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09:00
わかった!諦めた!DJ審判の育成を始めよう!

何故、人間はカリカリしてしまうのか。思い通りにことが運ばないとき、僕もカリカリしますし、みなさんもそうでしょう。たとえばどこかに移動するときでも、ただただ時間がかかるぶんにはカリカリしませんが、何らかのトラブルによって遅延が発生したりすると途端にカリカリします。アメリカ大陸に行くときは「10時間くらいかかるやろなぁ」と思っているから10時間飛行機に乗っていられますが、電車で15分の距離が事故で1時間かかったりすると頭のなかは非常事態カリカリ宣言です。「思い通りにいかない」は敵なのです。

そういう意味ではサッカーなんていうのは、もっともカリカリしやすい競技かもしれません。人間がタマを扱うときは手でやるというのが本道でしょう。ご先祖様が「ワシらはタマを手でいじることにした」と決めたときから、人間は猿と決別し、世界の覇者となったわけじゃないですか。その手をあえて封印する。二人羽織、パン食い競争、サッカー、これら「あえて手を封じて、思い通りにいかないことを醍醐味とした」ゲームこそが、世界三大カリカリゲームである。僕はそのように認定したいと思います。

だから、しょうがない。

カリカリしてもしょうがない。

両方が走ってきてブツかったときの過失割合が「自分で思ってるのとちょっと違った」程度でも、カリカリゲームに身を投じている間はマジギレしてしまうのです。どっちも走ってきて、どっちもボールを欲しがって、両方承知のうえで身体を当てているんですから、本来なら過失割合もクソもないとは思うんですよ。「一発で潰せ」と指示を受けた選手が相手選手の背後からタックルかますような「過失割合100:0」の案件でないかぎり、お互いが許し合うという態度であるのがしかるべきだとは思うんですよ。「すまん」「俺のほうこそすまん」「ナイスファイト!」みたいな爽やかさで。

サッカーではそうした心の余裕が手を封じられたことで失われていますから、自分から当たっていったほうが先にキレたり、当たられたほうがキレ返して報復したり、審判にマジギレしたり、仲裁に入った相手GKを投げ飛ばしちゃったりしてもしょうがないのです。そして客も同じ雰囲気でカリカリしていますので、選手のキレに同調したり、選手より先にキレたり、「過失割合の判定が正確でない」ことに対して烈火のごとく怒ったり、挙句の果てには時間外バトルや場外バトルに延長しちゃったりしても、それはもうサッカーだからしょうがないことなのです。

24日のJ1リーグ戦、清水エスパルスVSヴィッセル神戸戦などもしょうがなかったのです。イエローカードが乱舞する荒れた試合は互いに点を取り合って、神戸が3-2でリードして終盤を迎えていました。しかし、4分と表示されたアディショナルタイムは「アディショナルタイム中の負傷退場」によってアディショナルタイムのおかわりが投入され、そこから前代未聞の展開に突入していきます。おかわりアディショナルタイムが何やかんやで13分あまり経過したところで、負けていた清水がGKまで前線に上げるパワープレーから同点に追いついてしまったのです。

「くそー、追いつかれたで」という怒りに、「何で4分のはずが15分もやってんねん!」という苛立ちが乗り、ベースにある「そもそも何で手を使ったらアカンのやろ」という根本的疑問を加えたカリカリの多層構造は、神戸選手をキレさせるのに十分でした。途中交代で入ったウェリントンさんは、同点弾を許した直後にイエローカードをもらい、さらに「そのイエローにムカつく」というカリカリ4階建てとなったことでわずか3分後にもう1枚カードをもらって退場処分に。

その1枚目と2枚目のイエローの間には、清水ベンチ付近で「何故かピッチ内にボトルが投げ込まれる」という謎の事件が発生し、それを見とがめたウェリントンさんが「ボトルを拾って投げ返した」あとで、その場にいた清水のスタッフと小競り合いになるという場外乱闘もありました。さらに、退場処分に怒りのおさまらないウェリントンさんは、仲裁にきた清水GK(※さっき同点弾を決めた)を投げ飛ばす暴挙も演じます。「お前が点取ったからムカついとんのや!」ということだったでしょうか。結局、大荒れの試合は最終的にアディショナルタイム20分を計時する、真の「ふざけたロスタイム」となって幕を閉じたのでした。

↓同点弾の時点でアディショナルタイム13分過ぎ!そこから2枚イエローもらって退場!最後はGKを投げ飛ばす!


