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12:03
「澤引退で終わった」って言いたいだけやろ!

厳しい戦いとなりました。リオ五輪を目指すなでしこJAPANは、最終予選第3戦・中国戦で痛恨の敗戦。6ヶ国中2位までに与えられる出場権から大きく遠のきました。現時点の首位オーストラリアに届く可能性は完全になくなり、2位につける中国とも残り2試合で勝点6差。日本が2連勝して、中国が2連敗してもなお、1点差ずつでの決着なら得失点差で中国が勝るという状況。極めて苦しいところに追い込まれました。

だが「極めて苦しい」のと「絶望」は違う。

星取りは苦しいけれど、まだゼロにはなっていません。幸いなことに今大会はオーストラリアが非常にチカラを見せており、ここまで3連勝。もう何もかもをご都合主義で考えますが、オーストラリアにはこのまま5連勝してもらいます。次戦が北朝鮮、最終戦が中国です。日本はベトナムと北朝鮮の試合を残していますので、北朝鮮はこのあと2連敗ということは十分にあり得る。北朝鮮VSオーストラリアが引き分けで終わったとしても、日本が2連勝なら北朝鮮は逆転できる。

中国を追いかけるのは極めて苦しいですが、「中国が次節・韓国戦で負ける」「最終節でオーストラリアに負ける」「さらに韓国が最終節でベトナム相手に引き分け以下」というピタゴラスイッチみたいな連鎖が起きれば逆転は可能。中国VS韓国戦よりも韓国VSベトナム戦が難しいかもしれませんが、すべてご都合主義で回れば、可能性はまだ残っている。

数字上の可能性だと笑わば笑え。完全にゼロになるまで、反省はしないし、後悔はしない。まだ死んでない。キミらは自分の親が集中治療室で脈拍落ちてきたときに「テンポよく事が運ぶように葬儀屋と保険屋をあらかじめ呼んどこう」って電話掛けるのか。違うでしょ。手を握って、ガンバレって言うんでしょ。そりゃ死んだら葬儀屋と保険屋呼びますよ。でも、まだその時じゃない。

誰もかれもが「終わった」言いたがりか、と。NHKのアナが中継中に何度も「絶望(的)」と繰り返すのを聞いて、仕事してるフリをすることも忘れて苛立ちました。医者が枕元で「コリャ絶望的だな」「ほとんど死んでる」「可能性はほぼ亡くなりました」って言い出したらぶん殴るでしょうが。そんな医者に流されて、「私ら素人から見るともう死んでます」「死ぬと思ってました」「もう死んだって扱いでOK」ってなっているのが、今のメディアの空気感であり、ひいては見ている世間の空気感でもあります。

今回に限ったことじゃないですが、ゼロになる前に諦めるのは不見識だし、失礼だと思います。子犬VS象とかならまだしも、相手は「世界一」のなでしこJAPANですよ。彼女たちは嘆いているでしょう。あんなに頑張って、あんなに結果を出したのに、たった2・3試合の負けで「終わった」認定かよと。それじゃあやってるほうの気持ちも萎えるでしょう。

文化とは終わらないモノ、無くならないモノのことです。流行っているモノ、調子のいいモノのことではない。「世界一」を信じる気持ち、態度、言葉、あの日の感謝を込めて返そうじゃないですか。僕はもう十分にもらうものはもらったので、この先、何があってもそういう気持ちで見るつもりです。どれだけ負け続けても「伝説の古豪」と言い張ってやりますとも。100年分の結果をすでに出している。なでしこはそういうチームです。

終わったあとのことは、終わってから考えましょう。

でも、まだ、まだ、まだ、終わらない。

ということで、昔読んだ漫画の「ほんとのファンなら落ち目のときこそ応援しなくちゃ」という言葉を反芻しながら、4日のNHK中継による「リオ五輪アジア最終予選 日本VS中国戦」をチェックしていきましょう。


◆川村さんに酒瓶を投げないでください!執拗に映さないでください!

