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12:00
責任を取って貴乃花を2階級降格させます!

またも角界に問題が発生してしまいました。「新たな」ということではなく、ずっと前からそうだったものが、相撲監視員が世間にたくさん発生している状況で、改めて顕在化したということなのですが…。

事件が起きたのは京都府舞鶴市で行なわれていた春巡業、大相撲舞鶴場所でのこと。舞鶴市長が土俵上で挨拶をしているさなかに突如として倒れたのです。当然その救護が行なわれるわけですが、観衆のなかからも何人かの方が駆けつけました。ところが、そこに「女性」と思しき方が含まれていたことから、場内アナウンスをつとめる行司が「女性の方は土俵から降りてください!」とアナウンスをし始めてしまったのです。

↓まずは会場で撮影されたという動画から状況を確認していきます!


(市長、挨拶中に倒れる)

呼び出しを含めた数人が駆け寄る

「みなさま、お座りいただきますようお願いいたします」

「お座りください」

女性と思しき観客が土俵に上がる

女性、周囲の男性をどかして心臓マッサージのような動き

もうひとり女性と思しき観客が土俵に上がる

呼び出しらに何やら声をかけると、呼び出しらは一歩退いて、2人目の女性を招き入れる動き

さらに女性と思しき観客が2人土俵上に

「女性の方は土俵から降りてください!」

「女性の方は土俵から降りてください!」

警備員が駆け付ける

「女性は土俵から降りてください!男性にお任せください!」

3番目の女性と4番目の女性が一旦降りようとするも再び救助に加わる

1番目と2番目に上がった女性と思しき観客が土俵から降りる

AEDと思しき機材が到着

3番目と4番目に上がった女性と思しき観客が土俵から降りる

担架が到着、関係者から救急車を呼んだという報告

担架で市長が運ばれる

市長はその後、病院で意識を回復したとのこと!

まずは速やかに救助が行なわれて何よりでした!


↓この件を受けて八角理事長はコメントを発表!

八角:「行司が複数回アナウンスを行なった」
八角:「行司が動転して呼び掛けたもの」
八角:「人命にかかわる状況には不適切な対応」
八角:「応急処置をしてくれた女性に感謝」

これは行司は2階級降格だな!

そして、貴乃花もついでに無給3ヶ月!

貴乃花は巡業に連れていってもらえてないけど!

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かねてより角界には「土俵は女人禁制」という伝統があります。理由はよくわかりません。豊穣を司る神が女性神であるため神を降ろした土俵に女性を上げるとお怒りを買うとか、神道における「けがれ」的なタブーであるとか、あるいは煩悩をかきたてる…要するにエッチなことを考えてしまうからであるとか、いろいろなことが言われております。それは当初よりさしたる理由のないものだったのでしょうが、今に至っては「伝統である」ことだけが理由のマイルールです。神様はいないし、女性がけがれだなんてことはないし、相撲取りは土俵でエッチなことを考えたりしないのです。

それでも、わんぱく相撲の少女が国技館の土俵に上がることを拒まれる。知事が表彰式で土俵に上がることを拒まれる。断髪式で引退する力士の娘が土俵に上がらず、土俵下から花束を渡す。この「伝統」を守るために、ほかの世界では考えられないような出来事もたくさん生んできました。ただ、それはあくまでも平時においてのこと。マイルールを適応できる「相撲エンターテインメント」のなかで事が行なわれているときの話です。歌舞伎や宝塚だって、むやみに女性や男性が舞台には上がらないように。僕自身もそういう演出は問題ないと思います。

しかし、エンターテインメントの外側に事態がハミ出したとき、演出は捨てないといけない。人が倒れて誰かが救助に駆け寄るとき、それが女性だとか男性だとか言っている場合ではありません。その意味では、今回のアナウンスはまったく不適切でした。行司的にはいつもどおりの対応をしただけなのですが、今がエンターテインメントの内側なのか、外側にはみ出して世間のなかにいるのかが区別がついていませんでした。

