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サントスさん強かった!レイソルも強かった!

開催国の代表として最高の戦いだったのではないでしょうか。クラブワールドカップで奮闘をつづけていた柏レイソルは14日に南米王者サントスFCと対戦。前半早々に2点を奪われるも、たびたび決定機を作るなどの猛反撃で、南米王者をヒヤッとさせたレイソル。アジアのチームとして初の決勝進出はなりませんでしたが、日本の観衆と世界で見守る観衆を大いに楽しませてくれました。

個々の力量の差は感じるものの、組織・戦術としては崩されないまま試合をやりきったレイソル。過去に欧州王者と戦ったJリーグの代表の場合、浦和レッズがガチガチの守りでノーチャンスの0-1敗戦、ガンバ大阪が1-5から殴り返しての3-5馬鹿試合だったことを考えれば、かつてないほど決勝進出が近づいたと言えるのでは。後半に1点を返したあと何度も逃した決定機のひとつでも決めていれば、相手が決めた遠目からのシュートが少しずつずれていれば、それぐらいの「たられば」は許される戦いでした。

ただ、結果としてここでの敗戦は致し方ないところ。むしろ、これでよかったと思います。レギュレーション的に何恥じるところはありませんが、柏レイソルはアジアの代表ではありません。「世界一のクラブを決める大会」を尊重するなら、どこかで退場するのが穏便でしょう。どうせ勝ち進んでもケチをつけられるのです。「ACLも勝ち抜かずに」「全部ホームで戦っておいて」「アジアのNO.1ですらない」と言われるのは癪なもの。せっかくの快挙なら、真っ直ぐ正規ルートを通って成し遂げたほうがいいでしょう。

久方アジアの王者も出ていないJリーグですが、こうした戦いをJのチームが見せたことは大いに刺激になったはず。リーグ制覇とACL制覇を並行して目指すのは、抱える選手の数や財政面などを考えれば苦しいかもしれませんが、いくつかのトップクラブにはACL制覇・CWCでの勝ち上がりまでを目標に据えてもらいたいもの。レイソルにしても本番は来年。2010年にJ2制覇、2011年にJ1制覇、2012年にACL制覇という美しいステップアップで、今度こそ快挙達成となるよう、気持ちを高くもって2012年を迎えてほしいところです。

ということで、柏レイソルがあわやの戦いを見せた「クラブワールドカップ準決勝 柏レイソルVSサントスFC戦」をチェックしていきましょう。



◆都並敏史さんのマイクだけをオフにする方法はないものだろうか…。

今大会の柏レイソルは開催国の代表として、素晴らしい働きを見せました。オセアニア王者に万一にでも敗れていたら、どれだけどっちらけになったか。3位決定戦がガラガラになったらどれだけ寂しいことか。大会の盛り上がりを維持し、話題を提供しつづけることは開催国代表としてのもっとも大事な仕事。その意味でレイソルの強さはお見事。開催国の代表が準決勝までくれば、あとはバルセロナさんが何とかしてくれるはずですから…。

中継する日テレがネイマールを連呼し、レイソルVSネイマールといった様相で始まった一戦。解説の都並敏史さんあたりは特にネイマールにご執心で、ネイマールがボールを持つたびに「ヒエッ」「ホッ」「ウホッホッホッホッ」などと絶叫。「CMになったとき突然音が大きくなって困る」的な鬱陶しさで、僕のグーグル音声検索も「ツナミ 黙らせる 方法」「副音声 ツナミ いない」「マイク ひとりだけ 切る 方法」などを全力で検索。残念ながらいい方法を見つけられないまま試合はどんどん進んでいったのです。

レイソルはいつもどおりしっかりと組織を作って試合に入ります。ネイマールやガンソには2人、3人と連続で当たり自由なプレーを許さず。かといって、それでどこかに穴が開くわけでもなく、全体でバランスを取りながらJリーグで戦っているかのように自分たちの試合を展開。しっかり守り、相手のやり方を見極め、鍛え上げた体力で試合終盤にかけてペースを掌握する…南米王者を相手にしてもレイソルはレイソルでした。

立ち上がりの前半5分、ゴール前でのクリアをネイマールに渡してしまうも、ここは相手のシュートがポストに当たって命拾い。ネイマールの巧みなドリブルにひとりが突破されても、二重・三重のディフェンスで決定機を作らせず。逆にレイソルもレアンドロ・ドミンゲスが相手守備をドリブルで突破してみせるなど互角の展開。レイソル自慢のサイド攻撃もしっかり機能し、右サイドから相手陣内深くまで侵入する場面も見られます。

