このエントリーをはてなブックマークに追加
Clip to Evernote
13:19
モヤモヤしてますか?今日は長いぞ!

ワールドカップでの日本代表の戦いが終わり丸二日。僕自身の結論はすでに出ています。この負けは「悔しさ」を溜めるいい負け。4年間に何の不満も後悔もない。素晴らしいチームと素晴らしいサッカーを見られて楽しかった。本大会での結果は残念だったけれども、これも勝負。最終的に、素晴らしいサッカー文化を育んでいけばいつかは勝つだろうから、楽しく悔しがりましょう。というもの。

しかし、何故か引きつづきモヤモヤする。

代表に対しては何ら怒りも憤りもないのに、僕は苛立ち、モヤッていたのです。その理由、木曜日の朝になってようやくわかりました。新聞に踊る手の平返しの論評の数々。ネットに氾濫する在野の評論家の言説たち。嬉々として書き連ねられる「夢から覚めろバカ論」に僕は苛立っていたのです。

「夢から覚めろバカ論」とは、日本サッカー及び日本代表を「世界」という謎の集団の遥か下に位置づけ、不当に軽んじ、たった3試合の結果を持って引きずり降ろせるだけ引きずり降ろそうと画策し、視線を地べたに向けさせて足で頭を踏みつけながら「これが現実だバカ」という説教を浴びせかけるもの。

別にそれをコートジボワールであるとかコロンビアであるとか、まぁ今回は言える立場でもないでしょうがスペインとかが言うならいいのです。ヨソ様が自分の勝利を勝ち誇り、それを自慢するのは「お互い様」ですから。逆の立場なら多少は勝ち誇らせてもらいたいですし。

しかし、実際に「夢から覚めろバカ論」を言っているのは同じ仲間と思っている日本人の模様。セルジオ越後氏のように見え見えのポジショントークで言うならばまだしも、心の底から本気で「夢から覚めろバカ」と言っている人が混じっているような気がして、そうしたものに触れるたびに苛立ちを覚えていたのです。僕の「楽しい悔しさ」に泥でも投げつけられているような気がして。

まぁ、世の中には「だいたいユナイテッドやインテルあたりで日本人がヨロヨロやってるのが安っぼくて、有り難みがないんだよ。どんだけの評価もらってるか知らないけど、早く他へ行ってくれよ。興醒めなんだよね」なんてことを言うサッカー関係者もいるらしいので、日本サッカーが調子に乗ることに苛立つ立場の人もいるのでしょう。そういう主張をするなとも言えないので、僕は自分のイライラを自分で説伏するしかありません。

<説伏1:日本は「どうしようもないくらいくっそ弱い」のか>

まず今回の試合結果を後ろ盾として、「日本はどうしようもないくらい、くっそ弱いんだよプギャー」と主張する言説について。僕はそう思いません。その国のサッカーの強さとは、最終的にその国のサッカー文化の強さです。日本には、発足からは日が浅いものの、毎週末多くのお客さんを集め、今なおその輪を全国に広げつづけるJリーグがあります。社会人リーグがあり、小・中・高・大学でサッカー部が活動し、地域には少年団やアカデミーがあります。街には草サッカーやフットサルを楽しむためのコートもあり、サッカーショップ加茂がある(!)。

年間500万人もの動員数を誇るプロリーグがある国のサッカー文化が「くそ弱い」はずはないのです。そこは胸を張って誇っていいところ。昔キングカズが世界との差について問われたとき「日本も世界なんですよ」と答えたそうですが、まったくその通り。試合に負けたことは認めても、「世界との差」などという謎のヒエラルキーに飲まれて、上から踏みつけられる理由はありません。日本も「世界」です。

<説伏2:「自分たちのサッカー」というバカな夢>

次に、日本代表は「ジブンタチノサッカーガー」と寝言を言っているだけの夢見がちなバカ集団だったのだという主張について。これもまったくそうは思いません。「自分たちのサッカー」とはパスサッカーという一面だけを指す言葉ではありません。相撲で言う「自分の相撲」と同様に、自分たちの身体的特長や国民性などを踏まえ、「よいところ」を活かす「プレースタイル」のことです。大型力士が突き押しを得意とし、小兵力士がもろ差しを得意とするような話です。

