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12:00
男子ーーーーーー頑張れ!

全日本フィギュア選手権の熱い戦いに決着がつきました。注目の男子シングルでは、大会中に足を痛めていた宇野昌磨クン(※自己診断では全治2週間の捻挫/医学は独学)が底力を見せて圧勝。全日本3連覇となりました。そして、2位には復活の高橋大輔さんがフリーではかなり疲労感を見せながらもショートの差を守って滑り込みました。3位には4回転サルコウをようやく決めた田中刑事さんが入り、平昌五輪代表の意地を見せました。大きな波乱のない表彰台となりました。

↓世界選手権の代表争いも順当な決着に!

女子シングル⇒坂本さん、紀平さん、宮原さん

男子シングル⇒宇野クン、刑事さん、羽生氏

高橋大輔さんは辞退となりました!


ちなみに2月の四大陸選手権には女子シングルは坂本さん、紀平さん、三原さんを送り込み、男子シングルは宇野クン、刑事さん、友野クンという布陣に。ペアは須崎&木原組、アイスダンスは小松原&ティム・コレト組がいずれの大会も出場とのこと。大会結果を踏まえて、「こうなるだろうなぁ、こうしたい」という順当な形におさまったことで、準備や覚悟もスムーズに進められそうです。

ただ、男子シングルに関しては引きつづき予断を許さない状況だなとは思います。代表に選考された以上は羽生氏の怪我の回復状況は見通しとしては明るいのでしょうが、たびたび故障している箇所だけに安心はできません。また、宇野クンも全日本で負傷ということで、ここから先の皆勤ロードを乗り越えられるかは不透明。

そのなかで期待がかかった実績組の田中刑事さん(そして友野一希クン)は、全日本で「これぞ日本代表」というパフォーマンスまでは見せられませんでした。高橋大輔さんがいかに実力者とは言っても、ひさびさの全日本・ひさびさの大本番という状況で後半は滑っているのがやっとという演技(技術点63.60点/世界選手権出場の最低ラインであるフリーのミニマムスコアは技術点64.00点)になったにもかかわらず、順位でかわせなかった。

高橋さんが往時のチカラを取り戻していれば、なかなか厳しい戦いかもしれませんが、この日の高橋さんはそうではなかったわけです。「ショートで4回転1本、フリーで4回転2本」という標準装備をキッチリ決めて技術点で上回れば、十分に勝てる相手でした。世界で戦おうという覚悟ある選手にとっては、基準となるような壁でした。それを打ち破れる選手がいなかったことは、危機感を持っていかないといけない状況なのかなと思います。

羽生氏はいつ何時「もう、ここで僕は」と言ってもおかしくない、得るものはすべて得たあとの競技生活です。高橋さんも自分の心残りを解消しにきているのであって、国を背負って枠獲りをやってくれる助っ人ではありません。比較する対象じゃないとは承知しつつも、女子シングル上位者のほうが出来栄えも含めての技術点が高く、何より意図した通りの演技をできていました。「何回コケた?」と問い掛ける言葉が、男子と女子で全然別の意味に聞こえるくらい全体の内容に差があった。演技構成点の係数を男子と同じにすれば…という計算結果は控えますが、さすがにもうひと踏ん張りほしかったところ。

「真・4回転時代」に育った若い年代は佐藤駿クンなどが早くも4回転標準装備での好演技を見せていましたので、数年後は明るいのかなと思いますが、その数年を誰かがしっかりとつながないといろいろな不都合が出てきます。宇野クンひとりでは枠は2つしか獲れないわけで(逆に宇野クンひとりだけ出したほうが3枠獲れるかもしれないが…)、層の厚みを出して行きたい、そこが不安になる全日本でした。

↓2017-2018シーズンの日本から届いた激励のメッセージ置いておきますね!

今回は頑張らなくても大丈夫かもしれないけれど、次回はどうすればいいかわからない!

頑張ろう男子!


世界で戦おう、戦わないといけないという自覚を持って台乗りに臨んだ選手たち。まず登場してきたのは、昨年の世界選手権で急遽の出場となりながら、5位入賞で日本の3枠獲得に大貢献した友野一希クン。名曲リバーダンスでの演技は、冒頭の4回転サルコウからのコンボをクリーンに成功。つづく2本目は回転不足の状態で転倒と、一進一退の滑り出しとなります。

曲のチカラを活かし、場内からは大きな拍手を引き出すも、畳みかけたい後半のジャンプではステップアウトと回転不足でスコアを伸ばしきれず。コレオシークエンスでの気合いあふれる表情での踊りは見せ場を作りますが、ショートでの4回転転倒を取り返すにはいたりませんでした。本来なら、次の世界選手権の枠は友野クンが予約していたものだったはずなだけに、スッキリ渡せなかったことは心残りです。

↓むしろ、先にトナカイで出てきたほうが自分らしい演技ができたような気もする!

惜しいなぁ、惜しい!

クリスマスを盛り上げる「技術力」「表現力」がこんなにあるのに!


