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11:30
菊池雄星クン、埼玉西武ライオンズご卒業おめでとうございます!

ついに優勝へのマジックを1とした埼玉西武ライオンズ。28日は優勝へ大きく近づくとともに、新たな人生への第一歩を踏み出す選手の旅立ちの日となりました。奥さまの強烈な後押しによって一日も早いメジャー移籍を目指す菊池雄星さんが、埼玉西武ライオンズでの大きな節目を迎えたのです。プロ入り9年間でただの一度も勝っていないソフトバンクホークス戦での勝利、すなわち「日本にやり残したことはもうない」という卒業の日を。

「卒業早っ!!」
「1個勝っただけやん」
「泣くような話じゃない」
「もっとやり残し探そうや」
「沢村賞とか」
「日本一とか」

引き留めたい気持ちは僕にもあります。パワポでプレゼン資料を作って(※大谷に日本ハムが提示したヤツの逆パターン)、改めて説得したい気持ちはあります。ただ、もういいかなと思いました。ダルビッシュ有や田中将大、大谷翔平はチームを日本一に導いたうえで「もはや国内には敵ナシ」という状態で海を渡りましたが、それを埼玉西武で成し遂げろというのは、コチラもわがままでした。市販車でカーレースに勝てとか、冷蔵庫の余った材料でサッと料理コンクールで優勝とか、西武球場前駅でマンション経営とか、与えられた環境を無視しての高望みでした。

自身が課した「2017年シーズンから2年連続10勝」というハードルはクリアしましたし、10年ぶりのパ・リーグ制覇もさすがにもう決まりでしょう。ここでヘンにもったいつけて「日本一の投手になってからいきなさい」とかやって、クライマックスシリーズでソフバンにボコられて敗退とかになったらお互いにタイミングを見失います。

雄星はメジャーに行きたい、我々はいつか出て行く選手ならなるべく高く売りたい、お互いに利害は一致しています。2020年のFA権取得後なら我々に金は入ってきません。2019年までもったいつけたら「あと1年だから我慢して自由に移籍しよう」と思いとどまってしまうかもしれない。高望みはやめて「パ・リーグ優勝」で歩み寄りましょう。メジャーへいってらっしゃい!僕たちはそのお金で新しい売店を作ります!

↓「このチームで優勝とか無理だろう」感あふれる自己目標はすでに達成済!おめでとう、卒業です!

メジャーにもソフバンより弱い球団はあるだろう!

そのあたりには勝てる投手に成長した!



28日のソフトバンク戦、辻監督はそういう気持ちで雄星をマウンドに送り込んでいたことでしょう。9年間19試合でソフトバンク戦いまだ勝ちナシという状況のなか、「今日は雄星が大きく変わる一日だと思っていた」と言います。呪縛から解き放たれ、真のエースとなる。その日が今日なのだと。お膳立てが見事に整ったことで、むしろ殻を破るチャンスになるのだと。

雄星は初回を三者凡退で立ち上がると、味方もそんなエースを後押しします。2週間前の3連戦のリピートのような初回に相手の出鼻をくじく猛攻は、この日も走者ふたりを置いて4番・山川のスリーランという最高の援護を生み出します。一体どれだけ打つんだこのチームは。「ランナーをためてデブが三振」と評された打線は、いまや「ランナーをためてデブが一発」に変貌しました。強いぞ、埼玉西武ライオンズ!

↓西武ドームでやたら打たれることでおなじみのソフトバンク千賀から、この日もお化けホームランで先制!

4番・山川はホームラン、打点、三振の三冠王にまっしぐら!

「つなぐ4番」なんて概念を粉砕する、断ち切る4番だ!


ここで「あとは頼むぞ雄星」などと思わないのが、長年の弱投に慣れてきたライオンズ魂でしょうか。3点取って思うのは「よーし、あと2点くらいで勝てるな!」ということだけ。もともと5点くらい取らないと勝てないようなチームを作ってきているのですから、これで気持ちが守りに入るようなことは一切ありません。

案の定、3回表にはバント処理でドタバタしたことをキッカケに雄星が打ち込まれてあっという間に同点に追いつかれます。「エラーをホームランで帳消し」するように、「ホームランをエラーで帳消し」にしていくスタイルは、悪送球の山川穂高をホームラン、打点、三振、失策の四冠王に押し上げました。しかし、そこまで含めて使っている選手。辻監督も「山川がしっかりそういう場面でエラー」とニッコリです!

