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12:00
「救世主として現れたCB…それは槙野!」「えー……」

フランスはリール、ハリルホジッチ監督の自宅のほど近くに集った日本代表。監督の自宅でちゃんこパーティー…をするわけではもちろんありません。日本代表はワールドカップ本大会に向けた遠征を行ない、強化試合・ブラジル戦に臨んだのです。向こうは「ブラジルグローバルツアー」という慰問旅行みたいなTシャツを着ていましたが、そこは気にしないのが大人のマナーです。

結果は1-3での敗戦でしたが、ハリルホジッチ監督からは「後半は勝っていた」という自信の言葉も飛び出しました。心ないインターネットでは「前半で解散の試合やんけ」「そのうち後半75分から80分は我々が勝っていたとか言い出しそう」「ブラジルにとっては先に遊ぶか、あとで遊ぶかだけの違い」などの意見もあるでしょうが、本番でこの感じなら、ある程度納得の試合だったと思います。総じて言えば「ですよねー」といったところ。

日本のスタメンはGKにメス川島(オス)。DFラインには平長友、急にチャンスがきた槙野、自分では不動のCBと思っている吉田、宏のほうの酒井と並びます。中盤はたぶん一番イイ形と思っている組み合わせである、佐藤ありさ、髪を切り忘れた山口蛍、パチ屋の行列に並んでいる雰囲気の井手口の3人。そして前線には原口、大迫、久保と欧州で活躍をつづける面々が入りました。槙野以外は本気と言っていい、まさに本番を見据えた陣容です。

↓スクリーントーン張ったみたいな新ユニフォームもお披露目です!


何だこの槙野のモデル感wwwwwwwwwww

SNSを通じた出逢いで送られてくる写真みたいな顔wwwww

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そして始まった試合。日本は前線から激しく詰め寄り、前からのプレスで相手をハメてやろうという構え。しかし、毎度のことではありますがブラジルとはいかにも相性がよくありません。ふたりが寄っていけば「1対2は不利だな…」と素直に思ってくれる欧州の戦術マニア国と違い、ブラジルはふたりが寄ってきても「ひとりずつ順番に殴る」という心意気でやってくるため、ひとりずつ順番にかわされてしまい守備がズタボロという悪循環。前半3分にネイマールに左サイドを切り裂かれ、最後はジュリアーノにフリーでシュートを撃たれた場面など、「はがされて」「別のところからヘルプが詰め寄って」をしているうちに、あっという間に大穴を開けられてしまいます。今日も安定の「南米戦でのボッコボコ感」です。

それでもしっかりと粘っていけばというところではあったのですが、大事な試合の早々におなじみのアレが発動します。カードゲームでよくある「低コストの高能力カードにはセットでデメリットがついている」みたいな設定の男・吉田麻也。体格、経験で他のCBを引き離すプレミアリーグ所属の吉田には「自軍防衛ラウンドの開始時:ダイスを振る。1が出たらやらかす」みたいな、いつやらかすかわからない運要素みたいなものが割り振られており…

↓前半8分、ビデオアシスタントレフェリーから「やらかしましたよ」のお知らせが入る!


あんだけ豪快にブン投げておきながら、何で吉田が誰よりもしつこく審判に詰め寄ってるんだろうwwww

どっちかと言えば味方が吉田に詰め寄りたい場面www


このプレーで与えたPKをネイマールに決められてブラジルが先制。ヨシダのやらかし感が大きすぎるので目立ちませんが、ネイマールの小刻みなステップに翻弄され、蹴る前に逆に跳んでしまうメス川島(オス)のやられっぷりなども含めて、いいようにやられた格好となってしまいました。「南米戦ボッコボコあるある」ではありますが、今回も早い時間に簡単に失点です。

さらにつづけざまの前半16分には、ブラジルの繰り出した高速カウンターの流れから、最後は山口蛍が倒して連続のPK献上となります。堅守速攻でカウンターをやろうとしていたはずの日本が、ブラジルからお手本を見せてもらったかのような見事な攻撃。ココしかないという場面でウィリアンに当たりにいった長友がかわされた時点で、勝負アリだったでしょうか。「1対1」が本当に強い。

↓今回はビデオアシスタントレフェリーに聞くまでもない、わかりやすい体当たりでのPK!


