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12:00
「貴様も道連れだ!」「放せー!」

ワールドカップが始まる前、意識ご立派マンから口酸っぱく聞かされた「親善試合の結果は本番とは無関係」という主張。僕は今、目の前に広がる揺るぎない結果を見つめながら「やっぱダメなときは普通にダメだな」と実感しています。調子よかったものが急にダメになったり、最後の最後に急に調子よくなったりすることはあっても、ダメなまんま突っ込んできたらやっぱりダメなのだと。

サッカー大国ドイツ、前回大会の王者。「モスクワを目指す」というドイツにとっては鬼門となる設定の今大会にあっても、ドイツは優勝候補の有力な一角でした。今年に入ってからの親善試合でブラジルに負け、オーストリアに負け、サウジアラビアに2-1の辛勝という状態がつづいても、誰がグループリーグで敗退するなどと考えたでしょうか。

だが、それは起きました。20日に行なわれたグループFの3試合目。ドイツは安心こそできないものの、十分にベスト16を射程圏にとらえていました。首位に立つメキシコは勝点6、ドイツは勝点3、スウェーデンは勝点3、そして韓国は勝点0。韓国との対戦となるドイツは、そこで勝てばまぁまぁベスト16にはいけそうな状況です。

得失点差・総得点の関係で「ドイツ1-0韓国」「メキシコ0-1スウェーデン」となった場合は、ドイツ・メキシコ・スウェーデンと3チームが横並びとなり、反則ポイントでの決着という可能性もあり得ますが(※反則ポイントではドイツが2戦目で退場者を出しているぶん不利)、そこまでもつれるとは普通思わないでしょう。ドイツが韓国をボッコボコにしてベスト16進出…それが既定路線だったはず。

↓ドイツは今まで一度もグループステージでの敗退がなかったそうです!

「ドイツだな」
「わかんないけどドイツ」
「こないだもギリで勝ってたし」
「相手韓国だし」
「7-1でドイツだろう」

メキシコに負け、スウェーデンにギリ勝ちでもなお、ドイツは強そうに見えていた!

世界中の節穴がそう思っていた!



NHKのスタジオでも「メキシコとドイツでしょう」という予想が披露されるなか始まった試合。ドイツはこの日も圧倒的です。華麗です。洗練された戦術的な動きを選手たちは披露し、一方的にボールを保持します。ファウル大国・韓国がファウルを仕掛けようにも、ドイツのボールまわしは素早く、広範囲です。ピッチをグルングルンとボールが移動し、ドイツの緑のユニフォームが躍動します。美しいパスを外に展開し、美しい飛び出しからの美しいクロス。まるでビデオゲームのようです。

しかし、その美しさには試合を決める泥臭さ、力強さがどうにもともなってきません。もしもメッシやロナウドのような選手がいれば、ここまでの試合ももっとラクに勝ち、とっくにベスト16進出を決めていたであろうに、チャンスの山を前にドイツの沈黙はつづきます。「阪神の攻撃みたいやの…」「チャンスは作れどタイムリーは出ず…」「残塁残塁&残塁…」と、ゴールの手前でウロチョロするだけのドイツ。決定力不足超大国、そんな言葉も浮かびます。

メッシやロナウドが欲しいとまでの贅沢は言いません。そこまでいかなくても、せめて本田△さんくらいの決定力マンがいれば、このチャンスの雨あられならば十分に決められます。しかし、ドイツには強引にゴールにねじ込んでしまうような力強さがありません。ここにまわせばフリーだ…という隙間が見えすぎてしまうのか、人をかきわけてでもゴールへ最短距離を進むような力強さが。

前半戦、ほぼほぼボールを支配したドイツでしたが、決定的な場面はついぞありません。逆に韓国はブレ球のフリーキックで、GKノイアーがボールを弾くという場面を作り出し、ドイツをヒヤッとさせます。そこはノイアーが素晴らしい反応でリカバーしたものの、先に失点したら危ないなという気配で、ドイツのしびれる試合はつづきます。

↓ちなみにシロクマさん占いによると、韓国もドイツもどっちもボッコボコだそうです!


どっちを予想してるんだか全然わからんwww

ふたつともボッコボコという予想かなwww

合ってるわwwww


迎えた後半。ハーフタイムには他会場の試合がスコアレスであるという状況も聞かされていたでしょう。しかし、その状況はにわかに動き出します。後半5分頃、もういっぽうのメキシコVSスウェーデン戦でスウェーデンが先制ゴールをあげたのです。メキシコの勝ちならば最悪引き分けでも突破ができるところを、スウェーデンが先制してしまいました。ピンチ。

その頃のドイツはというと、決定機を作り出しては枠の外にはずし、あるいは韓国のGKにファインセーブで止められるという状態。さらにはときおりカレーライスだかライスカレーだかみたいな感じで、ムンソンミンだかソンフンミンだかにゴールを脅かされるという始末。勝たなければいけない状況なのに、逆にときどきヒヤッとする。僕のなかのドイツ人サポーターは「韓国のGKをカワシマに替えてくれ!」と叫び始めています。決定力不足超大国が、崖っぷちに追い詰められました。

ドイツが攻めあぐねるなか、どんどん得点を重ねるのはスウェーデン。2-0から3-0へと点差が広がったのは、ドイツにとってはむしろいい報せでした。向こうが1-0でスウェーデン勝ちならドイツは2点を取らないといけないところですが、大差となったことでメキシコが得失点差を大きくロスし、ドイツは1-0の勝ちでもOKという状態に戻ってきたのですから。とにかく勝てばいい。どんな形でも勝てばいい。相手のGKがパンチングして弾いたボールが目の前の自軍選手に跳ね返ってゴールに飛び込むようなクソゴールでもいい。KAWASHIMAでもいいから勝てばいい!

