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07:00
あと1週間、全員の目先を逸らしてくれ!

土俵の上では今、珍しいことが静かに進行中です。平成二十五年五月場所以来丸3年ぶりとなり、通算してもこの10年あまりで4度しかないアレの中日勝ち越しという珍事。しかし、長年の経験からこの珍事は決して吉兆ではありません。過去の事例では、アレは後半戦でバタバタと負けを喫してきました。まともにケツまでいったのは1回きりで、ヒドイ事例では後半めっきりと持ち直して安定の10勝5敗というパターンさえありました。

それはある意味でアレ界では自然なことであります。アレは「他人の期待値に反比例して能力値が変動する」という特殊能力の持ち主。期待が倍になればチカラは半分に。期待が4倍になればチカラは4分の1に。「おっ、いいぞ」と思われれば、それだけアレは弱くなっていきます。告白する前の処女みたいにプルップルと震え、「あ…あ…あの…」「わ…わ…わたし…」「キ…キ…キセしてください!」とガッチガチになっていくのです。

その点、今場所は千載一遇、アレがデビューして以来初めてと言ってもいいチャンスの場所です。なにせ世間は「琴奨菊の連覇、綱取り」へと関心が向いている。日本出身圧力の大半が琴奨菊へと向かっているのです。今、アレの周辺に漂うのは、アレに頑張ってほしいと願う物好き連中のわずかな期待のみ。ベトナム春巻きの皮くらいに薄く、向こう側がスケて見えるぐらいのペラッペラの期待だけしか残っていない。

こんなにアレが自由になった場所があったでしょうか。18歳で入幕してからアレは大横綱の期待感を背負わされてきました。それから10年が経つのに、いまだにアレ以上の期待感を持ってくる若者はいません。その重荷が初めて他人の背に乗ったのです。どうかこのままいかせてほしい。琴奨菊が優勝の可能性を失うことなく、最悪でも「優勝に準ずる」のラインで綱取り議論が消えない状態で最後までいってほしい。琴奨菊、2敗でもいいんじゃないかな?先場所がよかったから2敗でもいいんじゃん?そういうムードを作っていきたい。

厄介な実力者たちはこれから潰し合おうという段階で、アレがわずかにリードをしているなんて。1つの負けはセーフティで、2つ負けるまで可能性が消えることはないなんて。そして、アレ本人が非常にイイ相撲を取っているなんて。こんなに上手くいく前半戦はそうそう再現できる気がしません。今場所こそはと思う状況だけに、このまま気づかれずにいきたいと願うアンビバレンツ。とにかく残り1週間、ほかの話題だけで盛り上がっていきたい、そう願う中日なのです。

ということで、「アレ単独トップ」という話題から目を逸らすことを主目的に、白鵬ダメ押し問題について一家言ぶち上げていきましょう。


◆みんな!アレの話じゃなく白鵬の話をしよう!そっちのほうが好きだろ!

昨今、土俵界隈で見受けられるダメ押し問題。まぁ、確かに完全に勝負が決したあとでわざわざ突き飛ばすようなのはどうかと思いますが、多くの場合は勝負の流れで仕方なく起きているものだろうと思います。「ムカついてぶん殴る」的なストレス発散としてやるのであれば、土俵内でいくらでもできるわけですし。

張り手・突っ張り・かち上げ、相撲にも打撃風の技はあります。かつての千代大海VS武双山の取組などは、自分の突っ張りと相手の突っ張りで相互にムカついて途中から立ち技格闘技に変化したほど。マジモンでムカついたときは土俵の上で勝負の一環として殴り合えば済むのです。何もダメを押すまでもない。

そして、勝負の中に混ぜなくていいのなら、あとからいくらでもやり返す方法はあります。出稽古と称して相手方の部屋に殴り込みをかけ、「稽古をつけてやろう」と声を掛ければ、そこからは密室の中で合法的にかわいがりの時間が始まるのです。そこまで待てないほどムカついている場合でも、駐車場のサイドミラーをぶっ壊したり、風呂の中で殴り合ったりするくらいのデリカシーはモンゴル出身横綱にもあるのです。

そんな中で飛び込んできたのが「白鵬ダメ押し」の話題。白鵬が横綱らしからぬ品格を欠くダメ押しで、嘉風を血祭りにあげ、井筒審判長を病院送りにしたという報道。病院に搬送された井筒親方の容体は心配ではありますが、それを含めて白鵬に責を押しつけるのは酷な話でしょう。あらゆる面でそうですが、「強すぎれば嫌われる」の度を超しているのが現在の白鵬界隈です。非常にみっともない採り上げ方であろうと思います。

↓うむ、上手いこと悪者ヅラで撮れているな!いい写真だぞ!

「今日もダメ押しをしました!」という日頃からの問題意識感!

いつもいつも悪いことしてるヤツなんですよ、と言いたいんでしょうな!