倒した山口蛍もアレだけれど、その直前に「これでダメならもう仕方ない」とイチかバチかのヘディングを繰り出して空振りしたヨシダも見逃せない!

誰よりもセーフティを求められるポジションに、一番の運要素を置いているチグハグさ!


PKを宣告した主審に詰め寄るヨシダの顔はにこやかでした。そして会話自体も一言二言で終了します。さっき、自分が投げ飛ばしたときには不満顔でしつこく食い下がっていたのに、通常の競り合いのなかで強く当たってしまっただけの山口蛍のプレーではアッサリしている。「これが世界で戦うための自己主張の能力か…」と改めてクオリティの高さに震える想いです。

↓試合後のヘイポー謝罪文みたいなコメントでも、2失点目についての反省は特にありませんでした!
僕はビデオ判定が初めてだったので、すごく教訓になりました。こういう接触でファウル、PKを取られるんだなというのは把握できました。ドイツの選手とかから言われていたので、もっと慎重にいくべきだったと思います。本番前にこれができていて良かったなとポジティブに捉えることもできるし、さっき言ったように本当に愚かなことをしてしまったというふうにも判断できる。ただ、次につなげていければいいかなと思います。



繰り返し反省の言葉を口にしたディフェンスリーダーは「なぜイングランドでは(VARを)やらないか。あれをイングランドでやったら全員ファウルになる」と恨み節もこぼしつつ、「それを理解していなかった僕が悪い。僕自身、ビデオ判定は初めてだったし、この1回を体験できたのは僕の収穫」と、自分に言い聞かせるように話した。


1失点目についての前向きな反省!

3失点目についての第三者的視点からの批評!

2失点目についてのスルー!

レベルの高いヘイポー謝罪文でした!

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このPK自体は、先ほどの反省を活かしたオス川島(メス)が見事にストップ。「まさか二度同じことはやらないだろう」と舐めた決めつけで蹴ってくるネイマールに対して、今回も同じタイミングで同じほうに跳ぶという罠を仕掛けたプレーはなかなかの策士でした。しかし、これで日本も勢いを取り戻したかった日本でしたが…

↓PKを逃れた直後のCKで日本のクリアミスからマルセロに叩き込まれてやっぱり失点です!


お疲れ様でした!

勉強になりました!

ありがとうございます!


そんな状況でも日本を勇気づけようと解説席の松木安太郎氏が「日本もエリア内で倒れたらPKもらえますよ!」という帳尻待望論を繰り出すも、そもそもエリア内までいくのが難しい。そして、エリア内にいけそうになると、そうなる前にファウルで止められてしまう。アタマでわかっていることと、実際にできることは別物であるという当たり前の現実を見せつけられるかのよう。

数少ない貴重なセットプレーの場面でも、「チームで一番デカい選手がゴール前に張らずにフリーキックを蹴っている(※クロスバー直撃でご満悦)」というチグハグさが見られるなど、なかなかゴールに迫ることができません。位置的には直接狙う場所だとしても、プレミアでも蹴ってますからなどという自己主張があったとしても、ゴール前にデカいのがいたら気になるじゃないですか。バカなCBが警戒するあまり手で引きずり倒したりするかもしれないじゃないですか。PKになるかもしれないじゃないですか。陣容も含めて、どうだったのかなと思う場面でした。

前半36分には、右サイドから内側へとドリブルで切り込んだ久保が撃ち切れないままボールをカットされ、再びのカウンターを喰らいます。次々に追い越していくブラジルの選手。詰め寄ってもかわされてしまう技術。最後はDFラインの背後に速いボールを通され、決定的な3点目につながります。

この場面で唯一日本の力強さを見せたのは、決定的な失点の直後に一瞬の落胆もうなだれも見せることなく、「ていうか、日本選手なんか、体調が、もう疲れてる感じあるんだけど!」と謎のコンディション不良に原因を求め、まったく負けを認めない松木安太郎解説者だけでした。切り替えの早さというか、すり替えの早さというか、さすが松木氏だなという見事な解説ぶり。一瞬、「現地の水にあたったかも」などとダマされてしまったほどです。(※なお、ほぼ同じメンバーで臨んだ後半、日本はめっちゃ元気に動き回っていました)

