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中指でダメなら、根本であるアレが立ったら完全にアウトや!

最近は世の中の意識も高まり、コンプライアンスですとか人権意識ですとか、自分の行動をしっかりと律することが欠かせなくなってきております。僕も「静かなセクハラ」「視線が気持ち悪い」「妄想という名の犯罪」と周囲が眉をひそめるようなタイプですので、もはや人前では直立不動で目を閉じていることでしか、自分の正当性を主張することができなくなってきています。パズドラをする際の指の動きすら、「クニクニといやらしい指の動きしないでください!」と怒られそうですから。

そんな中、たまの休日にも心のタガを外すわけにはいかない感じになってきている模様。

10月4日に行なわれたJ2第35節、横浜FC対松本山雅戦でのこと。ホームのゴール裏席で横浜FCサポーターがグラウンド方向を向いて中指を立てる行為があったらしいのです。クラブ側では行為を発見した人から寄せられた情報を元に、映像でその行為を確認。そうした行為があったことをホームページで発表した上で、今後、人物の特定や事実確認を行なった上で対応していくとしたのです。

「中指を立てる行為」の通報&処分。ついに、そこまでスタジアムがちゃんとしてきたか。僕はその状況を好ましく思うと同時に、とうとう自分も行為&通報&処分の対象となる時期が来たなと背筋が凍る思い。中指を立てる行為というのは絶対にしない自信がありますが、その根本たるアクションについては、その、まぁ、自信がないというか生理現象というか、制御がきかないものですから。

百歩譲って「中指」の場合、眉をひそめながらも「まぁ、ヤンチャな男性ですね」で済む話だと思うのです。会社でそのことがバレても、「熱いっすねー」くらいのヤンチャ印象で話は収まると思うのです。逆に一部では好印象として受け止められるかもしれません。しかし、そのジェスチャーの根本たる行為があり、そのことをクラブに通報され、ホームページ上で発表され、特定され、罰金もしくは入場停止などを科された場合。これはもうキツイ。ヤンチャ男性はよくても、ヤンチャ息子は許されないのです。

発見されればたちどころに、「さっき読んだ『To LOVEる-とらぶる-ダークネス』のことを思い出してしまったので」なのか「隣にいた女性客が薄手のコットンワンピースに身体のラインをクッキリと浮き上がらせていたので」なのか「武藤嘉紀選手の首筋がゴツゴツして妙に野性的だったので」なのか、その行為に至った原因を厳しく追及されてくる感じがします。

たまたま偶然そうなりましたとか、いやらしい気持ちはありませんでしたなどと言い訳をしたところで、行為を発見されたら隠しようもありません。「証拠はソレだ!」と一目瞭然。僕は行為を完全にコントロールできるようになるまで、スタジアムへの入場を自粛しなければならないのかもしれません。相互監視の目が厳しそうですから。そして、どのクラブかわかりませんが、たまたま居合わせたことで迷惑を掛けることになりそうですからね。この先、どうしていけばいいんでしょうね…。

ということで、どうすれば僕はスタジアムに入れるのか、今後の方策について検討していきましょう。


◆FIFAめ、面倒なことを言いおって!僕の行為はただの生理現象だ!

この問題の大きな転換点となったのは、3月に起きた浦和レッズ戦での人種差別的垂れ幕問題でしょうか。浦和レッズに科された無観客試合という処分は、世間でも大きく採り上げられました。浦和レッズという人気チームのスタンドが無人になるという視覚的インパクト。それが、ごく少数の個人によって引き起こされたという点。戦慄する想いです。

↓僕の行為がキッカケでこんな大事になったら、精神的に耐えられない感じ!


発見されたくない!

通報されたくない!

特定されたくない!

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この件で、処分の根拠とされたのがFIFAの定める懲罰規程でした。これは日本語にも翻訳され、JFAでも懲罰規程として公開しており、それに従うこととなっています。その中には「3-5.差別」とする項目があり、ここに浦和レッズに処分を科したこと、それを無観客試合と定めたことの根拠となる記述があります。

↓違反者がサポーターの場合は、その有責性にかかわらず、当該チームに処分を下すだと…!?

