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07:00
これがアメリカ流のフットボール!

今年もこの日がやってきました。アメリカナンバーワンのフットボールチームを決める、スーパーボウルの日が。今年対戦するのは「またお前か」と愛憎渦巻くニューイングランド・ペイトリオッツと、改革を果たした昇り竜ロサンゼルス・ラムズ。「新VS旧」の覇権をかけた戦いです。

ペイトリオッツが伝説の司令塔トム・ブレイディ(※またお前か!)を擁して史上最多タイとなる6回目の優勝を狙えば、ラムズは2016年のドラフト全体1位ジャレッド・ゴフを押し立てて20年ぶりのスーパーボウル制覇を狙うという戦いの構図。

AFCチャンピオンシップではブレイディがチーフスの新鋭マホームズを、苦しみながら延長で退けました。針の穴を通すようなパスの数々は、いまだブレイディは健在であることを示しています(※まだ健在か!)。ラムズのゴフはブレイディを超えられるのか、あるいはブレイディが再び世代交代を押しとどめるのか。ワールドカップ、いやそれ以上の頂上決戦がここにはあります!

↓決戦の舞台となるメルセデス・ベンツ・スタジアムはとにかくヤバイ!

360度の大型ビジョン!

シャッターのように開閉する屋根!

人が壁となる巨大スタンド!

異世界を作る舞台装置です!



クロイ&ハリーが歌い上げる「アメリカ・ザ・ビューティフル」。グラディス・ナイトの国歌。登場するアーティストは、昨今のNFLを取り巻く人種差別の問題を意識したでしょうか。セレモニー中にはキング牧師の演説も流れました。白も黒もある、それがアメリカでありフットボールなのである。そんなことを自ら思い出し、戒めるかのようなセレモニーです。

やがて、荘厳にして優美な歌声のなか、開いた屋根の上空を戦闘機が飛翔していきます。開閉式屋根の切り取られた空に描かれる飛行線。まっこと美しい。どこどこまでも埋め尽くされた観衆と、名誉を抱いてここに立つ選手たちが、素晴らしい戦いを誓わずにはいられない。さすがアメリカ、この雰囲気。魅了されずにはいられません。

しかし、意気込みとはうらはらに、序盤そして中盤、いやその先まで試合は非常に膠着します。ラムズのドライブはことごとくペイトリオッツに止められ、まともにファーストダウンを獲得することもできません。このあたりは稀代の名将ビル・ベリチックの手腕でしょうか。ラムズの作戦を盗聴でもしているかのように、相手の狙いを読み切って動くペイトリオッツ。誘いの動きを入れても、「誘いだと知っているかのように」引っ掛かりません。

ラムズはゴフのプレーが固く、パス・ランともに上手くいかない流れ。落ち着いて投げられる局面はまだしも、相手オフェンスからのプレッシャーにさらされるとガタッと精度が落ちます。スクランブルでポジションをずらすような場面では、前進するしないによらずパスを通すことすらできないほど。

一方、ペイトリオッツもなかなか上手くいきません。順調にドライブし、順調に攻撃シリーズを重ねていくものの、肝心の得点にはまったく結びつかず、圧倒的に攻めているのに最後の最後はラムズに止められてしまう。サッカー風に言えば「ペナルティエリア周辺でパスをグルングルンまわしているけれど、攻めきれなくてバックパス」みたいな状態です。

↓ようやく先制かと思われた第1Q残り5分38秒でのフィールドゴールも、ハズレ!(1分50秒過ぎから)


パスばかり上手でシュートは撃たない!

たまに撃ったと思ったら枠外へ!

ペイトリオッツが深刻な決定力欠乏症です!


↓第2Qの残り10分30秒でペイトリオッツがフィールドゴールを決めてようやく先制!(3分40秒過ぎから)


シュート2本、枠内シュート1本でゴール!

何かミドルシュート中心だな、このフットボール!


