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12:00
最後の若獅子寮世代よ、ようこそ埼玉西武ライオンズへ!

「あと1年遅く生まれていれば…」とうなだれながら唇を噛む若人たちよ、ようこそ秩父山中の山小屋へ。道路を挟んで向こう側には近代的集合住宅があるのに、何故か自分の新居は昭和の廃屋だったときの気持ち。「嘘やろ…」「マジでコレがプロの設備なのか?」「下手になりそう」という今のその気持ちが諸君の未来を変える原動力にきっとなる。その「俺は絶対にココから脱出してやる」という気持ちが。プリズンブレイクの主人公も、エリア88の主人公も、カイジの地下労働施設に出てくるハンチョーも、みんなそうやって強くなったように。

居心地のいいぬるま湯に成長はあるだろうか?

今諸君に必要なのは居心地は悪くても自分を鍛えてくれる泥水のはず。

「居心地もいい泥水」をほかの11球団は整えているかもしれないけれど、諸君が「本当にそんな夢のような場所があるかどうか」を確かめるには、まずココから脱出しなければならないのです。そのためには打って、投げて、勝ちまくること。結果を残したものだけが「若獅子寮以外」の環境を知ることができる。そして、「アソコには二度と戻らない」ことを改めて誓うのです。我が埼玉西武ライオンズの偉大なレオ戦士たちは、一部の妻帯者を除き、みんなそうやって大きくなりました。

「もしも清原が今でも若獅子寮にいたら、あんなことにはならなかったか、みんなで打ち回ししていたかどちらかだったのに…」

2019年、諸君らの入寮を見守りながら胸に迫る郷愁の正体は、諸君らが最後の若獅子寮戦士であるということ。長い間、我が埼玉西武ライオンズのチカラの源泉であった1981年建設の偉大な選手寮、および室内練習場は、6月竣工を目指して建て替えの真っ最中。20年前から「廃屋」と呼ばれていたこの寮は本当に廃屋となり、その長い歴史に幕を下ろします。

買い直しができないポップな壁紙も、先輩がめぐらせたタコ足配線用の延長ケーブルも、上段と下段でメーカーが違うエアコンの室外機も、電灯をつけたり消したりするヒモも、未成年選手が喫煙しないように天井で見守る煙探知機も、薄くて冷たいアルミサッシも、セキュリティのカケラもない玄関ドアも、メディアに室内を覗かれないように常に閉じたままのカーテンも、いつでも食べられることが自慢のカレーも、すべては「過去」となります。(※カレーは引っ越し後も作るだろうが…)

諸君らは刑期に終わりが見えた状態で、若獅子寮に入寮する「体験入寮」世代。しかし、今、その胸に迫る「やべーぞココ」という気持ちに、刑期の短さは関係ありません。刑務所に入ったとき、一番絶望するのは初日であるように、諸君らが体験した「若獅子寮初日」は決して消えない記憶です。どうぞ大切にしてください。キレイな寮で始まった選手生活に何の反骨心がありましょう。獅子はボロ屋に我が子を叩き込み、ボロ屋から出てきた者だけにポスティングの許可を与えるのです。

這い上がれ、獅子よ!

いつか俺もビッグになるんだという野望を胸に!

↓最後の若獅子寮世代が不安に胸をおしつぶされながらやってきた!

いきなり玄関に廃材みたいなのが積んであって映える〜!

室内を覗かれない用の目隠しとしても大活躍で映える〜!



毎年恒例の球団による入寮動画。それは一種の踏み絵です。毎朝社訓を読ませるブラック企業のように、「お前は本当に我が組織に忠誠心を持っているか?」と若人たちを試しています。トップバッターで紹介された優秀若人・山野辺翔選手は「山と野の辺境を翔ける」というまさに埼玉西武に所属するために生まれた選手。阪神で言えば「藤村甲子園」です。男どアホウ秩父山中と言ってもいい。山野辺さんは入寮初日にも関わらず「源田の手が大きかった」と寮についてまったく触れないパーフェクトな振る舞いで、球団動画をグッとポジティブなものに変えていきます。

「所沢についてですか? 初めて来たので…」という上手なかわし方を披露したドラフト4位・粟津さん。「大漁旗を持ってきました」と自前の目隠しを持参したドラフト7位・佐藤さん。「一軍目指して頑張っていきたい」と一軍になればココじゃない場所に住むんですよね?という一縷の望みを捨てきれない育成ドラフト2位・大窪さん。「こんな広い施設があるのがすごい!」と目を輝かせる、室内練習場のない大学出身の育成ドラフト1位・東野さん。続々と若者たちが踏み絵のうえでスキップしながら入寮していきます。(※ギィイーーーバタン、という鉄の扉が閉まる音を頭で鳴らしてください/なかから「タスケテー」とか聞こえてくるイメージ)

