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07:00
葛西紀明さん、冬季五輪史上最多出場おめでとうございます!

1992年の僕に「葛西まだおるで」と言ったら、どんな顔をするものでしょうか。あれから26年、葛西さんがオリンピックに出たあとに生まれた子どもが、オリンピックに出て引退するくらいの時間が過ぎました。そりゃあ紙飛行機と同じようなものだと思えば、40歳でも50歳でも飛べるのかもしれませんが、戦いつづけるその意欲には驚きを通り過ぎて「呆ける」ような気持ちです。

もちろん本人は「金メダルを!」という希望を持っているでしょうから、こちらも建前上は「頑張ってください!」「金メダル期待してます!」的なことも言いますが、もう本音はこの舞台に立ってくれただけで拍手喝采、拍手葛ッ西です。ノロウイルスがまき散らされている現地状況を考えると、「お疲れ様でした!解散!」の声がノドまで出掛かっているほどの満足感があります。

↓暖房も壊れているし、僕ならもう帰りたい!

1992:「ワシらの時代はスピードスケートは屋外でやってたぞ、甘えるな!」
1994:「リレハンメルよりはマシ」
1998:「暖かいよりは寒いほうがマシ」


↓バスもこないし、僕ならもう帰りたい!

2002:「ワシらの時代はビルに飛行機が突っ込んでたぞ、甘えるな!」
2006:「ワシらの大会ではコケた日本の選手を運ぶためにヘリまで飛ばしてやったやん…」
2010:「乗り物はゆっくり走るくらいがちょうどいい」
2014:「バスよりも下町ボブスレーにタダで乗りませんか!」



日本選手団の先陣を切って登場した葛西さんら、スキージャンプ陣。解説にはアルベールビル五輪で葛西さんとともに五輪デビューをはたした原田雅彦さんがつき、リアルに「まだやってるの?ウソでしょ!?」感を表現してくれます。「アマンまだやってるんか…」という気持ちも、「アホネンまだやってるんか…」という気持ちも、「いやいやいやいや」「カサイ、カサイ」「おまゆう?」と全世界からお前が言うかの高速ブーメランで跳ね返ってきます。

当地のジャンプ台はなかなかクセがあり、これからの勝負に向けてもいろいろと波乱の予感。雪を払うとか、溝を掘るとかする必要すらないサマージャンプのように剥き出しとなった金属のレールにはアプローチの安定感があるものの、とにかく風についてはどこに吹くのかわからない不安定さがつきまとっています。

なにせ、この山の尾根を遠く見渡すとアチコチに風車が立っており、風力発電をしているのです。「風力発電に向いている風の通り道で」「紙飛行機を飛ばす」というアンビバレンツなこの設定。練習ラウンドのデータを見ると、1.3メートルの強い向かい風をもらう場合もあれば、0.6メートルの追い風を受ける場合もあり、本当に風はグチャグチャ。ほんの一瞬の運・不運で何かが起きてしまいそうな舞台です。

↓ちなみに、現地はオリンピックのスキージャンプ競技とは思えないスカスカ具合です!

スカっている場所をなるべく映さないカメラワークを検討した結果、中継では同じ客が何度も映ることに!

だからあれほどスタンドにはカカシを立てておけと言ったのに!

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この日は予選ということで「57人中の50位」に入ればOK。ここでの結果は決勝には持ちこされませんので、各選手ともそこまでピリピリしたところはありません。日本勢では若手ベテランの伊東大貴さんも、初の五輪となる小林潤志郎・小林陵侑の小林兄弟も順当に予選突破を決めていきます。

全体の37番目で登場した大ベテランベテランの葛西さんはジャンプには不利な追い風を受けつつも、85.3キロの飛び出しから飛距離98メートルのいいジャンプ。着地のテレマークもしっかりと入れてきました。両手を目一杯広げる特徴的な空中姿勢も、すしざんまいのようにドヤ感あふれるテレマーク姿勢も、相変わらずの葛西紀明です。まずは、いい滑り出しでした!

↓余裕を持って日本勢は全員予選通過!開会式をイヤーな気分で迎える事態を回避!


どうでもいいけど、ホントに客少ないなwww

現地ではまだ五輪始まってるの知らないんじゃないのかwww

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さて、これにより葛西さんは冬季五輪選手としては史上最多となる8大会目の五輪出場となりました。前回大会時点ではアルベルト・デムチェンコというロシアのリュージュ選手が7大会出場で葛西さんと並んでいましたが、こちらロシアの組織的ドーピングに関わっていたということで、今大会を前に資格停止処分となりました。すでに競技からは引退していますので(今大会はコーチとして迎えるはずだった)、葛西さんがトップであることには変わりなかったのですが、やはり「単独トップ」というのは気持ちがいいものです。

しかし、まだまだ気を緩めるわけにはいきません。今大会には通算6大会出場のドイツ人スピードスケート選手クラウディア・ペヒシュタインなど複数の「6大会」組が出場してきており、記録を「7大会」に伸ばしてくるのは確実です。ちなみに葛西さんと同じくスキージャンプ・ノーマルヒルに登場したヤンネ・アホネンさんも、この日の出場で「7大会」組となりました。葛西さんが8大会で満足すればすぐさま並ばれ、抜かれかねないのです。

それに、どうせなら「冬季では」なんて但し書きをつけずに本当の一番になりたいじゃないですか。

五輪への多数回出場選手は馬術・射撃・セーリングなど、肉体の衰えを経験でカバーできるような競技が多く、上位選手のほとんどは夏季大会の選手です。歴代トップは、馬術競技で通算10大会出場のイアン・ミラー選手(カナダ)。馬術競技は上手くすれば70歳くらいでも五輪に出てこられる可能性がある競技であり、イアン・ミラー選手は今現在も競技をつづける現役選手。向こうが回数を伸ばす可能性も含めて考えれば、葛西さんに満足などという言葉はありません。

目指せ11大会出場。いや、「カサイは1992と1994の間が短いから実質マイナス1大会」なんて難癖をつけられないよう、目指せ12大会出場。無茶な要求かもしれませんが、せっかく挑戦の資格を持っているのですからやらない手はありません。通算12大会出場とする場合、葛西さんは最短で2034年大会、61歳でそのチャンスを迎えます。45歳でできるなら、61歳でできても不思議はない。もうとっくに不思議なんだから、今さらちょっと不思議度が増しても気にはなりません。

「そうか、61歳までやれば真の世界一なのか」

その豆知識を心の片隅において、これからも頑張ってもらいたいもの。もしかしたらその頃には、今葛西さんが教えている選手が代表チームのコーチになっていたり、高梨沙羅さんが解説をやっていたりするかもしれません。レジェンドを突き抜けて「フェニックス葛西」「タイムトラベラー葛西」「ゴースト・イン・ザ葛西」と呼ばれる未来へ、飛びつづけてください!


東京五輪で何かの種目に混ぜて9大会にしちゃうのも手ですね!