自分たちのサッカーを止めるというのは、「自分たちの苦手なところで勝負します!」という意味。それこそバカでしょう。得意なことを活かせる型を探し、それを突き詰めるのは当たり前のこと。それが日本の場合「全員が攻撃と守備で献身的に走り(小柄さを活かした走力・持久力)、コンパクトな密集を作りながら連動した動きで攻撃と守備を仕掛け(国民性を活かした組織力)、攻め抜く(守りに入ると弱いので攻めダルマ)」という今大会の日本代表が目指したサッカーでしょう。

確かに短期的にはドン引きしたほうが勝率は上がるかもしれません。しかし、ドン引きの先に未来はあるのでしょうか。欧州のトップリーグを見ればわかりますが、CBとGKは190センチの大男が標準装備です。もう少し小さい場合は、とんでもないジャンプ力があったり、足元が抜群に上手かったり、駆けっこが速かったりと、何らかの武器を備えている。攻めてくるほうもゴールど真ん前での真っ向勝負用に大男がいる。ドン引きとは、大男のぶつかり合いを制すること。ドン引きマインドを定着させても、日本にドン引き要員が出てくる確率も、日本代表がドン引きスタイルで勝つ確率も低いのです。

現在はかなりの数の選手が欧州のトップリーグでプレーしていますが、ぶつかり合いを制する必要がある「ゴール前」で仕事をするタイプはごく少数。サイドバックやサイドハーフなどが中心です。そして、そこではサイドを上がり下がりする走力など、日本人の得意な部分が活かせる。「現実」を見たとしても結局は現代表のサッカー…サイドで連動しながらゲームを作り、SBも参加して集団攻撃し、中央にピュッと飛び込んで地上戦で決めるサッカーをやるのが自然。守備においても、ゴール前から戦場を遠ざけ、なるべく自分たちがボールを持つ時間を増やす(相手の攻撃時間を減らす)のが自然。自然な成り行きで出てくるのが、あの「自分たちのサッカー」です。

南アフリカ大会では中澤・闘莉王という日本の歴史上でも屈指のセンターバックが揃ったので、ドン引きも活きました。ただ、そのぶん攻撃は松井・大久保が無理めの単独突破を仕掛け、本田△さんヨロシク!とならざるを得なかった。カメルーン戦の「持ってるゴール」と、デンマーク戦の「フリーキック2本」は再現性のある戦略ではないでしょう。その成功体験に引きずられても、アレでもう一度上手くいく確率は低いと言わざるを得ない。

たまたま、たまたま偶発的に、オランダのロッベンのような「攻撃はヨロシク!」で何とかしてくれる選手が出たら、オプションとしてドン引きを検討すればいいだけ。世代を超えて日本代表が一定水準以上のチカラを持ちつづけるには、現代表が目指したようなサッカーを引きつづき目指し、日本人からも生まれやすいタイプの「ワールドクラス」を拾っていくのが自然。そこに噛み合うデカイ選手や強い選手が「たまたま」出たら、どう融合させるかはそのとき考えればいいのです。

<説伏3:でもボコボコにされてたじゃない…。>

なるほど、コロンビア戦はボコられました。ハメス・ロドリゲスは凄かった。アレでファルカオがいたらと思うと、コリャあかんなと思います。日本を代表する選手として呼ばれた今野が「いけると思ったけどいけませんでした」というPKを献上するのですから、ハメス・ロドリゲスもファルカオもいなかったとしても難しい試合だったでしょう。

ただ、今大会の傾向を見てもわかるように、南米勢は圧倒的な強さで、エクアドル以外は全チーム勝ち抜けています。コスタリカやメキシコを含めると「あの辺」のほとんどが勝ち上がっています。逆に、スペインを始め、クロアチアやイタリア、日本のように中盤で手数を掛けるタイプのヨソ者は苦戦中。

これは酷暑・豪雨などの気候条件により消耗が激しいことと、スタジアムによってはジャガイモ畑に緑のペンキをぶちまけてごまかしたようなミスの出やすい環境によるものでしょう。悪条件で出せるチカラに差があったことは認めた上で、「凍えるほど寒い北国の人工芝ピッチ」とか反対側に極端な条件を考えれば、ここまでやられはしないだろうとも思うのです。

