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12:00
優勝旅行が「悲報」になる球団運営スタイル!

望外の結果となったパ・リーグ優勝から2ヶ月。バンドが解散でもするように、埼玉西武ライオンズは空中分裂しています。いやむしろ、もともとつながっていないパーツがたまたま同じ速度で同じ方角に飛んでいただけと言ってもいい。言ってみれば刑務所の大部屋。そこには連帯感などはなく、たまたま出会い、いつか別れる同士でしかないのです。

戦いを終えた直後から始まる整理整頓は怒涛の勢いで進んでいます。キャプテン浅村栄斗さんの「金とかじゃなくて、とにかく西武はイヤ」というFA刑期満了(※もう閉じ込めておけないの意)。エース菊池雄星さんの「金とかじゃなくて、とにかく西武はイヤ」というポスティング保釈(※球団に保釈金が入るの意)。そして、最多安打記録を持つ球界ナンバーワンバットマン秋山翔吾さんの「金とかじゃなくて、とにかく西武はイヤ」という拘留延長申請の拒否(※複数年契約で閉じ込めようと思ったが拒否られた)。リアル脱出ゲームとはまさにこのこと。

せめてもうちょっと他球団の評価とか聞きながら悩んでみてもいいんじゃなかろうかと思いますが、ヨソの話を聞く以前に彼らのなかで答えは出ているのです。刑務官が「行くあてはあるのか…」と聞いてきたとき、「行くあてなんかないけど、牢屋からは出たい」と答えるのが当たり前であるように、出て行くという答えだけは決まっている。もしかしたら部屋の壁に×印でも掘って、「刑期満了まであと1014日…」とか数えてるのかもしれませんね!

↓複数年を拒否した時点で大体答えは出ているのに、色紙に「メジャー挑戦」と答えを書いてしまった秋山さん!

あ、いかんいかん、「メジャー」書き忘れてたわ!

でも、お気持ちは大体わかるから大丈夫です!

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しかし、こういった選手たちのお気持ちというのは埼玉西武ライオンズにとってマイナスばかりをもたらすものではありません。「このタイミングで出て行く」とわかることは余命宣告のようなもの。急に出て行かれると準備もできませんが、あらかじめわかっていれば身支度もできます。それは悲報中の朗報です。

秋山さんの場合など、2年前に3年契約に応じた段階で「あ、国内FAは使わないけど海外FAは使うんだな」ということがわかっていたわけです。わかっていればドラフトで獲る選手も変わりますし、「あと3年でセンターが空く」と若手の意識も変わります。ファンの側も「もうグッズ買わないでおこう」と計画的な購入ができます。

そして球団も野放図に跳ね上がっていく人件費に悩まなくて済みます。残るか残らないか微妙だとオークションのように「5、5億ならどうや!」とか言ってしまいがちですが、出て行くとわかっているなら出せる範囲のお金を出して終わりです。むしろ、「出て行く年に3億に到達」という最大値から逆算して、段階的に年俸をあげていくことも可能。

スタートは500万円くらいで、1シーズン活躍で1000万円〜1500万円、2シーズン活躍で3000万円〜4500万円、3シーズン活躍で6000万円〜8000万円、4シーズン活躍で1億円の壁の攻防を行ない、5シーズン活躍で1億5000万円のラインが見えてきます。で、ここまで順調に活躍が積み上がったなら、7シーズンから9シーズンで迎えるFA権取得を見据えて「3年合計6億〜8億でどうや?」という単年計算で3億を最大値とした「定額使い放題制」を提案し、以降の交渉は諦めるのです。

この成長曲線を適用していくことで、選手との毎年の契約更改も気持ちのいいものとなります。「このペースで活躍されたら5億とか6億とかになってまうぞ」と思うからヘンなところで出し渋ったりするわけで、何シーズン活躍したら出て行くかが決まっているならば「倍々ペース」の提示でも問題ないわけです。「活躍5シーズン目まで倍々で、その先は単年3億相 を最大値とした複数年契約でFAまで引っ張る」とかにすれば、納得の昇給感をずっと得られますからね。

