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これが立つ鳥の最後っ屁なのか。かねがね「廃墟」「プレハブ小屋」「ここに住むくらいなら向かいに建ってるマンション買うわ」と不評の声を受けていた埼玉西武ライオンズ・若獅子寮。僕も個人的にその老朽感を間近で確認した際、「新社会人生活をココで迎えるのは率直に言って夢も希望もナイ…」と思うような物件でした。味のある古さではなく、ただただ古い。昭和の市営住宅の残骸のような建物です。
↓最近は未成年のくせに隠れてタバコ吸ったり、それで煙探知機鳴らしたりするヤツがいるので、防火訓練も真剣そのものです!
若獅子寮の火災を想定した消防訓練に新人選手が参加。放水や消火器の使い方など地元消防署の方々に教わりました。「消火活動は本来なら経験しない方がいいことですが、万が一のために役立てたい」と口を揃えて話す新人たち。
— 埼玉西武ライオンズ (@lions_official) 2018年1月12日
何事も準備が大切ですね!#埼玉西武ライオンズ #seibulions #NPB pic.twitter.com/zHTArxQcSE
【望ましい防火対策】
・火が出たらスプリンクラープシャー
・防火剤使用でそもそも燃えづらい
・警報機作動で消防即座に駆けつけ
【現実】
・火が出たら自力で消火器
・昭和基準でガンガン燃える
・消防を待っているわけにはいかない
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しかし、そんな若獅子寮にもいいところがあるのです。
それがカレー。「寮はボロいがカレーは美味い」「いつでもカレーが食べられる」「最高だブー」と食事に関しては選手からも好評を得ており、それが「打てそうな投手をデブが打ちまくる」という西武打線の形成にも貢献しています。カレーって小麦粉ベースの「粉もの」ですからね!粉とコメのコラボレーションですからね!イッツァヘビーカロリー!
まさに結婚の心得のような感じで「選手の胃袋」をガッチリつかまえることで、西武ライオンズは現在の繁栄を築いてきた……それが我々に残された最後のファンタジーだったのです。どうやってもボロく、古いアルミサッシが言い知れぬ寂しさを誘い、選手が動画配信中に停電を起こす物件ではあるけれど、自由に出入りできる刑務所みたいな物件ではあるけれど、食事だけは夢のように美味い。それが僕らが選手をそこに放り込むときに、親御さんを説得する材料でした。
「なぁ幸太郎、アソコはやめておけ」「お父さんが金出してやるからマンションに住みなさい」「あそこは高度プロフェッショナルが住む場所ではない…」と駄々をこねる親御さんに、アスリートにとっての食事の重要性を説き、練習場への近さなどと合わせて、「ここに住むことも練習のウチです」と納得してもらう。その最後の切り札が寮の食事だった。たとえ森友哉が普段は松屋のカレーを食べているとしても、寮のカレーのポジションは守らなければならない。それが西武の最後のアピールポイントだったのです。
だが、とうとう若獅子寮の建て替えが決まり、19年夏頃には新若獅子寮が完成するとなったことで、西武はファンタジーを守る意識を失ったのでしょう。秘密のベールを剥ぎ取り、「建物はめっちゃボロいっすけど、このカレーは絶品」と言い張ってきたカレーを世間に広くさらしていくことを、軽率にも決めてしまったのです。
↓寮の味を再現した若獅子カレー、ついに発売!
<【西武】若獅子寮のカレー再現し発売…松井稼頭央「懐かしい味」>
西武は2日、「西武ライオンズ 若獅子寮」で選手が実際に食べているカレーを再現した「WAKAJISHI Curry(若獅子カレー)」を発売すると発表した。
(中略)
豚肉とたまねぎを煮込んだ中辛のカレーとなっており、若獅子寮の料理長監修のもと、1年以上の歳月をかけて完成させた。【西武】若獅子寮のカレー再現し発売…松井稼頭央「懐かしい味」 https://t.co/psrx8Q7SaA pic.twitter.com/7y8LGFTomk
— スポーツ報知・野球取材班 (@hochi_baseball) 2018年4月2日
なんで毎日いつでも食べられるものを再現するのに、1年以上の歳月かかってんだよ!
そのまま持ってくりゃいいじゃん!
↓改めて松井稼頭央さんの感想を聞くと微妙なまがいもの感も!
