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07:00
ミスター羽生結弦展を見くびらないでくれたまえ!

おお、フモフモよ、死んでしまうとはなにごとだ。ガバッ、ムクッ。うわ、生き返った。いやー、こっぴどくやられました。まさかこれほどとは。羽生氏のすごさをわかっているつもりのようで、まったくもって見誤っていました。僕の頭のなかでは、王様の格好をしたブライアン・オーサー氏が例の顔で「ミスター羽生結弦展を見くびらないでくれ!」と言っています。すみません、甘かったです。

大羽生感謝祭(※ヤマザキ春のパン祭りみたいなもの)が開催されている4月の日本列島。その最初の大玉花火として打ちあがったのが全国をツアーする羽生結弦展・日本橋高島屋公演でした。僕も初日から足を運びました。気持ちはデパートの最上階でやっているイベントのつもりです。デパートの最上階でやってるんだからそう思って当然です。しかし、これはデパートのイベントではありませんでした。新たなクエスト、それも極めて強大なチカラを持つキューピー四天王を捕獲する、超難関クエストだったのです…!

↓全然そんな素振りは見せずに、闇は忍び寄っていた!

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高島屋という恐るべき何らかのチカラが潜む魔の島!

勇者よ立ち上がれ!朝早くから並べ!

そして、ずっと立っていろ!キューピー四天王を捕獲するまで!

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4月11日朝、僕はいつもよりも早く家を出ました。もちろん今日は会社員としてのお勤めがありますが、幸いなことに昼に来客があるまでは事務作業の時間です。僕は裁量労働制をフル活用して、高島屋へと向かいます。そびえ立つデパート外壁には巨大な垂れ幕。羽生結弦展の文字が躍ります。壁面ディスプレイには巨大写真の数々。おぉ、やっとるやっとる。

しかし、ただごとではない気配が立ち込めていました。すでに従業員が大量に表に出張っており、盛んに声をあげています。その声に反応して小走りに動くご婦人たち。ピキーーーン(※ニュータイプ音/テレパシーみたいなヤツ)、これはただごとではない!ぬかったわぁ!僕はひとりの従業員をつかまえ情報を聞き出します。一体何が起きているのだ、と(※大体わかってるくせに念の為確認するタイプの客)。

すると従業員は真剣な面持ちで、羽生結弦展のただごとではない様子を語りだします。大変たくさんのお客様にお越しいただいており、ただいまアチラの入り口にてお並びいただいております、と。そうか、平日昼間という時間帯はご婦人には関係なかったのか。ていうかむしろ、ご婦人のアクティブタイムであったのか。僕は出遅れを感じつつ、最後尾にとりつきます。その時点ですでに店内には長い行列があり、列は建物の外にまであふれています。週末仙台の配布どころではないスピード感です。

↓1000人だとか2000人だとかそれぐらいの数が並んだという報道も!

この人数はデパートじゃなくて、幕張メッセとかの段階じゃないのか!?

デモ集団なら「主催者発表で2万人」って言い張るくらいいる!


それでもまだ冷静さを失う状況ではありません。高島屋の従業員のみなさんは、とてもキビキビと働いています。たくさんのロープを張り、行列の各所に人を配置し、行列を繰り合わせています。このあたりは伊達に高島屋ではありません。「百貨店ってマンツーマンで店員がくるなぁ」と思っている、あの人数の多さがこの非常事態に余剰のリソースとして活かされていました。

並んでいる側も整然としたもので、2列・4列にキビキビと隊列を組み、静かに前進していきます。あらゆる階段を利用して羽生結弦展のご婦人を並べていくさまは壮観でした。こんなに階段があるのかと驚くほどでした。チラチラと見える1階のグッズショップなどを下見しながら、僕はじょじょに会場へと近づいていきます。

開場の10時30分を少しまわった頃には8階フロアにたどりつきます。会場外側壁面にもいくつかの展示があり、それを眺めたりしながら進んでいくと焦りも生まれません。ほどなく入口付近にたどりつき、「羽生結弦展」の看板も見えてきました。入口までは撮影もOKということでしたので、僕もご婦人もみんなが看板の写真を撮ります。ほかの方が撮影するときに邪魔にならないよう、看板の前を通過する人はしゃがむという文化も自然発生しました。うむ、互いの気持ちを察する集団です。

↓さぁまもなく羽生結弦展会場です!
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もう目の前には羽生結弦展が!

