このエントリーをはてなブックマークに追加
Clip to Evernote
09:00
カタール?が勝ったのではない、日本がベルギーではなかったのだ!

アジアカップ決勝、僕は試合開始の瞬間を酒場で迎えていました。旧友との邂逅。昔話。その合間にふと握ったスマホ。予約で起動したワンセグの画面には日本代表とカタール?代表の試合がライブ中継されていたのです。驚きました。「カ、カタールは失格ではなかったのか…!」と。それはまるで「平服で」と言われた集まりにトレーナーで行ったら、全員スーツだったときのよう。キツネに豆鉄砲を撃たれた顔でポカーンです。

その時点で1-3というスコア上の負けは決まっていたと言ってもいいかもしれません。本来であれば三日三晩かけて「気」を練り上げ、万全の対策を持って臨まなければいけない試合に僕は何の準備もせずに臨んでしまった。もし日本代表に敗因があるとすれば、僕です。「カタールに勝ったーる」という決めゼリフ以外、何ひとつ持たないまま酒場にたむろしていた僕こそが敗因です。

その敗因を除けば、はたしてそれほど悲観するものがあったでしょうか。確かに前半押し込まれはしましたが、決定的な差となったのはヨシダのゆるい対応と「あ、入っちゃった」という2ゴールのみで、もう一度やっても同じことは起こらないだろうという現象ばかり。ワールドカップでベルギーに決められた最後の1点は、「もう1回スタートからやり直しても決まっただろうな」「あぁなると未来を知ってる状態で日本代表が動いても決まってる」「打つ手なし」という納得の失点でしたが、この試合に限ってはそういったものはありません。

「うわー、負け犬の遠吠えだ…」

などと言う輩が出てきそうなここまでの話になっていますが、その批判はまったく見当はずれ。負けたと思っていないのです。心から。負けたと思ってない犬が吠えているのは「負け犬の遠吠え」とは言わないのです。むしろ今は「えぇぇ…これまでにこやかでフレンドリーだったレアル・マドリードの面々が急に目の色変えて、めっちゃ抗議とかし始めたんですけど…」というタイミングだと思っていただきたい。「目の色が変わった」犬が、本気の凄みを効かせている、そういうワンワンワンです。

まさに本気、ここからが真剣勝負。「1回、失格だと思っちゃったからなー」みたいな緩みなどを排除して、カタールを倒すべき強敵として見ていかねばならないと僕は気持ちを新たにしました。優勝カップは一時預けておきましょう。それがないとワールドカップ開催にあたっても若干恥ずかしいでしょうから。「ワールドカップやるとき無カップは恥ずかしいなー」って気持ち、先輩としてそれは理解できます。カタール?のみなさん、まずはお見事です。あなたがたを日本代表の公式ライバルと認定します!(※オーストラリアはライバル2部に降格)

↓くっそ…ちょっと面白い仕上がりになってるやんけ…!

敬礼するなwwwww

なんか面白い感じになるからwwwww


「失格だから寝てても大丈夫かな?」などと思わずに、現地にちゃんと登場した日本代表のスタメン。GKには「史上初、オール海外組の先発」を実現するために移籍したんじゃないかという疑いも濃厚の権田。DFラインにはリツイート希望オジサン、冨安、カタール人ではないと正式に認められているヨシダ、酒井と並びます。中盤低めには柴崎とアルアル塩谷、攻撃的な位置にはいつもの原口・南野・堂安と並び、1トップには大迫です。前の試合の怪我で退いた遠藤を除けば、固定と言っていいスタメンです。

↓史上初、全員海外組というスタメンが完成です!

権田は本当に海外組なのか?

「カタール人?」以上に「海外組?」という疑問符が拭えない!


↓リツイート希望オジサンはこの日もツイッターの通知欄を見るのを楽しみにしていました!

「ぶっ倒れてないやん…」
「自分、ぶっ倒れてないやん…」
「ありったけちゃうやん…」
「何だその、青春だから傷ついてもいいね、みたいなリズム感」

猛烈な平成臭がするつぶやき!