特に日本は2戦目のナタルが「暑くて豪雨で、ジャガイモ畑に緑のペンキぶちまけ」、3戦目のクイアバが「暑くて芝ボコボコ」と悪条件。あの条件なら「ロッベンさんよろしく!」とかのサッカーのほうが効果的だったかもしれません。そんな選手いませんし、もう一度日本でやらせてもらえるなら、短く刈り込んだ芝生のドーム球場で試合をやり直したいくらいですが。悪条件だけを想定して4年間を費やすのは無意味です。割り切りも大事ですので、当面、無視しましょう。

<説伏4:いや、でも、「自分たちのサッカー」でボコボコにされてたじゃない…。>

むむむ、しつこいですね。コロンビア戦のことは忘れましょう。1-4にまで点差を広げられたのはコチラに勝たなければいけない事情があったせいでもあり、そもそもコートジボワール戦とギリシャ戦でしっかり勝っていれば、あんな特攻を仕掛ける必要もなかったのです。野球で言えば前進守備の頭を抜かれるようなもので、点差=実力差とは言えないでしょう。

問題はコートジボワール戦とギリシャ戦にあります。特に最たるものがコートジボワール戦。先制しながら2分で2点取られてひっくり返されるというのは、いただけない。さらに、1点目を失ったことは仕方ないとしても、まったく同じ形で2分後にもう1点取られるのは、さすがにいただけない。あの短時間でやられたのでは、監督の処置も間に合いません。野球で言えば「初球デッドボール⇒2球目ツーランホームラン⇒3球目デッドボール⇒4球目ツーランホームラン」みたいなものです。

「1点取られたら、みんなが交代で寝転んで監督の処置があるまで時間を稼ぐ」

この解決法をオートマティックに実践していれば、連続失点という癖は防げたのです。そして、コートジボワール戦でしっかりと勝点を取れていれば、展開はまったく違ったものになったでしょう。あの負けは「自分たちのサッカー」のせいではありません。ショックを受けやすい日本人の気質であり、どんなサッカーをしていても起きる可能性がある現象。上記の処置を「自分たちのサッカー」に組み込めば解決する問題です。

この4年間に見てきた「自分たちのサッカー」…オランダと2-2で引き分け、ベルギーを3-2で下し、アルゼンチンやフランスから勝ちを奪ったサッカーは、あんなものではありません。本来なら、後半にかけてやおら勢いを増し、前掛かりになるコートジボワールを仕留めていたはず。

そうできなかった原因はハッキリしています。まず雨が降ってパワーがいる重馬場になったこと。そして自分たちの単純かつ意味不明なミスでボールをロストしまくったこと。せっかく先制したいい流れでありながら、相手をいなし、疲れさせるどころか、逆に自分たちが疲れてしまったのです。「凍えるほど寒い北国の人工芝ピッチ」なら起こらない現象でした。

<説伏5:要するに何でボコボコにされたの…?>

●環境
あの環境は手数を掛けないチームか、悪条件を苦にしない地元チーム向き。スペインでもアレですよ?日本には向いてません。あれじゃムリムリ。

●コンディション
とにかく怪我人が多かった。内田・長谷部・吉田は直前まで合流が危ぶまれ、長友も親善試合で怪我でもしたか動きに精彩を欠きました。本田△には謎の治療跡があり、頼りの香川もモイーズの呪いでパラメータ低下中。4年間で最悪の時期に大会が来てしまった感じ。ドイツ大会のように試合中に倒れるパターンが出なかったのは、日本の進化。ポルトガルだって怪我人だらけで負けてたじゃないですか。今回はムリムリ。

●選手層
香川の代わりにナニを突っ込めるなら日本だって入れてます。本田△の代わりにカカを突っ込めるなら日本だって入れてます。代えのきかない選手はいますし、何十人もワールドクラスが揃うにはまだ時間がかかります。さまざまな環境や、コンディションの変化に対応できるようになったらガッチガチの優勝候補。まだムリムリ。

<説伏6:じゃ何で「優勝」とか嘘ついたの…?>

横浜DeNAベイスターズだって開幕前は「優勝」って言うでしょ…。優勝目指したらダメですか?哀しい愚か者ですか?「僕たちは数合わせの雑魚として、世界のサッカーの邪魔をしない程度に頑張ります」と言えとでも?嘘じゃなく、目標!無謀じゃなく、野望!不可能じゃなく、低確率!

