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12:00
総括と採点します!

ワールドカップはまだつづきますが、日本代表の戦いはベスト16で終わりました。ベルギーが優勝するのを見届けてから「事実上の決勝戦だった」と言い張ることも考えたのですが、そこまで待っても言うことに大した違いはありませんので、今大会の日本代表について、さまざまな物議への自分なりの結論も含めて、総括していきたく思います。




監督交代は是だったのか非だったのか

結論としては「交代自体は是、手法は難アリ」というところでしょうか。実際にこうしてベスト16進出をはたし、ベルギー戦での美しいゲームを見れば、この代表チームが監督交代によって特段のマイナスを受けていないことは明らかです。そして「あれ以上」を確約できる監督など誰もいないでしょう。

選手から漏れ聞こえる声も大迫さんの「プラスしかない」という発言に象徴されるように、一貫してポジティブです。もちろんこの場にいない選手はネガティブにとらえているかもしれませんが、チームとして大筋は変わらないでしょう。欧州五大リーグで活躍する主要な選手がここに集い、それらの面々でスタメンが構成され、あの戦いを演じたのですから。誰が選んでもまぁ入るだろう面々が、監督交代をポジティブに受け止め、日本サッカーの有り様を示す美しい戦いを演じた。それを失敗だったとするのは無理筋です。

ただ、手法については反省すべき点があります。

前監督の戦績は解任に相当するものであり、ゆえにさまざまな問題が噴出し、「戦績」で問題を抑えきれなくなった結果として監督解任にいたったと僕は受け止めています。しかし、それは必ずしも全会一致の意見ではありません。「アジア以外のワールドカップ出場国から勝点を取ったのは就任初戦のチュニジア戦だけ」「前監督時代に勝てた相手は全部グループリーグで敗退」「最高傑作とされるオーストラリア戦も、オーストラリアが勝点1で敗退して微妙感強し」「そもそもアジア予選が終わるまで、ほぼアジアとしか戦っていないから本大会直前まで判断不能だった」などといくら言ってものれんに腕押し。「アジア予選を突破した(ときの監督だった)」という実績は、一定の支持を集めるに十分なものでした。

確かに予選突破は大きな実績ではありますが、それは本大会には直結しない実績でもあります。実際に本大会で戦うことのないアジアの国との戦績は「本番であるから」と重視する一方で、本大会で戦う欧州・南米勢との親善試合の結果は「親善試合だから」重視しないというのは、バランスが悪い考え方でしょう。前監督は「本番向けのサッカースタイル」であるということも選考理由のひとつだったはずであり、それが本番で対戦するアジア以外の地域との試合ではめっためたというのでは、なおのこと疑問視されてしかるべきです。

今後も「アジア予選が終わるまでアジアとばっかり戦う」という日程は変わりません。国際Aマッチの仕組みがそうなっているのですから、それは今後も変わらないのです。だからこそ「アジア予選突破」を目指すターンと「本大会でのベスト8」を目指すターンとを切り分け、それぞれに続投の是非を問う機会をしっかりと設けていくことが必要でしょう。

そして、それを世間に向けてしっかりと公言していくことも必要です。監督交代をめぐる物議は、チームと選手に大きな重圧を与えました。重圧はときにチカラを引き出すこともありますが、一部の人から「未来のために負けろ」などというエキセントリックな反発を伴うような重圧は、そういう人たちも気持ちよく応援できずかわいそうですし、チームにもメリットがありません。勝利への期待や、子どもたちからの激励、そういったポジティブな重圧でチームを見送りたいもの。

アジア予選終了後の時期も含めて、定期的な「負けたら解任マッチ」の実施を、ぜひ検討していただきたいものです。


もう「代表監督」を重要視するのはやめよう

先の段落を根っこからひっくり返すようで恐縮ですが、そろそろ代表監督というものに依存し、期待するのはやめるべきでしょう。一年に何日かだけ会う人が、何を強化できるものか。選手の強化はクラブで過ごす日常が本質であり、選手の育成は地域のクラブや学校が本質なのです。そこで積み上げたものを、監督は最後にコーディネートするのが仕事。