「座布団を投げないでください!」並みに「本当に止めさせようとまでは思っていない」アナウンスだったかもしれません。あるいは「追加で上がる必要はなかろうもん」という若干の程度の差があったかもしれません。ただ、どちらにせよ「救助を止めろ」という受け止め方をされるアナウンスは不適切極まりないものでした。女性だろうが男性だろうが、能町みね子さんだろうが、40代式守伊之助であろうが、マツコ・デラックスさんであろうが、救急措置に努める人を止めてはいけなかった。暴力問題と同じ根っこですが、角界のマイルールが「世間のルール」の上にあるかのような根本的な勘違いが生んだ事件でしょう。世間のほうが優先される、それは当たり前のことなのです。

↓どうでもいいけど、「靴を脱げ」とは言わないんですね!

「ダメだよーーー靴はーーーー!」

「上履きだろうが何だろうが、ダメだよーーー!」

「土俵にはスリッパで上がれーーー!」

とは、言わない程度のマイルールです!



さて、今回の件を踏まえて角界は対策を考えていかねばなりません。いや何も、僕は角界の伝統をなくせと言いたいわけでも、相撲ごと滅べなどと言うものでもありません。むしろ逆で、こうした「マイルール」はできるだけ守るべきだと思っています。それがエンターテインメントの魅力でもあります。大切なのは世間のルールを遵守しながら、結果的にマイルールも守られるようにすることです。模索する方向はふたつ。「女人禁制を守るために、男性だけで事が済む態勢を築いておく」か「女人禁制に例外的な抜け道を設ける」かです。

たとえば、男性医師を常に土俵下に待機させておき、「観衆からの救護」が一切無用という状況を作るのはどうか。これで大体のことは回避できそうですが、土俵上で相撲取りと行司が「このデブ野郎!」「このセクハラ野郎!」「この貴乃花一門野郎!」とバトルロワイヤルを始めて共倒れになったとき、ひとりやふたりの医師では対応が効きません。かと言って、観衆が土俵に上がれないくらいにジャンパーを着ているヒマな親方と力士で土俵を埋め尽くすという策も難しい。今回の動きを見ても、こういう場合は「あわわわわ」となるのが普通で、「女性観衆が救護に上がらないように我々で土俵を埋め尽くすぞ!」などととっさに動けるはずがないのです。

やはり男性だけで事を済ませるのは現実的ではないでしょう。ヘタにデブが初めての心臓マッサージに挑戦して、思いっ切り体重をあずけるのも怖い。そもそも男性とか女性とかの定義もいい加減じゃないですか。生物の性別としてのことを言っているのか、人間の心としてのことを言っているのかすらわからない。女装してきた人はアウトなのか、心は女性だけど今日は紳士服で来ましたっていう場合はセーフなのか、もとがどうでもいいマイルールだけに、とっさに守れるほどの理屈もないのです。

やはり、「例外的な抜け道」を用意しておくほかありません。

これは世間とはまったく関係ないところで、「やっちゃったけどセーフ!」と自分たちが納得するためのものです。もともと無意味なマイルールを守るために、そのマイルールが脅かされたときにカバーする新たなマイルールを作るのです。漫画やゲームでひとつの能力が生まれたとき、それを破る新たな能力が開発されたりするでしょう。どちらも作者が考えたマイルールですが、エンターテインメントのなかでは「なるほどぉ」と納得するでしょう。「聖闘士には同じ技は二度通じない」とか「瀕死の状態から復活するとパワーが増す」とか「武装色の覇気なら自然系にも通じる」みたいなヤツです。

それを考えておけば、エンタメの枠外に相撲がはみ出して「女人禁制」が破られたときも、そっとマイルールを被せることで「セーフ!セーフ!」にできるでしょう。もっとも、それをやっている場面が見つかったら「お前、市長が倒れてるときに何やってんだ!」と怒られそうですが…!

