでしょう。自分たちが元気だからと言って、その地域が安全とは限らないのは自明のことです。

そのようななかで我々は東京・国立競技場でサッカーワールドカップアジア2次予選第3節の北朝鮮戦を開催してしまいました。我々としては特段気にするところなどなく、「●●●●さんはおりませんが、とにかく明るい長友佑都さんを呼んでおきました!」などとノンキに構え、お祭り気分でおりました。「ドジャースの試合が東京ドームならそっち行くけど、ドジャースは韓国だからサッカー日本代表でも見るか!」という多くの観衆によってチケットも完売し、国立は大盛況でした。

しかし、この試合自体が「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」が感染拡大するなかでの大規模スポーツイベント開催ということで、世が世なら無観客試合でもおかしくはない、大変な憂慮のなかでの試合だったわけです。知らなかったこととは言え、自分の住んでいる地域のことについて知らないなどという話が通じるはずもありません。大変なご心配をお掛けしていることに深くお詫びせねばならないでしょう。どうも、すんません。

↓開催しちゃったうえにチケットが完売してしまってすんません!



そのようにまったく危機感のない日本と、仕方なくお越しいただいた北朝鮮さんとでは、あのような試合になるのも詮無き事。前半の2分、まだ立ち上がりのモチャクチャすら終わらぬ時間帯に日本は田中碧さんのゴールで先制しました。3月とは思えない肌寒さのなか、免疫力低下のリスクを冒して集った観衆も、この瞬間は確かに熱くたぎったものでした。調子に乗って「日本の3-0勝利に50万ドル!」「追加で日本の5-0勝利にも50万ドル!」「支払いはクレジットでお願いします!」くらいの電話を掛けた人もいたかもしれません。

しかしその後、前田大然さんや堂安律さんがいくつかのチャンスを生み出しはするものの、大筋で停滞する試合。勝っているものだから無理をする必要のない日本と、日本の守備を打ち崩すというほどではない北朝鮮の攻撃とが噛み合い、チャンスもゴールもなければピンチもザイオンもないという展開に。「うわードジャース初回で0-5」「さらに点差広がって2-9」「と思ったら6-9になった」「おいおい11-12で1点差まできたぞ」「八百長みたいな試合www」などと盛り上がっている野球界隈とは大違いです。

北朝鮮唯一の見せ場であった後半2分のネットを揺らしたシーンも、直前にファウルがあったとかでゴールは認められず。北朝鮮側は主審に詰め寄って抗議しますが、この試合はVARがないということもあって判定が覆ることはありません。試合終盤には日本側が選手交代をきっかけにシステムを3バックに変更し、最終ラインを5枚で守って「今日はもう何も起こさせない」という姿勢を見せると、最終盤にはボールをのんびりとまわす場面さえも。終わってみれば開始2分のゴールで決着する1-0の勝利は、とにかく勝って終わったことは日本としてはよかったものの、風邪を引かないように気をつけたい一戦となったのでした。

↓田中碧さんの「持ってる力」は健在でしたが、試合ハイライトはこれぐらいでした!


そして、そのような停滞気味の試合以上に、「憂慮」について我々が真に自覚したのは試合後のことでした。日本サッカー協会の田嶋会長が明かしたところによれば、26日に平壌で開催を予定していた同じ顔合わせでの試合について、北朝鮮側から開催できないとの申し入れがあり中止になったと言うのです。ハーフタイム中には2戦連続での日本開催という「肩代わり」の提案まで受けたとのことですが、どうもその理由というのが「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」感染拡大への憂慮であるらしいのです。嘘みたいな話ですが、本当に。

最近何かと引っ掛かっていたサッカー日本代表の平壌遠征できる?できない?問題について、これまでは「入国したあと出国することは本当に可能でしょうか?」とか「そちらに入国するとアメリカとかに渡航できなくなりそうで心配なのですが…?」とか「そもそもサッカーをする前に解決すべき問題があるはずだ」とか「ははーん?衛星の打ち上げ場を見られたくないんだな?」などと200%の他責気分で困り顔をしていましたが、実は本当の問題はそこではなかったのです。「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の感染拡大地域である日本へ遠征するリスク、その地域からの渡航者を受け入れるリスクに対して、相手方が神経を尖らせていたというのが実態だったのです。

そうとも知らずにノンキにAFC調査団を派遣して「現地は一応試合できそうだなヨシ!」などと言っていたとは、恥ずかしくて僕も北に枕を向けて眠れません。先日の女子サッカーなでしこJAPANのパリ五輪予選の際も、サウジアラビアまでご足労いただいたことにお詫びするでもなく、リスクを冒して国立競技場まで来ていただいたのに、お礼の言葉のひとつもなく「日本の応援100%の内容だけどドローンショー見られてよかったですね!」などと内心で思っていたなんて、今すぐESPNの単独取材を受けて内心の罪を告白せずにはいられない心境です(←言うことがあとでコロコロ変わりそう)。

↓そうか、こっちが悪かったのか!不浄の地でスマン!


↓言われてみれば確かに向こうは厳戒態勢でした!


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

悪いのはあなたです 1 [ ふせでぃ ]
価格:1,045円(税込、送料無料) (2024/3/22時点)



まぁ日本目線では「いくら何でも大げさな」とは思いますが、東京五輪の際に「外国選手が入国したら新型ウイルスを持ち込みそう」「有観客なら感染爆発の恐れ」「バブルの外に一歩も出るな」「勝手に東京観光してたら資格停止にしろ」などと大真面目で言っていた日本ですので、自分たちにそうした疑念の目を向けられたとしても致し方ないというものでしょう。自分たちは日本を無条件で信じていたとしても、他国が無条件に日本を信じる筋合いなどないのです。疑うのはお互い様。東京五輪の際は入国前14日間の行動記録を提出させたりしたわけですから、コチラもそれぐらいの態勢で身の証を立て、相手の憂慮を解きほぐすべきでした。気が回らず本当にスマンことです。

今回についてはとにかく何とか代替開催地を探すとして、今後についてはご提案にもありましたように、全部日本開催でやらせていただくのがよいかもしれません。ホーム&アウェーという概念からは多少離れますが、最初に1点差し上げるとか、そちらのサポーター席以外は無観客にするであるとか、日本ではテレビ中継をしないであるとか、できる範囲でアウェー感を演出させていただきますので前向きにご検討いただければ幸いです。

もしそれでは釈然としないようでしたら、今年の夏頃にでも「ワールド・フレンドシップ・ゲームズ」とかいう日本が参加しなそうな大きめの国際大会が世界のどこかで開催される予定だそうなので、よろしければそちらメインでの活動もご検討いただければと思います。パッと見たところサッカー系の競技はビーチサッカーしかなさそうでしたが、そちらはメダルも金メッキではなく賞金も出るそうですので、やり甲斐も大きいのではないかと思います。やっぱり金を懸けて戦うこと以上に熱い試合はありませんからね。金よりも金、名誉よりも金、金・金・金。ぜひご検討ください。このたびは身から出た錆でご心配をお掛けして申し訳ありませんでしたァッ!

↓さすがに不戦勝にしていただくのは気が引けるので、何とか試合したいですね!

もし会場のアテがあるなら早めに教えてくださいね!

3日前に「サウジ来い」とか言われると慌ててしまうので!



コッチもスポーツくじ売りたいし買いたいんで、試合だけはやりましょう!