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08:00
埼玉西武ライオンズ、10年ぶりに優勝しました!

ありがとうございます。ありがとうございます。ありがとうございます。我が埼玉西武ライオンズが10年ぶりにパ・リーグ優勝いたしました。この快挙を成し遂げてくれた選手・監督・コーチ・球団、本当によくやってくれました。クライマックスシリーズでまぐれ勝ちして日本一はいつかまたあるかもなーと思っていましたが、シーズンを走り切って1位になれるとはまったく思っていませんでした。望外の結果、素晴らしいシーズンでした!

前日の本拠地最終戦での胴上げを逃し、北海道に移動した埼玉西武ライオンズ。それはさながら「元気」を北海道に運ぶ使者のようでした。前回の優勝のときも札幌ドームで自分たちは負けて、けれど2位のオリックスも負けて、「ヨソ様の球場で負けて胴上げ」という微妙な空気のものでした。今いる選手はそれしか知らないんだと思えば、それも西武らしいかもしれません。西武のくせに勝って決めようなんておこがましいですよね。黄金時代じゃあるまいし!

↓試合はもうホント何の見どころもない体たらくで、ソフバンが負けたあとは「早く終われ」と思ってました!


試合中から優勝テロップ出るわ、先方の引退セレモニー待たせるわ、ホントすんません!

応援団も歌いどころがなかったので、負けを待ってる9回にチャンステーマ大合唱!


↓球団公式も来年いなくなりそうな選手を優先的に並べて優勝をお祝い!

ありがとな雄星!

お疲れ様浅村!

僕たちはキミたちのことを忘れない!


↓辻監督(※しんにょう)が8度、松井稼頭央も宙を舞った!

森慎二コーチのユニフォームを持った増田はライオンズの伝統的作法に則って、胴上げ無視でカメラにアピール!

最高の気分です!




歓喜とともに優勝記者会見に移動した選手たち。訪れたたくさんのメディア(文化放送、NACK5)からは優勝を祝いつつ、もっともっと聞きたい、聞きたくてたまらない、質問が次々にわいて出てくるという熱い想いがほとばしっていました。本当にいつまでも今年を振り返っていたくなるようなシーズンでした。奇跡の大逆転を何度やったことか。打っても打っても終わらないビッグイニングをいくつ作ったことか。ただ勝つのではなく「面白く勝つ」チームでした。

開幕戦、まだ今季の気配すらわからない3回の攻撃に「金子以外が全員安打で一挙7得点」という大爆発を見せていたのは、まさに今季を象徴する始まりだったなと思います。そこから怒涛の8連勝、一度も首位を譲らずにシーズンを駆け抜けるロケットスタートを決めました。4月18日の日本ハム戦での8回裏0-8ビハインドからの大逆転勝利、8月14日オリックス戦でのヘッドスライディング連発での高校野球のようなスピリットあふれる0-6からの逆転勝利などなど、「どんなに点を取られてもそれ以上に取って勝つ」という山賊打線ならではのファンタスティックゲームがたくさんありました。ベストゲームを決めるのが難しいくらい、ファンタスティックでした。

↓あえてひとつあげるならコレ!8回裏0-8からの大逆転は漫画のような奇跡でした!


大目標の「2位でのCS進出」どころか優勝へひた走るライオンズ!

追いつかれそうで追いつかれず、夏場の苦しい時期も、打線が湿った時期も乗り越えた!


猛追するソフトバンクとのデッドヒートは、一時は11.5ゲーム差があったものが3ゲームにまで詰め寄られました。向こうに怪我人がなければ、もっと競っていたでしょう。さすがソフバン、お強い。気持ちとしては2位も止む無しという不信を最後の最後まで僕は抱いていました。しかし、日替わりでヒーローを生み出す打線はそんな不信をも打ち砕きます。9月に入ってからの直接対決では5勝1敗と天王山を自力でものにし、マジック点灯からマジック1までを12連勝で駆け抜けました。相手が負けてくれたのではなく、「勝ったな」と思える戦いぶりは痛快でした。超痛快でした。