弁当で言えば「盛り付け担当」が代表監督であり、代表監督が弁当の中身に影響を及ぼすのはソーセージの本数が2本なのか3本なのか、ご飯は全体に入れるのか半分くらいなのか、といった程度の話。ソーセージ自体の美味さや大きさは、日本サッカーが日常のなかで育てるべきことです。

「日本サッカーの日本化」という大きなテーマ。

幾人かの外国人監督から学びを重ねて、「日本のサッカー」を模索してきたこの20年あまり。代表監督の言葉を通じて、日本サッカー界が知見を得てきたことは間違いありません。大いに参考にはなりました。ただ、最終的に決めるのは日本サッカー界自身であるべきですし、そうでなければ本物にはなり得ません。

幾人かの担当者交代を経て、「話が面白いのは岡ちゃんとオシムだけ」ということもわかりましたし、代表監督にむやみに期待するのは、もう卒業していい頃でしょう。重視すべきは「どんな弁当にするか」を考えて、野菜作りや牧畜から始めるビジョンのほうです。日本代表としてのビジョンを提示し、それが日本代表を目指す子どもたちの規範となり、それに沿った盛り付け担当が選ばれる…そういう形を目指していかなくては。

その意味では、強化委員長であった西野氏が代表監督を引き継いで成功したことは、象徴的な事例でもあるでしょう。「日本のサッカー」を模索する立場の人が、もともとのビジョンにチームを立ち戻らせたことで、わずか2ヶ月という時間でありながら、日本代表が持つチカラを引き出せたのですから。「こういうサッカーだよな?」「そうっすね!」までが一足飛びだったからこそ、わずか2ヶ月で間に合ったのです。

そのビジョンは遅くとも2010年頃には始まっていた「自分たちのサッカー」の模索の延長線上にあるものであり、だからこそわずかな時間で間に合い、だからこそあれだけの試合を演じられたのです。ブラジル大会での「結果論」により、4年の大半を回り道することにはなりましたが、静かに伸びていた根から、ようやく芽が出た。それは代表監督に依らない代表チームの始まり、「●●JAPAN」からの卒業でした。


ようやく見つかった日本らしいサッカー

長年に渡って探し求めてきた答えを、僕は今大会のベルギー戦で見ました。実はコロンビア戦とセネガル戦でも同じものを見ていたのですが、最終的にベルギー戦がすべてを統べる試合として君臨しました。「あれが日本のサッカーだ」と強く思いますし、ああいうビジョンに対して僕は1票を投じたいと思います。

まず、何よりも自分たちの意志を持って仕掛けるその姿勢。いたずらに相手をリスペクトし、むやみに自分を下に見るのではなく、自分たちからアクションを起こす。これは日本が誇るべき個性だと思います。特に今大会はどこのチームもペナルティエリア付近に8人構えて守るというブロックを敷いていただけに、日本の格下らしからぬ仕掛けは極めて個性的でした。誇らしかった。面白かった。

しかもただ突っ込むのではなく、自分たちの強みを活かして突っ込んだことが素晴らしかった。ボールを大事にし、しっかりとつないでいくスタイルは、20本ものパスを連ねた美しい崩しと、自陣深くから鋭くキラーパスを繰り出すカウンターとを両立させました。守備でも苦手な体当たりではなくインターセプトに活路を見い出し、相手のコースを限定しながらいくつものスティールを決めました。古い言葉を借りるなら「ボールは友だち」。ボールに触るのが大好きで、ボールを大事にするサッカーでした。さすが平安時代から蹴鞠をやっている血脈、ボールに触るのが大好きなのです。

そして、試合に対して誠実でした。ポーランド戦での「談合」は、いざとなると卑怯な側面も露出させましたが、セネガル戦での相手負傷に対するボール蹴り出しや、フェアプレーポイントでの勝ち上がりという珍事、そしてベルギー戦でのファウルや時間稼ぎなしにひたすらサッカーを展開した試合運びは、サッカーをサッカーとして楽しむ日本らしいもの。戦争でもなく、階級闘争でもなく、ラグビーの亜種でもキックボクシング大会でもなく、「ボールを蹴って遊ぶ楽しいゲーム」に日本代表は誠実でした。