<説伏7:今後どうする気よ?>

「サッカー文化を育む」以外に道はありません。今の代表以上に最大値を高めるには、もっと多くの選手が必要です。それには地域・クラブでの育成しかないのです。ザッケローニ監督は勝負師タイプではなかったかもしれませんが、いいチームを作り、4年間楽しませてくれました。代表チームや代表監督だけに責を押しつけるのは無茶というもの。

昨季は4人の選手が欧州CLの本戦に出ましたが、そうした最高峰の舞台で戦う選手を増やしていけば、戦いの幅が広がり、「凍えるほど寒い北国の人工芝ピッチ」まで行く必要もなくなります。すでに日本は自前の教育で、そういう舞台に選手を送り込み始めているのです。フランスとかスペインのアカデミーに育ててもらっているわけではありません。それはJリーグ開幕以降の着実な歩みによるものでしょう。

「地力」は着実についてきています。選手の質・量・経験・結果…極論すれば「ワールドカップ本大会以外全部」が過去最高の実績です。引きつづき上を向いて歩くべき。今回は、「有無を言わさぬ結果」という説得材料を欠きましたが、「夢から覚めろバカ」などと言われる謂れはありません。「ハマれば強い」チームがハマらなかっただけ。「ハマれば強い」から「いつでも強い」への道は、今歩いている坂道の先にあります。

<説伏8:夢から覚めたほうがいいですか?>

「夢見させるようなことを言うな!!」というスラムダンクの有名なセリフがあります。

今の代表、そしてモヤモヤしている人には、前後を含めてこのセリフを贈りたい。このセリフは才気あふれるプレイヤーが怪我という挫折で夢から逃げ、歪んでしまったことに対して放たれたもの。この前後には「お前は根性なしだ!」「根性なしのくせに何が全国制覇だ!」「夢見させるようなことを言うな!!」「諦めたらそこで試合終了ですよ」とつづくのです。要するに「諦めるな」というメッセージです。

僕はもっと夢が見たい。夢から覚めてなどやるものか。やることはこれまでと変わらないし、何も間違っていない。真っ直ぐ進めばいいだけです。「夢から覚めろバカ論」を唱える人は、単に他人に冷や水を浴びせたいだけです。どうせなら、その勢いでクロアチア、カメルーン、スペイン、オーストラリア、コートジボワール、イタリア、イングランド、エクアドル、ホンジュラス、ボスニア・ヘルツェゴビナ、イラン、ポルトガル、ガーナ、ロシア、韓国にも冷や水を浴びせてきてほしいものですね。あと、本大会出場を逃したすべての国にも。全部の国で殴り飛ばされると思いますが。どうぞ、存分に、冷や水の旅へ行ってらっしゃい!

◆6000字ほど説伏してスッキリしたのでサッカー以外の部分の採点です!


●GK川島 5.0
本大会前に「小学生向けサッカー英語ドリル」を発売し、英会話スクールを創設。もはやイーオンとかベルリッツの社長みたいな感じになってきた。次は「川島選手の声で話す自動翻訳アプリ」の開発に着手してほしい。もちろん音量設定は「ピッチ上の川島選手の声」設定だ。音量ゼロでも本体が揺れるレベルのを希望。ギリシャ戦の後半、ボーッと後ろを向いていたあのキックオフシュートが入っていたら、あと2.0点あげられた。そして「キックオフゴールの川島です」が一生使える最高の持ちギャグとなったはず。惜しい。