「最後だからぶっ倒れてもいいね。笑」はコッチまで照れくさいので、嘘でもいいからぶっ倒れてください!



そして始まった試合。開催国UAEとは国交断絶中とかで、スタンドにはカタール?の代わりに国籍の垣根を超えてオマーンが応援に来ているという話もありますが、若干の隙間も見えます。UAEの王様がチケットを買って全員に配ってくれるキャンペーンは終わってしまったのでしょうか。UAEの王様キャンペーンは、前澤友作お年玉キャンペーンと並んで、貧民の希望となる施しなので、ぜひ継続していただきたいものです。

カタール?は攻撃では4-3-3のような形から、守備では5-3-2のような形に変形して最終ラインを埋めてくる構え。サイドを破ってチョコチョコとか、DFの間でチョコチョコとかやりたい日本にとっては、決してやりやすい形ではありません。しかし、そこはガマン比べ。このガマン比べのなかから、ひとつのスーパープレーやひとつのセットプレーで試合を動かしていくのがサッカーの常道。だからこそ「違い」を作り出す選手が、最後の最後で必要となるのです。

そんななか、わずかに試合のバランスはカタール?に寄せられています。堂安が足をかけられた場面でも笛を咥えてからやっぱり吹くのを止めるなど、五分五分のファウルはカタール?のほうに取られそうな雰囲気です。「いやだなー」と思っていると、そんな繊細なガマン比べとかやってられっかとばかりに天秤をつかんでガッと下に押し下げる男がピッチにはいました。キャプテンマークを腕にはめて離さない男・ヨシダ。この大会、何度も日本を窮地に陥れてきた日本代表?です。

前半12分、カタールの攻撃の場面。決して崩されたわけではなく、サイドからポンと入れたクロスをアルモエズ・アリがゴールに背を向けたままトラップすると、ワンタッチ浮かせて、ツータッチでオーバーヘッドキックを撃ってきます。ボール自体は決して強いものではありませんでしたが、虚を突かれたかGK権田は触れず、それがゴールに吸い込まれます。いや、GK以前にワン・ツー・スリーと見とれていたのは何だったのか。「トヨタカップで世界のスターを見ているDF」みたいです!どうもお久しぶりです、ヨシダです!

↓あーーーーーーー入っちゃったーーーーーーー!


そこから「撃つかも?」ってイメージはあったかな?

横に出されたり、落として反転裏抜けされたりとかを考えてなかったかな?

「エリア内での最優先選択肢はオーバーヘッド」だと、キャプテン翼を読み返して学ぶように!

Jr.ユース編まででいいぞ、あとはつまんないから!


さらに前半26分、再び試合は動きます。カタールが持ち上がって、守備ラインの間でハティムがボールを受けると、日本DFはそこに寄せ切れません。人数はたくさんいるのにコースを切るような動きに終始し、実質的には自由にさせてしまったわずかな隙間。そこで撃ってきたミドルはゴール隅へと突き刺さります。あー、いいコースに飛んでしまった。ほかの試合でも決めていてミドル得意なんでしょうが、それにしてもいいコース。これはGKにはノーチャンス、撃った瞬間ゴールというナイスシュートでした。

↓あーーーーーーー入っちゃったーーーーーーー!



「槙野だったら…」
「止められた…」
「なんてことはないから…」
「しゃーない!」

入っちゃったものはしゃーない!

乾がベルギーに決めたシュートだって「あ、入っちゃった」系のヤツでしたしね!

こういう日はあります!




いいのが2発決まったな、という厳しい展開。「たられば」の気持ちも多少ありますが、大概入らないものが入っちゃうときもあるのが球蹴りです。そして、このゲームは1回か2回、「入っちゃったなー」があると途端に厳しくなるのです。これを引っくり返そうとするなら、世界トップクラスのベルギー代表のような、猛烈な底力というものが必要になります。厳しい前半でした。

日本は後半に入ると、大迫が流れて起点となり、つづけざまにチャンスを作ります。カタール?も試合間隔が短いこともあってか、省エネモードといった待ち受ける構え。日本はボールを持って攻勢がつづきます。後半8分には柴崎の縦パスから南野がエリア内で華麗なターンを見せる場面も。しかし、カタール?の集中力は高く、ふたりかわしても戻ってきた三人目が止めるといった具合。このあたりは「待って」しまった日本の前半との違いかなというところ。