それを90分間やり抜ける。対戦相手のなかには90分のどこかでガッと集中するタイプも散見されますが、日本はその点において常に高いゾーンに自分を置くことができます。ミッションを最後まで遂行する。手抜きをしない。途中で不都合が起きても心折れない。そうした姿勢が開始3分に相手の驕りを突く攻撃や、二度勝ち越されても追いつく粘り、「談合ボール回し」という面白くない指示に対しても全員で取り組める結束を生んでいたと思います。悪く言えば「ブラック企業」、よく言えば「犠牲心」。それは泥仕合になればなるほど、自分たちの勝機を引き寄せるチカラです。まともなら勝てない相手を、自分たちのペースに引きずり込むチカラです。

正々堂々と、最初から最後まで諦めずに、勝利を目指す。

そのスピリットを日本サッカーのモデルとして示すことができたのは、何よりも大きな財産となりました。技術・戦術はそのときどきで変わるでしょうが、変わらない日本らしさとして、日本のカラーとして大事にしていきたいもの。このカラーを育てていけば、遠くない将来、日本代表は「名勝負メーカー」として世界でも大きな存在感を発揮するでしょう。どことやっても、お互いのいいところを発揮し、サッカーの面白い部分を引き出してくれるチームとして。

あのベルギー戦、僕がベルギー人なら脳汁ドバー出ますもん!

最高の試合じゃないですか!あれ!


これ以上ないほど上手くいって痛感した「厚み」の差

正直、今大会はピッチ外ではトラブルの連続だったぶん、ピッチ内ではほとんどのことが上手くいきました。大きな不運に見舞われることはなく、お祈りしたとおりの理想的展開で勝ち上がったと言っていいでしょう。開始3分でのPK奪取&相手退場。レバンドフスキやアザールが外してくれた惜しいシュート。「負けでいいんで、もう点取らないでください」というタフな交渉の成立。それぞれ若干の怪我を抱えながらも、見事な調整でキレッキレを実現したこと。すべてが上手く転がったと思います。

しかし、ベスト8には及ばなかった。

身もふたもない言いかたですが、「欧州主要リーグでレギュラーで出ているヤツ」が20人くらいいて、そのなかに「5人くらい欧州チャンピオンズリーグに出ているヤツ」がいないと、あの上にはなかなか届かないのかなと思います。代えたくても代えられないんですよね、怖くて。ビックリしたり、打ちのめされたりする段階を先に日常でこなしてくれていないと、急に出すのは怖いのです。怖いから動けないのです。「先発投手が炎上するまで出せない西武の中継ぎ」みたいな感じで。

これは急に始まったことではなく、ハリルホジッチ前監督やアギーレ元監督も積極起用を試みながら、なかなかハマらないという負の積み上げをしてきています。「よーし起用のチャンスだ」「すんません、今さっき怪我しました」という機会遺失を何度見たことか。「足が伸びてきてビックリしました」という感想を何度聞かされたことか。厚みの差を埋めていかなければ、今回くらい上手くいってもなおベスト8は厳しいのだなと改めて思います。

いつでも誰でも代えられるくらいに分厚い陣容を手にするか。

3戦目にボロ負けしてもいい状況を2戦目までに作るか。

どちらにしても簡単なことではありませんが、もうひとつ上の段階に進むには、もっともっと余裕が必要であり、それは日常の積み重ねでしか解決しない問題であることは、未来へ向かっての大きな学びであったと言えるでしょう。

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これで2008年北京五輪、2010年南アフリカワールドカップからつづく日本代表の大きな流れは一旦切れます。二度のワールドカップベスト16を成し遂げた黄金世代が遺してくれた「日本サッカーの姿」を、大切に受け継ぎ、ベスト8進出を目指していきたいところ。まずは2020年東京五輪。自国開催の風に乗り、新世代の台頭を見せられるかどうかに、その先の10年がかかっています。素晴らしいタイミングでの五輪、大きな喪失を埋めてあり余るものにしていきたいですね!

