このエントリーをはてなブックマークに追加
Clip to Evernote
12:30
立地は悪いが、キレイな体育館!

2020年東京五輪へ向けての新たな一歩。東京五輪を見据えて新設される競技場から、完成第一号の施設が誕生しました。武蔵野の森総合スポーツプラザ、略してむさプラーザ(※たまプラーザのリズムで)。こちらは僕の地元からもほど近い調布市の施設ということで、「ホーム」の気持ちで視察に行ってまいりました。

25日に行なわれたオープニングイベント。この施設に最初の一歩を記すため、僕は早朝の多摩にいました。場所はサッカーJ1リーグ・FC東京のホームスタジアムとして知られる味の素スタジアムのすぐ隣。「じゃあアクセスと周辺環境は味スタまんまですね!」といういきなりの悪い情報ですが、そこはあきらめていきましょう。味スタのアクセスは決して悪くありません。新宿から30分で文句を言われる筋合いはない。現地に取り立てて何もないので、着いたときにスンッとなるだけです。

現地につくと完成した新施設の横に200人ほどの列ができています。オリンピックマニアかと思いきや、どうやら大半のかたはオープニングアクトをつとめるアイドル・私立恵比寿中学のファンであるもよう。応援グッズを身にまとい、「昨日は豊洲に行きました」などのファン会話をしています。「昨日は豊洲で、今日は武蔵野…?」「小池都政との癒着を感じる…!」「東京都公認応援アイドル感強み…!」僕も何だかワクワクしてきました。

↓快晴の青空の下で客入りを待つ新アリーナ!

DSC09924

なかなかデカイ!

ガワもキレイ!

新築なので当然ではあるけれど!


風の谷のナウシカの王蟲を模したような全体の姿は、少し丸みを帯びています。ガラスと三角形のパネルで壁面を構成し、その一部からは植物が生えています。「文明と自然の共生」というテーマでもあるのでしょうか。入口周辺は木のデッキになっていますし、おしゃれカフェのような雰囲気です。

↓外壁植樹という地味なワンポイント!
DSC09954

ガラス沿いには屋根がせり出しており、雨の日もそこで並ぶことができそうなのは嬉しい!

入場待ちがしやすそうなアリーナです!


2時間ほど待ちましていよいよなかへ。並んでいた場所から見える大屋根の下の入り口は、建物のなかでは最上層にあたる3階フロア。そこからは3階席&4階席と名づけられている上層の観覧席に入ることができます。階段やエレベーターで階層をくだり、1階フロアまで下りて行くとアリーナレベルに至るという仕組みです。上層エリアとアリーナエリアをアリーナ内部で行き来する仕組みはなさそうなので、アリーナレベルの使用はメインでは考えられていないかもしれません。

メイアンアリーナの内部は外周とは違って、コートも観覧席も四角形。コートの広さはバスケットコートが4面取れる広さということで、かなりの広さがあります。一方で観覧席はコートの広さに比べると少な目。固定座席は6000弱といったところで、代々木第一体育館や横浜アリーナなどと比べると規模的に見劣りします。

公称10000人、最大で収容人数は13000人までいけるということですが、それはアリーナに仮設席を一杯に広げたら…ということであるもよう。なお、アリーナレベルの仮設席は、専用のものが用意されており、パイプ椅子ではありません。座り心地であるとか、傾斜をつけて見やすさを確保するといったことはある程度想定されているようす。

↓下の広さのわりに座席の少なさが気になるような…!


コートに座席がないタイプのイベントだと、かなり人数が制限される感じになりそう!

オリンピックのバドミントン競技でコート複数をとるような場合など!


↓ライブでの音響はいい感じでした!

声がクリアに、残響ナシでくるので聞きやすい!

さすが新築!



座席はプラスチック作りでいかにも体育館という感じ。アリーナレベルの仮設席は跳ね上げ式で、足元には荷物を入れるだけの空間があり、ひじかけにドリンクホルダーがついています(こちらも跳ね上げ式)。上層の観覧席はプラスチックの椅子が固定されており、前の座席の背面にドリンクホルダーがつく形。一部の座席の足元から空調がふき出しているようで、その座席にあたると涼しいとか寒いとかのケースもありそう。座席自体は小さめですが、それぞれの間隔はゆったりとられており、人の前を通って自分の席に向かうのはラクそうです。

ただし、傾斜はかなり緩やか。一応、各列で座席の位置を微妙にずらしているので、目の前に頭がくることはありませんが、座高の低い人は若干みづらさを感じるかもしれません。また、上層の観覧席の最前にはアクリルのフェンスが設置されており、こちらは僕の視線で最前から5列目まではコートをさえぎる高さにせり出しています。透明で、枠も細いのでものすごく邪魔ということではないものの、「気になる」のは確か。見やすさよりも安全性に配慮した設計というところでしょうか。

↓傾斜がゆるやかなの以外はいい感じ!



