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10:58
お願いだから帰ってください!

サッカー・ワールドカップにやや話題を奪われ気味の感がある中、ウィンブルドンでは大変な事件が起きていました。その事件を演じたのはジョン・アイズナー(米国)と、ニコラ・マウ(フランス)のふたり。このふたりはまだ1回戦だというのに、死力を振り絞る全力プレー。まずは22日、ともに2セットを取り合い第5セットに突入したところで試合は日没サスペンデッド。そして23日、第5セットから再開された試合はこの日だけで7時間6分を戦い、再びの日没サスペンデッド。試合時間10時間(まだ試合中!)、ゲーム数163(まだ試合中!)、最長セット7時間6分(まだセット中!)という史上最長のロングゲームに突入し、なお続きをやらなくてはいけない状況になっているのです。

ワールドカップも見たい観客を「テニス舐めんな!」と一喝する大熱戦。1996年フェドカップでの伊達公子VSグラフなんて、たかが3時間25分、最終セットも12-10程度の試合。野球より短い試合で死闘ぶるなどチャンチャラおかしいというもの。真の死闘は10時間を超えてこそ。両選手がヘロヘロになり、もはや左右に動くのすらおっくうなので、入ったサーブはことごとくエースになるようでこそ死闘。手も動かなくなってきたので、普通に空振りするようでこそ死闘。この試合を見つめる観客も本当の「死闘」とはどんなものか理解できたに違いありません。あるいは、観客のおじいちゃんがひとりくらい試合中に死んでしまうかもしれませんね。何せ最低でもまだもう1日、試合は続くんですから…。

テニスには試合時間短縮のため、タイブレークというルールがあります。ゲームカウントが6-6になった時点で、次のゲームはタイブレークとなり7ポイント先取(ポイントが6-6で並んだときは2ポイント以上の差をつける)で決着をつけるというもの。ただ主要な国際大会では、最終セットだけは通常どおり「2ゲーム差をつけるまで終わらない」ということになっているのです。どうして最終セットにもタイブレークを適用しなかったのか、延長時間制限を設けなかったのか、日没まで戦ったらジャンケンで決めることにしておかなかったのか。今大会の責任者も頭を痛めていることでしょう。

黄金聖闘士同士が戦うと実力がまったく互角のため「千日戦争(ワンサウザンド・ウォーズ)」に突入すると言われていますが、すでにこの2選手も三日戦争に突入しています。ぶっちゃけたところ、早くどちらかに諦めてほしいものですね。

ということで、テニス史上最長のゲームについて、YouTubeからダイジェスト動画をチェックしていきましょう。



◆夜の間に話し合っとけよ…「今回は金で手を打とう」とかさ…。

この試合の模様を伝えるESPNのスタジオは、すでに半笑いの状態からスタート。ダイジェスト動画も、第5セットから始めているというのに5分以上もある始末。もはや解説の視点は「どっちが勝つか」ではなく、「何故こんなことになったのか」「原因はどちらの選手だ」「いい加減にしろ」という説教モードに切り替わらんばかりの勢いなのです。

1←まずは最長試合時間記録6時間34分を樹立!

※これでまだ3分の2です。




2←この試合の立役者のひとり、ニコラ・マウも「我ながら」の苦笑い!

※笑ってる場合じゃありませんが、オカシクなってきました。




試合が長くなるにつれ、当然ではありますが動きが鈍くなる両選手。

迎えた第66ゲーム(←何じゃコリャ)。ゲームカウント33-32でリードするアイズナーは、このゲームを40-15としてダブルマッチポイント。このあとの2本で1本取れば勝てる、というか試合を終えることが出来る状況に持ち込んだのです。観衆の誰もが「やっと終わる」と確信。場内にも期待感が広がります。しかし、ただひとり空気を読まなかったのは対戦相手のニコラ。「ここまでやったんだから勝ちたい」「今さら引けるか」「まだ帰さねぇぞ!」と驚異の粘り。何と、このゲームを追いつき、逆に取り返しやがったのです。

3←ニコラの驚異の粘りのおかげで、最多ゲーム数記録113を樹立!

いや、こんな記録更新せんでいいだろwwww帰ろうぜwwwww




9←アンディ・ロディック(2003年全米テニス優勝者)は「オシッコ漏れそうなヤツいねぇの?審判も含めて」と余計な心配をつぶやく!

審判は知らないけど、観客はトイレ行けるだろwwwどうせ試合終わんないからwww


徐々に疲労の色を濃くする両者。試合自体も「サーブ打つ→追いつけない→決まる」を相互に繰り返すというエース合戦に。試合途中にはアイズナーが史上最多エース数記録79を樹立しますが、「どうせまだ試合やるんだし」「すぐ塗り替えられる記録だよね」「俺か、アイツか、どちらかによって!」という雰囲気で喜びは微塵も見せず。

4←もう疲れちゃったので、一流選手だけど空振りも!

帰りたいのに帰れないwww




5←スコアボードはお先に一休み!

※数えるの面倒くさくなったもようです。




7←もうヘトヘトなので、逆にダイビングする一幕も!

粘るなwwwww帰れwwwww




そして迎えた第118ゲーム(←何じゃコリャ)。59-58とリードするアイズナーがマッチポイントを握ります。しかし、ここでニコラはサービスエース(サーブがちゃんと入ると追いつけないので大体エース)でジュースに持ち込み、逆にこのゲームを取り返す始末。とっぷりと日も暮れた頃合。正直トイレに行ってメシを食いたい審判団。他人事なもんで「もっとやれ!」と好き勝手なことを言う観客。さまざまな思惑が交錯する中、「やりたいのはヤマヤマですが、もうボールが見えないんです」という選手からの申告により、審判団は渋々この試合2度目の日没サスペンデッドを決定。第5セット59-59、ちょっとしたバスケットボールのようなスコアを残し、両選手はようやくホテルに帰れることになったのでした…。

試合後には(まだ試合後ではないが)互いをグッタリと讃えあう両者。「エライ長いこと試合したもんで、何時間やったのかもわからないよ」「こんなことはもう二度とないだろう」「何と言ったらいいものやら」と謎の達成感をにじませます。この試合について世界のテニス王ロジャー・フェデラーも、驚きを露にしつつ「どちらかはこの試合で負けるわけだが、二人とも“勝者”だよ」と粋なコメントを残したとか。

8←両者が残したウィンブルドン記録の数々!

最多ゲーム163、試合時間10時間、最長セット時間7時間6分、1セットの最多ゲーム118、最多エース98など、すべてまだ更新継続中です!




↓10時間を超えまだ試合が終わらない、両者の死闘ダイジェスト動画




こりゃ「テニスの王子様」ならぬ「テニスのお疲れ様」ですね!