●GK西川 5.5
日本の目指すサッカーを考えると、最終ラインでのボール回しに参加できる3人目の男として、西川のように足が使えるタイプは必要なはず。しかし、ザンビア戦で何をテンパったのかボロボロになり起用の可能性を低めた。今後の奮起を期待したい。次回はサッカー日本代表選手を多数起用した東京西川の「エアー」なる布団の広告に起用されるように頑張ろう。なお、宿舎の卓球大会における優勝者香川へのコメント「真司があんなに上手いとは思わなかった」や、宿舎でのゲーム大会での内田へのコメント「Wiiのコントローラーは初めは操作が難しいんですが、ウッチーは強いし、センスがある」などは秀逸。「試合には出ないけど遊び場には皆勤賞」という姿勢、僕は好き。

↓西川がいそうでいない…。
nishikawa

●GK権田 4.5
試合中に美人サポーターが映り、「本田の嫁か!?」と話題になったが、こういうときこそ「権田の嫁」にも出てきてもらいたい。日本でネイルサロン行ったり、髪切ったりしてるけど、自分の旦那の出場可能性をゼロと見切っていたのだろうか。僕もゼロだとは思っていたけど、夫婦ってそんなものなのだろうか。ある意味、一番「現実」とやらを見ていたのは権田の嫁だったのかもしれない。

●DF今野 4.0
コロンビア戦のPKは怒ってない。今野がいけると思ったんなら、しょうがない。それにアレは青山とハーフ・ハーフの責任問題だ。しかし、初戦から一貫して鬱っぽい雰囲気をガチで漂わせ、最終的に「もう一生代表は考えられない」とか「一気に老け込んで、サッカー人生が終わる可能性も」とか言い出すのでは、さすがに笑えない。こういうときはパラメヒコマンをやろう。PUMAさんにお願いだ。

●DF伊野波 3.5
後年「2014年大会のメンバー当てゲーム!」をやるときの難所のひとつ。2010年大会の岩政などと同様、「微妙にいたんや…」という納得できない気持ちに回答者を追い込むだろう。本来なら採点不能なところだが、紆余曲折の果てに19番という「まぁ、普通なら絶対買わないな」と思える背番号に落ち着いてくれた点は好印象。採点はだいぶオマケした。

●DF長友 4.5
怪我をしていたんじゃないかと疑いたくなるほどのキレの悪さ。こんなに足が遅い長友を見た記憶がない。普通に心配。インテルのチームメイトに慰められるというめっちゃいい場面を作ったり、誰よりも早くブログを更新したり、インタビュー中に男泣きしたりと、戦後処理には光るものがある。ゆっくり休んで来季に備えてほしい。

●DF森重 5.0
ザンビア戦で見せたターンは本当に見事だった。しかし、本大会では初戦こそフル出場したものの、その後は出番に恵まれず。サッカー識者との議論の結果、「森重の真骨頂は手の使い方」「今大会はジャッジが森重向きでない」「ニシムラが悪い」という結論に。2018年大会は不動の軸となるよう期待。

●DF内田 6.5
シャルケの内田とは別人。テーピングで足をグルグル巻きにし、椅子から立ち上がるときに手で体重を支える姿は、痛々しかった。コロンビア戦の後半、ウッチーが追いかけっこで連敗する様子と、それでも一番最後に相手と対峙する様子に、勝利への渇望を見た。代表引退も考えているようだが、そういうことを中途半端に公言する人は「止めてほしい」パターンがほとんど。代表での活動は少し疲れただろうから、しばらくクラブに専念して、2年後くらいに帰ってきてほしい。次の大会には、キャプテン内田が必要だ。

●DF吉田 6.0
思ったよりよかった。

●DF酒井宏 5.0
コートジボワール戦でベンチが一瞬抜かれたとき、めっちゃ爽やかな笑顔が素敵だった。今思えば、あのリラックス感を香川・岡崎・今野あたりにわけてあげられていたら、もっといい結果が出ていたのかもしれない。

●DF酒井高 4.0
親善試合の段階から足を痛めており、何やかんやで出場ナシ。本来なら採点不能なのだが、この機会に以前から自分の中で紛らわしく感じていた部分を備忘のためメモしておきたい。「ケンゴウではなくケンゴ」「モエではなくハジメ」「コウトクではなくゴウトク」

