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12:00
音頭派の激しい抵抗がやってきた!

いよいよ3年後に迫った東京五輪・パラリンピック。新国立競技場では超過重労働が行なわれておりながらいまだ躯体の全容も見えず、近所の普通の小規模マンションの完成予定が2年先だったりするのを見ては戦慄しております。「本当にできるんかいな」と。

五輪前恒例の「まだ準備できてないってよ」ニュースを東京からも発信できそうだなと思うと、気持ちも高ぶってまいります。場合によっては、僕も自費で購入した緑ペンキを持って会場前芝生の作成などにボランティア協力したほうがいいかもしれませんね。

さてそんな中、世間の期待を特に集めていなかった派閥が無駄に一足早く五輪への準備を整えてまいりました。先日発表された「東京五輪音頭2020」。コチラ、歌手の発表を行なったかと思いきや、2020年に合わせて変更された歌詞・踊り・PVなどもすでに完成しており、今年の夏からどうぞ踊っちゃってください的な仕上がりを見せていたのです。

↓まずは早速、完成したPVをご覧いただきまして、「さてどうしたものか…」と検討していきましょう!


金属バットで殴りに行こうと思ったら、思いのほかちゃんとできてて困る!

石川さゆりという歌い手のチカラ、心揺さぶる!

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僕はコレを「音頭派」と呼ばれる勢力の抵抗であると考えています。これから2020年に向かうにあたり、大きな課題のひとつとなるセレモニー関連。すでにコチラの気分としては、リオの閉会式で見せたようなスタイリッシュ&クールな方向性というのを想定しており、それならまぁいいんじゃないのという合意を見ている段階かと思います。

しかし、音頭派は黙っていない。暗躍をつづけている。日本で大きなセレモニーをするとき、特に夏にそれをやろうとするとき、音頭派というのがやおら立ち上がってくる。僕らはかつてその悲劇を目の当たりにしたはずです。2007年大阪世界陸上の閉会式。地元のばあさまを集め、河内屋菊水丸さんの「レゲエ・ボンオドリ」(何だソレ)と「ロック・ボンオドリ」(何だソレ)に乗せてばあさまが踊り狂ったあの地獄絵図。

あの大会は10年経っても心にトラウマを残す深い傷となっています。何から何までアレでした。人数が少なすぎてすごい細いフォントで書いたみたいになった人文字も、クチパクで『All my treasures』を唄う織田裕二さんも、大会運営含めて何もかもがヒドイというなかで最後に出てきたばあさまの盆踊り。「選手のみなさんもさぁご一緒に」みたいなテンションで迫るばあさまと、どうすりゃいいんだ的な戸惑いのなかで、エエイと輪に飛び込んでいく選手たち。「ばあさまが巨大な円を描くようにグルグルまわる」という光景は、「呪いの儀式?」というタグ付きで心に残っています。

↓選手たちがつきあいきれずに足早に帰宅するなか、ばあさまの盆踊りはつづく!
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奥のゲートに向かって行く集団が選手たちです!

サヨウナラオオサカ!アリガトウオオサカ!

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これは何も大阪に限ったことではありません。長野五輪でも何やかんやで閉会式は『WAになっておどろう』と広い意味での盆踊り精神を発揮していましたし、東京五輪は言うに及ばず東京五輪音頭の大会。少し気を緩めると、日本は「輪になって盆踊り」をやってしまうお国柄なのです。それが日本らしさであり、それがおもてなしであると言ってしまえばそれまでですが、やはり大いに自重すべきものだろうと思います。

逆の立場で考えてみてください、アフリカ大陸初の五輪で地元のばあさまが打楽器にあわせて巨大な円を描いていた場合のことを。やっぱり「うーん」と唸ると思うのです。こういうお国柄なんだろうなと思いつつも、どうすりゃいいのかよくわからないその感じに。「参加する」ことが醍醐味である文化は、みんなが知っていてこそ意味があるというもの。急に押しつけるのは難しい。サンバカーニバルだってサンバは押しつけてこないのです。

そんな中で送り出された東京五輪音頭2020はまさに音頭派の刺客と言える存在。原作者の了承を得て変更された歌詞は、「ローマ⇒リオ」という事実の変更を含みつつ、「赤とんぼ⇒蝉の声」など季節感も2020年の開催時期にあわせて変更されました。さらに当時は五輪だけ唄えばいいや的な意識だった部分も、パラリンピックについても並列で扱う現代的な枠組みに。踊り手にも車イスの人を配して、みんなで踊れるヤツですよというアピールも欠かしません。

合間に出てくる踊り方解説のサラリーマン風の人物は、ラーメンズの小林賢太郎さん。「何だコレ」と突っ込もうと思った拳を止めてしまう、不思議な魅力を醸しだしています。そして、みんなで踊りましょうという体裁なのに、「ココで2020を描きます」「ココで歌舞伎の六方のポーズ」「パラリンピックの歌詞が出てくるところは手話です」みたいな高難度振りつけの数々。最後のコーラスに絡みもしない竹原ピストルさんの、音頭なのにスタジオで弾き語りという全身ツッコミどころみたいなスタイルを含めて非常に手強い。思わずイイねしてしまいそう。

↓踊り方解説の動画をご用意いただきましたが、できる気がしません!


「3年あるんだからできるだろ」
「何事も練習だよ」
「選手たちがどんだけ頑張ってると思ってる」
「できないじゃない、やるんだよ」

やだよwwwwwwww

急に踊りのハードルあげおってwwww


↓新聞の全面広告をつかって歌詞をアピールしてくるチカラの入れよう!

頑張れば歌えるだろうという強引な歌詞の詰め込み!

そこがまた妙に印象に残る!

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椎名林檎風味のPVと、音楽制作にクレジットされる椎名林檎の名前。大きな流れとしてはスタイリッシュ&クールでつながっているようで、まぁ実際、思いのほかよくできている。この「思いのほかよくできている」というのが曲者です。「よくできている」「意外にイイね」みたいな話になれば、それを足掛かりに音頭派が勃興してしまう。そして再び、音頭でお別れをしてしまう。

どうぞみなさん、ご近所の祭りなどでやたらとこれが流れ始めても、静かに受け止めていただきたいもの。音頭派は僕らの反応を見ています。そして「好評」というレポートを下書きしています。そのレポートをもって、やはり音頭をやりましょうと提案するために。どうぞみなさんも、いいねをするときには「国内限定でいいね!」「近所の祭りではいいね!」「小ネタとしてはいいね!」などただし書きをしておいてください。世界は音頭を求めていないし、盆踊りでお別れはしないという当たり前を見失わないために……!


「隙あらば音頭」を狙っている勢力の存在、意識していきましょう!