3-5.差別

人種、肌の色、性別、言語、宗教、又は出自等に関する差別的あるいは侮辱的な発言又は行為により、個人あるいは団体の尊厳を害した場合、以下のとおり懲罰を科すものとする。但し、軽度の違反の場合は、譴責若しくは戒告、その他軽度の懲罰に留めることができる。

(1)
違反者が選手等(アマチュア選手を含む)の場合は、違反当事者に対して、原則として最低5試合の出場停止処分及び10万円以上の罰金を科す。

(2)
同一のチームに所属する複数の個人が同時に本条に違反した場合は、当該チームに勝点の減点処分(初回の違反は3点、二度目の違反は6点)を科す。さらなる違反の場合は、下位ディビジョンへの降格処分を科す。なお、勝点が伴わない競技会の場合は当該チームの競技会への参加資格を剥奪するものとする。

(3)
違反者がサポーターの場合は、その有責性にかかわらず、当該チームに対して40万円以上の罰金を科す。重大な違反には、観客のいない試合の開催、試合の没収、勝点の減点、又は競技会の資格剥奪などの追加的な懲罰を科す。


(4)
違反者が観客(サポーターを含む)の場合は、最低2年間、スタジアムへの入場を禁止される。


http://www.jfa.or.jp/jfa/topics/2014/53/20140314.pdf

客の行為も先回りして罰則を設けおったか!

FIFAも小舅みたいになってきたの!

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なるほど、この3項目目と4項目目が厄介なんですね。違反者がサポーターの場合は、酔っていようがテンション上がってハメ外しちゃっただけであろうが、チームに罰金を科すと言っているではありませんか。しかも、重大な違反にはさらに重い処分を科すとも。たとえば選手や相手チームに対して、アレをズボンからはみ出させるようなような行為があり、それが重大な違反とみなされれば、無観客試合の開催や勝点の没収も行なうということ。

どうやらこの懲罰規程は2014年4月1日に変更され、そこで前述の「差別」に関する項目が新たに盛り込まれた模様。「等に関する」「尊厳を害した場合」という幅広い適用具合。どこまでを該当する行為に含めるかは厳密ではありませんが、意図としてはなるべく広い範囲に適用させようとするものでしょう。「とにかく相手の尊厳を害したら、どんなことでもダメなんだよ!」と。これではローライズジーンズを穿いての試合観戦は、即刻中止せざるを得ません。うっかりハミ出したアレが、相手の尊厳を害してしまうかもしれませんからね。

↓それで最近は、客の行為をやたら監視し、発見されたものにネチクチ対応しているのか!

<川崎フロンターレ戦における差別的挑発行為と処分について>

8月23日に行われましたJ1リーグ第21節川崎フロンターレ戦におきまして、弊クラブサポーターによる川崎フロンターレ選手への差別的挑発行為がありました。

川崎フロンターレの選手・関係者の皆さま、ファン・サポーターの皆さまをはじめ、大変多くの方々に対しご迷惑とご心配をおかけし、深くお詫び申し上げます。

弊クラブとしましては、このような差別的挑発行為は決して許されるものではないと考えております。

本件に関する行為者に事情を確認した上で、上記判断に基づき、当該行為者に対して無期限入場禁止処分を下すことと致しました。

再発防止策を含む今後の対応に関しましては、Jリーグと協議のうえ進めて参ります。

http://www.f-marinos.com/news/detail/2014-08-24/014500/015750


<9月28日(日)J2第34節松本山雅FC戦における行為について>

9月28日(日) 松本平広域公園総合球技場にて開催されましたJ2リーグ第34節・松本山雅FC vs コンサドーレ札幌戦において、コンサドーレ札幌サポーターがアウェイゴール裏スタンド最前列・松本山雅FCホームゴール裏入場ゲートにて、松本山雅FCに対して中指を立てるという行為を試合終了後、多くの皆様から多数情報が寄せられ、弊クラブといたしまして確認いたしました。

現在、当該サポーターと思われる方とのコンタクトを進めつつ、事実関係を確認する中で、Jリーグ・ホームクラブである松本山雅FCと共に今後の対応について進めております。
皆様には決定次第ご報告申し上げます。

今回の行為について、ご来場頂いておりました松本山雅FCサポーターの皆様、松本山雅FC関係者の皆様、そして多くの応援頂いた皆様にリスペクトに反するとの印象を与え、大変不快な思いをさせてしまったことを心から深くお詫び申し上げます。

http://www.consadole-sapporo.jp/news/2014/09/017721.html


<10月4日(土)J2第35節松本山雅FC戦における行為について>

10月4日(土)味の素フィールド西が丘において開催されました弊クラブホームゲーム松本山雅FC戦において、ホームゴール裏席にて横浜FCサポーターがグランド方向を向いて中指を立てるという行為があったという情報がクラブへ寄せられました。

