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12:00
接戦ではなく、余裕の勝利!

強い、強いぞ新生日本代表。唯一の目標・アジア制覇へ向かうサッカー日本代表は、準々決勝でベトナムと対戦。若く、勢いのあるチームを相手に、「ヨシダ以外ノーチャンス」という完勝を見せました。後半に入るとほぼ相手陣内へイキっぱなしで、中継の画面にGK権田の姿を探すのも難しいほど。「ボ、ボール支配率とか関係ないからッ…!」と言った舌の根も乾かぬうちで恐縮ですが、チカラの差を見せつける勝利でした。

全試合1点差での5連勝。セットプレーであったりPKであったり、チョロッと点を取って店じまいする戦いぶりには、派手さはありません。それだけに、余裕があります。まだ日本はこの大会で一度も、死力を振り絞っていません。「これで終わりだからすべてを出し尽くす」という場面を一度も迎えていないのです。それでも全試合勝っている。余裕をもって差し切った競走馬が「ハナ差」とかで勝っているような感じ。相手と自分のチカラを見切って、必要なぶんだけ頑張ることで、「ギリで勝つ」ような調整ができている。底が見えないチームです!



準々決勝に臨むメンバーたち。GKには期待に応えるレギュラー・権田。DFラインには長友・吉田・冨安・酒井の鉄壁のレギュラー陣。中盤の低めには柴崎・遠藤のレギュラーコンビ。攻撃的な位置には原口・南野・堂安のレギュラートリオ。そして1トップにはいまだ無得点ながらも「全試合出場」をつづけている文字通りの不働のレギュラー・北川が入ります。

↓勝利を積み重ねて、より一層頼もしく感じる!

「先生!北川がいるほうがレギュラーですよね!」
「全試合出場だからレギュラーですよね!」
「結果的にはそうです」
「結果的にはそうですが」
「それは真ではありません」
「大迫が使えない試合」
「大迫を使いたくない試合」
「試合で使えない武藤」
「試合で使いたくない武藤」
「そういった実力者たちの動向が」
「結果として北川にお鉢をまわしている」
「槙野がいるほうがベンチ」
「基本通りに覚えましょう」
「はーーーーい」



スタンドの一角に真っ赤な空席がある…と思ったら、空席は青で赤い部分はベトナムの大サポーター。真っ赤な一団はチームの躍進に意気上がり、ボールを持っただけで大歓声が起こります。プワーン音も「ハリージャーホジージャークビージャー」的な歌もありません。にぎやかだけれどわずらわしくない応援は、さわやかさすら感じさせます。

チームもまたしかり。ベトナムは整然と列を作った守備から、パスをつないで持ち上がるようなキレイなサッカーをしてきます。当たりもクリーンで、いらぬ時間稼ぎをするようなところもありません。それはまるで日本がアジアで貫いてきたサッカーのよう。「相手を蹴ってはいけません」「痛くないときは倒れない」「審判にお金を渡すのはやめましょう」というマインド、ベトナムとなら分かち合えそうな気がします。

そんなクリーンな舞台にふさわしい装置も導入されました。この準々決勝からはVAR(ビデオアシスタントレフェリー)が導入されたのです。「長友のハンドのときにもVARがあれば…」と相手チームは思うであろう、中途半端な段階からの導入ではありますが、途中からでもあるだけ上出来。「ベスト8までくればまぁまぁ満足だからフェアにやってやってもよい」という中東の良心を見たような想いです。

そしてVARは早速の大仕事をやってのけます。前半24分、日本の左サイドからのコーナーキックの場面。柴崎が蹴り込んだボールは吉田の頭にピタリと合い、ボールはゴールに吸い込まれます。「嘘でしょ!?ヨシダが相手ゴールに入れたよ!」「おーいヨシダー、決めるゴール間違ってるぞー」「何かの間違いでは?」と日本が驚くまさかの得点。その違和感はVARによって正しさを証明されます。そうです、このゴールはやっぱり間違いだったのです!

↓VARが間違いを正してくれた!ヨシダのゴールではなくヨシダのハンドです!


VAR最高や!

サッカーのおかしな判定をすべて正してくれ!


VARで確認を行なうということが告知されたとき、「ヤベーッ」という顔で頭をかくヨシダの姿が中継にはハッキリと映っていました。その表情は「何でだよ!?」という怒りではなく、悪事がバレたときの「ヤベーッ…」というバツの悪さを示す表情。自分の身体です、手に当たったことは感覚としてわかっていたのでしょう。わかっていたからこそあの表情になった。

あの表情を見たとき、僕はVARとガッチリと握手しました。僕は「意図的じゃないからハンドリングではない」などというインチキに与するつもりはありません。「無意識でイイ位置に手を置いておく」ことを容認する気もありません。この強い代表にインチキはいらないのです。正しく、美しく、勝ち上がるチカラがあるのだから。都合がいい・悪いにかかわらず、真実の判定を受け入れる所存です!