↓見よ、埼玉西武ライオンズの面々の納得の昇給感を!頼むから予定通り出て行ってくれよ!
<7シーズン終了時点で国内FAで出て行くことを念頭に、昇給ペースを計算する球団>


<倍々昇給のない年が挟まっている選手は、大幅アップで帳尻を合わせる優しさも>


<出て行かないと決まったらあとは微増と微減を繰り返すパターンに>



<納得の昇給感を得られたときに人間が見せる最高の笑顔>


1000万円で大活躍して4500万円の提示だと「うほーーー」ってなるけど、3億で大活躍したあと3億8000万円の提示だと「そんなもんか…」と思うでしょ?

FAの年まで「うほーーー」をつづけてあげて、そこでバイバイするのが精神衛生上もベスト!

3億の先はメジャーからもらうか、他球団からもらうかしてください!


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まぁ、このような球団運営スタイルでありますので、お互いに仮初めの関係に見えるのも仕方ないところでしょうか。ご覧ください、埼玉西武ライオンズが発表した優勝旅行計画の報道を。スタッフ・家族含めて150人あまりが参加するという大旅行ですが、選手から参加するのは17名だということで、「悲報:チームがバラバラ」みたいな報道をされているでしょう。

バラバラなんじゃないんですよ。広島だって参加メンバーは19人とかですし、優勝旅行なんてそんなもんなのです。メインは球団職員や家族へのサービスであって、選手はむしろホストというか「球団職員の家族を接待する」ような立場。子どもたちとキャッチボールしたり水遊びしたり、それは「お仕事」の一環であり、そういう意味では「よー知らんヤツ」にきてもらってもあまり意味はなく、全員に来てもらってもダブつくだけ。これは普通のことなのです。

しかし、西武であるがゆえに「うわぁ…チームがバラバラ…」と見られてしまい、球団もそれでいいと思っている。宿泊先がプリンスホテルという「会社の保養所じゃねぇか…」という猛烈な昭和感も含めて、「なるほどコレは出て行きたくなりますね」という感じを加速させています。100万円ずつ渡して「これでモルディブでも行ってくれ」と個人旅行にするよりもむしろ、団体旅行にすることでバラバラ感を演出していく。それは埼玉西武ライオンズ一流のイメージづくり。「ずっといるような場所ではないのだ」という……!

↓「優勝旅行に連れていってもらえない人のイメージ図」みたいな不景気な顔!

これは「活躍できず年俸ダウンで不景気な顔」なんですけどね!

優勝旅行に連れていってもらえないからこんな顔してるわけじゃないんですけど、そう見えないですよね!西武だから!


↓ちなみに、同じ選手が同じ会見で、こんなに笑顔で「来年1月に個人でハワイに行く」と言っています!

ハワイなんて勝手に行くでしょ!お金はあるんだから!

いくら西武の選手だって、ハワイの保養所に連れていってもらえないだけであんな不景気な顔はしませんけど、誤解してもらうぶんにはオッケーです!


↓ちなみに、優勝旅行に行く人も「猛烈な昭和感」で球団への嫌気を加速させるナイスアピール!

リアルに社員旅行なんだけど、半端ない社員旅行感だなwww

添乗員の旗についてく系のツアーwwww




このようにして埼玉西武ライオンズは「いつか出て行く場所」というイメージを、選手・ファン・球団それぞれに刷り込みつづけているのです。旅行という連帯感アップのための代表的な施策ですら、逆に空中分裂のように見せていく。決して連帯感は高めない。それが将来の円満な別れにつながっていくのです。「お別れの前に最後に旅行しましょう」みたいな話だと思って、見送ってあげてください!


別れのための旅行なので辞めることが決まってる人ほど積極的に参加しますよ!

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