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07:00
順調な滑り出しでした!

本格スタートを迎えた平昌五輪。10日には早くもメダルが決まる決勝がいくつかの競技で組み込まれ、熱い戦いが繰り広げられています。日本勢ではスピードスケートの女子3000メートルで睫敞帆さんが5位、佐藤綾乃さんが8位とダブル入賞を達成。スキージャンプ男子ノーマルヒルでも小林陵有さんが7位となり、悪くない初日となりました。

この初日・二日目・三日目というのは、日本勢の流れを決めるとても大事な日取りです。それぞれが個人で、別会場で戦っているものに「流れ」も何もなさそうなものですが、選手たちには何もなくても、取り巻く周囲には少なからず影響があります。

初日に金メダルでも出れば、いけるぞという雰囲気になりますし、そのニュースをチラッと見たときなどに「俺も」という強い意欲が改めてわくものです。逆に結果がなかなか出ないでいると、有力選手には「そろそろ」という圧力が寄せられ、有力でない選手は「やはり世界は厳しい」と少し萎えてしまう。メダルナシのまま終盤戦にもつれ込みでもすれば、国ごとくらーい空気になるもの。やりやすくなることは決してありません。

望外のラッキーパンチである必要はないのです。いけそうなものがちゃんといければ、それでいい。順調にことが運んでいれば、焦りや圧力も生まれませんし、今回の日本選手団には「持っているチカラの90〜100%」が出れば十分に勝算がある選手がたくさんいるのです。「120%出れば金」なんて出たとこ勝負ではなく、90〜100%で足りる選手たちが。

その意味では、初日の日本勢は「順調」と言っていいものでした。いわゆる魔物的な負けはなく、チカラなりの結果、あるいは少しチカラ以上に出たような結果がズラリと並びました。大きなトラブル、アクシデントもなく、いい手応えを感じます。なかなか厳しいとは思いますが、11日に日本勢のメダルが出るようならグッと乗っていけますし、遅くとも12日には最初のメダルは見られるでしょう。素晴らしい週明けを迎えられる予感、強く感じます。

↓スノーボード・スロープスタイルの予選でトラブルのため待たされることはあったりしましたが、それは全員同じ条件なのでノーカウント!


待つだけで済むなら待ちましょう!

「4年」のプロジェクトが30分遅延したところで大勢に変わりなし!

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今大会で悲願の初勝利を目指すアイスホッケー女子は、グループBで世界ランク最上位のスウェーデンと対戦。押している時間もありつつ、相手の前線からのチェックには試合を通じて苦しめられる展開となります。体力的にはやや日本に分があるのか、時間が経つごとに日本の時間が増えます。しかし、元気いっぱいの「立ち上がり」に集中的に圧をかけられたことで、第1ピリオドと第3ピリオドの序盤にスコーンと失点してしまいました。試合運びの差が結果にも響いた格好で、1-2の惜敗となりました。

ただし、これはある程度順当な結果であり、勝つチャンスも十分に感じる試合だったことから、チームのデキとしては悪くありません。大目標である初勝利は統一コリア戦で確実にはたしてくれるでしょうし、スイスに競り勝てば準々決勝進出の可能性もあります。大一番となる第2戦スイス戦に向けて、日本から持ち込んだペットボトルの水でのうがい、日本から持ち込んだペットボトルの水での手洗いを励行し、風邪などひかぬよう気をつけてもらいたいものです。日本から持ち込んだご飯で元気をつけてください!

↓ゴーリーの藤本さんは、何本もシュートを防ぎながら涙目で反省!


ゴーリーのチカラで3点は防いでいたけれど、「ワタシ的には無失点でないと合格ではない」という意識ですね!

「無失点で1点取れば勝ち」を次戦は実践を!


ショートトラックでは地元・韓国が強く、女子の3000メートルリレー予選では「韓国が転倒したのに、猛然と追い上げて韓国がトップでゴール」というレースも見られました。強いだけあって、会場の熱気もほかの競技とは一段違います。「ほかの競技の選手にもこの熱気でやらせてあげたい」と思うような盛り上がり。自分たちが強いとこだけ盛り上げるという姿勢ではいけないと、2020年の開催都市住人として僕は思いますが、韓国はそうでもなさそうな感じですね!

日本勢では男子1500メートル予選に出場した吉永一貴さんが、順位的には予選を通過できる3番手で入線したものの、ほかの選手を妨害したとして失格に。日常茶飯事的なファイトで失格になったのは残念な結果でした。とは言え、ぶつかったり転んだり失格したりするのがショートトラックの競技性でもあります。そんなものだと思ってまた頑張るしかありません。

↓会場には「一糸乱れぬ応援ができないと死」という覚悟で訓練を積んできた、北朝鮮の応援団も!


大会終了まで誰も欠けることがないであろう、強い連帯責任感を感じる!

まぁソウル市内での大会だったら、一瞬の隙を突いて大使館まで散歩しちゃったりするのかもしれませんが!