●MF遠藤 4.5
「後半から遠藤を出して攻めダルマや!」という秘策が上手く機能せず、最終コロンビア戦ではついにピッチに立てず。むかーし、すこーしだけ留学した経験のある地で、マラカナンスタジアムに立つという夢は叶わなかった。こんなことなら、テレビ番組のロケで行ったとき、ピッチに入っておけばよかったんじゃなかろうか…。大会期間中、大会後とも安定して自身のブログを更新せず、有料公式サイトでもメッセージナシ。おまけにトップページには南アフリカ大会でFKを決めて「イェーーー」ってなってる顔が表示されるなど、遠藤のまわりだけ時間が止まっている感が凄まじい。日本代表でもっとも著書が多いが、著書と同様にブログや公式サイトも佐村河内システムで、誰かが勝手に書いてはどうだろう。

●MF長谷部 5.5
大会期間中は、監督がくれたオフを利用してシュラスコ決起集会を開くという大仕事を成し遂げた。ただ、決起集会のタイミングが一手遅かったことは否めない。コートジボワール戦のあとにこそ、手を打つべきだった。また、メニューについてもシュラスコとは結局バーベキューなわけだから、「BBQで決起集会」は負けフラグ全開。しかも会費は日本協会持ちだそうで、それではキャプテンの求心力が上がるわけがない。決起集会のイロハを忘れてしまったのだろうか。「なるべく高いものを上司がおごる」のが食事会開催の絶対条件だ。メシもおごらずに説教するなど、実社会ではあり得ないぞ。今後もキャプテンをするかどうかはわからないが、監督業をする際も大事なことだと思うので、気をつけてほしい。

●MF青山 5.0
待望論を受ける形でコロンビア戦に先発。「ザンビア戦で起きた偶然を再現せよ」という無茶な指示に忠実に従い、何となく似たような感じの場面を作った。FKの場面で長谷部や青山がボールサイドに立つたびに、日本ファン全体が「あー、絶対蹴らんのやろな」と思いながらニヤニヤしていたが、「僕がダミーでボールまたぎますんで」「本田さんはそこでズドンとお願いします」「ダミーいきまーす!」とダマしうちで蹴ってもよかったと思う。

●MF山口 5.5
ハメス・ロドリゲスやヤヤ・トゥーレをそこそこ封じるなど、中盤の門番として奮闘した。しかし、ザッケローニ監督が本来イメージしていたのは「こいつガットゥーゾみたいな選手じゃね?」というインテンシティ出まくりのヒットマンだったのではないだろうか。僕もずっとそうカンチガイしていたが、見た目とは裏腹に実態は頑張り屋のコーギーという感じで、インテンシティはそんなに出さないタイプだった。4年後はヤヤ・トゥーレだろうが、ハメス・ロドリゲスだろうが、ワンワンワンワンガルルルルルルと追い返す「猛犬」になってほしい。

●FW大久保 6.0
ミスター小姑。中にいる選手が、まるで他人事みたいにチームの問題点をズケズケ言う姿には、インテンシティを感じる。2回ほど決定機があったと思うが、それを全部外したら普通はシュンとなって「サッカー人生が終わる…」とか言い出すもの。まったく動じないあたり、香川に対して「全然ダメだったけど落ち込むなよ」とズケズケ言い放つだけのことはある。DF内田とどっちがキツイ悪口言えるか、今度勝負させてみたい。向こうは試合中から呆れて笑っちゃうくらい、腹にため込んでいるものがあるっぽいぞ。セルジオ越後氏も釜本邦茂氏もいい年なので、将来的にはあの辛口ポジションを引き継ごう。

●FW岡崎 5.5
コロンビア戦のスーパーヘッドは一瞬夢を見せてくれた。最高のハーフタイムをありがとう。しかし、コートジボワール戦後の「勝たなくてよかったと、正直、今は思っている」はいただけない。追い込まれる前にインテンシティが出せていれば…。「勝っておけばよかったと、正直、今は思っている」のではないだろうか。コロンビア戦で相手のヒジ打ちを喰らった際は、その場で転ぶとわかりにくいので、後ろに2メートルくらい飛ぶようにしよう。長谷部キャプテンのように、相手をヒジ打ちで地味に壊しつつ、そんなでもないファウルでレッドカードを引き出すことができれば、FWとしての怖さも増す。



