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07:00
不祥事のチャンコ鍋をつつこう!

大相撲初場所が終わりました。始まる前は世界で誰も予想しなかったであろう栃ノ心の優勝という幕切れは、荒れる角界に届いた数少ないほっこりニュースでした。こんなに嬉しそうに、こんなに楽しそうに、相撲に取り組んでくれている。服装への注意でゴルフクラブで殴られても、親方を立てる気持ちと親方への感謝を忘れない。それは角界を正そう正そうとする世間の目に対して、それなりにいいところもあるんですよと柔らかく反意を示すかのようでした。

5年前にヒザの前十字靭帯を断裂するという大きな怪我を負った栃ノ心。本人曰く「気がついたら親方が勝手に準備をしていた」という再建手術(※整体ではなく)、そして4場所の休場とリハビリ。その間に番付は幕下55枚目まで落ちました。関取でもない立場。怪我だけでなく、生活という意味でもここらが潮時と感じるような大怪我だったはずです。

しかし、相撲に懸けると誓って日本に渡った青年は、親方の励ましを背に、再び強さを取り戻して帰ってきた。単に戻っただけでなく、それ以前はどうしても腕力頼りで、チャンスがあればすぐに吊って出そうとするゴリ押しの相撲だったものが、下から当たって四つに組み、左上手の剛力を活かして寄っていく、相撲らしい相撲へとアップデートされていました。無理が効かなくなった経験が、理に叶った相撲を身につけさせた。怪我してよかったなんてことはナイはずなのですが、怪我をきっかけによりよい自分を手に入れたのは、まさしく本人の努力の賜物。心から祝福できる優勝でした。

↓部屋の若い衆も総出で優勝を喜んでいる!

掃除の仕方で日々殴られている若い衆なら決してできない笑顔!

ほんのちょっとした茶目っ気でゴルフクラブを持って出迎えるヤツがいなかったのは、僕的には残念です!


そんな温かい話題によって、館内の空気も必然温かくなります。もともと世間の空気ほど国技館内は冷え込んではいないのですが、苦労人の優勝には大きな祝賀ムードが起こりました。入り待ちのファンがかける祝いの言葉。栃ノ心の登場にどっと沸く客席。千秋楽で見せた遠藤との取組では、遠藤もまた鋭い立ち合いから巧みな技で仕掛けを見せ、それをこらえた栃ノ心が勝って締めるという素晴らしい熱戦でした。今場所は休場者や無免許運転野郎なども出て、寂しい土俵となっていましたが、そのぶんを埋め合わせるようなイイ相撲だったと思います。

↓観客の投票で決まる本日一番の注目取組にも選ばれた遠藤VS栃ノ心は千秋楽にふさわしい熱戦!

立ち合い低く当たった遠藤は栃ノ心の左半身を浮かせると、左上手を取らせない巧みの相撲!

しかし、その守りを右のすくいからパワーで跳ね返し、じわじわと正対すると、最後は地力で押し出して14勝目!

この強さがあと数場所つづくようなら、大関という話にもなるような充実した場所でした!



結局すべては土俵次第。一連の不祥事の嵐はもちろんダメなことであり、正すべき部分が多いのは確かです。ただ、相撲自体の息の根を絶とうなどとは毛頭思うものではありません。関心のない者が中心となって作る世論は、ともすれば何もかも叩き潰そうという流れになりがち。そんなバッシングムードのなか、この初場所は「力士の奮闘」が救ってくれた場所だったように思います。やっぱり相撲は楽しくて素晴らしいものだと、改めて感じさせてくれました。

こうした盛り上がり、こうした祝賀ムードのなかでこそ、素直に反省できることもあるでしょう。協会幹部にはぜひこの前向きな気運を活かしてほしい。2月には今後の運営を占う理事選も控えています。不祥事の暴露合戦に終始するのではなく、これから大相撲をどうしていくんだという未来の議論にチカラを注いでいってほしいもの。

もう十分に、角界には暴力野郎と隠ぺい野郎とキス野郎と無免許運転野郎とアタマデッカチ野郎がたくさんいることはわかりました。「まだまだいますよー」のお知らせではなく、そんな人たちでも世間に顔向けできる運営をするには、どうすればいいのか、そこを考えていかなくては。

僕も千秋楽の大相撲観戦のなかで、たくさんの不祥事・改善点というのを目撃しました。あるいは新たな不祥事追放者が出ることになるかもしれませんが、あえて指摘をしたいと思います。相撲を愛するがゆえの苦言。襟を正して受け止めてもらいたい、僕はそう願う者なのです…!