この動画はヴィッセル神戸さんがアップしたものですが、Jリーグ公式があげている動画は同点弾のところで終わっています!

神戸さんは「ムカついたんでSNSで晒すわ」の気持ちでロングダイジェストをアップしてくれています!

ありがとう神戸さん!みんなが「相手のGK投げ飛ばす」ところを見られるようにしてくれて!

「相手のトロくさい運転を晒そうとしてドラレコの動画を公開したら自分が危険運転でパクられた人」みたいな感じですが、ありがとうございます!

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ウェリントンさんはその辺の物を蹴り飛ばしながら退場。ブーイングに包まれるなか、神戸選手たちは世界のポドルスキさんまでマジギレで審判団に詰め寄るなど、おさまらない様子。世界のイニエスタさんの「みんな仲良くしよう」という懸命のとりなしも、世界のポドルスキさんには通じません。だって、世界同士だから…。ていうか、世界のポドルスキさんは先ほどの試合中の場外乱闘の時点で誰よりもキレており、周囲は抱えて止めるのが精一杯です。

「ウェリントンは最悪クビでもいいけど」
「ポドルスキさんアンタはダメだ」
「アンタが暴れたらみんなが困るんや」
「客はアンタとイニエスタはんを見たいんや」
「そして適度に華麗なプレーを見せて」
「適度に負けてほしいんや」
「イイ選手見れたなー、しかも勝った」
「そういう気持ちよさを提供してほしいんや」
「アンタとイニエスタはんのおらん神戸は」
「コーヒーを入れないクリープみたいなもんや」
「こらえてつかぁさい」
「ワシらはアンタをギレルメにはしたくないんや」
「ほかの神戸選手はひとりやふたり」
「いなくなってもぶっちゃけわからんけど」
「アンタとイニエスタはんだけはダメや!」

↓ポドルスキさん、アンタはキレちゃダメだ!



青いユニフォームの10番・ポドルスキさんは相手ベンチ付近で大立ち回り!

まだだ、まだキレてない!

決定的な映像証拠が出るまで、ポドルスキさんは「キレてない」扱いでお願いします!

Jリーグ全体のために!


↓映像の14秒頃から、画面左端の赤い幕の下あたりで10番ポドルスキさんの右手が鋭くスイングされているが、まだ決定的とは言えない!

スイングはしてるが、当たってないかもよー?

殴ったんじゃなくて、虫でも追い払っただけかもよー?


↓ちなみに、ポドルスキさんは「グッと堪えて」とサポーターに呼びかけているぞ!

あのピッチで1番か2番にキレてた人の呼びかけwwwww

全然堪えられてないけど呼びかけwwwww

散々殴ったあとで「みんな落ち着け!」って呼び掛けてる人みたいwwww




カリカリしたんでしょうね、きっと。確かにアディショナルタイム20分というのは珍事です。しかし、掲示された4分のアディショナルタイムは「最少」の時間であり、主審はそこからアディショナルタイムを「増やす」ことはできます(減らすことはできない)。そしてサッカー競技規則には「競技者の交代」や「負傷した競技者の負傷の程度の判断や競技のフィールドからの退場」など、空費されたすべての時間を追加すると定められています。

いつどれだけの時間が空費されたかを計測し、どれぐらいアディショナルタイムをとるか判断するのは主審の仕事であり、選手は主審の判断に従わないといけません。主審が「アディショナルタイムに入ってからも負傷とかあったし、そこも追加しよう」と思ったなら、それが決定なのです。「普段とだいぶ違う」「聞いたことがない」「もう終われや」などというのはオール言い掛かり。不満を持つのは勝手ですし、実際「アディショナルタイム13分台に追いつかれた」らムカつくとは思いますが、キレるのはお門違いです。

「判定が下手糞」だろうが、「カードが異常に多かろう」が審判の判定にキレるのは筋が違います。カード7枚・退場2名は確かに多いですが、キレるのは筋が違います。受け入れなくてはいけない。そもそも選手間で互いに納得の判定ができれば審判などいらないのです。しかし、実際にはひとつの接触で両方が「悪いのはアイツです!」って責任を押し付け合うわけでしょう。ゴール入った・入ってないですら、際どいヤツは両方が自分に都合のいい説を唱えてくるわけじゃないですか。

↓「完全に入ってるのに、入ってないって顔する」とかワールドカップでもありましたよね!


こういうの全部なくなったら審判もいらなくなりますよ!

