このエントリーをはてなブックマークに追加
Clip to Evernote
09:47
高難度VS完成度!

大いに盛り上がったフィギュアスケート四大陸選手権が幕を閉じました。注目の男子シングルを制したのは、かつての世界王者パトリック・チャン。SPの点差と今季のスコアからは逆転は無理だろうと思っていましたが、フリーで自己ベストを大きく更新する203.99点の猛追で、さすがのチカラを見せつけました。

SPでは明らかなミスがあっただけに、すべてを完璧にやり通せばSPとの合計スコア300点近いところが見えてこようかという内容。2位に入った中国のボーヤン・ジンは4回転3種4回を跳ぶという超高難度構成で、目立ったミスがあったわけではないにも関わらず、それをとらえてしまうとは驚きました。

ある意味で、長年模索してきた「難度VS完成度」のバランスがいい具合になっているということを示す結果なのかもしれません。ただただ難しい技をやれば勝ちというのは少し違うでしょうし、かと言って難しい技をやらずに勝つというのは納得できない。そこそこの難度×最高の完成度なら、最高の難度×そこそこの完成度に勝てるかもしれない、それぐらいがちょうどいい。

今回の戦いなどは技の基礎点では圧倒的に中国のボーヤン・ジンが上でしたが、出来栄えに対する加点の積み上げと、演技全体での構成点によってパトリック・チャンが逆転した格好。ただ、その逆転に際しても、4回転を1度⇒2度に増やすなど難度自体を上げるということが不可欠でした。ある程度の難しさはこなした上で、完成度が高ければわずかに逆転の余地が残る…これぐらいのバランスなら多くの選手にとって上を目指すことも可能になるでしょう。

ただ、パトリック・チャンほどの手練れがほぼほぼ完璧にやり切ったとしても、「300点付近」というのがひとつの上限値であることも確か。てっぺんを目指そうとするなら、やはり4回転2種は最低線ということもまた実感させられる結果でした。平昌でメダルを争おうと思うなら、最低で4回転を2種。すべての選手に高い目標を持って、平昌までの残り2季のシーズンを過ごしてもらいたいものですね。

ということで、4回転の中でも基礎点の高いヤツをやらないといけなくなるかもしれないという可能性をわずかに意識しつつ、21日のフジテレビ中継による「フィギュア四大陸選手権 男子シングル・フリー」をチェックしていきましょう。


◆まるで世間の声が届いたかのような、納得感のある4日間の中継!

昼間にやった試合を昼間に生中継で…というわけにはいかず、録画編集済みでお届けすることになった男子フリー。録画ならではの場面として、選手の会場入りの様子を映す段では、宇野クンが「VINCERO!」(※イタリア語のVICTORY)というメッセージシャツを着て会場入り。推理小説のヒントみたいな感じで、中継が終わったとき「最初に答えは明かされていたのか!」と驚く準備も万端です。

中継は優勝争いとかは関係なく、ケビン・レイノルズさんからスタート。冒頭の4回転2連発はアンダーローテーションこそとられるものの、4回転と認定されました。中盤にはダブルアクセルでの転倒などもあるものの、とにかく最後まで滑り切りました。ミスのリカバーのため、演技中にジャンプ構成を変えてノーカンを防ぐなど、ベテランらしい落ち着きも。復活を強く印象づける大会となりました。録画中継でもカットできない名場面ですね。

第3グループには日本の田中刑事さんが登場。冒頭の4回転サルコウを転倒すると、演技後半のトリプルアクセルはシングルに。アクセルにつける予定だったコンボも抜けますが、それは終盤のジャンプに付け直すことでリカバー。会場では「刑事魂」という謎解きに懸ける執念みたいなバナーも揺れ、飛躍のシーズンをファンとともに締めくくりました。

↓「暫定首位で最終グループの登場を待つ田中刑事さんらをとらえた映像が映る現地のモニターを暫定3位のマルティネス選手がスマホでとらえた写真」です!

取材するためにスケート上手くなったみたいな兄さんだなwww

演技中よりも記念撮影してるときのほうがイキイキしてるwww

脱ネット・スマホ中毒 [ 遠藤美季 ]

価格:1,512円
(2016/2/22 09:22時点)
感想(0件)




迎えた最終グループ。ホクスタイン選手の演技では、解説の本田武史さんが「シットフォワードの8回転からシットバックポジション、スムーズに決まっていました」という細やかな解説を披露。.轡奪肇侫ワード難ポジション、同足8回転、シットバック難ポジション、ぢ換えなしの難しい姿勢変更というレベル上げを凝縮して解説していると思われますが、非常に素人には助かる解説でした。各選手の各スピンでシーズンに1回ずつコレをやってくれると、見る側としても非常に助かります。今後も期待したいところ。

最終グループ2番手は宇野“VINCERO!”昌磨クン。冒頭の4回転トゥループは乱れた着氷とすると、演技後半の2度目の4Tではヒザから着氷するというミス。本来ならコンボにするところを繰り返しのジャンプとしてしまい、基礎点でも大きくマイナスとなります。演技終了後には思わず本人も苦笑い⇒舌ペロッのコンボを繰り出してしまいました。そこにコンボつけても「カワイイ加点」とかはナイんですけどね…!

