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07:00
プチ・ブラッドバリー誕生!

平昌五輪も大会5日目の日程へ。前日12日には3つのメダルを獲得し、メダルラッシュにわいた日本でしたが13日は週明けの仕事に配慮したか、ゆるやかモード。スノーボード女子ハーフパイプでの松本遥奈さん、冨田せなちゃんダブル入賞、スピードスケート男子1500メートルでの小田卓朗さんの見事な入賞などで和やかな喜びを伝えてくれました。

そんななか、ある意味でこの日の主役となったのがショートトラック。姉弟出場が話題となっていた斎藤慧さんが、「独自の話題がほしい!」とばかりに禁止薬物のアセタゾラミドに陽性反応を示し、栄えある大会第1号ドーパーとなりました。組織的なドーピングが指摘されているロシアではなく、世界でも極めてクリーンであると自負する日本からという報せはショッキングかつ、不可解なものでした。

「韓国の陰謀論」「ロシアの陰謀論」「普通にやってる」「気をきかせて伝統の漢方薬を食事に混ぜたら陽性反応が出てしまったぁ」「味方の選手・鈴木(仮名)がライバルを蹴落とすために隙を見て飲料に混入、ついでに手癖の悪さも発揮してカメラ・競技用具等を盗む」「下水が上水道に流入して大便成分が混入したことによりノロウイルスが爆発的に感染したのと同じ経路で、他人の排泄物に含まれる成分を汚染水道水から経口摂取」など諸説入れ乱れていますが、とにかく真相究明につとめてもらいたいものです。2020年に向けて、こうした問題にどのような姿勢で臨むか、それもまた日本の課題と思います。



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さて、そんななか日本選手の活躍以外の部分でショートトラックでは面白レースが発生していました。ショートトラックでは小さなリンクを集団で走ることから接触・転倒などが日常茶飯事。ワンコケ程度では「なるほど」と思うくらいでおしまいですが、久々にいい感じのコケ上がり(※他人のコケでどんどん上にあがっていくシステム)に出会うことができました。

いい感じのコケ上がりが発生したのはショートトラック女子500メートルの種目。この種目は、ショートトラックをお家芸とする韓国にあっても、実力・若さを兼ね備えたスターであるチェ・ミンジョンさんの出場する種目。基本的に空席が目立つ今大会にあっても、この日の会場はライブコンサートのような大熱狂でした。

チェ・ミンジョンさんの登場には大歓声が上がり、モニターに姿が映るたびに黄色い声が響き、試合前にはチェ・ミンジョンコールも発生します。コッチも推しが空港についたとか推しが公式練習に出たとか推しがティッシュケースかえたとかでワーキャー言ってる身なのでヨソのことは言えませんが、なかなかのフィーバーぶりです。

そんな韓国熱狂の種目で、見事なコケ上がりを見せたのはカナダのキム・ブタン選手。ブタンさんは予選1組こそ自力トップで勝ち上がったものの、そこからはショートトラックの伝統芸「コケ上がり」モードに突入します。

<見事なコケ上がりを見せたキム・ブタン選手近影>


まず片鱗を見せたのは準々決勝。ブタンさんは、スタート鋭く飛び出すとレース途中からは勝ち抜けとなる2位をキープ。そのままゴールまで行くかと思いきや、最後のコーナーを立ち上がったところで後ろについていた選手に押され、コケながらのゴール入線となります。もちろんそのままゴールしても2位勝ち抜けではあったのですが、コケの予感はすでにあったのかもしれません。

そして本領発揮の準決勝。2組に登場したブタンさんはこのレースでもまず鋭くスタートを決めると、追いかけるイギリスのクリスティー選手にインを突かれ、ややバランスを崩します。するとそこに中国の曲春雨選手が突っ込み、曲選手は押し出されるように転倒してしまいました。ブタンさんはこの争いで3位に後退し、決勝進出はならず…と思われました。