しかし、チームとして負けていなくても、やられてしまうのがサッカーという競技の怖さ。前半19分、ペナルティエリア前でボールを持ったネイマールは、切り返しで大谷をかわし、左足でカーブをかけでシュート。ゴール隅へと飛んで行く美しい弾道に、レイソルのGK菅野も茫然と見送るしかありません。

↓これが世界のネイマールか!菅野のナイスリアクションもワールドクラス!


菅野さん最高のリアクションや!

ボールをゆっくりと見送り、真後ろに倒れる姿は、シュートよりも美しい!


↓さらにサントスは前半24分にボルジェスのゴールで追加点!菅野のナイスリアクションにも注目だ!


J2得点王はJ1得点王よりレベルが高いことを証明する、元ベガルタ仙台ボルジェスの一撃!

横っ飛びで手を伸ばすも触れず、ネットで跳ねて目の前にきたボールにバレーボール式八つ当たりをする菅野さんのリアクションは、シュートよりもパワフル!


負け惜しみではありませんが、これはもうサントスさんはいい選手をお持ちですねとしか言いようがないもの。あんなのをバンバン決められるのでは、仕方がありません。組織や戦術で頑張ってどうこうする問題ではなく、相手ができることとコチラが守れるものに差があったというだけ。Jリーグの他チームが「レドミがいれば…」と嘆き、レイソルが「ネイマールがいれば…」と嘆き、サントスが「メッシがいれば…」と嘆くような話。落ち込んでも詮無きことです。

そして迎えた後半。レイソルは北嶋秀朗を投入し、もう一度戦う姿勢を見せます。すでにレアンドロ・ドミンゲスは大会2枚目のイエローをもらい、勝っても負けても次戦はない状況。強いレイソルを見せるのはこの試合。一矢でも二矢でも報いて、開催国代表はホストではあってもお客さんではないことを示さなくては。

↓すると早速の後半9分、左サイドCKから酒井のヘッドで反撃!


お・見・事!

さすが南米王者サントスが欲しがった男、酒井!


しかし、ここでまたもナイスリアクションを見せたのが菅野。ダニーロの突破を次戦出場停止を覚悟で栗澤が止め、サントスにFKを与えた場面。レイソルのGK菅野は慎重に壁に指示を出し、万全の態勢でFKを待ち受けます。そして、この日一番のリアクションを世界に発信したのでした…。

↓キャプテン翼なら「アーッと!菅野クン一歩も動けないッ!」と評されるナイスリアクション!


まるで時間が止まったかのようなナイスリアクションや!

ヤマを張ってわずかに右に体重をかけると、予想を裏切って左に飛んできたシュートに直立!わずかに半歩左に動いたあとは、両手をダラリと下げて、バウンドしてゴール隅に曲がってくるボールをお見送り!

シュートの素晴らしさを引き立てる名演技!


その後、レイソルも相手ゴールに迫る反撃を見せますが、後半23分に北嶋が抜け出した場面は枠上へ外し、後半30分の澤のシュートはポストに当たって惜しくも入らず、後半37分にもレアンドロのクロスに北嶋が飛び込むも触れず、ファーに流れたボールも澤が吹かして得点ならず。攻めの形としてはレイソルのほうがいいものを見せながらも得点では及ばないという、ある意味でサッカーらしい試合。個人の部分のわずかな差…それこそ北嶋とネイマール、田中とボルジェス、ついでに栗澤とエンリケ、大谷とガンソ、橋本とドゥルバル、増嶋とブルーノ・ロドリゴ、近藤とエドゥ、菅野とラファエウが入れ替わっていれば、レイソルの勝利は確実だったでしょう。

逆に言えば、サントスほどのタレントを抱えた相手でも、それだけなら十分に戦えるということが見えた一戦。3位決定戦にまさかバルセロナがくることはないと思いますが、万一の場合も含めて、レイソルには最後までいい戦いを見せてもらいたいもの。来年のACLにグッとやる気が出るような、いい終わり方で大会を締めくくってもらいたいものです。



菅野さんのナイスリアクションを引き出せる強豪との対戦が希望です!