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09:00
いい謝罪会見でした!

ついに姿を現した日大アメフト部監督・内●正人氏(※柴ではなく田)。19日に関西学院大学を訪問し、関係者に謝罪したうえでアメフト部監督を辞することを明かしました。僕はこの一連の流れを見ながら、「さすがアメフトの監督、謝罪に関してもいい戦術眼を持っている」と感服しました。

そもそも謝罪とは何のためにするものでしょうか。「相手に許してもらうため」とお考えだとすれば、それは謝罪をはき違えていると指摘せざるを得ません。言葉で取り繕えるのはさしたる問題でもないことばかり。「ゴメンで済むなら警察はいらない」の裏返しで、謝罪には「ゴメンで済む」程度のヤツを処理するチカラしかありません。ゴメンで済むヤツを処理するときは言葉を尽くして謝罪文を書いたりもしますが、ゴメンで済まないヤツを取り繕う言葉など、この世には存在しないのです。

相手が許すのは、罪人の態度や行動であり、言葉はその伝達手段に過ぎません。たとえば、殺しちゃった相手の家を何年も訪ねるとか、ずっと仕送りをつづけるとか、長い時間、長い悔恨の日々が「許し」となって人の心を動かすこともある「かもしれない」だけです。アカンときの謝罪は儀式であり、節目のセレモニー。形式上の儀式だけ済ませればそれで終わりです。ソッチもどうせ許さないだろうし、コッチも許してもらえるなどとは思っていないのですから!

↓「謝罪」という大きな儀式を済ませ、清々しい気持ちで日曜日を迎えた内●正人氏!


「今日は野球でも見ながらビール飲んじゃおうかな!」くらいのゆとりが人生には欲しい!

心のつかえが取れて、まずはホッとひと安心です!

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まずこの謝罪に至るにあたり、どこが勝負所であったか。それはただ1点、「あの危険行為が、内●監督の指示によるものであったか、なかったか」であり、それ以外のすべては些末な問題です。ここで欲目をかいて「監督をつづけたい」などと思ってはいけません。ここまで事態が拡大した以上、監督責任を問われるのは必定。砦で言えばもうそこは落ちているのです。落ちた砦に兵力を割くことは無意味であり、火でも放って攻め入った敵兵を少しでも削るほうが有益。勝負所は指示の有無。ここさえ「監督の指示ではない」と守りきれば、この試合は最悪の事態を回避しての逃げ切り勝ちとなるのです。

もしアレが「監督の指示であった」と認定された場合、それは試合中のアクシデントという域を超えて、内●正人という人物の品位を地に落とすことになります。つきまとう「暴力監督」という汚名と、相手方からの告訴等による追及が、実生活にも大きなマイナスをもたらすことになります。教育者を名乗ることも不可能となり、現在つとめる日大の常務理事という立場からも退かざるを得なくなるでしょう。「お前、アイツを怪我させてこい」はヤクザの親分の業務伝達と同じであり、普通に犯罪なのですから。

逆に言えば、「監督の指示であった」と認定さえされなければ、相手方が何を怒ろうが関係ありません。「そんなこと言われましてもやったのワシじゃないし…」とキョトンとしていれば、攻撃は届かないのです。「指示だったのではないか?」という疑念で日大アメフト部が試合を組めなくなって困るのはワシではないし、その影響で学生がどうなろうと困るのはワシではないのです。「困るのはワシではない」のです。

「指示の有無」に関するディフェンスラインを崩すのは当日の発言、あるいは日常的な指示がどのようなものであったかという学生からの証言になるわけですが、どんなカードが切られるのかを冷静に見定める時間を確保することから守備側は動き始めました。内部調査はもとより、広報からの観測気球コメントなどで様子見をし、週刊誌やワイドショーが何を報じるかしっかりと見定めるだけの時間を取って、「誰も録音したりしてないよな?」という感触を探ったのです。