「中国女足最棒」などのバナー。意味はよくわかりませんが、中国女子サッカー頑張れということなんでしょう。熱心な応援団の表情は、ここまで予選を優位に展開してきた勢いに満ちているかのよう。北朝鮮戦を引き分けで乗り切り、不調の日本を下せば一気にリオが見えてきます。ここまでの2戦は日本もイスを大量に動員してライバルを圧倒してきましたが、この日はイスの動員を減らしグッと声援も増してきた様子。「ほっといても勝つと思ってたが、そうでもなかった」という改めての発見があったでしょうか。勝って望みをつなぐ。勝てば潮目も変わる。大事な一戦。

日本の先発はGKに福元、DFには鮫島・熊谷・田中・近賀、ボランチに阪口と川村、中盤の前めに宮間と中島を置き、2トップに横山と大儀見としてきました。コイントスで両チームのキャプテンをパッと見たときの第一印象は「中国デカっ!」。宮間の頭ひとつ上から覗き込むような姿勢は、まるで大人と子ども。日本のCBには「展開力を期待して田中明日菜を起用」との言葉も聞こえますが、大丈夫だろうか。そんなことしてる場合じゃないんじゃないか。とりあえず山根を立たせておいたほうがいいんじゃなかろうか、そんな不安もよぎります。

中国は整った陣形での守備から、素早くサイドに展開しクロスを入れてくる……普通っちゃ普通ですが、動きやボールのスピード感はかなりのもの。クロスの質も高く、嫌らしいところに蹴り込んできます。前半5分までに左右から入れたものだけでも、DFラインの裏、GKの前といういやらしいところに飛んできます。狙いどころを定めたイヤな攻撃です。

一方、日本は田中明日菜の展開力を活かし、ゲームを組み立てていきます。あっすーはボールを持つとゆったりと周囲を見渡し、次の手を考えたのち、ファーストチョイスとして川村あるいは近賀もしくは阪口へワイドに展開します。「ビルドアップ能力に長けた田中(棒)」「視野の広い田中(棒)」「あっすーの展開力(最棒)」と僕も中国語風で応援せざるを得ないビルドアッパーぶり。あっすー頑張れ。向いてない仕事でも頑張れ!

しかし、オーストラリアが韓国を順調に突き放したという情報が伝わった前半14分、それは起きます。自陣でのボール回しから川村がバックパスで下げた場面、阪口の前を通過したボールはビルドアップ田中の前へ。あっすーは余裕を持って追いかけたのち、「熊谷さーん」「お任せしますー」「うわ、中国が追ってきてる」とビックリビルドアップ。このボールがまるでキラーパスのようにゴール前に転がり、かっさらった中国に先制点を許します。

↓ミスで失点したか…!2点差で勝ちたい試合で先に失点は痛い…!


負けはアカンぞ!

分けはイケると踏んでるが、負けはアカンぞ!

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中国のラインは非常に高く、背後には広大なスペースが。しかし、そのスペースを活かすどころか、圧縮された中盤を突破することができず、効果的に攻撃ができません。ゴールはおろかシュートすらない時間がつづき、ようやく前半29分に横山がエリア内に持ち込む場面を作りますが、シュートは撃てず。直後に訪れた中島の目の前にボールがこぼれてきたチャンスも、先に中国に触られてゴールならず。

CKのチャンスには地を這うようなボールでシュートを狙ってみたり、遠くから遅れて飛び込んできた近賀に合わせてみたり、スペシャルなサインプレーを繰り出して攻める日本。出し惜しみしている場合ではもうないので、ドンドン秘策も繰り出しますが、ゴールにはつながらず。試合開始当初から感じていた嫌な予感というものが、時間が進むごとによりハッキリとしてきます。「あれ、中国強くね…?」という悲報が。

ハーフタイムに突入すると、怒りの獣神・澤が降臨。「できてないことが多すぎる」「コミュニケーションできてない」「プレッシャーが甘い」「とにかくミスパスが多い」とガーッとまくしたて、視聴者からの応援つぶやきに対しては、若干の「何トンチンカンなこと言ってんねん」みたいな苛立ちをにじませ、自分の言いたいことを吐き捨てます。

ひぇぇぇぇ。怖ぇぇぇぇ。澤のダンナも洗濯物取り込まなかったり、ゴミ出しサボッたり、洗い物を放ったらかしたりすると、こんな風にまくしたてられるんだろうか。「澤のつぶやき」じゃなく「澤の怒り」。何なら解説席じゃなく、下に降りて行ってそれを伝えてくれないか。苦しい時に見る背中が遠くなってしまったことを感じます。

