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07:00
「顔面じゃなく芝生を削ろうと思ったんです!」

29日に行なわれたJ1リーグ札幌コンサドーレ北海道VS浦和レッズの試合で、ひとつの揉め事が起きました。浦和の代表的マッチョである槙野智章さんが、この試合でたびたびやり合っていたコンサードレ札幌北海道の都倉選手とやり合い、顔面を蹴りつけてしまったのです。槙野さんはこのプレーで一発レッドとなり、世間からも大いに不興を買うこととなりました。うむ、これは僕が擁護しなければならない案件と見ました。「負けそうなほうにつく」「逆に言えばコイツがついているほうが負ける」「擁護成功率0%のオトコ」として、立ち上がらねばなりません!

↓まずは一回、問題の場面を見てからいきましょう!


なるほどガッツリ蹴りました!

顔面にスパイクがしっかり入っています!

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この試合、浦和には期するところがありました。まだまだ首位を追いかけていかねばならない大事な状況。ここで降格争いの泥沼に浮くハスの葉っぱみたいなポジションのチームにつまずくわけにはいきません。たとえ、この試合が始まる時点での「浦和と首位との勝点差が12」で、「浦和と札幌との勝点差が13」だったとしても、です。

だからこそ、選手たちにも熱くなる部分はあったのでしょう。試合開始前には、槙野さんがおなじみの「邪神のチカラが封印された両手の暴走を念力で抑え込む」という儀式を披露するなど、気合が入っていました。文字通り「必勝」の一戦。もしもここで負ければ「やっぱり新潟と熊本相手の勝利はノーカウントだよな」「新潟はもう死んでるもんな」「ウチが崖っぷちなら、新潟は滝壺に落ちてる段階」と首脳陣に気づかれてしまいかねないのです。首位を追うためにも、平和な職場を守るためにも、絶対に負けられない。

そんな気合が札幌の長身選手たちとフィットし、試合は序盤から肉弾戦の様相。特に、北海道札幌市コンサドレーの都倉選手と、浦和の槙野さんは激しくやり合っていました。何度も身体をぶつけ、揉み合い、睨み合う。前半32分の札幌先制の場面も、まさにそう。身体を先にコースに入れ、同時に相手をつかんで引きずり倒そうとする槙野さんの巧みな相撲と、それをモノともせずにヘッドで先制点を叩き込む都倉選手の攻防は、なかなか見ごたえがあるものでした。

↓槙野さんにしてみれば屈辱的な送り倒し!先に身体を入れて、念の為ユニフォームもつかんでいるのに、逆に潰されて失点!


国会議員:「浦和くたばった?」
国会議員:「あぁ、まだ」
国会議員:「くたばったら教えて!」

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その失点の場面から7分後に問題のプレーは起きました。急に起きたのではなく、何度なくやり合うなかでの爆発でした。その意味では、これが交通事故なら10対0で槙野さんに非がある事故ではないと思います。そもそもふたりが絡み合って倒れる際には、先に都倉選手が槙野さんを身体で止めており、顔面を蹴ったとされる動きの際も、偶然なのか槙野さんの左足を挟み込むように都倉選手の足が絡んでおり、槙野さんは意図せずバランスを崩したようにも見えます。スタンディングから一方的に踏みつけたのとは、少し違う。

【以下、傍聴人の会話】
「いーや、そんなことはない!」
「槙野でしょ?」
「槙野だもん!」
「同じことを阿部ちゃんがやったなら」
「あぁ、当たっちゃったって思うけど」
「槙野なら蹴ってると思う!」
「うまーく、蹴ってると思う!」
「もちろんコレは先入観だけど」
「先入観を生むのは過去の実績じゃない?」
「相手ブン投げたり」
「相手を威嚇したり」
「魚釣りパフォーマンスしたり」
「過去の実績は十分!」
「こないだAFCにも挑発行為を認定されてました」
「だからやってると思います!」
「厳しくやっちゃってください!」
「水沢アリーさんに謝ってください!」
「判例に沿って、4試合出場停止でお願いします!」
【傍聴人の会話、終わり】