そして、致命的なカードは出てこなかった。

学生たちの証言とされる言葉は、どうとでも取れるものばかり。やれと言ったようにも聞こえるし、言ってないようにも聞こえます。何度か「指示したつもりねーし」という主旨の広報コメントを出して煽ってみても、週刊文春あたりからLINEの画面とか関係者の録音したテープとかは出てきませんでした。試合があったのが6日、問題が大きくなったのが9日、そこから二度の週刊誌発売を迎えても、ベッキーさんを仕留めたような致命的な物証は出てこなかったのです。

↓「すぐに交替させなかった」とか「戻ってきたとき労った」とかはどうとでも言える程度の話です!


「あまりのプレーに私自身も動揺を禁じ得ず…」
「交替を忘れるほど茫然自失していました…」
「咎めるつもりで頭部に軽く触れました…」
「一体どうしてこんなことになってしまったのか…」
「私にもまったくわかりません…」

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しっかりと固めたガードの隙間から相手をうかがい、このパンチは効かないと感触を探ったうえで、ガードを解いて反撃に出る。老獪なボクサーのような振る舞いは、さすがとしか言いようがないものです。この期間、何の情報も与えずに、しっかりと相手の出方をうかがえたのは、戦術家として一流だなと間接的に感じさせるものでした。戦術下手はここで「不倫してません」とか先に言っちゃうから、「ウソつき」という余計な火の手を生むのです。沈黙は金、です。

致命傷は負わないとわかったところで、謝罪に向かうわけですが、ここで大事なのは余計なことを言わないことです。将来的な刑事裁判の可能性を考慮すれば当然ですし、そもそも何か言う必要もないのです。繰り返しますが、「どうせ許してくれないだろうし、許してもらおうとも思っていない」というのがゴメンで済まないときの基本精神。「すいませんでした!」「すんません!」「すんませんしたー!」だけオウムのように繰り返していればいいのです。

その意味で、内●氏の対応というのは完璧と言えるものでした。大きな節目を越えるだけでなく、この先何らかの悪材料が出てきてもリカバリーが効く、攻防一体の謝罪。アメフトよりもむしろ、攻めながら守ったり、守りながら攻めたりする機会が多い、サッカーとかバスケの監督とかに向いているかもしれませんね!

↓メディアの前に姿を現した内●氏の対応はさすがの一言!
【大事にしたいポイント】
●指示の有無については一切言わない
●人間としての品位を落とさない
●コレで手仕舞いとすることを示す

【実際の対応から見るよかったポイント】
●スーツ姿で堂々と対応
当然ではありますが、不都合なときこそスーツに限ります。世間はことの仔細や発言内容などで判断しません。いちいち勉強するのは面倒だし。アメフトのルールも知らないくらいに遠い場所にいる人は、態度とか人相で判断するしかないのです。スーツ姿で、しっかりと前を向き、明朗かつ沈痛な声で堂々としゃべる。ネクタイの色がちょっと明るすぎることを除けば、よかったと思います!

●「一切の弁解はしない」というキラーフレーズ
本音は「何も言いたくないっす」になるのですが、本音を言うと余計に怒りをかき立てるじゃないですか。それを完璧に言い換えたのが「一切の弁解はしない」という、この会見のキラーフレーズ。これにより、立派な人物感を漂わせること、「むしろ学生をかばっている?」という好印象、そして「余計な情報を与えない」という効果を一気に得ることができました。もちろん裁判までいったら言うべきことは主張はしますが、メディア相手に弁解するなんてホント無駄。謝罪会見をする機会があったら僕もマネします!

●「責任はすべて監督にある」で押し通す
引責辞任は逃れようもないことと理解したうえで、逆にすべてを「監督責任」に乗せていく。これは非常に上手い対応でした。全部を「監督責任」に乗せるように処理していけば、すでに死んでいる「監督」にオーバーキルのダメージが入るだけで、「社会人」とか「教育者」とか「常務理事」といったほかの部位へのダメージにはつながりません。死体を盾にするようなサバイバル術、かなり戦い慣れているとお見受けしました!