30分くらいで一周して、グッズ買って、東京西川行けばOKかな!


↓入口には羽生氏メッセージと、巨大羽生氏パネルが!
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いよいよ入場です!

ここから先は撮影禁止につき想像でお楽しみください!

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場内は羽生氏の少年時代から現在へと時間を進めながら、それぞれの時代の名場面をパネル展示しています。もちろん写真だけでなく、小学校の卒業文集の展示や実際に使用した衣装・スケート靴の展示などもあり、見どころは十分。僕も「靴紐のほつれ!」「ブレードの使用感!」「ウエスト細っ!」などと言いながら、舐めるように靴と衣装を目に焼き付けます。

衣装は全方位を観察できるようにフロア中央のガラスケースにおさめられていますので、前でも後ろでも上でも下でも存分に愛でることができるでしょう。周囲に展示されている写真を見てから衣装を見ると、「あのときの衣装様だー」とトロントの風が吹いてきます。マルセイユの風とかソチの風とかいろんな風が吹いてきます。

どうやら写真類は企画者である読売新聞社の素材のようで、記事とともに展示されたり、号外の拡大版の展示などもされています。普段からあらゆる写真を集めている方にとっては、「この演技はこの角度じゃないってば!」といった気持ちもわくかもしれませんが、十分に「偉人の歴史」を堪能できる展示となっていました。ごくわずかではありますが昔の映像などもモニターで表示されておりますので、チビゆづクンを大画面で堪能するのもよいでしょう。平昌五輪をキッカケに自分の推しに気づいた人には、羽生結弦物語をダイジェストで体験できる展示となっているはずです。

世界に異変が起きたのはソチ五輪後の時代へと飛んだ頃でした。集団の動きが止まると、ピクリとも動かなくなります。コーナーで遮蔽された向こう側で何が起きているのか、5分、10分と経過するなかで周囲のご婦人にも動揺が見え始めます。もちろんご婦人は歴戦の戦士たちです。ここにいるくらいですから、これまでも幾多の戦いを勝ち抜いてきているでしょう。早速ご婦人たちはそれぞれに連絡を取り始めました。ある者は所属ギルド(※戦闘集団)の仲間に連絡を取り、列の先のほうがどうなっているのかを探ります。またある者は高島屋に電話をして、混乱と動揺を鎮めるため説明のアナウンスを流すように要請します。キビキビしています。

そしてたどりついたホープ&レガシーの部屋。2016-2017シーズンについてまとめた部屋は、ギッチギチでした。その先のエリアもギッチギチなようで、これ以上はイカンとばかりに出口が従業員によって封鎖されています。5分ごとくらいに20人程度を先に送っているもよう。出ていく人数はわずかで、入ってくる人数は止まらないため、部屋は満員電車のよう。もはや展示を見る状態ではなく、壁面のパネルのひとつは外れて落ちていました。

「お客を入れすぎや…」
「みんな頑張ってるけど…」
「客も従業員も頑張ってるけど…」
「片方のスケート靴に両足は入らないのだ…」
「入らんもんは入らん…」
「この会場では無理や…」
「幕張メッセくらいめっちゃ広いスペースで」
「客をゆっくりと送って」
「50メートル幅のグッズ売店を作らないと」
「こうなってしまうわ…」

前後左右をご婦人に囲まれ、韓流スターのような状態の僕は、進むことも戻ることもできなくなっていました。「ウンチでーす!」「ウンチが出そうでーす!」くらい緊急事態を要請すれば道も開けてもらえるのでしょうが、その場合はウンチに行かないといけません。できることなら、この先に何があるのかだけでも見たい。その一心で僕は待ちつづけます。

やっとの想いで平昌五輪シーズンの部屋にたどりついたとき、無情にも僕の裁量労働制は終わりました。さすがに戻らないとマズイ。何とか各種メダルの展示ボックスにタッチしたところで、無念の離脱となりました。もはや東京西川でクリアファイルクエストとか、ましてや1階の売店でグッズ購入(※コッチも行列)とかやっていられる余裕はなく、ただただ帰るだけの撤退戦。

羽生氏の歴代の衣装をまとったキューピー人形が会場では売っておりまして、SEIMEIキューピーとか4種類がいたのですが、それがまたとてもかわいらしくて、すごく欲しくなってしまったのですが手に入れることはできませんでした。売り切れちゃったんですって…。かつてない惨敗でした…。非常に残念です…。

↓会場の様子が気になる方は映像でご覧ください!一応、ネタバレ注意案件と言っておきます!