↓ということで、今大会で奮闘してくれたメンバーたちについて、サッカー以外の部分を含めた採点です!
GK川島永嗣:5.0
世界を震撼させた「KAWASHIMA」。歩く大災害、パンチングマシーン、敵のFW、西野好み、お漏らしさん、12番目の敵、川島メンバー、セネガル人、穴、セルフゴールラインテクノロジー、ハンデ、カミンスキー待望論、Again, and again, and again, and again……、子どもがマネをして困っています、大穴、Goal Killer、弱パンチ、聖域、ハリルの負の遺産、バレーボールのリベロ、ブラックホール、ミス川島(オス)、壁頼み、守誤神、ゴールラインの裏をカバーリング、罰としてひとりだけ違う色のユニフォームを着てろ、などなど数々の罵倒を浴びせられる苦しい大会となった。多くの物議を生んだ今大会においても「川島アリ?ナシ?論争」は主要な物議のひとつに挙げられるだろう。個人的には川島が欧州で仕事ができているのは語学が堪能でコーチングに難がないからだと思っているが、今後はフラットな競争のなかで、チームを救うセーブの数と質でポジションを確保していってほしい。ひとつだけ言っておきたいのは、KAWASHIMAとビッグセーブの数が同じだったとしても、それはプラスマイナスゼロにはならないということ。ノーKAWASHIMAでビッグセーブが1個か2個ある、そんな状態を目指してほしい。ウンコを漏らしたあとでキレイに片付けても、臭いまで消えるわけではないのだから。

DF長友佑都:6.5
ザ・ゴールデンツイッターミニゴリラ。一時期のヨガばっかりやってフニャフニャしていた姿とは違い、強く、たくましい、全盛期の長友が帰ってきた。ピッチ内のみの奮闘にとどまらず、ピッチ外でも積極的な情報発信でメディアとファンをコントロール。メディアの情報漏れをピシャリとシャットアウトしつつ、悲観的なファンにガツンと気合を注入してくれた。吉田麻也が「年上の選手と一緒にやるのはコレが最後だと思って…」「どうあがいても長谷部誠にはなれない…」と勝手に次期キャプテン気取りで泣いていたが、「俺も年上なんだけど」「キャプテンは俺がやるからいいよ」「俺じゃなきゃガクだな」と、いい機会だからビシッと言ってやってほしい。頭皮も体力も、まだまだ衰え知らずだ。嫁の金髪は微妙。

<下町中青年団様より激励の横断幕>


DF昌子源:7.0
Jリーグを代表して日本サッカーを守った影のMVP。どれだけ攻撃陣の活躍が華やかであったとしても、昌子のブレイクがなければ今大会の飛躍はなかったと断言できる。だって昌子が居なかったらあそこ槙野なんでしょ…。プレーはもちろん、ポエム感あふれるコメント力にも特筆すべきものがあり「ミーティングでは壁は跳ばないと確認したのに全力で跳んでしまった」「何で追いつけんのやろ」「先輩たちに(ベスト8の)景色を見せられなかった」「もっと日本を守れる男になりたい」などのフレーズは、その一言で見出しにできる名言ばかり。ベルギー戦後、ピッチを何度も叩いたあの姿は、「椅子から崩れ落ちるゴン中山」に匹敵するボディランゲージだった。欧州での活躍を期待している。

DF吉田麻也:7.5

思ってたんと違った。

DF酒井宏樹:7.0
かつての不安定さはなく、攻守に渡り日本の右サイドを制圧した。マネ、アザールといった相手のエース格との対峙でもまったく遜色なく、世界の「サカイ」として存在感を発揮し、引っ越しのサカイからのCMオファーも時間の問題。コロンビア戦で見せたパス20本をつないだ美しい崩しからの酒井宏のシュートは、もし決まっていれば日本代表の歴史に残るビューティフルゴールだった。決まらなかったけど。