まだまだ角界には問題がある!大相撲千秋楽で目撃した10の不祥事・改善点

●不祥事・改善点その1:客のITリテラシーに期待しすぎ
相撲協会は世間が思うよりITが好きです。ツイッターを活用したプロモーションなども話題になりましたが、いまやツイッターやLINEは捨て去ってインスタグラムへと戦場を移しつつあります。機を見て敏のSNS野郎。そこらのアラサーよりもよほど時流に敏感なのです。

そんななか今場所では2つのITチャレンジを実施しました。

ひとつは「会場限定フレームで来場者の写真を撮影する機械を設置し、機械に表示されるQRコードを読み込むと撮った写真がダウンロードできる」という仕掛けでした。しかし、これがラチがあかない。撮影はまぁみんなできるのですが、QRコードでダウンロードとなったときに、やたらと時間がかかるのです。

「読み込み失敗」ならまだしも、「QRコードとは…?」というそもそもの出発点からの問いかけであったり、QRコードを読み取るアプリがないのでグーグルプレイからダウンロードさせようとするも「グーグルプレイとは…?」という第二段階の問いかけであったり、一向に話が進みません。

ついには軽やかにガラケーを取り出して、「コレでどうすれば…?」と家電量販店の店員でも難義するハード依存の問いかけを始める手合いや、とりあえず渋滞を解消するためにQRコードを携帯のカメラで撮影して問題を先送りしようとする手合いまで。

たかだか10組くらいの写真撮影とQRコード読み取りをするのに1時間もかかる始末で、業を煮やして「待機列の連中にQRコードの説明をしつつ、読み取り機能を事前に立ち上げさせておく案内係をつけるべし」とアドバイス風クレームまで入れてしまったほど。これはかなりの不祥事だったと思います!

<「タダと聞いたらとりあえず並ぶ民」が発生しそうな掲示>
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<この機械で撮影すると、撮影した画像をダウンロードするQRコードが表示される、それだけなのだが…>
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<地味に時間を使わせるお飾り用アイテムの豊富さ>
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ちなみに僕がやったときは、撮影からダウンロードまで2分くらいでした!

ていうか、QRコードなど出さずに、写真をプリントアウトして渡せばよかったと思います!

写真の裏か隅にQRコードを入れておけば、できる人だけ勝手にダウンロードしたのでは!?


●不祥事・改善点その2:客のSNSリテラシーに期待しすぎ
相撲協会のITチャレンジ第二弾も非常に厳しいものでした。インスタグラムに戦場を移しつつある協会は、来場者のインスタで相撲のことを投稿させようと模索しています。単に相撲協会公式アカウントをフォローさせるとかではなく、今回は「#相撲」タグと「@sumokyokai」のアカウントを入れ込んだ投稿をせよと言い出しました。それをやったら、相撲カードをあげますよと。

ところがコチラもラチがあかない。タダと聞くと反射的に並んでしまう客からは「インスタグラムとは…?」という入口の質問や、「コレは…?」という何ひとつわからない状態で突っ込んでしまっているお客さんの姿がチラホラ。

しかも今回はタグを入れた投稿をすると、それが機械に反映されるので、自分の写真を選んで相撲カードを作りましょう…という複数の工程がある作業。これにより「何度やっても機械に出てこない」(※何もしていないのにパソコンが壊れました的なテンションで)という渋滞が。QRコード渋滞よりはさすがにマシでしたが、これもプチ不祥事だったと思います!

<いろいろゴチャゴチャ書いてあって大変そうな説明>

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<この機械にタグ入りの投稿がどんどん表示される仕組み>
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<もらえるカードはわりとよさげ。表面に自分が投稿した画像が入り、裏面には力士の写真が入る>
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<僕がもらったカードは裏面だけに宇良でした!>

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2階のプリクラのあたりに、この機械だけひっそり置いてあれば別によかったんじゃないのだろうか!