「トイレに行く」ときのストレスがないのはいい!

あれのせいで「通路脇が欲しい」とかの気持ちが生まれるから!


過ごしやすさという点で重要なトイレ。その点では、このアリーナはとてもよい施設です。アリーナ外にももちろんトイレが設置されているのですが、何と、このメインアリーナの内部にもトイレが設置されているのです。つまり、アリーナから出なくてもトイレに入れるわけです。

そのせいで、「トイレの灯り」が常にアリーナ内を照らしているという演出上の不都合はありましたが、トイレに行きやすいということに勝るものはありません。トイレ自体はリクシルの洗浄機付きのもので、お尻にも優しいもの。新アリーナのトイレを誰よりも早く使ってみましたが、古い設備にありがちな「このトイレやだなー」という気持ちはまったく生じません。数も十分に多く感じられたので、混雑も生まないのではないでしょうか。

建物内部を通じてサブアリーナに移動しますと、そちらには武道場などにも使えるサブアリーナ、温水プール、トレーニングジム、卓球場などが展開されています。こちらは利用料を支払うことで気軽に利用することができる一般開放の施設。更衣室なども入ってみましたが、どこも新築でキレイなのでとても気持ちが上がります。ウチの近所の体育館の古さに気づかされるような想いです。

↓サブアリーナではシッティングバレーの体験会なども!
DSC00021

サブアリーナにはほとんど座席がないので、「DO」する人のための施設という感じ!

バスケ2面分の広さがあり、可動式の畳で武道場にもなるとのこと!



サブアリーナ棟にはサブアリーナ、プールなどの施設以外にも多目的なスペースが。最上層にはまさに多目的室というフリースペースがあったり、小ぶりながら常設のカフェが設置されています。メインアリーナ棟との間の広場に面した部分でもあり、ここでマルシェ的なイベントを開催するのもよさそう。味スタ側からも直結している場所なので、便利に使える広場になりそうです。

↓サブアリーナ棟からメインアリーナ棟を眺める!
DSC00034

人が歩いているフリースペースには、多摩地域の名産品のブースなどが展開されていました!

この広場をつっきっていくと、西競技場(サブトラック)につきます!


↓西競技場では天然芝体験のアトラクションも!
DSC00054

せっかくなので芝に下りてきました!

そこそこ気持ちよかったです!


↓西競技場から全体を眺める!
DSC00055

左がメインアリーナ棟で、右がサブアリーナ棟、この向こうに味スタ!

多摩地域に巨大なスポーツ施設が完成してしまった!



各所をまわって、取り立ててココに難アリというものはありません。快適で過ごしやすく、いろいろなものが十分足りています。味スタと合わせて、多摩地域のスポーツ拠点として、エンターテインメント拠点として活用されていくものになるでしょう。

ただ、「レガシー」という視点で見ると、どうかな?とも思います。立派ではあるけれども、「ここに関しては一番」というものが特にない。多摩地域ではナンバーワンであるが、首都圏をまたがって突出できるような部分を感じることはできませんでした。

建物のデザインやコンセプトはいたって標準的ですし、施設面でもすごく大きいわけでも、すごくゴージャスなわけでもない。味スタと日産スタジアム、味スタと埼玉スタジアム、多摩地域と23区の関係性のように、「本当に一番大事なものはココじゃなくて別の場所で」という位置づけなのかなというのが印象です。

そういう意味ではココをレガシーたらしめるのは、まさに地域住民の日々の利用、日々の健康増進なのかなと思います。横浜アリーナやさいたまスーパーアリーナを日々の生活に使っているという人は少ないでしょうが、むさプラーザはその可能性を備えた施設ですので。地域住民として、僕もときどき利用していこうと思います。ひと泳ぎしてからJリーグ、とか、そんなアクティブライフもいいかもしれませんね。


近所の人にとっては素晴らしい!都にとってどうかは知らんけど!