今季の優勝の要因についてはたくさんの分析が出るでしょう。王道としては「打線」でしょうか。昨年からの山川穂高・外崎修汰の飛躍、源田壮亮のショート定着もあって、長打と足と両方で最高クラスの選手を切れ目なく並べる打線が完成しました。休むところがひとつもなく、「金子だ、ようやく休めるぞ」と思っても無駄に球数を使わされ、塁に出そうものならチョコマカされてわずらわしいので四球も出せない強力打線。「デブがマン振り」というコチラのフィールドに対戦相手を引きずり込む、逃げ場のない攻撃ができたと思います。

それを引き出した要因として辻監督の「采配」も挙げられることになるでしょう。黄金時代を知り、数々の名将のもとで経験を積んできた辻監督は、初の監督業ではあっても最初から名将でした。指摘はしても失敗を責めない。短所を消すより長所を引き出す。山川穂高にしても「デブが三振」「デブが失策」という言い方で責めようと思えばいくらでも責められる選手です。ただ、選手本来の個性と違うところを辻監督は責めなかった(※練習はさせるが)。個性を活かし、長所を伸ばす。就任初年度の補強のなさを、「現有戦力への信頼」という形で示し、今季につながるチームを固めていきました。「バントをしない」などのスタイルは必ずしも辻監督の野球観とはマッチしないものかもしれませんが、今持てるチカラを最大化することに心を砕いた結果が、常識破りの打線を生んだ要因でしょう。

9月17日のソフトバンク戦で、金子・秋山・源田が都合4回盗塁を試みて4回とも刺されたとき、辻監督は「盗塁4つ失敗で、それでも(走りに)行く。甲斐もすごいが、“こいつら、すごいな”と。自分だったらびびって絶対に行けない。彼らには思い切りがある。前向きなところがいいんじゃないですかね」と評したといいます。試みたのはいずれも快足自慢で、それをやることを生業とする選手たち。4つ失敗を叱るのではなく、3つ失敗しても4つめに挑戦できる思い切りを褒めた。黄金戦士であり、名将である。まさに「西武」の心をひとつにまとめられる人物でした。



その思い切りを支える「先輩」たちもいました。どれだけ三振しようが、意にも介さずにマン振りをつづけるホームランアーティスト・中村剛也の存在は、全選手に「あれでいいんや」という雰囲気をもたらしたでしょう。いつ何時も、どんな使われ方でも腐らずにライオンズ愛を貫く栗山巧は、選手たちの見本でした。キャプテンとはどうあるべきかを背中で語るミスターレオは、精神的主柱であるのは当然として、終盤戦では5番をつとめる打線の主柱にもなりました。このふたりが並び立った試合…先ほどの盗塁4つ失敗の話と同じ試合ですが、一番泣ける試合はコレだったと思います。ベストゲームがどれか決めるのは難しいですが、一番泣ける試合は間違いなくコレです。

↓10年、長かった!マジック4からの逆転負け、つらかった!優勝と悔しさの両方を知るふたりがマジックを点灯させた!


あのときのメンバー、たくさんいなくなった!

次の優勝まで残ってくれてありがとう!




ここまでを踏まえて僕なりの分析をしますと、今季の優勝は「たまたま」です。前回優勝からの10年で、本来なら抜けてはいけないようなチームの大黒柱が何本も抜けていきました。メジャー挑戦という夢のためならまだしも、西武球団から脱出するためだけのような出て行き方で、次々に抜けていきました。

生え抜きの強力打線を作った目利きや育成手腕は有能ではあるかもしれませんが、ある程度の年数活躍したら大黒柱が順番に抜けるという状態では、優勝レベルのチームを作れるはずがないと客観的自然に思います。FAで他球団の選手を補強するかどうかはともかくとして、次から次に抜けていくのでは毎年チームに穴があきますし、知識や経験を受け継ぐこともできません。