日本は後半の頭からキラーパス川村を下げて、頑張らない宣言・岩渕を投入。ジョーカーを切る時間が試合ごとにどんどん早くなってきました。これで日本は宮間をボランチに下げる形に。この大会というか、常にそうではありましたが、宮間ボランチは日本にとっても相手にとっても狙い目の形。日本はもちろん宮間のパスを活かして攻撃を狙い、相手は宮間からフィジカル押しでボールを奪いカウンターにつなげる。どちらが先に試合を動かすか、勝負に出た形です。

後半1分、宮間の素晴らしいミドルを中国の美人GKがセーブ。後半4分、中国が日本の守備を崩し、エリア内で胸トラップからのシュート。いずれもゴールにはならないものの、いきなりチャンスが相互に訪れました。その後も両チームがシュートを撃ち合う展開で、ゴール前とゴール前を往復します。

↓そんな中で迎えた後半13分、中国のミドルが決まってしまった!


すげーのきたな!

この大事な試合で、こんな隅っこにボールが飛ぶか…!


不運だったかもしれない。もう1回シュートを撃たせても、同じ位置には飛ばないでしょう。それぐらいいいところに決まった。ただ、たくさんシュートを撃たせる状況では、こんなこともあるというもの。幾多の奇跡を起こしてきた試合では、不思議とこういうシュートは飛んでこなかった。奇跡の精算をするかのようなシュートで日本はまたひとつリオから遠ざかります。

↓それでも横山の華麗なゴールで追いすがる!引き分けなら、引き分けならまだイケる!



あの決勝でも、2-1の延長最後に追いついたやん!

まだ20分以上ある、頑張れ!頑張れ!

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相手のシュートの場面にかこつけて、実況は「人任せにするのではなく詰めなければならない!」と40分以上持ち越した嫌味をあっすーにぶつける。カメラは何度も何度も執拗に川村の表情を捕らえる。解説は焦るなと言いつつ、声音には焦りの色を強く滲ませる。「早くボールをよこせ」と選手は苛立ち、ボールボーイは勢いあまって2つボールを投げてしまう。DFラインから前も見ないでドンドン縦ポンを放り込む姿は、幾多の奇跡を起こしてきたなでしことは別物。たまにイイシュートが飛んでも、中国の長身GKに防がれ、時間だけが過ぎていきます。

ついには宮間ワンボランチという格好で、とにかく前線へ一発のパスを供給しようとするなでしこ。ベンチは高瀬を投入し、前線のターゲットをさらにひとつ増やします。決死のパワープレー。だが、CKを背面蹴りで合わせてゴールに流し込むようなミラクルは起きず。無念のタイムアップです。

サポーターへの挨拶を済ませた頃になってもまだ動けない大儀見。気丈な、強がったインタビューを済ませた宮間が駆け寄って背中を抱くと、二人で深々と頭を下げます。ここで二人になっちゃうようなチーム状態なのか。全員が集まって、一緒に連れ戻すようであってほしかった。主軸の背負ったモノの重さと、チームとの噛み合わなさをにじませます。「バラバラにならないように」と宮間が口走ったのは、すでにバラバラの兆しがあるということでしょう。辛い。

全員をエスコートしてから最後に控室に戻った宮間をエスコートするのは誰なのか。プレー面では、すでに去年のワールドカップでも中心からは退いていた澤さんの穴をあえて探すなら、そこなのかなと思います。逆境を重く受け止めるのではなく、どんな逆境の中でもサッカーをできる幸せや小さな希望を見出して頑張れる。ボール回しの上手さとかではなく、耐えて明日に向かうチカラにこそ、なでしこの奇跡の原動力があるはず。もう一度、それを見せてほしい。それが見られるなら、勝ち負けではありません。十分すぎる「勝ち」を、もう手にしているのだから。

↓宮間もさっきまで泣いてたのに、大儀見のお世話もするなんて立派じゃないか!

これじゃ宮間の負担が重いな!

こんなときは別の誰かの助けが欲しいな!

元気が出るオススメの講座とかないかな!


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メンタリスタ、早く大阪にきてくれー!

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ゼロになるまで希望を捨てない!それが「なでしこ」という出し物だ!