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12:00
これぞ帰ってきた「日常」!

平昌五輪という巨大な激流に飲まれた日々が過ぎ、僕はふぬけていました。ボンヤリとあの歓喜を振り返り、それはまるで夢だったかのようなうつろな気持ちになる。あまりに多くのことが起こり、文字通りのフィーバーのようになり、それをただ傍観するばかりでした。66年ぶりにフィギュアスケート男子シングルを連覇した羽生結弦氏は、遠くに、遠くにいってしまった。そんな気持ちです。

伝わってくるさまざまな報せや情報番組への出演も、どこか遠い世界での出来事のよう。いつしか国民栄誉賞受賞ということも内定し、まさに「偉人」と呼ぶべき存在になりつつあります。かねがね羽生氏の最終的なゴール地点を「フィギュアスケートという芸術を通じて、世界の貧困・差別・憎しみ合いを浄化し、ノーベル平和賞受賞」というところに定めてきた僕ではありますが、それはどんどん僕らの愛しい羽生氏が遠くに行ってしまうという意味でもある。エジソン、ガンジー、羽生結弦。関羽、張飛、羽生結弦。偉人への一歩を踏み出した羽生氏に、僕はセンチメンタルカンガルーです。



そんな僕に届いたひとつの報せ。それは激流のなかで遠ざかった羽生氏が振り向いて微笑んでくれたような気持ちにさせる報せでした。おなじみのロッテ・キシリトールガムが羽生氏のアクリルスタンドを作成し、それを買った人にもれなく「羽生氏好みの味をブレンドした羽生氏スペシャルデザインボトルバージョンのガム」をくれるというのです。

あぁ、これはクエストなのか。規模は若干小さく、対象商品もクリアファイルではないということで外伝的な扱いにはなってしまいますが、これは久々のクエストだ。僕はこのクエストでの奮闘を通じて、羽生氏を好きだという気持ちを噛み締め、彼に向かって近づくことができる気がする。「僕は遠くになんて行かないよ」という彼の声を聞くことができる気がする。インターネットに漏れ出した一部のフライング情報を探りながら、僕はいつもどおりの冒険の旅に出たのです。

↓まずは村人からの情報収集!発信履歴からロッテお客様相談センターを呼び出した!
「ロッテお客様相談室●●でございます」

「もしもし、いつものものですが」

「…………」

「ちょっとおうかがいしたいことがありまして」

「はい、うけたまわります」

「ロッテさんのキシリトールガムで」

「近く羽生結弦選手デザインボトルのものが出ると」

「そして、アクリルスタンドが手に入るキャンペーンがあると」

「このような情報を小耳にはさみまして」

「まずはその真偽を確認しつつ」

「いつから、どこで、何種類のアクリルスタンドが配布されるのかという点をおうかがいしたいと思い、お電話差し上げました」

「……アクリルスタンドでございますか?」

「僕も何と呼ぶのが正しいのか知らないのですが」

「プラスチックの板に羽生選手の写真がプリントされていて、そこにガムのボトルを置いて立てる?まぁガムのボトルって自立するとは思うんですが、何か立てるやつです」

「……お調べいたします」

「お待たせいたしました」

「羽生選手デザインボトルにつきましては、明日6日の発売を予定しております」

「アクリルスタンドについてはコチラには情報が入っておりません」

「なるほど、アルかナイかで言えば、もう一部の店舗でフライングをしているのでアルのはわかっているのですが、それが正式にはいつからなのか知りたかったのですが、情報がないと」

「はい、申し訳ございません」

「それは知らないという意味か、言えないという意味か、教えていただけますか」

「コチラには情報がございませんものですから……」

「なるほど、ではもう一度お電話するとして、明日がよいでしょうか、それとももっと先がよいでしょうか」

「はい、羽生選手デザインボトルが明日発売でございますので、明日またお電話いただければと思います」

「わかりました、ご丁寧にありがとうございます」



言えないと、聞きたいのせめぎ合い!

しかし、数々のクリア経験が僕に「明日から配る」ということを確信させてくれた!



一部フライングの情報はスーパーマーケットからのものでしたが、過去のシリーズクエストでもこの手の漏れ方は「スーパーのみでの実施」と相場が決まっております。コンビニで実施する場合は、全店共通となるのが基本線ですので、フライング情報も「何日からこのキャンペーンやるからちゃんと準備しろよ」という全店への通達が真っ先に漏れるもの。いきなり什器を設置してブツが置いてあるのはスーパー限定キャンペーン特有の現象です。

過去のクエストで学んだ「お菓子の新商品が投入されるのは火曜日」という無駄な知識。過去のクエストで得た「解禁当日から配布物をしっかり並べてくるのはイオンだけ」という経験。そして、過去の失敗から得た「自分がクリアするまでは誰にも情報を渡さない」という教訓。僕は密かに火曜日の早起きを決意し、開店と同時に信頼と安心の「いつものイオン」に乗り込みました。クリアを確信して乗り込んだのですが……

↓オイ!いつものイオンにアクリルスタンドがないぞ!
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何だこの嵐のあとみたいなワゴンは!