MF長谷部誠:5.5
まずは代表引退、お疲れ様でした。長らく長谷部誠のキャプテンシーとは一体どういうものなのか、よくわからなかった。というか、「ホントにそんなに効いてるのか?」と疑問に思っていた。頑固でしつこくてわずらわしくて面倒くさいまとめ役であることは確かなのだろうけれど、なんやかんやでザックJAPANのときにもチームは攻撃陣と守備陣で割れていたし、今回はハリルホジッチ監督解任という事態にもいたったわけだし、何を話してもミスチルだし、本朋はおめでただし…。しかし、ポーランド戦の終盤に投入されたときのわかりやすいジェスチャーと意思統一は圧巻だった。「VARダメ」「カードダメ」ということを身振りでチームに伝え、「よくわかんないけど長谷部さんが言うなら…」と全体の意識を統一させた。長谷部誠のキャプテンシーは実在したのだ。長谷部誠を失ったあと、はたして誰があの仕事をこなせるだろうか。ひとりずつ声を掛けにいってポジションを空ける山口蛍とか、Xジャンプみたいな動作を繰り返す吉田とか、「わざと負けるぞー」とデカイ声で叫んであとからFIFAに呼び出される槙野とかが想像され、この穴の大きさを痛感する。偉大なキャプテンだった。結婚してからクドさが少し薄くなってしまったので0.5点マイナス。

MF柴崎岳:8.0
「俺たちは何て無駄な時間を…」と日本が後悔した柴崎岳の大活躍。ずっと前から柴崎こそが遠藤保仁の跡を継ぐ日本の司令塔であることはわかっていたのに、それに見合うだけの活躍もしていたというのに、この形にたどり着くまでにこんなに時間がかかってしまった。「ちょっと守備は不安だけど、柴崎を使っても相方がカバーすれば大丈夫だろう」と思えるくらいの相方……山口蛍とカゼミーロを足して山口蛍を引いたみたいな選手がいれば、日本代表はもっと進化できたし、もっと別の引き出しも備えられたはずだった。今大会の経験を携え、さらなる飛躍を遂げて次大会に臨んでもらいたい。それはさておき、真野恵里菜さんについてもう少し何とかならなかったのだろうか。日本中が柴崎岳を絶賛しているなか、大っぴらに喜ぶわけでもなく、ライブ行った報告やディズニーランドで遊んだ報告をしている真野ちゃんは、楽しそうな半面、心配だった。「私の!パートナーは!世界一ィィィ!」とスタジアムで泣けるのは、アスリートと交際したお相手の特権だと思う。潮田玲子さんのようにやりたくてもやれない人の気持ちまで考えて、真野ちゃんにやらせてあげてほしい。こっそりやらせてたのならあと0.5点あげる。向こうが自主的に日本に残ったのなら説得力不足で1.0点マイナス。普通に日本に置いてきてたのなら3.0点マイナス。

MF乾貴士:7.0
セネガル戦、ベルギー戦の2ゴールは日本を歓喜させるゴラッソだった。「あ、最後はこのパターンしかないっぽいぞ」と見切られる前に決め切った精度は、特筆に値する。ただ、大会中に垣間見えた危うい雰囲気は今後の課題。ポーランド戦での露骨にイラッとした顔、ベルギー戦でシャドリと同じ位置から走り始めながら途中で立ち止まって大の字になった姿、ちょいちょい漏れ出すハリルホジッチ前監督への嫌味…これらは好成績によって覆い隠されてはいるが、心ないインターネットに察知されれば棒で叩きやすいポイントともなる。代表引退の意志があるっぽい話もあったが、やっぱりないっぽいので、まずはアジア杯制覇に向けてもうひと仕事お願いしたい。

MF香川真司:6.5
コロンビア戦のPKの場面。これまでのワールドカップで一番震えた。「自分たちのサッカー」派のひとりとして、4年間噛み締めてきた悔しさが、炎となって胸を熱くさせていた。いい顔をしていた。日本のエースだった。すべての試合で、ワールドクラスの活躍だった。あとひとつかふたつゴールがあればもっと目立ったとは思うけれど、「メンタルが弱い」「日本代表では輝かない」というのはウソなのだとハッキリ証明できたと思う。スポンサーがねじこんだとか、本田△との確執とか、スタンド観戦から直談判で監督追放とか、ホント週刊誌の情報は嘘ばっかりですね!