稼頭央:「お店のカレーっていうよりは、なんかこう…」
稼頭央:「家庭的なカレーだと思います」
稼頭央:「やっぱり美味いな」
稼頭央:「美味しい!」
稼頭央:「進化しているんですね」
稼頭央:「僕たちが寮にいた頃よりね」若獅子寮のカレーを再現した『WAKAJISHI Curry(若獅子カレー)』を #松井稼頭央 選手が試食!懐かしい味にスプーンが止まりませんでした!4/3(火)のホーム開幕戦より球団公式フードトラック「Lions KItCHEN」で販売します!https://t.co/Dr0vE1uMDT#seibulions #NPB #埼玉西武ライオンズ #獅子まんま pic.twitter.com/vXU716mv8p
— 埼玉西武ライオンズ (@lions_official) 2018年4月2日
昔とは味、違ってるっぽいぞ!
「改良を繰り返してきた」と言い張ってはいるけれど!
もしや、毎日食べてる選手に試食させると何か都合悪いことでもあるのかな!
「寮のカレーとはちょっと違いますね…」とか「うわ、何これ、オイシイ!」とか!
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野球ボール2個と並べて撮影したサンプルはスモールサイズで700円とのこと。世間からは「何故ちっちゃいほうで撮った」という声も上がりそうですが、これは西武球団ならではの心遣いです。一般のお客さんにはスモールサイズを食べてもらいたい、という。じゃあ何故サンプルよりデカいレギュラーサイズ850円が存在するかというと、そっちが若獅子サイズだからにほかなりません。「西武のデブはこんなにカレー食べてるんだぁ」という体験をしてもらうために、あえて若獅子的な「レギュラー」を用意し、ただしそれを気軽に注文されても困るので「スモールが一般向けですよ」という広報展開をしているのです。
↓ちなみにこちらは横浜DeNAベイスターズが販売している、青星寮のカレーです!
【 #ベイスターズ #カレー #神奈川 】横浜の小学生がうらやましいよ〜ベイの選手が暮らす「青星寮」のカレーが、なんと給食で登場。本物の味にこだわり、タマネギをアメ色になるまで炒め、クミンパウダーを加えた本格派なんだって。 https://t.co/b7pgMJhkRH
— アレアちゃん・朝日新聞地域ニュース (@asahi_chihen) 2017年4月25日
レギュラー800円、ハーフ500円、選手盛1200円!
こっちは明らかにニンジン入ってるし、福神漬けもついてる!
大丈夫か!?若獅子寮カレー!?そっくり路線で勝負して!?
もしや「横浜がめっちゃ儲かっているらしいぞ…」が企画の出発点なのだろうか。だとしたら、この戦いは禁断の果実かもしれません。ベイスターズはたとえカレーが少々まずかったところで、「寮の食事にご満足いただけない場合はシウマイなどをお食べください」と地元のグルメをすかさず提供することでカバーができます。しかし、西武には地元のグルメがない。食べログで星3.0台の球場内グルメしかない。若獅子寮カレーは、あの地域で「もっとも美味いのではないか?」と噂された、地域最後の希望なのです。
この戦い、絶対に負けることは許されません。極端な話、今からでもいいので帝国ホテルのカレーを大量に買ってきて、温めて出してほしいくらい。万が一にも若獅子カレーについて「普通やね…」という評判が広まってしまうようなことがあれば、地域のグルメは終わりです。「青星寮カレーのほうが普通に美味い」などとファンからのジャッジがくだろうものなら、もはや西武に入団する理由さえなくなってしまいます。
守れ、若獅子の味。
守れ、地域の誇り。
この際、採算を度外視しても構いません。野球で負けるのは構わないけれど、カレーで負けるのは許されません。入れられるもの(※味の素など)はなんでも入れて、寮界ナンバーワンカレーの座を勝ち取らなくては。これは誇りをかけた聖戦です!!
↓栗山家のカレーと浅村家のカレーが普通なのは平気だけれど、若獅子寮のカレーに負けは許されない!
何らかのクスリとか入れよう!
「うわぁぁぁゆめのようなおいしさだぁぁ」となるヤツを!
販売所はOBの清原氏がたぶん知っている!
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建物が立派でも、立地がアレなら、結局ウリはカレーしかないのだから!
元々ベイスターズファンですが、フモさんのおかげでパはライオンズ推しになりましたので。
ちなみに青星寮カレーは、ちょっとだけスパイシーな洋食屋さんテイストで美味しいですよ。コスパは考え物ですが