日本は後半早めから原口に替えて武藤を投入。この交代には「武藤しかおらんの?」「原口おるやろ」「原口でええやん」「あ、原口に替えるの?」「え?」「武藤しかおらんの?」という声も上がりますが、少ないカードから札を切るしかないのですから仕方ありません。「武藤よりもいっそ槙野を入れたほうが何かが起きるかも?」みたいなバクチは責任ある指揮官にはできないのです。

効果はともかく「勝つぞ」という気持ちは伝わり、日本の攻勢にも俄然勢いが増してきます。武藤のヘッド、冨安のヘッド、武藤のヘッド、じりじりとゴールに迫っていくと、反撃は後半24分!中央で待つ大迫に縦に入れると、警戒警戒警戒のなかでも大迫はやってのけます。相手を背負いながら味方の飛び出しに合わせて大迫が最後のボールを素早く出すと、これを詰めたのは南野!奮闘をつづけた男の今大会初ゴール!

↓やっと南野決めたか!追撃のゴール!


おおおおおおおおおおおおお!!

勝負はここからじゃああああ!!


テレビ朝日の中継では松木安太郎氏が「2-1は実質負け」などと意味不明な供述で盛り上がり、日本はまさにベルギーのようにここから大逆転を繰り出す準備ができていました。「2-1は実質負け」「2-2は完全に負け」という気持ち、確かに存在することをロシアワールドカップで日本は学んだのです。それを、これから、見せつけるはずだった。

しかし、今大会の特徴でもあったVAR、日本をときに救い、ときに翻弄もしたVARが潮目をガラッと変えます。いや、VARに責任を転化するのはやめましょう。「酒の失敗ではなく、アナタの失敗ですよね」という気持ちで、「VARのせいではなく、ヨシダですよね」と認めなければなりません。今までいろいろな選手に何度言ったかわからない「競り合いのときに手を広げるなよー」「だから、競り合いのときに手を広げるなって!」という苦言、それをまた繰り返さねばならないとは。

反撃の気配を断ち切るようにそれが起きたのは後半36分。セットプレーの攻防の際、跳び上がったヨシダの手にボールが当たってしまいました。この大会の判定の傾向で言えば、これはもちろんPKとなるプレー。VARを見た主審からもPKと当然の判定が下ります。「権田、相手に外してもらってくれー!」と期待するもむなしく、決定的な3点目。権田の守護神力に期待した僕がバカでした!

↓しゅーーーーりょーーーーーー!お疲れ様でした!

3点は厳しいですね!

たとえ、ベルギーだったとしても!


この3点目で、日本は「やっぱベルギーにはなれないな」という感じになり、ポンポーンと試合も終わります。もうちょっと0-0の時間が長ければどうだったかなとは思いますが、まぁ向こうも必死です、仕方ありません。環境面を含めて考えれば、1ヶ月ずっと中東でやりつづければ、キレもスタミナも失われるというもの。中東勢が上位を占めるなか、しっかりと決勝まで勝ち上がったチカラはさすが新生日本代表でした。

そして、最後まで懸命に、そしてフェアに試合をできたのは日本らしい美点でした。UAEなどは「負けたな」と察した瞬間に荒れ始めるわ、客も靴を投げてくるわでヒドイものでした。イランもヘッドロックしてきましたし、本性というのはやはり苦しいときに覗くもの。その意味で、日本代表は最後まで立派でした。準優勝、十分にいい順位です。もっといい戦いは南米選手権にとっておきましょう。もしも、南米選手権で再度カタール?と激突することでもあれば、そのときは公式ライバルとお認めした状態で、真っ向勝負で受けて立つつもりです!

↓カタール?のみなさん、おめでとうございます!


ベルギーみたいにやっちゃうつもりだったんですが、厳しかったです!

日本はベルギーではありませんでした!




ずっと公式ライバルでいられるよう、カタール?さん頑張ってください!