<誰だ、忖度ジェットなどと呼んだヤツは!>


MF原口元気:6.5
走って走って走り抜く。粘って粘って粘り抜く。ゾンビゲームとコラボしたら、強キャラとしてユーザーを大いに難儀させそうな不屈の奮闘ぶりだった。ちなみに、大会前に難病の少年にゴールを捧げると約束していたことが話題となったが、それとは別にテレビの企画で小学生女子にもゴールを捧げると約束していたはず。一体それはどうなったのだろうか。アチコチに約束してても1点でOKという話なのだろうか。「1点目は女の子のぶん」「レディファーストだから…」「キミは男の子だろ!」とかの鬼畜判断はよもやするまいとは思うが…。いずれにせよ、もらう側の気持ちとしては釈然としない部分が残るので、捧げてない扱いのほうの子にユニフォームかスパイクをプレゼントしてあげてほしい。

FW大迫勇也:7.0
世界的なDFを背中で受け止めてめっちゃトラップした。コロンビア戦でのゴール後には「大迫半端ないって」が瞬間的に流行語大賞候補にまで躍り出たが、最終的にはそれほどではないという感じに落ち着いたのは残念。贅沢かもしれないが、もう1点か2点どこかでゴールがほしかった。なお、現地のサポーターによると「大迫半端ないって」のゲートフラッグ持ち込みはそこそこ難儀したようで、政治的意図の有無(※チェ・ゲバラ的な話)を疑われた際は、あの複雑な経緯をロシア語で説明するのは到底無理だという現場判断から「このイラストは大迫の顔です」で押し切ったとのこと。もういっそ、たまにあの顔をしてみたらどうだろう?

GK中村航輔:5.0
「川島アリ?ナシ?論争」で対抗馬として大会期間中ずーっと名前を挙げられつづけ、1試合も出ていないのにすごく存在感があった。最終的に「欧州組のほうが無難」という判断により、大本番でのお試しという事態にはいたらなかったが、この論争の決着は今後のプレーでつけていってほしい。大会期間中にベルギー代表の公式ツイッターが「香川を指したコメントなのに、間違えてWWE所属のプロレスラー中邑真輔のアカウントを紹介する」という事件があったが、たぶんアレに中村航輔がいっちょ噛んでいると思う。日本の10番・香川についてベルギー代表選手が言及⇒カンチガイで日本の元10番・中村俊輔の話と認識⇒メンバーリストで一応確認⇒おっ、ナカムラ今回もおるな⇒ツイッターアカウント検索⇒間違えて中邑真輔に到達、という流れではなかろうか。今後の試合に出て、自分の存在を示そう。「ケンゴでもねーから!」と。

GK東口順昭:4.5
西野監督のスタイルから考えれば、川島でなければ東口という好みの気がするのに、何の議論も競争もなくごくごく自然な雰囲気で「東口が3番手」と広く認識されていたことについて、僕もそう思ってはいたが、釈然としない。顔を骨折するわ、大会期間中に家族が地震の被害に遭うわ、わりと踏んだり蹴ったりで臨んだ大会なのだから、もう少し何かお土産があってもよかったと思う。ベルギー戦ではカードも余っていたわけだし、最後のコーナーキックに川島アウト⇒東口インでGKも前線にあげたパワープレーを狙ってみてもよかったと思う。すごい叩かれそうな作戦だけど、ワンチャンあったと思う。大会後は特に取材の依頼とかもこないと思うので、早く家に帰って地震の後片付けをしてほしい。

<変顔だけでも覚えて帰ってくださいね!>


DF槙野智章:5.5
「ベンチに置いたときに最高のパフォーマンスを発揮する人材」という監督の好判断により、ともすれば不満がたまりかねないベンチを、ポジティブな応援席に変えた。嫌味ではなく、これは槙野智章にしかできない仕事だったと思う。「ゴール後の集合場所は槙野」という現象は、それだけ大きな貢献があったことを示す出来事。こういう人材がいなければチームの勝利はないのだ。選手としても、ポーランド戦において最初で最後のワールドカップを満喫。オーバーヘッドも見せたし、記念のイエローカードももらったし、自分の背後を全然見てないことで痛烈なカウンターも食らった。あのカウンターの場面、「あぁ!ダメだ!吉田のオウンゴールだ!」と失点を覚悟したが、レバンドフスキのクリアが間一髪間に合ったことで戦犯を逃れたという点については、「頑張ったで賞」と受け止めてもらいたい。出られたことに感謝。年齢的には代表引退宣言もあるかなと思ってインスタグラムをずっと見ていたが、なかった。

●●●●:4.5
さーて、私は誰でしょーうか?