このぐらいの客入り感で見たいんよ!衣装のデザイン画とか!

幕張メッセを使って5メートル間隔でパネルを張るべき!

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ただ、僕はこの惨敗が何だかうれしくなっています。だって、こんなにも羽生氏が熱狂的に迎えられているわけじゃないですか。グッズを買えなかったことは残念ですが、何よりもこの素晴らしい大羽生感謝祭が盛大に執り行われていることがうれしい。満員のスタジアムや、ギッチギチのライブハウスを見たときのよう。そこに立ち会うことの喜びと、誇らしさがわき上がってくるのです。

そこにはたくさんの「平昌で自分の気持ちを知った」人たちがいるでしょう。おめでとうございます。こんな素晴らしいものに気づかれて。そうした人たちにこそ羽生結弦展は見てもらうべきだと思いますし、何だったら少し順番をお譲りすべきだろうとさえ思います。今、その熱い気持ちで、羽生結弦物語を最初から見始めることがどんなに素晴らしいことか。あの全日本を、あの銅メダルを、あのソチを、あのGPファイナルを、ノンストップで駆け抜けられる。面白い漫画を一気に読みとおすときのような充実した春になるでしょう。

ふとした時間、たまたま訪れたデパートで、うっかり立ち寄ってもらいたい。「歴戦の強者」だけでなく、今まさに始まったばかりの人たちにこそ、羽生氏からの感謝の祝祭を堪能してもらいたいと思います。僕の撤退がひとりぶんの誰かの席になったのなら、それもまた無駄ではない。僕は横浜初日でもうワンチャン、キューピー四天王捕獲を狙えばいいわけですから。

高島屋のみなさん、そして企画した読売新聞社のみなさん、初日で羽生結弦という選手をとりまく「熱量」を十分に感じていただけたと思います。極めて熱量が高く、それを抑制するだけのつつましさも備えた人々です。今後の長い展示ツアーのスタッフに、どうぞ今日の大変さを共有してください。そして、十分な熱量を持ちながら、泣く泣くいろいろなものを断念している人もいるという情報を、今後の運営に役立ててください。

転売屋が限定グッズを高額で売りさばいているといいます。羽生氏のグッズはこれまでほとんど発売されておらず、熱量の高いファンが待ちに待った「公式グッズ」です。来場者の見た目はプーさんみたいにフワフワしているかもしれませんが、グッズを見るときの目は鋭く光っています。欲しい。買えない。行きたい。行けない。ジリジリしています。何度も「全部詰めたセット商品」を高速で売りさばくよう求める声が周囲から聞こえてきました。

だからこそ、そうした人の足元を見るような転売行為をのさばらせてはいけない。公式が「受注販売」を発表すれば、そうした転売行為に壊滅的な打撃を与えられるはずです。発表だけでもいいのです。「会期終了後に受注販売の機会を作ります」だけでもいい。「余るの確実なほど増産するぞコラ!」でもいい。半年や一年待つのは造作もないことです。待つのは平気だが、正しく待ちたい。

僕はモノをただ欲しいのではなく、「正しい手順」で欲しいのです。

正しい手順で買い、正しい場所にお金を届け、胸を張ってそのグッズを使いたい。「正しい」ことがセットで、ようやくその行為は完結するのです。「徳を積む」じゃありませんが、正規のルートで攻略をした結果として戦利品を得たい…そんな気持ちなのです。羽生氏がそういう「正しさ」を持っている人だから、熱量が高まるほどファンも襟を正す、そんな関係性なのです。そのことにご理解いただきつつ、引きつづき運営を頑張っていただけるとありがたいです。

今週末の土日は、特に遠隔地からのファンも集う日程です。大羽生感謝祭の大玉第二弾、「Continues〜with Wings〜」が開催されるからです。新幹線で東京駅に降り立った人、あるいは東京駅から新幹線で帰る人が、きっとたくさん立ち寄るはず。「あと15分で新幹線出ちゃう!」というケースもあるでしょう。これぞ高島屋という手際で、ケースバイケースでさばいてあげてください。

みんながこのお祭りを楽しめますように!


次は土曜の夕方くらいにいくと思うのでよろしくお願いします!