↓あらかじめ考えておこう!女人禁制が破られたときのセーフ策を!
●あとからホウキで掃いたらセーフルール
やっちゃったあとでも呼び出しがサッと掃けば、何となくセーフになるというルール。難点は、簡単すぎて「じゃあ表彰式もやらせろ」などとなりやすいこと。

●浮いてればセーフルール
そもそも土俵の上とはどこなのか。空間座標としてZ軸の正方向なのか。その場合「上空を通過する飛行機の女性客」はアウトなのか。クソマイルールだけあって定義はあやふや。ただ、靴に異常にこだわるあたり、接触はマズイということっぽいので、浮いていればセーフということにしたい。余裕があればお姫様抱っこか、レッドカーペットで。余裕がないときは、なるべく早く「持ち上げる」。

●非常事態宣言すればセーフルール
そもそも「けがれ」説を前提としたマイルールは、その時点でアウトでした。けがれ説を蹴り飛ばしまして、「神様が怒る」説で検討していきましょう。浮いてればセーフなどというクソ追加マイルールは神様には通用しません。ここはひとつ、神様にお断りを入れましょう。神が宿る行司、あるいは現人神である横綱が大地に向かって「ヒジョージタイ!」と呼びかけるのはどうか。これなら女性が駆け寄るより先に実行できそうですし、万が一見とがめられても「伝統を守ってる場合じゃないだろ!」と怒られることはないはず。まぁ、「クチじゃなく手を動かせ!」って怒られるかもしれないですが。

●「失礼しまーす」すればセーフルール
男性用トイレに入っているとき、女性清掃員が入ってくることありますよね。あそこも女人禁制のはずですが、それは世間的にもセーフということになっています。あそこでアソコが出ていてもセーフになるのは、たぶん入ってくるときに「失礼しまーす」と言うからでしょう。基本的には止めるのだけれど、どうしても必要な人がいる場合「失礼しまーす」と言ってくれたらセーフということでどうでしょう。最終的には「心のなかでもOK」ということにマイルールを定めれば、誰が上がっちゃったあとでもコッチ側の気持ち次第で「今のはセーフ」にできるはず。

●エッチなこと考えてない動きをすればセーフルール
女性が土俵に上がってしまうと、力士の立て褌ががっぷりしてしまうようなら、その本能を理性で超えていくようなマイルールが必要でしょう。僕も電車でそうしているのですが、「私は痴漢ではありません」ということを示すため、片手ででつり革を握って片手は顔面前スマホ保持、もしくは両手でつり革を握るという所作を意識しています。同様に力士たちも、決してがっぷりしていないことを示すためそんきょの姿勢で柏手でも打ち、いわゆる塵手水をするというのはどうでしょう。「武器は持ってないですよ」と示す所作だという塵手水であれば、マイビール瓶もがっぷりしていないことを示せるはず。有事の際にそんなことしていたらバカみたいですが、力士が救助に向かわなかったとしても、力士だからしょうがないとなるでしょう。心配なのは「オイ!お祈りはやめろ」と怒られるかどうか、くらいです。

うむ、いけそうである!

こっそりと女人禁制上書きセーフルールを作ろう!

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こうした「マイルール」的な部分は相撲の魅力でもあり、相撲が抱える闇でもあります。どう守り、どう折り合いをつけていくのかは角界の永遠の課題でしょう。伝統ということで何も考えず受け継ぐだけでなく、世間のルールの上にどう乗せていくのかを考えていきたいもの。マイルールを守るために、マイルールを何度でも解釈し直していく。そのアップデートは、どんな業界、どんな業種でも避けられない、時代に合わせた進化だろうと僕は思います。できるだけ長く、この不思議なマイルールを守って、不思議な大相撲をつづけていきましょう。一度途切れたら、「デブがちょんまげまわしで取っ組み合い」などという不思議なものは復活できないと思いますから!


失礼申し上げた観客には、あとで貴乃花をお詫びにうかがわせます!