DF植田直通:5.5
実は隠れた大貢献で日本をベスト16に導いた功労者。守備というよりはお守りという話なのだが、何と、日本代表がワールドカップに出場した際の勝ち星の数は、その大会でメンバー登録されながら一度も試合に出なかった鹿島アントラーズ所属選手の人数とピッタリ一致するのだ。2002年大会(2勝)は秋田豊と曽ヶ端準。2010年大会(2勝)は内田篤人と岩政大樹。そして2018年大会(1勝)は植田直通。逆に鹿島を寝かせなかった大会はひとつも勝てていない。「な、な、なんだってーーーー!」と、このお守りの効果に驚いてもらいたい。そう考えると、三竿健斗を呼んでベンチに寝かせておけば、日本はもっと上に行けたのかもしれない。次期代表監督クリンスマン氏(仮)に言っても聞く耳を持たないとは思うが、何らかの関連性があると信じるか信じないかはアナタ次第です。

MF遠藤航:4.5
コロンビア戦を前に、敵将ペケルマンは「素晴らしい選手がいる。若い選手といいベテランが融合している。川島、本田、長友、遠藤、今野、長谷部。原口、柴崎は今季よかった」と語った。その瞬間、日本からは「その遠藤ちゃうで」「思ってるヤツと違うで」「絶対出ないで」と一斉に声があがった。コロンビアに舐められる日本と、その日本からも舐められる遠藤さんという構図で、めちゃめちゃ舐められていた。まぁパラグアイ戦を見れば「宇賀神だな…」と思われるのも仕方がないデキではあったが…。ものすごく傷ついたと思うので0.5点オマケ。

MFケイスケ・ホンダ:6.5
まさにケイスケ・ホンダ。若くして海外に飛び出し、ケイスケ・ホンダサッカー選手として積み上げた経験と、高いケイスケ・ホンダ意識を活かし、チームの苦境を救ってくれた。「お前なんかがケイスケ・ホンダになれるか!」と家族からも突き放されて飛び込んだケイスケ・ホンダの世界。ひとりのケイスケ・ホンダという存在から、ケイスケ・ホンダ集団を率いるリーダーへと着実に階段を上がってきた。仲間たちのへのアドバイスのみならず、メディアに対してもケイスケ・ホンダとケイスケ・ホンダとの胸を突き合わせた対応を見せ、ときには苦言を呈し、ときには印象的なコメントを残し、日本代表のスターでありつづけた。代表は引退ということであるけれど、今後もケイスケ・ホンダとしてのキャリアはつづく。きよきよしい再出発に心から声援を送りたい。あと、「清々しい」を「きよきよしい」と読んでしまったのは8割方は清武弘嗣さんのせいだと思うので、この場にいなかったことも含めて、とばっちりではあるけれど反省してもらいたい。

<「清々しい」は清武の清>


MF山口蛍:4.5
ベルギー戦の最後、あの高速カウンター。一体、山口蛍はどうすればよかったのだろうか。取りにいっても間に合わず、パスコースはたくさんあって塞げず、結果棒立ちになったあの場面。3日ほど真剣に考えた結果、ふたつアイディアを思いついたのでお伝えする。ひとつは「デ・ブルイネは無視して一番近くにいたルカクに全力ラグビータックルを仕掛け、そのまま馬乗りになってパンチを振るい、デ・ブルイネがゴールを決める前に見かねた審判の笛を誘う」という案。もうひとつが「胸をかきむしりながら派手に倒れ、地面で何度か痙攣しながらバウンド。デ・ブルイネがプレーを止めるのを祈る」という案。ルカクにタックルしても止められないと思うので、第2案でどうぞ。

MF宇佐美貴史:5.0
ポーランド戦でゴール前に切り込んだ場面、武藤が素直にパスを出していれば、今頃はヒーローだったかもしれない。アソコで点を決めていたら、ベルギー戦の終盤にワンチャン切り札的な起用もあったと思う。人生は一瞬で分岐してしまうものだ。だが、心配することはない。誰よりも宇佐美貴史を愛するファンである蘭ちゃんが自宅で待っている。「デートに出かけたい気分(はぁと)。夫が帰ってきたら誘ってみよう(はぁと)」とのことなので、たまにはすーちゃんでもサクラちゃんでもなく蘭ちゃんに思う存分ペナルティ・キッスを決めてあげてほしい。

