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勝ち確と思って煽ってたら負けました!てへぺろ!

「勝ち確」の瞬間ってあるじゃないですか。僕もスマホの対戦ゲームなどでよくやるのですが、ゲームの種類によっては「あ、これは勝ち確」とわかる瞬間があるのです。たとえばカードゲームなどで、こちらの手札から確実に相手を殺し切るダメージを出すことができ、相手にそれを防ぐ手段がないとわかっている、そんな瞬間です。

そんなとき人間性というのが出ると思うのです。僕は「勝ち確」だなと思ったら、時間いっぱい限界まで対戦相手を煽るスタイルです。ワザと無駄な行動をして「生き残れるかも…」と思わせてみたり、倒さなくてもいい敵の兵士をキレイに全部屠ってみたり、残り時間のカウントがゼロになる寸前にトドメのダメージを入れてみたり。とにかく目一杯勝ち誇ってから倒すタイプです。ちなみに負け確と思ったらスマホ放り投げてテレビを見始める遅延クズ野郎(※自分の行動をしないことで相手に無駄な時間を使わせるの意)でもありますが。

そんななか、「勝ち確」と思って油断されてしまわれたのがアジア大会の柔道混合団体韓国選手団のみなさん。準々決勝で日本代表と対戦した韓国さんは、まさに「勝ち確」と思っていました。思いこんでいらっしゃいました。思いこんでいらっしゃった結果、勝ち確だと思っていたのに負けと言われたものですから、伝統の座り込み抗議に発展しました。だって、勝ち確だと思ってたんだもーん!

↓勝ち確定だと思っていたら負けていたので座らせていただきますね!


まぁ、逆の立場なら「不服があるなら畳を出るな」って言いますから、気持ちはわかりますけどね!

畳を降りるとそれで試合結果確定ってされますので!

10分間耐えるのはなかなかタフだなぁとは思いますが!


↓「ロンドン五輪ではフェンシングで1時間座りこんだ我々韓民族にとって、10分間くらい何でもないぞ!」という声が聞こえる!


このときも「ピストを出ると抗議ができなくなる」から座り込みました!

別に座りたくて座ってるわけじゃないんですよ!

そこから出ないで粘るときに「立って待つのはダルいから座ってる」だけです!



柔道混合団体は男女の選手が各3階級に登場し、勝った数の多いほうが勝ち抜けるという仕組み。東京五輪でも柔道競技の種目のひとつとして採用されており、日本代表は昨年の世界選手権を制するなどもちろん優勝候補の一角です。当然「勝ち数が多い方が勝ち」ですので、先に4勝してしまえば勝ち確です。それはもう引っくり返ることはありません。

しかし、6階級という何故か偶数で争われる戦いだけあって、当然「3対3」ということは起こります。7階級ならよほどのレアケース(※両者反則負けとなる試合が発生するなど)がなければほぼほぼ勝ち数だけで決着がつくはずなのに、「男女が同階級でないと…」という建前によって「3対3」が頻発する仕組みにしてしまったのです。そこで3対3のときにどっちが勝つのかということが重要になってきます。

基本線としては、「一本勝ちが多いほう」が勝ちとなります。知らない方もいると思いますので説明しますと、今の柔道は「一本」と「技あり」の2種類のスコアのみとなっており、有効や効果はとっくになくなり、反則の数の差だけでの決着もなくなりました。その点においてはとても明確というか、ハッキリ勝ったと見える選手だけが勝つような仕組みを目指しています。

ただ、もしかしたら勘違いを生んでしまったかもしれないのは、反則3つ累積による「反則負け」は区分としては「一本負け」になるという点。これは別に昨日今日始まったことではなく前からそうなのですが、もしかしたらそこをカンチガイしてしまっていたからこそ、韓国選手団さんは「勝ち確」と思ってしまったのではないかと思うのです。

準々決勝の日本VS韓国戦、日本は女子57キロ以下級の玉置桃がゴールデンスコア方式での延長戦で相手の反則により勝ち、男子73キロ以下級の海老沼匡が一本負け、女子70キロ以下級の新添左季が一本勝ち、男子90キロ以下級の小林悠輔が技ありによる優勢負け、女子70キロ超級の山本沙羅がゴールデンスコア方式による延長戦で反則を犯して負けました。この時点で日本の2勝、韓国の3勝と韓国がリード。しかし一本勝ちの数では並んでおり、最後の6試合目で日本が一本勝ちすれば、「勝ち数は3対3で並ぶが一本勝ちの差で上回る」という状況になります。