●FW本田 6.0
何やかんやで1ゴール1アシスト。「持っている」ことは間違いないので、イオンの夢ノートが売れ残るのは本田△のせいではない。自嘲気味に大会を振り返るせいか「口田圭佑(くちだけいすけ)」なる、よくできたあだ名もついたようだが、口だけということはなかった。コートジボワール戦のゴール後、「中指じゃないよな」「中指立てるのはアカンぞ」「ACミランは中指はアカンぞ」と慎重に確認したが、人差し指でひと安心。体調の問題か、日に日に目のクマがすごいことになっていたので、ゆっくり休んでもらいたい。

●FW香川 4.5
ザッケローニ監督も「ええええええええええ!?」「マンチェスター・ユナイテッドまで行った選手がこんなにメンタル弱いの!?」「今までどうやってプレッシャー乗り越えてきたんだよ…」とビックリしただろう。もっと気楽にやろう。例えばポルトガルでクリスティアーノ・ロナウドが無得点だったり、シュートを外したりすれば世界が悲嘆するだろうが、ナニが外しても「ナニぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」と落胆したりはしないだろう。「せやろな」と思うだけで。そのぐらいの感じで、ゆるーくいこう。

●FW清武 4.0
コロンビア戦で43歳のゴールキーパー・モンドラゴンが最年長出場記録更新のため出てきたとき、ザッケローニ監督に「ウチも思い出っぽいヤツおらんか!?」と投入された。「4年後は僕がキャプテンマーク」と立候補するなど、自信は買う。

●FW柿谷 5.0
合宿へ出発するとき、ホテルにプレステを忘れて遅刻したのが唯一のお笑い決定機だった。コロンビア戦の最後で惜しいシュートを放ったが、逆にモンドラゴンさんの名場面をお膳立てする格好に。もうそんなに若くもないので、来年あたりからチャンピオンズリーグに出られるように頑張ってほしい。

●FW斎藤 6.0
ザック采配が最終的に吉田に放り込むパワープレーを始めたとき、ナントカメッシのワールドカップは終わった。SNSなどで駆け巡る「ウチの学を出せ!」という怨嗟の声。ファンたちもうっぷんを溜めていると思うので、チーム解散の前に「僕は何で呼ばれたんですか?詳しく!」と説明は受けておこう。

●FW大迫 5.0
内田の写真集を露骨に宣伝する活動などで、存在感をアピール。1戦目、2戦目とつづけて先発出場するなどスルスルッと主力にのぼり詰めた。最終的にこうなるなら、何故ロンドン五輪などで呼ばれなかったのだろう。五輪チームと代表チームの断絶の象徴。

●監督ザッケローニ 7.0
最高のナイスガイ。常に誠実、常に一生懸命。誰よりも熱心にJリーグを観戦し、多くの選手を呼び、震災にも負けず、さまざまな実験にトライしたが、最終的に1個のプランしか実行できなかったのは選手側の責任でもある。コートジボワール戦、コロンビア戦と相手が手を打ったあと、ものの5分10分で失点する日本人には「早っ!!」と驚いただろう。「少しは俺にも考える時間くれ」「1回目くらい耐えろや」「わっ、2回目で2点目!!」という言葉を飲み込み、最後まで泣きごと・恨み節を言わないダンディズムに敬服。本番になって飛び出した「岡崎左」「大久保・柿谷2トップ」「本田1トップ・香川トップ下」「吉田でパワープレー」などの新手の数々は、ザックなりの腐心のあと。本人的には、その奇策をする前に勝てるという見込みがあったのだろう。ファンもそう思っていた。惜しむらくはコロンビア戦でモンドラゴンを投入された場面。もし、ここでベンチにカズを置いていれば、「そちらが人を舐めた交代をするなら仕方ない」「行くぞ日本のキング」「キミが47歳で、モンドラゴンがもう1回ワールドカップに出ても記録は破れないということを思い知らせてやれ」と意趣返しができたのに。あと、結局、インテンシティって何なんでしょうか?

ゆだねて束ねる ザッケローニの仕事[本/雑誌] / 増島みどり/著

価格:1,300円
(2014/6/27 12:34時点)
感想(0件)




MVPは4年間の感謝をこめてザッケローニ監督とします!ありがとうザック!