3点ビハインドで折り返した後半戦。ブラジルはサービス精神なのか、GKを交替しただけでほぼ前半と同じ顔ぶれで出てきました。一方日本は久保を下げて浅野を投入し、何とか一矢報いたいというところ。ブラジルはマルセロが華麗なターンを披露するなど、若干の遊びムードも漂い始めています。3点もあるんだし、ブラジルグローバルツアーだし、1点くれるくらいのおもてなし、あるかもしれません!

するとブラジルのペースダウンに呼応する形で日本のペースが上がってきます。前線からプレスをかけにいっても、かわすスピードがもっさりしているので、ミスを誘える程度の距離まで詰め寄っていくことができるようになりました。ピンチの場面でも「ネイマールさんの4人抜きゴールに挑戦!」「酒井宏たたき」などのミニゲームをやってくれるので、決定的に崩されるまではいかなくなりました。

↓なお、「酒井宏たたき」はビデオ判定の結果、イエローカードでした!

叩き方がゆるかったからイエローという謎の風潮!

「試合中に人を殴った」なら、その「意志」がレッドでいい気がする!

そういう大きな判断を自信を持ってするためのビデオじゃないんですかね!


そして迎えた後半17分、日本に反撃の狼煙が上がります。素早いパスまわしから相手守備をかいくぐって得た左サイドのCK。井手口がファーサイドに送り込んだボールは、勢いを保ったままちょうどそこにいた槙野の頭に激突!見事な反射でゴールに突き刺さりました!

↓井手口の素晴らしいボール!反射担当の槙野!日本代表、11年ぶりとなるブラジルからのゴール奪取!



ニアサイドで、大した当たりでもないのに派手に倒れる吉田の動きも見逃せない!

ていうか、自分で当たりにいって自分で倒れてるから、ビデオ案件だったかもしれない!

当たりにいった相手が「前半自分が引きずり倒したフェルナンジーニョ」という意趣返し感も、ジワジワきます!


ボールを抱えてセンターサークルへと戻る槙野の姿。「負けてる試合で1点取ったらコレ絶対やってみたい」という憧れのムーブ。喜ぶよりも、反撃の時間を惜しむという心意気を示すムーブ。解説席のゴン中山さんの若き日の姿が思い出されてきます。それを自然にやり切れる槙野という役者、なかなか堂に入ったものです。実質井手口のゴールであったとしても、ボールを抱えて戻る仕事は誰がつとめても問題ありません!

↓「これが浦和レッズをACLの決勝に導いた男なのだ!」とでも言うといいのだろうか…?

なんかイラッとくる全身の雰囲気wwwww

でもまぁ、プレー中なのに「PKかな?」という顔でずっと倒れているよりは好印象です!

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1点を返した日本はその後も惜しいチャンスをいくどか作ります。後半43分、完全にオフサイドながらもネットを揺らして現地をわかせた杉本のヘッド。アディショナルタイム、エリア内ドフリーからダフって外した浅野のシュート。現地と日本を大いにわかせる場面を生み出しました。ブラジルの素晴らしいチカラも見られ、試合展開として若干の盛り上がりも作れた。試合前には「日本か…」という若干の不満感もあったかもしれませんが、フランスのお客さんにも楽しんでいただけたのではないでしょうか。

次は日本が楽しむ側にまわりたいもの。

そもそもブラジルにはずっと勝っていませんし、南米相手はいつもボッコボコです。これはチカラの問題以上に「こんなサッカーやりたいなー」と漠然と思っている形の上位互換が出てくるので、徹底的に相性が悪いという面があるでしょう。その点、次戦のベルギーは過去負けたことがない相性のいい相手。ここでしっかりとチカラを示せば、いい手応えを持ってこの遠征を締めくくれるはずです。2試合あるうちの2試合目を勝てば、気分はグッとよくなるというもの。「後半は勝っていた」精神で、2試合目を頑張ってもらいましょう!


南米に勝つより、欧州に勝つのを目指すほうが可能性を感じます!