しかし、審議の結果、曲選手の転倒は「曲選手が突っ込んできてブタンさんに当たったせいであり、むしろブタンさんは被害をこうむっている」という判断となり、ブタンさんは救済措置で決勝勝ち上がりを決めたのです。その発表を聞いてガッツポーズを見せるブタンさん。まずはコケ上がり一段目。

そして集大成の決勝。ブタンさんのコケ上がりにより5人で争う決勝は、何と言っても地元・韓国のチェ・ミンジョンさんが中心となるレース。他選手は厳しくチェさんをマークします。イタリアのフォンタナ選手が先行し、ブタンさんはそれにつづく2位、その後ろから本命チェ・ミンジョンさんがつづきます。チェさんは先行するふたりをなかなかかわせず、抜こうとしては外をまわらされることを繰り返します。

しかし、残り1周に差し掛かろうというところでようやくチェさんはブタンさんをかわして2位に。この争いの最中、イギリスのクリスティー選手にインを突かれたブタンさんは弾き出されて大きく外へ。一気に最下位に後退します。ラスト1周でのあまりに大きなロス。「あぁ、もうダメだ…」とブタンさんは諦めモードに入り、スピードもガクッと緩みます。

が、ここからがコケ上がりの見せどころ。まず先ほどブタンさんをかわしたクリスティー選手がコケてフェンスまで飛んでいきます。それでもブタンさんは最下位の4位ということで、ゴール入線時にはヒザに手をやり、加速するのも止めてしまっている状態。場内ではブタンさんのことなどどうでもよく、先頭のイタリア・フォンタナ選手と、チェさんのどちらが勝ったのか、写真判定のほうに注目が集まっています。

↓場内ではチェさんがブタンさんに押されるかのような映像が映し出される!

青がフォンタナ選手、白がチェさん、赤がブタンさん!

なるほど、押されているように見えなくもない!


↓さらに場内ではチェさんがフォンタナ選手に妨害されているかのような映像が映し出される!

なるほど顔を叩かれているように見えなくもない!

これらの映像から場内は勝手に「相手の失格で韓国が金だろう」という雰囲気に!

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ブタンさんは自分は審議の蚊帳の外という気持ちで、1着入線のフォンタナ選手を祝福などしています。それは大人のたしなみのような落ち着いた振る舞いでした。負けたと思っているからできる、お疲れ様の挨拶のようなもの。テンションも低めで、静かに微笑むような祝福だったのですが……

↓長い審議のあと、逆にチェさんの失格がアナウンスされると、ブタンさんは銅メダルへコケ上がって本気の喜びモードへ突入!


本人絶叫、コーチジャンピングガッツポ、仲間大爆笑!

一方、場内はシーン!SNSでは「疑惑の判定」祭りを開催!



かつてショートトラックでは、コケ上がりの連続で決勝まで進み、決勝で半周遅れの最下位を滑りながら、前を行く全選手がコケて金メダルを獲得したブラッドバリーというラッキースターがいました。それにはさすがに及ばないものの、ブタンさんの同組選手をコカしていくチカラもなかなかのもの。ブタンさんを抜かそうとした選手はみなコケるという、呪いでもあるかのようでした。

ちなみにブタンさんはほかのレースでもイイ感じのレースを見せています。女子3000メートルリレー予選(※準決勝相当)でのこと。韓国・ロシア・ハンガリーと滑ったブタンさんのカナダチームは、韓国がコケ、ロシアがコケ、さらにコケたロシアがハンガリーの前に転がっていくという玉突きによって労せずして決勝へコケ上がったのです。

地力に勝る韓国はコケながらもオリンピックレコードの猛追で1位勝ち抜けを決めますが、決勝ははたしてどうなることか。まともに滑れば韓国が断然なのでしょうが、三度コケないとも限らない。すでに女子500の時点で相当にイライラしている韓国だけに、今度何かあれば大爆発は必至。日本がまったく関係ないところでの純粋な他人事のコケ、非常に楽しみです。ぜひブタンさんの呪い、もう一発いってもらいたいものですね!


女子3000メートルリレー決勝でも面白いコケ上がりをお願いします!