あと、みんな自分の投稿を前後の人に覗かれるのはナーバスだったかも!


●不祥事・改善点その3:錦絵屋の商売っ気お盛んすぎ
国技館の正面入り口近くの一等地には、何故か錦絵屋のオヤジがいます。誰が買うのかよくわかりませんが、いつもそこで錦絵を売っていて、僕が常に動向を気にかけている「風神雷神図:金200万円」などがいつもそこに並んでいます。

そんな錦絵屋はふってわいた栃ノ心ブームに、今場所の看板商品として栃ノ心の錦絵を据えることを決意。一番目立つ場所にドーンと栃ノ心の錦絵を置いてきたのですが…

<いつも美化してるなぁとは思っているが、MAX美化でアラン・ドロンみたいになってた栃ノ心>
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<ついでに日馬富士商品の在庫一掃コーナーも展開中>
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●不祥事・改善点その4:ガチャ排出停止
稀勢の里のミニ行燈や、スモードーム(※スノードームの相撲版/雪じゃなく塩が舞って力士がキラキラする)などを販売することでおなじみの大相撲ガチャ。300円くらいで子どもだましのお土産が買えるということで、贔屓にしていたのですが、何故か今場所は販売がありませんでした。「ガチャが引けない」というのは、スマホゲー界隈では担当者のクビが飛ぶレベルの大失態です。これはかなりの不祥事だと思います!

<ガチャって販売したりしなかったりするものだったのか…>
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<ちなみに番付屋も売り切れ。刷ってこい、などという無茶な要求にはもちろん応じない>
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●不祥事・改善点その5:公式グッズの案内板ポップすぎ
相撲と言えば「紙に墨」というイメージでしょう。告知は基本的に紙と墨でやってほしいというのが僕の本心です。しかし、現実にはパワポでプリンターのほうが早いというのも理解できるので黙認してきたわけですが、今場所の公式グッズの案内は、さすがにポップに寄りすぎていたのではないでしょうか。ホワイトボードだとこんなことをしがちなのかもしれませんが、これはいかがなものかと思う次第です。

<相撲感を霧散させるようなホワイトボードの手書き文字>
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幼稚園の発表会のお知らせみたいな雰囲気…!

何か、ちょっとカワイクしてる!



●不祥事・改善点その6:2階の遠藤のお姫様抱っこ看板ボロボロすぎ

少し前にすごく話題になった「遠藤のお姫様抱っこ」。スー女感涙のあのイベントを疑似体験できる顔出し看板が国技館に設置されています。一般的には1階正面入り口で体験するものなのですが、隠れた穴場スポットとして2階の屋外スペースにもひっそりと看板が設置されているのです。

しかし、今回見ましたところ、手入れが行き届いておらず、じょじょにゴミっぽい雰囲気になってきていました。モノを大切に、捨てるときはキレイに。これは備品管理担当者の不祥事ではないでしょうか。しっかりと手入れをしていってもらいたいものです。

<デンモクのようなもので殴られたのか、頭部がひしゃげている看板>

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<ゴルフクラブのようなもので殴られたのか、ご婦人の足がバッキリ折れている看板>
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●不祥事・改善点その7:警備席大体人がいない問題
場内の安全を管理するのも協会のつとめ。その点で協会には豊富な人材がいます。ソロバン仕事は苦手だけれど、人間をつかまえてその場から移動させることにかけては地上最高の力量を持つ者たち…「OYAKATA」が。

ところが親方衆は忙しいのか面倒なのか、場内の安全管理に出張ってくることはめったにありません。特に関取の取組が始まるまでのゆるやかな時間は、警備などあってなきがごとし。これは昨今のデンモクやらゴルフクラブを鑑みるに、安全管理上のリスクと言えるのではないでしょうか。「警備席(春日野)」などと担当者名を記し、責任の所在を明確にしたうえで、親方衆の安全を守るための武器(※わかってると思いますがゴルフクラブです)をしっかりと装備させていきたいもの。将来の不祥事を防ぐのは、今の行動なのです!