↓その日の課題はその日のうちに、ということでエキシビションで4Tに再チャレンジしてみた宇野クン!



心意気やよし、でもこの日は4Tが鬼門だったか!

やっぱり4回転2種類あったほうが、片方合わなくてもカバーがきくからオススメね!


中国のハン・ヤンは、シンプルな衣装からちょいちょいヘソを見せてくるご婦人ハートキャッチな演技。大きなジャンプは加点をもらえるデキで迫力十分。大きな乱れなく滑り切り、会場からもスタンディングオベーションが起きます。SP順位から宇野クンを逆転して暫定1位とし、表彰台圏内に。シングルなら日本が圧倒的かと思っていたら、シングルも中国のほうが強いのか。「羽生結弦は人か?神か?」論争の決着次第では、アジアの盟主は中国となるかもしれません。

さぁ、日本チームを牽引してほしい無良崇人さん。冒頭の4Tはこの大会の中でも際立つ、ドデカイ一発で大きな加点がもらえるデキ。つづく4回転のコンビネーションも決めて、まずは難所を乗り切ります。しかし、得意のトリプルアクセルでは両足着氷に近い乱れたランディングとなり、出来栄えで大きなマイナスに。4回転を乗り切ったあとだけに、加点を計算できるジャンプでの痛いミスとなりました。少し首を傾げる表情からも口惜しさがにじみます。そのミスがなければ表彰台も…というところでしたが、シーズンベストをマークしての順位なのですから、今季の締めとしては納得のものだったのではないでしょうか。

優勝争い、先に登場するのは中国のボーヤン・ジン。4回転ルッツ、4回転サルコウという圧倒的な幕開けからのジャンプ3連発で、序盤だけで40点ほどの得点を稼いでいきます。演技後半に入っても1.1倍ボーナスを得た4回転を2本。4回転3種4本、麻雀ならそれだけで満貫つきそうな難構成。さすがに疲れたのか、終盤のスピンでは失速する様子も見られますが、新世代、新世界というもの存分に見せつけてきます。平昌五輪の金メダル候補、金の有資格者とはこういうことだと示すような演技だったと思います。

最終滑走で登場するのはパトリック・チャン。冒頭の4回転トゥループのコンビネーションを美しく決めると、スケートカナダやGPファイナルでは3Tを入れていた位置を4Tに変更。演技後半でもルッツで入れていたコンボをトリプルアクセルに変更。本来意図した仕様に難度を上げてきました。ノーミスを超えたフル加点の演技で、取れる得点の限界近くまでを取ってきます。本人も納得の会心の演技。さすがパトリック・チャンと言うべき逆転劇に、「逆転はできんやろなぁ」などと思っていた自分の不明を恥じるばかり。参りました、お見事。

↓フリーの自己ベストを大きく更新する演技で、パトリック・チャンが意地を見せた!



難技と完成度が、いい具合に競り合って面白い大会になりました!

ただ、このままでは300点の新世界には入るのは難しい!

やはり平昌では4回転2種、SPとフリーで合計6本を組み込みたい!

五輪の王者がダブルアクセルとか跳んだりしたらアカンのや!

その先の世界へ [ 長倉洋海 ]

価格:2,700円
(2016/2/22 09:30時点)
感想(0件)




中継ではその後エキシビションの様子もフォローアップ。日本選手の演技はもちろん、アイスダンスで優勝したアメリカのシブタニペアの演技も入れてきました。視聴率の獲れる時間帯での中継を前提としつつ、なるべくライブでやろうという心意気、なるべく日本のお客さんが気にするだろう名場面を入れようという心意気、最大公約数として納得感のある中継だったように思います。おかげでいい四大陸選手権となりました。選手のみなさん、観衆のみなさん、そして中継スタッフのみなさん、お疲れ様でした。

↓なるべく名場面を入れようという心意気は、特に説明もなくこんな名場面もぶっこんできた!


カナダのウィーバー・ポジェ組のポジェさんが宮原さんをお姫様リフト!

何だろう、この「アイスダンスなら抱いてもOK」みたいな風潮!

ちょっとアイスダンス始めてくる!

1日5分のお姫様ごっこ [ 幸川玲巳 ]

価格:1,296円
(2016/2/22 09:31時点)
感想(12件)




各大陸の王者と新世界の神を集めた来月の世界選手権、楽しみです!