世間的打算以上のライオンズ愛を持っている栗山、何か知らんけどそういう面倒なことをしない中村、という「たまたま」としか言いようがない理由でライオンズに踏みとどまった先輩たちがいた。それにほだされるようにしてFA権を使わなかった銀仁朗がいた。「前回優勝戦士」の貴重な生き残りは、本人たちの性格がそうでなければ抜けていただろう大黒柱です。全員が栗山ほどの球団愛を持つワケがないのです。彼らが「たまたま」そうだったというだけで。

そこに菊池雄星という遅咲きのエースが「たまたま」重なりました。もともとメジャー志向を持っていた選手です。活躍が早ければ大谷翔平のようにもっと若い年代でメジャーへと活躍の舞台を移したでしょう。球団がどれだけ粘ろうが、本人がその気になったら引き止められても腐るだけです。遅咲きであったからこそ、本人が腐らずにまだ日本でやれているのです。力量、才能、本人の志向を考えたら、本来なら今年はいなかっただろう選手。ダルビッシュ有は7年、田中将大は7年、大谷翔平は5年で日本プロ野球を卒業しています。海外FA権取得まで選手を引き留められない球団に「9年目」はないのです。

西武球団というのは堤義明の夢の残骸です。

秩父山中に巨大リゾート地を作るという夢はバブル崩壊によって破れ、有価証券報告書の虚偽記載というスキャンダルで堤帝国が崩壊するとともに霧散しました。その結果、西武グループには経営不安が生じ、サーベラスという外資によって首根っこを押さえられました。グループの資産を次々に売却整理するなかで、2012年には「西武ライオンズを売却せよ」というサーベラスからの要求もあがりました。これで西武球団の未来を信じろというのが無理な話。金は渋く、設備は更新されず、80年代の残骸のなかで選手たちは過ごしてきました。「たまたま」クジ引きで西武に入る選手はいても、望んで西武にやってくるほどではない。そういう球団でした。

その潮目が変わったかもしれないのは、西武グループの株式再上場を受けての2017年のサーベラス完全撤退でしょう。これによってようやく西武ライオンズは西武のものに戻りました。その直後に発表されたのが、西武ライオンズ40周年記念事業としてのドーム周辺エリアの大改修計画でした。寮の建て替え、室内練習場の建て替えを含む大規模改修は、球場に屋根がついて以降パッタリと時が止まり、トイレと売店を直すのが精一杯だった西武ライオンズをアップデートする久々の大型投資でした。その意欲は、今季の積極補強にも表れており、榎田・小川・ヒースといった追加戦力が優勝に大きく貢献しました。お金を使って、それ以上のリターンを得るというマインドに、ようやく球団も移り変わってきたように思います。

ここからが「たまたま」を再現性がある実力に変えていくターンです。この球団に入りたい、この球団に骨を埋めたい、そう選手たちに思わせるような球団へ。選手との契約更改のたびに「何らかの理由で選手がキレる(※みなまで言わせるな/金)」球団から、双方納得でハンコを押せる球団へ。その試金石として、キャプテン&3番打者として今季の西武を牽引した浅村栄斗が取得した国内FA権がどのように使われるか、行く末を見守る必要があるでしょう。今オフに菊池雄星がメジャーへ移籍、浅村栄斗が他球団へ移籍、来オフに秋山翔吾がメジャーへ移籍となれば、もはや優勝はおぼつきません。2018年は「たまたま」みんなのいる時期が重なったね、というだけの話になるのです。

その意味では、打算を上回る愛でこの球団を支え、応援してきた人たち……栗山巧のような選手や、サーベラスの敵対的TOBを拒否して株式をホールドしつづけた株主たち(※こっちは打算含み)こそが2018年の勝者なのかなと思います。みなさんの愛が勝ちました。みなさんの愛がめぐりめぐって2018年にたまたま勝ちました。その愛がなければ戦力はますます整わず、そもそも球団はどこか遠くに行っていたことでしょう。

愛がなくても打算で選ばれる球団になってこそ実力。

今年はまだ「ミラクル元年」、真価が問われるのは来年以降です。

堤義明のものでも、サーベラスのものでもない、自分たちのライオンズをどうしていくかという真の戦いに向かって、この優勝をスタートダッシュにしていきましょう!目指せ、ソフトバンクのような選手に選ばれる球団!

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