↓自分の手に当たったという感覚を持っている人物のゴールパフォーマンスがコチラです!

「ありがとうVAR」
「サンキューVAR」
「俺たちはコレと一緒にされたくない」
「ハンドならハンドと言える自分でありたい」
「バレなければいい、とかではなく」
「誰からも認められる王者になりたい!」

あぁ、長谷部の不在を強く感じる!

これが日本のキャプテンの姿だとは!




しかし、インチキではあっても枠にボールが入ったことで、日本の勢いはグッと増してきます。ベトナムをゴール前に釘づけにして攻め立てる連続攻撃。前半29分の冨安のヘッドなどは、これは決まっただろうという強い当たりとなりましたが、ベトナムはGKがイイ反応でこれをセーブ。なかなかゴールを奪えません。

逆にベトナムも、回数は少ないながらもカウンターで日本のゴールに迫り、大観衆をわかせます。前半37分にはこぼれ球に詰めてシュートを放ち、前半38分にはヨシダがトラップミスを犯したところを詰めて、ゴール正面でシュートを放つ場面も。GK権田が詰めてゴールを死守しますが、ヒヤッとする場面でした。「やっぱヨシダはこうでなくっちゃ」「枠と見たら見境なく蹴り込むタイプ」「ものすごく決定力の低い敵、ってイメージ」と世間も大納得の大ピンチでした!

↓GKが「クリアしてくれ…」と渡してきたボールを、GKに「クリアしてくれ…」と返すキャッチボール!

「自分たちのGKのほうに蹴ってピンチにする」ことをこれまで何度繰り返してきたことか!

これは連携ミスとかトラップミスではなく「シュートミス」ととらえるべき!

ヨシダのシュートがものすごく弱かった、そんな感覚です!


スコアレスで迎えた後半戦。日本は引きつづきボールを持って攻め立てていきます。後半6分には右サイドを完全に切り崩してからいいクロス、惜しいシュート。つづけざまに遠藤が惜しいミドルを放てば、さらに後半8分にはエリア内に堂安が侵入して倒されるという場面も。解説の松木安太郎氏が「PKだろ!」といつもの煽りを言い放って(※とりあえずPKって言うだけで本気じゃない)、そのまま流れていった場面ですが、1分ほど経ってから主審はVARをやると言い出しました。

日本側もそこまで思っていなかった場面ではありますが、VARで見直せば確かにベトナム選手が堂安の足を踏んでいます。昨年のワールドカップでもそうだった「VARやるとほとんどPKになる説」は、アジアカップでも健在でした。VARによる正しい判定は、ヨシダのゴールを取り消しもしましたが、堂安のPKも指摘しました。VARは役に立つものなのです!

↓足を踏まれたあと、それをものともせず一歩前に進もうとしている堂安に好印象です!


「よっしゃ踏まれた!倒れるぞー!」って輩が多すぎるからな!

こういう選手を助けるVARであってもらいたい!


先制点をあげた時点で「勝ったな」という手応えがありました。7対3くらいの割合でボールを持ちつづけ、日本のゴール前にはそもそもほとんどこないような状況です。そしてこのチームと森保監督は、試合を静かに終わらせることが上手です。急にペースを変えるわけではなく、じわりじわりとペースを落とし、何も起こさないように試合を終わらせていきます。攻め過ぎず、引き過ぎないバランス感覚があります。

後半27分には、チームに残る「もっともっと得点を取りたい」という気持ちを鎮めるように、不働のレギュラー北川を下げて大迫の慣らし運転を開始。後半33分には原口に替えて乾を投入し、ベンチのガス抜きも欠かしません。そして十分に時間を使い切ったあと、最後の最後の猛攻に備えて南野⇒塩谷の塩交代。守備に心を置いたまま、相手を殴りつづけて時間が過ぎるのを待つような交替策・試合運びは老獪でした。

サウジアラビア戦での「勝ってる状態でガードの上から相手に殴らせつづけて逃げ切る試合」も、ベトナム戦での「勝ってる状態で相手のガードを殴りつづけてパンチを撃たせない試合」もどちらもできる。最後のほうはほとんどめぼしい場面もなく、4分のアディショナルタイムもスーッと流れていきました。隠しているチカラがまだある、そんな余裕をもっての勝ち上がり。準決勝以降がますます楽しみになりました!

↓アジア制覇まであと2つ!優勝へまっしぐらです!

うん、このポーズは微妙かな!

終わりゆく平成臭がします!





準決勝の相手は優勝候補イラン!本当の戦いはここからです!