●関西学院大学を前面に押し出す
「それは関西学院大学さんのご迷惑になるかも」「それは関西学院大学さんに言います」「それは関西学院大学さんに聞いてみないと」「関西学院大学さんに一番先に謝罪してから」と、隙あらば繰り出される関西学院大学理由のお断り。別に言っても構わない程度の話かもしれませんが、余計なことは一切言いたくないというのが今回のキーポイント。関西学院大学さんに関することは、機械的に「それは関西学院大学さんの話なんで言わないっす」で処理していくというのはミスを防ぐ手堅い対応でした。知りたいことがあったら、関西学院大学さんに聞いてくださいね!

●リカバリーの機会を24日まで残す
関西学院大学さんへの最終的な回答は24日に文書で送るとしたこと、これもまた上手い対応でした。「もうワシは辞めるし、この先は出てこないぞ」と幕引きを宣言したことで、攻撃側に切れるカードがあるならもう切らざるを得ません。もしそこに痛打が残っていても、24日の最終回答で軌道修正をすれば大丈夫。来週発売の週刊誌の中吊りと早売りを見てからでも文書の送付は間に合います。特に何もなければ現状どおりに「ワシが激しさを求めたことでカンチガイさせてしまったかもしれんね…」で御回答いたします!

●ダミーの攻め所「くわんせいがくいんだいがく」
往々にして世間というのは「ヒマだなー、叩けそうなものがあったら叩きたいなー」というだけで、心の芯に怒りや恨みを抱えてはいないものです。怪我したのは自分じゃないし、自分の息子でもないのですから。適当に棒でも振らせておけば、2週間程度で騒ぎはおさまります。だって、今もうアナタの心から山ロメンバーのことはほぼほぼ消えてるでしょう?そんなものです。適当に棒を振らせるという意味で、関西学院大学を「かんさいがくいんだいがく」と発音したのは見事な煙幕でした。棒を持った世間の結構な量が「カンサイじゃなくてクワンセイだ!」とどうでもいいところを殴りに行ってくれたのですから。そのまま2週間くらいカンサイを殴っててください!その言い間違いは、今後の人生にほとんど影響のないヤツですから!



謝罪が下手な人って、余計なことを言って火だるまになったり、謝りすぎて焼き土下座しちゃいますよね!

「どうせ許してくれないだろうし、許してもらえるとも思ってない」精神で、スパーンとお詫びだけしましょう!

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まぁ一般論で言えば、ご立派なお詫び文でも読み上げたほうが心象はいいのかもしれません。しかし、ご立派なお詫びには相手の痛みを理解したうえで、問題の原因を明確にするステップが必要です。今回の争点が「指示したかどうか」である以上、ご立派なお詫びというのはそもそも無理なのです。それを認めたら全部終わりだし、認めないならご立派なお詫びにはならないのです。ご立派路線は追いかけるだけ無駄。

もちろん、他人事であれば「あいつクズでした、ほんとゴメン」とも言えるのでしょうが、今回の場合は内●氏が日大の常務理事であり、実質的なナンバーツーという立場であったことも、ことを厄介にしています。「日大」と「内●氏」は別個のモノではなく、かなりの部分で重なっているのです。そのため、「日大が他人事としてゴメンできる」状況ではなくなっているのです。サッカーのクラブなどが「サポーターがやらかしたことをゴメンする」「選手がやらかしたことをゴメンする」のとは大きく状況が異なるのです。

この状況でできることはしっかりとやった。

今回の謝罪は守備側としては最高の対応だったと言えるでしょう。

アメフトで言えば、相手は次のプレーでパントでも蹴ってくる感じなんじゃないですかね!

本当にありがとうございました!


守備側の願いはひとつ、「世間よ早くこのネタに飽きてくれ」です!