結果的に、ケンカ両成敗ではありませんが、都倉選手にはイエローカードが、槙野さんにはレッドカードが提示されました。槙野さんはむしろ「俺をファウルで止めたうえに、顔面で俺の足を引っ掛けて転ばせたけど、許すよ!俺たちは同じサッカーファミリーだもんな!互いに全力プレーだからこういうこともあるよな!このあともイイ試合しようぜ!」みたいな顔だったので、本人的には意外な判定だったかもしれません。

僕はコレは槙野さんひとりの問題ではないと思っています。サッカー界全体が容認している歪みが、槙野さんという集中点で弾けただけのことであろうと思います。そもそも、手を使って妨害したり、身体を当てて止めたり、ユニフォームをつかんだりするような悪質なプレーを「むしろイイこと」として容認している時点で、ある程度のマッチョ世界観(チカラこそ正義/弱者は死ね)に支配されることは避けられないのです。

「ちょっとなら身体使ってOK」というのは「先っぽだけならセーフ」というのと、何の違いもありません。ルール的にはダメとなっているはずなのに、ルールじゃないところの「勝手な許容範囲」として受け入れてしまっている。ならば、立ち上がり際に顔面を蹴るようなことも起きるでしょう。一般常識で言えば、まずは相手から離れて、うっかり蹴ったりすることがないような位置で走り始めないといけないのですが、そんな意識がそもそもないわけです。「当たっちゃっても、まぁいいか」で基本やっているものだから。

サッカーの一番厳格なクラスの審判でさえ、バスケットボールの感覚で見たら「総流し」レベルの緩さです。バスケットの基準で判定しても、試合の面白さが損なわれたり、激しさを失ったりすることはないのにあえてゆるーい基準で判定しているのは、サッカー界全体としてそれでいいと思っているからでしょう。そのマッチョ文化のなかで激しくやり合い、なんだかんだでムカつき、相手への思いやりを失くしてしまったとしても、それはブラジルのストリートでは子どもが拳銃を持って強盗をしているような仕方ない部分。文化や環境がそうした行為を育んでいるのです。

↓PKのときに隙を見て芝生を掘ったりするのもサッカーの文化が生んだ行為だと思います!


あるときは「マリーシア」って持ち上げたり、あるときは「卑怯者」ってののしったり、境目がわからない!

僕はとりあえず「都合のいいのはマリーシア」「都合悪いのは卑怯者」で運用してます!

でも、本当にカッコいいのは、相手の全力を引き出したうえで、それを上回るチカラを発揮することですよね!

そういう意識じゃないなら、隙を見て芝生掘ったり、転んだフリで顔面蹴ったりくらいするんじゃないんですかね?

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むしろサッカー的には「転んだ演技が上手い!」「これはワザと蹴ったと断定するのは不可能」「マ・キ・ノ!マ・キ・ノ!」とやってあげるべきなのではないでしょうか。一般社会では顔面を蹴るのはもちろんNGですし、どこを蹴るのもNGですが、「深刻な事態に発展しないかぎりはやっちゃってOK!」のマッチョ文化圏でやった行為としては、素晴らしいプレーと言ってもいいくらいです。あれだけ派手に顔面を蹴ったのに、相手はピンピンしていたのですから。と、いうことじゃないんでしょうか?

結局この試合は、コンサドーレ札幌が勝利。後半開始と同時に浦和が3人を一気に交代したら、そのうちのひとりが後半開始3分で肉離れを起こして引っ込み、3枚替えちゃっているので人数がさらに減るという面白自滅もあって、札幌の完勝となりました。しかし、この敗戦、槙野さんを責めないであげてほしいもの。槙野さんひとりでこんなに負けたわけではないのです。勝利もみんなのチカラなら、敗北もみんなのせい。槙野さんが顔面蹴りの過去事例に沿って、4試合の出場停止処分のおつとめを終えたら、あたたかく受け入れてあげてくださいね!サッカーファミリーとして!

↓「槙野さんの離脱で長身選手にズドンとやられた」みたいに言わないでください!槙野さんがいても、やられてると思います!



国会議員:「浦和くたばった?」
国会議員:「えぇぇ、まだなの?」
国会議員:「秋までくたばらないの?」
国会議員:「え?あきらめなければ」
国会議員:「試合終了じゃない?」
国会議員:「ふーん」
国会議員:「くたばったら教えて!」


槙野さん、今後もどんどんやってどんどん退場してくださいね!