最終グループに移って、表彰台と枠を争う田中刑事さんが登場。冒頭の4回転サルコウはひさびさに成功し、コンボもつけられました。「田中巡査、4回転サルコウ確保ー!」の声が響くSNS。しかし、つづく2本目は抜けて2回転となり「すみません、取調室から逃走を許しました!」と自警団の反省の声が跳ね返ってきます。

ただ、ステップやスピンはしっかりと加点を取れていますし、ジャンプの高さでは存在感を発揮しました。中継に導入されたアイスコープの数値で改めて意識しましたが、「長身+高さ」の迫力は刑事さんの持ち味としてこの日も秀でていました。惜しまれるのは演技後半に入ってからのコンボにおいて、この演技中3つめのダブルトゥループを跳んでしまい、規定違反でノーカウントとなったこと。直前のトリプルフリップが少し壁に近かったでしょうか、ジャンプの途中で自分で緩めたような形になりました。

タラレバを言えばキリはないですが、もしここで状況の悪さを察知してコンボにせず、残っていたルッツかループにトリプルトゥループをつけることができていれば、それだけで5点から6点は変わってくるところでした。その5点から6点があれば、しっかりと「第3の男は自分だ」と示せたはず。もっと言えば、4回転サルコウが抜けて繰り返しにならなかったぶん、セカンドジャンプでトリプルトゥループを二度跳べた。できなかったのではなく、やらなかったというのはもったいないロスだったように思います。

↓あとちょっと機転があれば、頭ひとつ抜け出せたのに、惜しい!

田中巡査に一応インターポール出向を命じる!

世界選手権で日本の来季出場枠を確保せよ!

「自分が現場につく頃には、その犯人は羽生刑事と宇野刑事がすでにお縄をかけているのでは…?」とか言わない!

羽生刑事はいつ到着するかわからんぞ!



ラスト3名というところで大本命の宇野昌磨クンが登場。足の負傷だけが不安材料でしたが、冒頭の4回転フリップはしっかりと決め、しり上がりに調子を戻していきます。演技終盤には「足、治った?」とカンチガイするような具合で、出来栄えも含めてさすがの滑り。演技を終えた時点で優勝決定と断言できる、圧倒的な3連覇でした!

↓「どうしてそんなに出たいの?」「僕の生き方です」というカッコいいやり取りで強行出場!

うん、でも、無理しないでね!

繰り返しやすい箇所だからね!


宇野クンの圧巻の演技のあと、リンクに向かうのは高橋大輔さん。この日一番の歓声が出迎え、高橋さんの目標であった「全日本最終グループ」でのフリーが始まります。滑りは美しく、立ち振る舞いは変わらず印象的です。冒頭のジャンプは4回転を目指しながらの3回転となりますが、崩れてはいません。つづくトリプルアクセルは加点も大きくもらえる出来で、表彰台へと前進していきます。着氷時のちょっとした決めポーズとかが相変わらずカッコいい!

ただ、演技後半にかけてはスタミナの問題もあるのか、スピードがガクッと落ち、持ち味のエッジワークも浅くなっていきます。後半のジャンプはつづけざまに乱れ、最後は決めポーズの途中で足を滑らせたほど。ひざに手をつき、息を乱すさまは「なんとか滑り切った」という姿でした。32歳、一度は引退した身です。ましてや今季はルール変更もあって、現役継続組でもキツイと漏らすような環境です。ここまでこれたことがまずすごい。2位表彰台、お見事でした。

来季以降どうするのか具体的な構想はわかりませんが、可能ならばまたこうして地域ブロックから全日本へと進んでいくような戦いに期待したいもの(※上位入賞で来季の全日本はシードされる立場だが、あえて)。世界選手権の代表辞退は「覚悟が持ち切れなかった」ことに加えて「若手に枠を譲る」という意図だそうですが、「譲る」から一歩進めて「育てる」ような存在でいてくれたらありがたい。高橋大輔と同じ試合で滑った。世界チャンピオンと戦った。その経験がどれだけモチベーションを生み出すことか。はからずも「ゼロスタート」の状態で戻ってきた現役のリンク、世界と戦う覚悟ができるまででもいいので「種まき」をしてもらえたら、ありがたいなと思います。そのために戻ってきてくれたんじゃないかと勝手に思ってます!

↓何歳までいけるか挑戦しよう!まだまだいけるし北京だって目指せそう!


新世代ー、挑め、そして乗り越えろ!

この先輩に勝たないと、世界での上位入賞はないぞ!

世界への基準となる壁、北京まで立ちつづける!



いやー、堪能しました。クリスマスという特別な日に4夜連続のゴールデンタイム地上波生中継、とても贅沢な時間でした。夕方からフィギュアスケートをテレビに映し、美しい楽曲と踊りを鑑賞できる。この素晴らしい時間、これからもつづいていってほしいと思います。女子シングルは、「これは生中継するしかない!」という大納得の神試合でしたし、男子シングルも僅差の勝負に盛り上がりました。いつも同じようにはいかないでしょうが、今後もコレを目指していってほしいもの。クリスマス返上で試合をするのは大変だろうとは思いますが、クリスマスにはフィギュアスケートがハマっています。来年も、さ来年も、いい大会をよろしくお願いします!

↓素敵なクリスマスにしてくれた選手たち、本当にお疲れ様でした!

クリスマスの空気と、リンクの静けさ、流れる楽曲、選手たちの舞踏、最高でした!

お疲れ様でした!メリークリスマス!


「きっと君はこない」クリスマスでも寂しくならずに済んだ、熱戦に感謝!