映像で確認したところ、確かにそのような行為が確認されましたので現在、人物の特定等事実確認を行いつつ、今後の対応についてクラブ内で協議しております。

事実関係及び対応が確定次第改めてご報告させていただきます。

当日試合会場にお越しいただいた皆様ならびに中継映像を御覧頂いた皆様には大変不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございません。より安全・快適なスタジアムを目指し、再発防止に向け啓発活動等一層の努力をしてまいります。

http://www.yokohamafc.com/2014/10/06/10%E6%9C%884%E6%97%A5%EF%BC%88%E5%9C%9F%EF%BC%89j2%E7%AC%AC35%E7%AF%80%E6%9D%BE%E6%9C%AC%E5%B1%B1%E9%9B%85fc%E6%88%A6%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E8%A1%8C%E7%82%BA%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84/

「●●サポーターが」「●●に対して」「差別挑発的な行為を」したら、クラブが反応せざるを得ないのだな!

「そのくらいエエやん」と内心で思っていても、エエかどうか判断するのはJFAやFIFAなどもっとエライさんの側で、「尊厳を害した」側なのだから!

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あのように文書の形で出されて、先の浦和レッズの例などに見られるようにしっかりと批准していくことが示されているのですから、各クラブも独断で無視するわけにはいきません。「ちょっとヤンチャなほうが盛り上がる」とか「ずっとそうやってきたじゃない」とか「これが文化だ」とか「偶然、立ってしまっただけでいやらしい気持ちはないのでは?」とか「荒々しい男っぷりでチームを鼓舞する」とか「阪神タイガースのファンのほうがガラが悪い」などという段界は飛び越え、もはや自分で勝手に判断できる状況ではないのです。FIFAがそう言っているのですから。FIFAを離脱すればいいんでしょうが、現時点では離脱していませんからね。

したがって、僕がスタジアムでアレを立てる行為に及び、ツイッターなどで画像が拡散した場合、クラブは僕を「この人はナチュラルにサイズがデカイだけなんです」「全然関係ない妄想をしていただけです」「相手チームやサポーターに対してムラムラしていたわけではありません」などとかばうことはできないでしょう。かばえば、自分たちも意識が低いムラムラ族の一員として見なされてしまう可能性があるのですから。僕の中には、「アレが立ったとして何が悪い」という不満はありますが、それを良いとするか悪いとするかはクラブ側の範疇ではないので、あえて火中の栗を拾うわけにはいかないのです。

しかし、ここには小さな抜け穴もあります。先の懲罰規程の4項目めをご覧ください。コチラでは「違反者が観客(サポーターを含む)の場合は」と区別した書き方がされています。そうです、「サポーター」と「ただの観客」では線引きがされているのです。サポーターが行為に及べばクラブも一蓮托生でスケベ野郎と認定されるが、観客の行為については客が出入り禁止になるだけで済ませていただけるのです。何だか風俗店の禁止事項と罰則みたいな感じになってきましたが、自分がただの観客であれば、自分の出入り禁止だけで済み、クラブには迷惑がかからないというのはありがたい。

「チームのユニフォームを着ない」「ゴール裏等のサポーター席という認識がある場所に行かない」「ブログやツイッターで応援するチームを挙げない」「サポーターグループと交流しない」など、チームとの関わりをなるべく断っていき、自分をいち観客と位置付けること。そのように気をつけておけば、アレがズボンからハミ出していても、「スタジアムに紛れ込んだどこかのバカのアレをつまみ出しました」ということで、むしろクラブ側が良識の徒という位置づけにおさまることができるでしょう。

運営側から発信される「こういう行為をする人、こういう行為をすることを楽しみたい人は、応援しないでくださいね」というメッセージ。僕もしっかりと受け止めたいもの。とにかく僕がサポーターと認定されなければ、クラブ側に延焼が及ぶことはないのですから。僕と同様「ついついアレが立っちゃうよ派」の皆さんは、速やかにサポーターを辞めて観客になるのがよさそうですね。遠回りかもしれませんが、それがチームを守ることにつながるわけですからね。ついついアレが立っちゃう病は爺になるまで治りませんからね。


これからはサッカー観戦に行く際、常に前屈みで行動するようにします!