<大体誰もいない警備席>
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<午前中はテロも暴力団もこないだろう…という性善説のもと、午後から本気を出す入場ゲート>
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●不祥事・改善点その8:日馬富士の消し方雑すぎ
日馬富士が引退したのは11月の末。それから1ヶ月あまりを挟んでの初場所ということで、もう「いないもの」として始まるのが世間一般の感覚です。特に不祥事での引責ということでもあり、そっと隠しておきたい腫物となっているところ。

そんななか一部売店では、日馬富士グッズを撤収して、売り場から痕跡を消す方針を固めたもよう。お品書きなども日馬富士の存在を消してきたのですが、引退から1ヶ月以上の準備期間を経て「これで大丈夫だろう」と出してきた対応策は…

<THE・不自然>
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<不自然&不自然>
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<ちなみに大砂嵐の手形は普通に販売中>
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●不祥事・改善点その9:大雪降りすぎ
国技館内には佐川急便の出張所があり、そこから荷物を発送することができます。地方の方がはるばる相撲観戦にきたとき、あのアホみたいに大量のお土産を持ちかえるのは難義なもの。郷里の方への土産と合わせて佐川で発送するのがラクチンです。

しかし、佐川もいろいろと忙しいのか、「物流は簡単ではない」という姿勢を強く打ち出してきています。特に今場所は、東京でも4年ぶりという大雪が降り、大混乱しているタイミング。物流の混乱も輪をかけたようなものらしく…

<「昨日の大雪」の影響が深刻で改善の見込み立たず>

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会社に「昨日の大雪の影響で出社遅延了承願」でも送ってみますかね!

朝起きたら大体混乱(※ボーッとしてるの意)してるし、月曜出社は遅延了承願いたい!


●不祥事・改善点その10:授乳室仮設すぎ
これまでは「相撲診療所」という春日野親方案件でも最初に利用された国技館併設の診療所内に、授乳室が設けられていました。しかしそこは、基本が整形外科・内科の医療機関なので、風邪引きの力士などが訪れる場所でもあります。やはり風邪引きと乳児を一緒の場所に置くのはマズイだろうと、今回思い切って新しい授乳室を作ったのだとか。

はて、どこかしらと思いながら昼飯にちゃんこでも食べようと地下に下りると、ちゃんこ屋の行列から廊下を挟んで反対側についたてを並べた授乳室ができあがっているではありませんか。いやいやいやいやちょっと待て。ここはこないだまで、隠岐古典相撲大会の丸太とかを置いてあった「地下廊下のオープン展示スペース」のはず。規模は違いますが「床の間のツボをどかして授乳室にします」みたいな話じゃないですか。

どうせこの先もずっと使うものなのに、何故それを仮設で済ませたか。前進ではあるけれど、大いに改善の余地があるのではないでしょうか。ミルク用のお湯を作ったり、親が休憩したり、「お父さんが」おむつかえたり、「お父さんが」ミルクをあげたり、相撲に飽き飽きの子どもが好む映像を見せたり、お昼寝させたり、電子レンジで温めた離乳食あげたり、授乳室でしたいことって「授乳」以外にも結構あるんじゃないですかね!

<確かに授乳室という名のついたては立っていたが…>
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<ホントについたてだった!丸太も以前と同じ場所に健在です!>


<お客様の声は相撲を望むかもしれないが、お子様の声はアンパンとかトトロでは?>

そもそもついたての上に隙間あいてるところで授乳するのも微妙感あるし、ここでおむつをゴミ箱に捨てると、漂う香りがチャンコ会場に流れていきそう!

なんか、せっかく作ったのに惜しい!

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とまぁ、このように今回も山のような不祥事を発見してしまいました。角界というのは不祥事の宝庫でありますからして、しっかりと改革につとめていかなくてはなりません。2月の理事選では改革に向けての議論がしっかりとできるよう期待したいもの。不祥事はそろそろ出尽くした頃かと思いますので、そろそろ解決策のほうへと話を進めていってもらいたいものですね!


授乳室は2階の食事処雷電を追い出して跡地に作ればいいと思います!