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12:00
オウンゴールへの意識が低くなってませんか!

高めよう、ラインの高さとオウンゴールの意識。オウンゴールを愛するみなさん、こんにちは。本日は改めて原点に立ち返ってオウンゴールというものを考えたく思います。そして、「美しいオウンゴール」とはどんなものかを思い出し、間違っても「仕方ない程度のミス」を王者のオウンゴールと比較するようなことがないように、啓蒙していきたいと思います。

そもそも、現在のオウンゴールは基準がおかしい。以前のように、「相手のシュートが守備側の身体に当たってゴールイン」というケースをオウンゴールとすることこそなくなったものの、「相手の攻撃を防ごうとして、自軍ゴールに蹴り込んでしまった」ようなものは相変わらずオウンゴールとされてしまいます。しかし、本当にそれはオウンゴールなのでしょうか。

かつての自殺点という呼び方からオウンゴールというカタカナ言葉に代えたことで、本来あるべき自殺のニュアンスが薄れてしまっているように僕には思えるのです。自らの行動で、自軍を仕留めに行く。どう考えても私の責任でありますと認めざるを得ない状況、その絶望があってこそ、オウンゴールは美しく輝く。殺意があったのか、事故だったのか。意志の有無は裁判でも争点になる大事なポイントです。

たとえばオフサイドの場合、オフサイドとなるポジションにいても、守備側のプレーなどでボールを得た「不可抗力」的なケースではオフサイドとされないわけじゃないですか。攻撃してやろうという能動的な姿勢が判定においても重視されている。一方でオウンゴールはと言うと、基本的に「攻撃してやろう」という意志を持っているのは攻撃側。能動的に自軍ゴールに叩き込もうという「意志」の有無は、まったくもって軽視されています。

「よっしゃ、コッチのゴールに入れたろう。うわ、ウチのゴールやった」

という感じでワザとやったとしか思えないプレーだけが、本義的にはオウンゴールとされるべき。自軍ゴールに入れるつもりなど毛頭なかったが、相手が仕掛けてきた攻撃の対処をしているうちに、意図しないミスによって入れてしまったものは、最後にそれを仕掛けた攻撃側のゴールとすべき。たとえ、それがCKをGKがヘディングで自軍ゴールに叩き込むような珍プレーであったとしても…!

ということで、「王者への挑戦者ですよー」という勇み足が続出した珍プレーについて、1日の「ACL FC東京VSビン・ズオン戦」からチェックしていきましょう。


◆珍しいプレーではあるが王者への挑戦は100年早い「ただのミス」!

僕はネチッこい性格として知られ、会社でも「面倒臭い人」として知られる存在。当サイトにおいても、そのネタいつまで引っ張るんだというようなしつこさは、長年の購読者を辟易させています。ただ、一部では共感していただく物好きもいるようで、「いつものアレ、来ましたよ」というご報告をいただくケースも多い。

昨日のFC東京戦で起きたプレーについても、いくつかの筋から「いつものヤツです」「王者への挑戦者ですよ!」「南」という報告をいただきました。それを見て、僕はフーッと息を吐きます。まだまだ王者の素晴らしさ、美しさは理解されていないな、と。こんな程度で挑戦など、おこがましい。

↓まずは今回の珍プレーを確認するところから始めます!(1分過ぎから)



FC東京、右サイドからのCK

高くて落ちるボールを蹴り込む

森重飛び込むもボールが高く届かず

落下点に入ったGKはパンチングの構え

しかし、パンチングをミス

スカッたボールはGKの頭に当たる

ゴール

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これを見て、どう判定するか。オウンゴールへの意識が現れるプレーです。記録はオウンゴールとなり、世間でも「GKがヘディングで叩き込む」という認定をされているようですが、夜霧のオウンゴール審議委員会の結論は違います。このプレーは全会一致で「CKを蹴った小川諒也のゴール」です。

まずあのCKはゴールへと向かって曲がっていく軌道です。スルーしても枠を外れたかもしれませんが、少なくとも「守らねば」という対象ではあります。しかも、高いところから落ちて曲がってきている。CKなので珍プレーのように見られますが、広い意味での「ブレ球ミドル」と同じようなもの。

GKにとっては「弾いて叩き出す」しかない状況です。「守らねば」という気持ちからパンチングを試み、それがミスとなって結果的に自軍ゴールに入っただけ。シュートを手に当ててゴールインするのと何ら変わりません。オフサイド的観点で言うなら、直前に森重が飛んでいるのも、ミスを誘う「利益を得る」行為と言えるもの。FC東京の攻撃を防げなかったというだけのプレーです。