最終戦6試合目では、男子90キロ超級の影浦心が相手の反則3つによる反則勝ちをおさめました。これは区分としては「一本勝ち」になる勝ちであり、勝ち数は3対3で並ぶものの、日本が一本勝ちふたつで韓国を上回って勝利となったのです。しかし、おそらく韓国は、反則3つでの勝ち負けが「一本」とカウントされることをわかっていなかったのでしょう。

「わかってなかったんだろうなぁ」というのは先ほどの映像での韓国語のテロップでもわかります。あのテロップには試合結果とそれにともなう獲得ポイントが書かれています。それを見ると1試合目の日本の勝ち試合に「0」、2試合目の韓国の勝ち試合に「10」、3試合目の日本の勝ち試合に「10」、4試合目の韓国の勝ち試合に「1」、5試合目の韓国の勝ち試合に「0」、6試合目の日本の勝ち試合に「0」と入れています。その計算では韓国が11-10で勝っていることになります。

このポイントは「一本勝ちなら10点」「技ありによる優勢勝ちなら1点」「反則の差による勝ち負けは0点」というポイントを配したものなのですが、韓国テロップは6試合目の反則3つによる決着を「0点」扱いにしています。そもそも反則負け=一本負けであることがわかっていなかったわけです。伝える側がそうであるように、選手やコーチ陣も「わしらの勝ちやろ…」と思っていたのだろうなぁというのがわかるテロップです。

しかも、ルールをわかっていない状態で「勝ち確」と思ってしまわれた。6試合目に臨むにあたっては、韓国としてはとにかく一本負けは絶対に避けなければいけない状況であり、また技ありでの優勢負けというのもスコア上並ぶことになるので避けなければなりません。勝ち確などでは全然なく、真剣に勝たねばならないくらい競った状況です。

ただ、「反則負けは0点扱い」とカンチガイしていたとすれば、これはもう「勝ち確」と思ってしまうわけです。とっとと反則を犯して負けてしまえば、勝ち数は3対3で並ぶものの「ポイントは11-10で勝つ」のですから。そう思ってしまわれていたため、韓国の金成民は不用意な反則を重ねて、開始3分で反則負けしています。カンチガイによる勝ち確ルートに全力で突っ込んでしまったんですね!

↓「勝ち確」と思ってとっとと反則負けしたら負けていたでゴザル!


やってしまわれましたなぁ!

まぁどっちみち負けてたとは思いますけど!

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ここで立派だったのが日本側の状況把握の的確さです。事前に首脳陣がルールを確認し、それを選手にも伝えていたそうで、海老沼匡は「あれは韓国の勘違いだと思う」という談話を残していますし、6試合目に出た影浦心は「前の試合のポイントを数えて、自分が一本勝ちしないといけないことはわかっていた。試合時間内(4分間)に決めようと思っていた」と語っています。

この影浦心のコメントは「自分が一本勝ちしないと負け確」ということだけでなく、「延長ゴールデンスコアまで持ち込まれたら、相手が先にワザと反則を犯すことで、ポイントでは0点扱いとなる延長での反則先取ゴールデンスコア勝ちにされる」ことを警戒していたというのが、明確に伝わってきます。日本はルールを把握し、韓国はルールを把握していなかった。その差が、勝ち確煽りの隙をついて、日本の勝利を引き寄せたのです。

↓「試合時間内に決めようと思っていた」の一言に、日本と韓国の圧倒的な状況把握の差が見える!

延長までいったら負け確とわかっていればこその言葉!

見事です!



まぁ、韓国選手団さんは残念でしょうが、ルールがよくわかっていなくても、勝ち確などと思わず一生懸命やっておけばよかっただけの話です。この日はほかの競技では日本をヘコませたものもありますし、大事な大事なトッテナムのソンフンミンさんの兵役免除が決まるサッカー競技での金メダルもありました。柔道で日本に負けるのはいつものことでしょうし、ルール上もカンチガイするようなところじゃありませんので、気持ちよく寝て、早く忘れるといいと思いますよ!


勝ち確煽りしてから負けるとめっちゃ恥ずかしいので、やめましょう!