スピードスケートでは女子3000メートルに睫敞帆さんらが登場。しかし、むしろ印象的だったのは競技序盤で滑った佐藤綾乃さん。積極的なスタートから、中盤を粘りの滑りでつなぎ、終盤にかけてまた上げてくるという素晴らしい滑り。平地リンクにもかかわらず自己ベストを大きく更新して、8位入賞となりました。佐藤さんは金有力のチームパシュートのメンバーでもあり、これは「チーム力」という意味でも頼もしい好結果です。

もちろん睫敞帆さんもメダル候補の一角としてのチカラを見せ、4分1秒台の平地リンクとしては自己ベストとなるタイムで5位入賞。ワンツースリーフィニッシュのオランダは、前回ソチでスピードスケート36個のメダルのうち23個をせしめた強さを維持しての圧勝でしたが、睫擇気鵑盻淑ワンミス圏内で競った内容でした。得意の距離では実績なりの結果、出していけそうです!

↓綾乃ちゃんの小刻みガッツポーズかわいいやん!


菊池彩花さんの滑りが振るわなかったぶんを補ってあまりある快滑!

これは夢舞台での夢メダルもあるかもしれない!


そして、決着が真夜中0時過ぎまでもつれ込んだスキージャンプ・男子ノーマルヒル。「ヨーロッパで人気があるんじゃ」と言う忖度がビンビン伝わってくる時間設定には、選手たちも寒いわ眠いわで大変だったことでしょう。しかし、まぁそれはわかっていたこと。ずっと前からこの日のこの時間にやることは決まっていたのです。もともと全世界を飛び回って時差調整をしている選手たちなのですから、この時間設定にあわせた調整というのをするだけ。あくびしながら飛ぶような選手はひとりもいません。

日本勢は「まずまず」というジャンプがつづきますが、小林兄弟の弟・陵有さんが2本ともいいジャンプで、ひとつの目安となる120点超えを揃えます。強い向かい風が舞う難しいコンディションのなか、ゲートを下げる調整がたびたび発生し、選手たちは何度も中断・何度も待たされるという試合になりました。そんな悪コンディションのなかで2本揃える本番力は見事でした。終盤の上位選手がコンディションに苦戦し、先に飛んだ陵有さんの下に沈んでいくのは、なかなか痛快な気持ちにも。本番のラージヒル、団体へ向けての期待感が高まる7位入賞でした!

僕はこの大会の全体を通じて、真っ先にスキージャンプ、そして葛西さんの試合が行なわれたのは、とてもいい流れだなと感じています。五輪ともなれば、重圧もすごいですし、不測の事態も多いでしょう。葛西さんは「ホテルの暖房が壊れていた」「バスがこなくて外で待たされた」「チャックしめ忘れ(※これは自分のせい)」という不測の事態をコンボで決めています。これはナーバスな選手なら、イライラしてピリピリするような状況です。

しかし、葛西さんは文句を言いつつも明るく、暖房が壊れたホテルでキムチとコムタンスープで温まっています。長野五輪で団体メンバー落ちしたときのギラついた怒りを見せた青年は、今の葛西さんとはかけ離れた人物のようです。これがきっとレジェンドならではの悟りなのでしょう。

暖房が壊れていたら、そりゃあ直す必要はありますが、壊れていたことに怒ったり苛立ったりしても何の意味もないのです。怒っても暖房が直るわけではないのですから。その日、その時、刻々と変化する状況で、不測の事態をも飲み込んで戦う、それが五輪という舞台です。

ジャンプ競技の解説で原田雅彦さんは「今日勝った人がオリンピックチャンピオンです」という禅問答のようなことを言っていましたが、まさにその通りです。どんな実績があっても、どんな不運があっても、どんな偶然があっても、この日・この時・この試合に勝った者だけがオリンピックチャンピオンなのです。何の意味もないことで怒ったり、苛立ったりしていも仕方ないのです。

今回は韓国開催ということで、たくさんの不測の事態が起きるでしょう。ただ、それは陰謀というよりは、民度や経験不足からくるものがほとんどでしょう。勝てそうな試合のインチキ以外は、基本的にはそうですから。それをも含めて勝負の一部として、我慢するのではなく受け入れていく。その気持ちが日本選手団に伝わっていけばいいのになと思います。

自分のチカラを出し損ねるのは、ほとんどが自分のせいです。この日の日本選手は、いろいろありつつもチカラなりの戦いをしました。この調子で、自分を持ち崩さずにチカラを出していってほしいもの。今までできたことができれば成功、そして今までできたことより少しでも上にいければ人生の大成功である……僕はそのように思います。まずは成功の手応えに満ちた立ち上がり、よかったと思います!

↓なお、レジェンドはこの日の試合についても「こんなの中止でしょう」と新たな文句でひと笑いとった!

葛西:「(寒さは)もう信じられないぐらい」
葛西:「風の音がすっごいんですよ」
葛西:「気持ちがひるむぐらい」
葛西:「ブワーッて」
葛西:「こんなの中止でしょう」
葛西:「ってちょっと心の隅で文句言いながら」
葛西:「寒さに耐えてました」

原田さんはあったかい解説席で「葛西は風に強い」から、もっと吹けって言ってましたけどね!

原田さんは寒くないから!



11日はフィギュア団体戦で盛り上げてもらいましょう!ガンバレ日本!