↓「バックの守り」から始まった同点劇であることは華麗にスルーして、いつの間にかバックが後押ししていることになっている!

「打てばいいんだろ、打てば」
「相手よりたくさん点取れば勝ち」
「0点に抑えるゲームじゃないし」

球団公式もドリームに酔っている模様!

都合の悪いところは一切見ません!



ミスをネチネチ責めるのではなく、最後に帳尻が合えばいいという懐の深さ。長年鍛えられたファンの諦めと辻監督の度量が選手たちの長所を引き出しているのが今季の西武。短所は頑張っても直りませんし、ミスはどうやってもなくなりません。ただ、そのぶんを長所でチャラにしていくことはできるのです。

投手もそれぐらいの気持ちで構えることで、本来のチカラ以上の炎上は見せなくなっています。「1点取ったんであとはヨロシク」だとピリピリして5失点くらいしてしまいますが、「5点までは俺の責任ではない…」と割り切れば大胆な投球で5失点で抑えられるのです(※結果的に一緒だが気分はいい)。世間のクオリティスタートは「6回3点」が目安だそうですが、西武的クオリティスタートは「5回3点、9回5点」くらいの気楽さです。

あと2点くらい欲しい…一般的野球観だと「先頭が四球でもいいから出て、進塁打で進めて、タイムリー」という神経すり減る積み上げを2回繰り返すイメージですが、今季の西武は「試合終了までにあと20個くらい三振できるだろ」「ということは、60回くらいバット振り回せるわけだ」「そのうち2回芯に当たればいいのか」というイメージ。気分はガチャとか福引のようなもの。考えるのは「当たれー!当たれー!当たれー!当たったー!」だけです。

前の試合までで「31イニングタイムリーナシ(※ただしホームランで点を取って連勝中)」という珍攻を見せてきた西武打線は、この日もそれを貫きます。必要なあと2点をバットブン回しガチャで引き当てたのは、元祖ランナーをためてデブが一発・中村剛也。6回裏の攻撃、四球で歩いた山川を一塁に置いて放った打球はバックスクリーン左へズドン!おおあたりーーー!!

↓何だこのアホ野球wwwwwwwホームランしか打たないwwwwww

「山川の足じゃ長打でも一塁からは帰れない」とか考えない!

客席まで飛ばせば歩いて帰れる!

それがデブとデブのあ・うんの呼吸!


チーム防御率4.28の球団に必要な5点の援護をもらった雄星は、7回を3点で抑えてマウンドを譲ります。最後はソフトバンク柳田をセカンドゴロに打ち取って、雄叫びを上げました。「俺はメジャーに行く!」「わかった、行け!」「もう帰ってこないぞ!」「そんなこと言うな、ラストイヤーだけ戻ってこい!」「いーや、俺はメジャーで引退する!」「そんなに上手くいかんと思うぞ!」「何でお前がそんなこと決めるんだ!」「だって、そうだと思うもん!」…そんな魂と魂の会話を僕と雄星は交わした気がしました。

エースの熱投にベンチワークも冴えます。7回裏の攻撃では四球で歩いたメヒアに代走・松井稼頭央を送り込んで雰囲気をグッと盛り上げると、つづく金子のボテボテのゴロでは「絶対アウトやと思うで」という判定に難癖リクエストをつけて「少しでも長くカズオをみんなに見てもらいたい」という心遣い。リクエストした直後にベンチのなかでコーチ陣と笑っちゃってる姿には、余裕すら感じさせます。

↓一応、8回表の守りでは難癖じゃないリクエストでアウトをもぎ取ったりもしました!


失敗を恐れずイケそうなときはいってみる!

「源田が言うんやからリクエストしとくか」という信頼の姿勢!

その信頼が「5点取って勝つ野球」を支えている!

5点取れると信じてなければ、5点も取れない!

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結局そのまま逃げ切った西武はこれで12連勝、マジックを1に減らしました。あとはもう今日の本拠地最終戦で勝って胴上げをするだけです。「逆神」としてインターネット界で知られた僕が観戦に行くということで、今日だけ負けるんじゃないか的な話もありますが、もはや大勢に影響はないでしょう。ソフトバンクさんも逆転できるとはもう思っていないでしょうから、お互いのためにもスッキリと決めて、ファン・関係者を喜ばせてほしいものですね!


今日は西武ドームで胴上げだ!清原OBのご来場お待ちしてます!