最終的に26本ものシュートを放つことになるドイツの猛攻。しかし、チャンスは少なくゴールは遠く彼方。撃ってはいるけれど、入る気がしないシュートばかりです。だんだんドイツサポーターの美女たちの目がポヤーンとしはじめています。やがて試合はアディショナルタイムへと突入。特に時間をロスした感じがない試合でしたが、表示された時間は最大限に忖度をきかせた「6分」。ドイツはこの6分で1点を取れるのかどうか。

しかし、ドイツにとっての残り時間は韓国にとっての残り時間でもあった。アジアの虎はすでに崖の下に落ちている状況でしたが、ドイツの足に噛みついて「さぁ一緒に崖下に落ちようじゃないか」と引っ張り始めたのです。アディショナルタイムに入って迎えたコーナーキックの場面。低く入れたボールがもつれてこぼれて、韓国がゴールに蹴り込みます。一旦は忖度オフサイドの判定となりますが、ここでVARから「ビデオ見ろ」の殺しのメッセージが。

スローでよくよく見ると、何とドイツのクロースが、オフサイドポジションにいた韓国の選手にパスを出しているではありませんか。相手競技者が意図的にプレーしたボールを受けた場合は、オフサイドポジションにいたとしてもオフサイドとはみなされません。ドイツの華麗につなぐサッカーが、まさかこんなところで裏目に出るなんて。アジアの虎と決定力不足超大国が一緒に崖下に落ちていきます!バイバーイ!チャトマンナ!アウフヴィーダーゼーエン!

↓ドイツが崖下へと落ちていく!決定力不足超大国、史上初のグループステージ敗退へ!(1分10秒頃から)


さすがハリルホジッチJAPANを4-1でボコッた韓国!

ドイツを道連れにするなんて!

世界を驚かせることに大成功!



「ハイ、終わりー!」とメキシコ、スウェーデン、韓国、そして世界から見送られたドイツ。しかし、ドイツだけはまだ諦めていませんでした。もう崖下に落ちているのに、「2点取ればいい」と残り数分に勝負をかけてきたのです。あぁ、素晴らしい。その諦めない心。燃える魂。僕もそういうチームが好きですし、世界のファンもそうでしょう。ここでポッキリ折れるようなら面白くありません。もうダメなのに、なおもがく姿にゾクゾクする。

そしてドイツはGKのノイアーまでもフィールドプレイヤーのような位置にあがり、攻撃に参加します。ゴールをガラ空きにしてもとにかく点を取りにいくという姿勢。崖下から這い上がろうとする姿勢。しかし、それはアジアの虎にとって千載一遇のチャンスでした。崖下に落としただけではなく、崖下で踏みつけるチャンスがやってきたのです。

ドイツがスローインでノイアーにボールを送ったとき、ノイアーのトラップは大きく弾み、韓国選手ふたりにボールを奪われてしまいます。奪ったボールをドーンと無人のゴール目掛けて蹴ると、そのボール自体は枠を外れていましたが、猛然と追いかけたソンフンミンが追いついて、これを押し込みました!まさかの韓国追加点!

↓崖下での壮絶な死闘!鉄壁ノイアーもゴール前にいなければどうということはない!(1分30秒頃から)


韓国、大満足wwwwww

ベスト16は逃したけれど、最高に気持ちいい崖下の勝利wwww


まるでオフサイド勉強会のような終盤の攻防。先ほどの「クロースのバックパスなのでオフサイドになりません」につづき、今度は「通常はGKともうひとりの競技者のところがオフサイドのラインになっているけれど、あくまでもオフサイドのラインは『後方から2人目の競技者』のところです」というお勉強、そして「ただし、オフサイドのラインはハーフラインを超えません」というお勉強。2点目をあげたときソンフンミンはドイツ競技者の「後方から2人目」よりも前にいましたが、そこは韓国陣内だったのでそもそもオフサイドにならない、という素晴らしい学習教材を残して、アジアの虎と決定力不足超大国は大会を去りました。いい試合でした!

ドイツと言えどもこういうことはあるのだと思うと、どの国がどうなったとしても、それがサッカーなのだと受け止めるしかないと改めて思います。今夜は日本もベスト16進出をかけてポーランド戦に臨みますが、何があってもおかしくはないのだから、すべてを受け止めるという気持ちで臨みたいもの。ドイツでも負ける、「これがサッカー」なんですね!

↓泣くなドイツ!あんだけ撃って決められないのは自分たちが悪い!

まさか韓国より下になるとは思ってなかっただろうけど!

勝ったり負けたりはお互いさまです!


↓自分たちだって4年前は開催国のブラジルを7-1でボコって泣かせてたじゃないですか!


ある、あるある!これがサッカーあるある!

お互いさまです!


↓ブラジルからの高笑いが聞こえるけれど、お互いさまです!

楽しそうだなブラジルwwwww

崖下にゴミを投げつけるみたいな高笑いwwww



いいことがあったり、悪いことがあったり、その繰り返しなんですね!