↓ドラフト2位の渡邉クンは松坂パイセンや菊池パイセンが使った出世部屋で、恒例の「絶対に室内を覗かせない入寮撮影」を敢行!しかし、うっかり本音で答えてしまう一幕も!
まずはその二軍の施設について、球団関係者がすぐそばにいるにも関わらず、「古いって聞いてたんですけど、思った以上に古かったです」とド直球なコメント。「外に出てすぐにグラウンドがあって、野球に集中することができる。ほかの環境は気にならない」と若干のフォローはあったものの、所沢という土地についても「山が…たくさんありました」と笑顔。続けて「いろいろな面で想像以上でした」と正直すぎるコメントの連続で、『物怖じしない』という自身のセールスポイントをいきなり発揮して見せる。

また、球団伝統の“出世部屋”を与えられたことについても、「歴代活躍してきた選手の部屋で、そこを使わせてもらえるというのはありがたいことだと思います」と球団からの期待は受け止めつつも、「正直に言っていいですか?『へぇー』って感じでした」とケロリ。入寮初日のサプライズ発表にも浮つく素振りはまったく見せず、「なんというか、電気のスイッチとかも古めで。全然気にしてないですけど、ちょっと笑っちゃいましたね」と言ってのけて記者たちの笑いを誘った。



「古いって聞いてたんですけど」
「思った以上に古かったです」
「外に出てすぐにグラウンドがあって」
「野球に集中することができる」
「山が…たくさんありました」
「正直に言っていいですか?」
「『へぇー』って感じでした」
「電気のスイッチとかも古めで」
「ちょっと笑っちゃいましたね」

踏み絵大失敗じゃねぇかよwwww

禁句だけで構成されたインタビューwwww


↓ちなみに同じ取材の模様を「大本営」が取り扱うとこうなる!
「(出世部屋の)ありがたみを感じて日々成長したい」


「思ってた以上に古くて山とかも結構あって…でもグラウンドがすぐあって練習できるので嬉しいです!」


これが情報操作というヤツか…!

なんとなくポジティブになってる!!

「ありがたみを感じて」のあとでちょっと苦笑いしちゃっているのはご愛嬌です!


↓ちなみに他球団の入寮の模様は室内の風景をふんだんに使用した、いかにも新生活という体裁です!
<壁や棚もピカピカ、ベッドで寝られる>


<インターホンつきの部屋で野球協約に目を通す>


<ホテルみたいな自動ドア>


<マンションみたいなサッシと、地デジが映るテレビ>


<改めて埼玉西武に戻ると感じる、何故かガムを持って1回外に出てくる異常さ>


門松の奥に見えるセキュリティ皆無の呼び鈴!

絶対に室内を撮らせないという厳しい掟!

根尾が野球協約を持って外で読んでたら「公園の文学少女かwww」ってなるけれど、埼玉西武では持ち込んだモノの撮影は全部外でやります!




来年からはこの光景も変わってしまうのでしょう。キラキラと目を輝かせながら、真新しい部屋で寝ころび、荷物を広げる姿が報じられるのです。撮影NGの場所はありません。電灯(ヒモつき)も、コンセント(タコ足)も、テレビ端子(パラボラアンテナから壁を貫通してケーブルが伸びてる)も全部撮っていただいて構わない。そのような環境で、プロ野球に臨む反骨心を養えるのかは疑問ですが、親御さんにとっては安心かもしれません。

それは本当に厳しいことだと思います。1億円の契約金をもらって、キレイなマンションに住んで、ちょっとチヤホヤされたら、僕ならそれで満足してしまいます。その素晴らしい環境のなかでも成長を求め、泥水を自らすすっていく覚悟、それがこれからの若人には求められる。獅子は「千尋の谷」を現代的コンプライアンスによって自粛しますが、そのぶんは選手自身が補っていかねばなりません。厳しさ、貧しさ、忍耐、苦痛、ガマン、停電、昭和、廃墟臭…若獅子寮が無制限に与えてくれた強さは、これからは自分で見つけるしかないのです。

鍛えよ、そして自らを律せよ!

失われし若獅子寮のぶんまで!

↓ちなみに、ドラフト6位の森脇さんは妻帯者なので入寮しませんが、人身御供としてロッカーにアンパンマン人形を置いていきました!


いらねぇよwwww置いてくなwwwww

「お前だけマンションに住みやがって」とか言いながら壁に叩きつければいいのかなwwwwwwwww




まぁ6月には建て替えなんで、ゴーンの拘留程度で脱出できますよ!