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ひとつ大前提として申し上げれば、「ダメ押し」というのは際立って強いヤツしかできない行為です。まず、勝っていなければダメ押しにはなりません。それもギリギリの勝ちではなく、余裕を持って勝ったように見える状況でなければダメ押しとは言われません。多くの相撲において土俵ギリギリまで攻防はつづき、両者がもつれるように外に出るでしょう。白鵬は勝ちそのものが圧倒的に多く、かつ余裕のある勝ちっぷりが多いから、必然「ダメ押し」的な見え方も多くなるだけ。

土俵際だけを見てどうこう言うのもよくありません。確かに土俵を割ってからの追撃というのもままありますが、それは白鵬の矢継ぎ早の攻撃あればこそ。どの一撃で土俵を割るかわからない状態で戦っている間は、「もし相手が残したら」ということに備えて次々に攻撃を繰り出すのが普通でしょう。何もダメ押しの場面に限らず、白鵬の攻撃はそれこそ休みなく相手を攻め立てているのです。

ボクシングだってどのパンチで相手が失神するかわからないから何発もパンチ打つわけじゃないですか。ワン・ツー・スリーとコンボで撃つ中でワンで「あ、イッた」と思ってもツー・スリーを止めることなんてできないじゃないですか。ダメ押しになるほど最後まで途切れなく攻撃を繰り出している白鵬の厳しさ、それゆえの強さであるとも言えるのです。

まぁ実際問題カッとなって「コラッ!」とぶん殴っているパターンもあるでしょうが、それとて相撲取り同士なら別に問題ない行為。走っていってパンチ入れてるわけでもないのです。余計に1回押したとか突いたとかいうだけの話。その1回がイヤならば、もうダメだと思ったところでチカラを抜いて倒れてしまえばいいだけ。

しかし、横綱との取組、勝てば金星などと夢も膨らむから、ギリのギリまで頑張るわけでしょう。ギリのギリまで頑張れば、余計なオマケがついてきても仕方ない。ボクシングだってワンで倒れればツーとスリーは空振りになることがほとんどですが、ワンで立ったままKOされればツーとスリーもオマケで当たるのです。

↓しかも、この日の嘉風との取組はそもそもダメ押しにすら見えない!「白鵬が強い」と思っているからダメ押しに見えるんだろう!


土俵を割ってないから攻めただけじゃないか!

攻めたら落ちただけじゃないか!

何でもかんでも貶せばいいってもんじゃないぞ!


↓ちなみに嘉風が血みどろなのは頭から突っ込むせいだから!プロレスなら「鼻血出す芸」って言われるヤツや!


頭から突っ込む

張り差しで勢いを止める

クリーンヒットで鼻血出る

土俵際追い詰める

最後まで粘る

エイシャ!オラッ!と攻めたらダメ押し状態に

先場所もまったく同じことしてるな!

嘉風のスピードが速いから鼻血出るんだろうな!

「パンチが強すぎて拳を傷める」理論で!

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白鵬に関して言えば、土俵下に落ちてから背中をついたり、勝負が決まったあと帰り際に張り手を見舞うような事例もありましたが、それとて「お前しっかりしろや」的なニュアンスを感じるものでした。強くて、勝負に厳しくて、コワモテのタイプだと思えば、さもありなんという範囲のこと。特に逸ノ城にダメ押しをしたと言われる取組などは、あまりに不甲斐ない逸ノ城の振る舞いに、僕も心の中で一発パーンと張り手を見舞っていたので、白鵬がやってくれてスッキリしたくらい。

お客さんが危険だという声には僕も同意見ですが、危険なのはダメ押し的な決着のせいというよりも、土俵との距離が近いからです。土俵の周囲の土を盛っている部分をあと1メートル広げるか、客席をあと1メートル下げるか、手前にフェンスでも立てれば危険はなくなるのです。もつれ合って飛んで落ちるヤツのほうがよっぽど危ないわけで、危険性は別枠で考えるべき問題。非難のための理由づけにするのはフェアではない。観戦の喜びと安全性、どちらを取るかトレードオフで考えるべき問題です。

さらに「井筒審判長が怪我したじゃないか!」に至っては「井筒でよかったじゃないか!」としか言えません。昨今、「井筒親方を狙って投げてるんじゃないか」「モンゴル勢は全員狙ってる」「普通に鶴竜も狙ってる」という疑惑が心ないインターネット上にはあると聞きますが、ギリギリの攻防で相手を土俵下に落とすとき、誰かを狙えるなら審判員の親方が最優先のターゲットでしょう。元相撲取りだし、関係者だし、明日土俵に上がるわけでもないし。悪意でも善意でも、狙うなら親方、その一択です。

むしろ審判員は機敏な反応で周囲のお客さんを守ってくれよ、と。落ちてくる力士をパズーみたいに優しく抱き止めてくれよ、と。何で自分が怪我してんだよ、と。ていうか真っ先に逃げるなよ……と不甲斐なささえ感じます。客と自分が大事に至ることを防げないなら、土俵下に座る役目からは退かれてはどうか。もしも客としてあの辺に座るなら魁皇か武双山の後ろに座りたい、率直にそう思うのです。

↓四日目の取組でも、井筒審判長は落ちてくる力士から完全に逃げてたな!


真横向いてヒジガードって、勝負見極める気ないだろwwww

両手広げて力士を受け止めろwwwww

その胸に飛び込ませろwwwww

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とまぁ、こんな感じであと1週間、何とか別件で話題をつなぎまして、気が付いたら決まってた、そんな感じでいきたいもの。大誤審だとか、珍しい決まり手だとか、ゲストが大暴れだとか、そんな目くらまし的な話題を振りまいて千秋楽まで駆け抜けてもらいたい。何なら、毎日白鵬がダメ押し的な取組をしてくれても、僕としては歓迎であります。コレ自体にはさしたる問題はないのに、目くらましとしては最高に効果的なのですから。「日本出身圧力」の大半は、単なる「外国嫌い」なわけですからね。白鵬を貶すネタがあれば、アレに期待をかけるヒマもなくなるでしょうし…!


ワシャ琴奨菊がナンボ優勝してもダメなんじゃ!そろそろ報われたい!