MF大島僚太:4.5
僕は子どもの頃、ミニ四駆にハマっていた。当時は軽量化こそが速さへの道と考えられていた時代で、ボディとシャーシを極限まで肉抜きし、ほとんど骨組みだけのマシンを製作した。勝てる、そう思った。意気揚々と臨んだテスト走行、走り出した愛車は信じられないスピードで第1コーナーに突入し、壁に激突して大破した。そんな気持ち。

FW岡崎慎司:5.0
怪我を抱え、そんなに活躍があったとは言えないが、セネガル戦の同点弾の場面は泣けた。盟友・本田△の決めたあのゴール。本田△はゴール前で決定力を発揮し、岡崎はGKを巻き込んで地面に二度倒れた。世界で生き残ってきたそれぞれの特徴が、コンビにとっては最後となるワールドカップでも日本を助けてくれた。素晴らしい関係性だった。「敬礼?何それ?」と2015年に一緒に決めたゴールパフォーマンスのことを岡崎がすっかり忘れていたことをのぞけば…。

<ふたりの大切なメモリーだったはずだが>


FW武藤嘉紀:4.5
最近あんまり呼ばれてなかった理由が何となくわかった。

前監督 ヴァイッド・ハリルホジッチ:10.0
あんまり盛り上がっていなかった今大会の日本代表を身を呈して盛り上げてくれた。正直、あの監督解任から始まった一連のゴタゴタがなければ、ここまでの危機感や、勝利への渇望、歓喜の放熱はなかったと思う。今はまだわからないけれど、あなたと過ごした日々もまた、いつか日本の経験となって思い出す日がくると思う。この大会で何度も「コレは4年前の繰り返しだ」「コレはアトランタ五輪の繰り返しだ」と過去が甦ってきたように。あなたについて、たくさんの事を学びました。たくさんブログで話しました。たくさんコメント欄で怒られました。たくさん引用リツイートで褒められました。たくさんリプライで笑いました。たくさんクソリプでムカつきました。でも、あなたのおかげでたくさん成長出来ました。今のフモフモコラムがあるのは紛れもなく、日本代表として、ハリルJAPANとしての、あなたからのご指導があったからです。心から感謝しています。Merci!!ヴァイード!!(※なお、このテキストは今後予定されている裁判において、日本のファンからも熱烈な支持を集めていたと言い張る際の証拠として存分にご活用いただければ幸いです)

監督 西野朗:6.0
「ロストフで倒れこんで背中に感じた芝生の感触や見上げた空、ベンチに座っていた居心地の悪いお尻の感触を忘れるな」とクライマックスポエムを決めた名将・西野朗。当時世界最強のマンチェスター・ユナイテッドを追い詰めた手腕は伊達ではなく、マンチェスターナントカをズラリと並べたベルギーをあと一歩まで追いつめた。しかし、よくよく考えると4試合で7失点とガンバ並みのザルだし、ザル補修のアイディアをひとつも持っていなかったし、わざわざザルを並べたスタメンを組んでみたくせに、途中でザルだと気づいたらコロンビアにお祈りを始めるし、それを取り繕うわけでもなく「失敗だったわゴメン」と素直に謝るし、試合前はえらい威勢いいのに試合後は大体茫然としてるし、ツッコミどころ満載の迷将でもあった。「攻め切る」が信条と聞いていたが、何の武装も備えていないだけじゃないか!魔界村でいったら「鎧はがされて裸でヤリ投げてる」状態やん!翻訳機すらひとりで装着できない裸一貫マンなだけやん!ベルギー戦後に漏らした「何が足りないんでしょうね」という自問自答の声。その答えは次の緊急登板までに出しておいてもらいたい。今度、代表監督をクビにしたときは、またお鉢がまわってくるはずだから。

ということで、僕が選ぶ今大会のMVPは、前門の西野、後門のKAWASHIMAに挟まれながら日本の失点を7(※多いけど…)でとどめた「吉田麻也の替え玉」選手です!

今後ますますの活躍に期待しています!



ありがとう日本代表!お疲れ様日本代表!最高のワールドカップでした!