守らねばならないプレーがミスになったものは美しいオウンゴールとは言えません。記録上はオウンゴールになったとしても、王者を脅かすことは絶対にない。美しいオウンゴールの基準である「四余(余が、余裕を持って、余計なことをして、余韻漂うゴール)」で言えば、先ほどのGKヘッド弾は「余が」触っているだけで、余裕があったわけでも、余計なことをしたわけでもありません。

ボーッと居眠りしていたら相手のゴールになるのに、守ろうと思って手を出したプレーをオウンゴールとされるのは、オカシクないですか。「最後に触ったヤツ」で機械的に決めるならまだしも、これは攻撃っぽいとかこれはミスっぽいとかいう決め方をするなんて。

サッカーのゴールなんて、大半がどこかでミスって生まれるものでしょう。ヘンなとこでボール失ったりして。それを責めずに、最後に触ったヤツだけを責めるのは、「無茶な計画を立てた上司を責めずに、最終的に破たんした現場の担当者をあげつらう」ようなもの。意識高い系オウンゴールは、そういうあげつらいはしない!

↓似たような事例で、このゴールは「青の3番のミドル」が決まったと言うべきもの!



審議員A:「オウンゴールじゃないね」
審議員B:「ミドル弾と言うべき」
審議員C:「ブレ球なんでしょうね」
審議員D:「20番のプレッシャーも効いてる」
審議員E:「こういう意識の低いの持ってこないでくれる?」

ミスとオウンをごっちゃにするな!

高い意識で自軍ゴールにむかえ!


↓ゴールキーパーのヘッド弾なら、せめてコレぐらいのヤツを持ってきてほしい!


審議員A:「オウンゴールじゃないね」
審議員B:「ミドル弾と言うべき」
審議員C:「DFが直前に触ってますね」
審議員D:「5番のプレッシャーも効いてる」
審議員E:「バックヘッドじゃなければねぇ…」

ミスだな、これも引きつづきミス!

反転して自軍ゴールにズドンと突き刺すくらいのヘッドを期待したい!

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さて、それではみなさま、ここまでの長い繰り言を踏まえ、「よくこんなに長々と言うことあるなこのバカ」と思いながら、改めて王者の至高のオウンゴールを見ていきましょう。そして、単に珍しいだけのプレーをうっかり王者と比肩するようなことがないよう、意識を高めていってください。意識高い系オウンゴールとは、こういうヤツのことです。

↓さすが王者だ、非の打ちどころなく美しすぎるオウンゴール!


審議員A:「オウンゴールやね」
審議員B:「手でボール投げてますからね」
審議員C:「相手も自陣に引き上げてくドフリー状態」
審議員D:「後ろに放り投げるという角度もいい」
審議員E:「途中で追うの諦めたくせに、いっちょ前に地面を蹴って悔しがるところ、好き」

このプレーに挑戦しようなんて100年早い!

意識高いわー!


完全に保持したボールと、ゼロになった相手の攻撃への意志。DFラインはしっかりと形成され、このまま居眠りしても得点されることはおそらくないだろう絶対安全状況(アルティメットセーフティ)。それを引き裂くようにゴールに飛び込んだ投球。誰のせいでもないゴール。これこそが「オウン」。本人を問い詰めても「私がひとりで全部やりました」と自白するしかない至高のプレーです。意識も、質も、まるで違う!

↓今回も敗れ去った挑戦者たちには、改めて王者からのメッセージを噛み締めてほしい!
<南雄太オフィシャルブログSOUTH 2012年4月18日の記事:「No Title」より>

まず

俺は何と言われようが、思われようが絶対にあきらめないという事

(中略)

柏の時にはチームとして2度のJ2降格やJ1昇格、勝ち点1差で優勝を逃したり

心が擦り切れるようなプレッシャーの入れ替え戦を2年連続でやった事もありました

個人としても18歳でレギュラーをとってワールドユースで世界を相手に準優勝するなどのいい時期があったり

皆さんもご存知の通り歴史に残るようなオウンゴールをしてしまって泣きたいくらいまわりに叩かれた事もあったし

(中略)

そんなプロ生活の中で後悔している事

それは“もう自分じゃ無理だ”とか“これ以上はできない”と、あきらめたり投げてしまった事が何度かあった事

(中略)

要は自分が今までのプロ生活で何よりも大切だと感じた事は

“最後の最後まであきらめない、投げださないという事”

“やれる(できる)と信じる事”

王者:「やればできる!」
王者:「最後の最後まで諦めない!」
王者:「投げ出さないということ!」

試合は投げ出すな!

ボールは猛スピードで投げ出せ!

「俺が仕留める」という気持ちを込めて!

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南さんの引退が先か、王者の交代が先か!たぶん引退が先です!