認めよう、自分の目の前で入ったゴールくらいは!


試合を裁く第三者が必要なのは「自分たちで真実を見極めることができない」せいです。そして「自分に都合のいいウソをつく連中がいる」せいです。自分たちだけでは裁けないから審判という第三者が必要となっているのです。自分たちの能力不足・品位不足を棚にあげて、第三者にキレるというのはみっともない。不満があっても「審判がそう言うのなら」と堪えるのが当然です。

ただ、カリカリしちゃう気持ちもわかります。

手を使えなくて、そもそもカリカリしてますしね。

そのぶんの反動で、ヒマな手で殴りたくなったり、投げ飛ばしたくなったりするんですよね。

これまで僕は、「真実に近い正しい判定」をすればみんな紳士的になるのかなと思っていましたが、実はそうでもないのかもしれません。「アディショナルタイム後の負傷退場のぶんをさらに追加したら、それが極めて珍しいということでめっちゃキレる」わけですから。真実とか正しさよりも「珍しい」という感情が先に立っているわけですから。

「試合のコントロール」などと言うのも、判定の問題ではなく感情の問題ですよね。本来なら「黙って判定を受け入れる」のが正しい姿勢であり、そこにコントロールもクソもないはずなのですが、現実には「主審の顔がムカつく」とか「俺のほうにばっかり不利な気がする」とか「言い方が気に入らない」とかでどんどんカリカリしちゃうわけですよね。カリカリしたのを上手になだめてもらえないと、もっとカリカリしちゃってプレーが荒くなり、それをファウルととられるとさらにカリカリするわけですよね。「荒くなる前に上手くなだめてくれよ」だなんて、どこの駄々っ子ですかと。

これを解決するには、理想的なのは審判を機械にしてしまうこと。いくらキレても何の反応もなく、一切の感情を出してこない「機械」であれば、選手も余分にカリカリしたりはしません。ビデオ判定のあとで、ビデオの機械を蹴りにいくヤツは基本的にいませんよね。機械審判(ペッパーみたいなヤツ)が導入されれば、選手も感情の高ぶりを抑えられるのかなと思います。

しかし、現実にはまだそこまで機械は発達していませんし、導入するお金もありません。そこで僕からの提案ですが、「DJ審判」を育成してみてはどうでしょうか。正しい判定をするための技術向上の時間を少し削ってでも、「キレやすい感情的な連中をお世辞でなだめすかして、イイ気分にさせて操る」という渋谷スクランブル交差点でよく見るアノ技術を学び、試合運営に活かすのです。

↓技術よりも話術、「きもちよーくお世辞でなだめながらイエロー出す」技術がサッカーの審判には必要です!


キレやすい世界のポドルスキさんを守るために、神戸戦は全試合DJ審判が裁くことを求める!

「あなたのカリカリはわかる」と相手の感情に理解を示しつつ、相手が好きな話題の世間話とかしながら、カードを出す!

そうすれば、選手もスーッと受け入れられるはず!




この手の話題は、すぐ選手・サポーターが一体となって「主審が下手糞」と主審を責める方向に向かいます。「主審が下手糞だからキレて当然」とばかりに。僕はそれはオカシイなと思います。下手な審判には苛立ちますし、不満を持つことも多々ありますが、最終的にキレたり暴れたりしたのは「選手」でしょう。それを審判のせいにするのはオカシイでしょう。審判のコントロール云々の前に「ファウルをするな」と言いたい。ファウルって反則ですからね。相手の態度が気に入らなかったら暴れていいのですか、と。

ただ、選手は宝であり、やはり守りたい。そのための技術向上として、大きな譲歩の心をもって、審判団にもDJ技術をぜひ身につけてもらいたいもの。正論がときに相手をキレさせるように、人間相手の仕事ですから、裁けば何でもいいというものではないのだと渋々承諾する感じで。結局、どう裁いても、どっちかは不満を持つのが必然です(※どっちも自分の都合のいい判定だけを望むから)。裁き方の技術向上よりも、なだめ方の技術向上のほうが現実としては効果的なのでしょう。きもちよーくお世辞でおだてて、上手にイエローを出していくことが、最終的にはみんなの得になるはずです。

「試合のコントロールが下手糞」って言われたとき、それは技術で解決する問題ではありません。

「俺のこと上手になだめろ!」って言われているんだと思って、話術を磨いていきましょう!


あと、ポドルスキさんの来季残留交渉のため「DJオーナー」も頑張れ!