明らかにゴソッと減っとるやんけ!


僕はすかさず登録済み電話帳から「いつものイオン」を呼び出します。ここからのやり取りも流れるようにスムーズです。イオンではまず交換台が電話を受けて、そこから売り場の担当に飛ばすシステムになっていますので、最初に丁寧な説明をするのは無意味。「ロッテのガムのキャンペーンで知りたいことがあるので、お菓子売り場につないでください」と簡潔に要件を伝え、お菓子売り場を呼び出します。ちなみに僕はそのお菓子売り場にいます。「隣の席の同僚にもメールで用件を伝える」ことで知られる電波人間の本領発揮です。

↓お菓子売り場の担当者を問い詰める僕の舌鋒は鋭い!
「ロッテのキシリトールガムのキャンペーンが今日から始まるはずなのですが、そちらのイオンでは実施されていますでしょうか?」
(※今目の前で見てるけど、やってないからどうなってるんだか怒りをこめて知りたいの意)

「あー、そちらのキャンペーンですが」

「当店では昨日から開始しておりまして」

「もうグッズのほうは昨日のうちになくなりました」

「なるほど、昨日から始まっていたんですか」
(※お菓子のキャンペーンは火曜スタートが業界ルールだろ、前の担当者は火曜の開店と同時に並べるフェアな人だったぞ、貴方がいつからお菓子売り場担当してるか知らないけど全国チェーンの大型店はその辺の仕切りをキッチリしないとダメだろ、という怒りを込めてビックリの意)

くそっ、無駄足を踏んでしまった!

またこの「アテが外れて放浪」のパターンか!


↓本物のお宝は置いてないくせに、無駄にたくさんユーチューバーチップスは置いてある!
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ちょっと欲しくなったけど、邪魔だからいいや!

フィギュアスケートチップスとかなら買うけど!

2個にひとつの割合で織田信成カードが出て、2個にひとつの割合で安藤美姫カードが出る的なヤツ!



さぁ困った。僕は近隣のスーパーを潰しつつ、埼玉から都内へとトンボがえりします。定期券で行ける範囲でスーパーをめぐってみるもアクリルスタンドはおろか、羽生氏デザインボトルすら置いていません。やはり、イオンか。別のイオンに行かねばならんのか。僕は残されたわずかな時間を2番目に近いイオンにかけることにしました。先に電話で確認をしてもよかったのですが、どのみちほかにアテはないなら、最後の望みを抱いたまま死にたい…そんな気持ちで!

↓そしてたどりついた別のイオンで、アクリルスタンドを発見!
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おおおおおおおおおおお!!

あった!!結構たくさんあった!!


↓無事にアクリルスタンドゲットです!

ガムは集めてないので1種類だけ選びました!

集めてるヤツと集めてないヤツがあるのです!



ふーーー、復帰戦としてはまずまずのデキでしょうか。いつものイオンのフライングという想定外はあったものの、開店直後の時間帯に2店舗をまわるというスムーズな行動で、無事にアクリルスタンドを確保することができました。クエスト難易度としては低めですし、アクリルスタンド自体も1種類のみということで「レア探し」「効率のよい買いかた計算」などのハードルもありません。歯ごたえがないクエストであったのは確かです。

しかし、久々にこの作業に取り組むなかで、僕はようやく日常が帰ってきたような気持ちになりました。しずくのように垂れるわずかな情報を待ち、羽生氏不在の時間を雑誌とクエストで埋める。歩き回ったり、電話をかけたりするなかで、想いを確認する。そんな「日常」が戻ってきたような気持ちに。

今はいわゆる「熱狂」の時期です。今回のクエストクリア報告に対しても、たくさんのレスがつき、まさにこれから初めてのクエストに挑もうとする冒険者らしき人たちがたくさんいました。なかには「I need this」と英語でアクリルスタンドを求める人まで。羽生氏はまさに、世界のスターとして地球規模の存在になっています。

しかし、彼はきっとわかってくれている。どんなに大きな存在になったとしても、里帰りを欠かさないような心持ちで、僕らのことを見てくれている。僕は新しい戦利品を愛でながら、ゆっくりとその時を待とうと思います。世間のアレコレに心ざわつかされることなく、静かに羽生氏を愛でられる時を……。

↓このスタンドの使い道についてですが、コイツを立てる用にピッタリでした!
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「誰かが僕の尻を支えてくれている気がする」
「しっかりと手で支えてくれている気がする」
「芸術的な尻の支えかた」
「絶対にオナラできないという強い気持ち」
「何か、緊張してきた」
「あ、あ、ソコは持つトコじゃないから……」
「しっかりホールドしないで……」
「立っちゃう!しっかり立っちゃう!」

一応、公式にはスマホ立てだそうです!

尻支えではなく、スマホ立ててください!


もし僕が国民栄誉賞を受賞したら副賞はクリアファイルにしますね!