↓まだフィールドゴールを1本ご紹介しただけですがこれで前半は終わりです!ハーフタイムショーをお楽しみください!


人種差別問題もあって、みんな出たがらなかったという今年のハーフタイムショー!

マルーン5さんが、特に面白くはないけれど無難にまとめてくれましたよ!


↓なお、YouTubeでは「マルーン5クソつまらんかったので見に来た…と言いながら、1993年のマイケル・ジャクソンのハーフタイムショーの動画」に人が集まっていました!



湾岸戦争以降の緊迫した世界情勢のなかで、人々の愛を結びつけるパフォーマンスをしたマイケル!

やっぱり本物のスターは違う!




「前半終了3-0」と聞くと、サッカー的にはちょっと大差ですねという感覚もありますが、アメリカンフットボール的には互いに無得点くらいの話。普通にやったら20点とか30点取るはずのゲームが半分終わって「3-0」。試合内容としても、何本もパスやランでつないだ末に最後はパントで終わることの相互繰り返しですので、サッカーで言えば「自陣でボール回す⇒相手がプレッシャーかけてきたのでクリア⇒自陣でボール回す⇒相手がプレッシャーかけてきたのでクリア⇒自陣でボール回す⇒相手がプレッシャーかけてきたのでクリア…」を延々とやっていたような話です。

「もしかして、これはサッカーなのでは…?」

そう言えば、ラムズのオーナーはスタン・クロエンケということで、イングランドプレミアリーグ・アーセナルのオーナーでもあります。あれ、ひょっとしてコッチがアーセナルだったかしら。そう言えば、対戦相手も「ニューイングランド」だし。蹴って、走って、体当たりという基本的動作も、イングランドフットボールっぽい。もしかしてこれはサッカーだったかもしれない!

↓その証拠に、蹴っ飛ばしたボールを「誰も手で拾おうとせず」見てるだけというプレーも!

拾わないうえに、またぎフェイントとか入れてきた!

これがスーパーボウル史上、「最長パントキック」ですって!


↓第3Qにラムズが追いついたのも「ロングシュート」!やっぱりサッカーかもしれない!(8分30秒過ぎから)


ペイトリオッツがシュート2本、枠内シュート1本、1ゴール!

ラムズがシュート1本、枠内シュート1本、1ゴール!

4分の3終わっても「3-3」という、ちょっと荒れたサッカー程度のスコア!

「3-3は危険なスコア」かもしれない!


まさかの「3-3」で迎えた第4クォーター。塩塩の塩、マルーン5も含めて食塩ドバーという何も起こらない試合は、何も起こらないまま4分の3が過ぎました。「交代が遅れて罰退」とか「始まる前にピクッと動いちゃって罰退」とかミスはちょこちょこ起きるのに、スゴイことが起きない。ていうか、タッチダウンがまだありません。ずっと「ボール蹴ってる」感じの試合です。中継もたまらず「野球のワールドシリーズでも1試合平均8.8点入ってるぞ」と面白嫌味をぶっ込んできます。

それでも希望はありました。このまま延長戦とか、最後の1秒で劇的決着とか、ロースコアにはロースコアなりのドラマはあります。第4Q、残り7分というところでペイトリオッツが初のタッチダウンを奪います。これで「10-3」。さぁ、これでラムズ攻めるしかない。ここからがアメリカンスポーツの面白いところだ。ここからの追い上げに神が宿る!宿れ!

そんな視聴者の熱い期待。

劇的決着を待つ全世界の願い。

しかし、そこに食塩がドバー。

第4Q中盤のラムズの攻撃の場面、ゴフが放ったパスは痛恨のインターセプトになってしまいます。残りは4分17秒。ここからペイトリオッツはランプレーで時計を進めながらダラダラと前進し、残り1分16秒というところまで時計を進めてから、フィールドゴールで3点を追加。合計スコア「13-3」とします。

アメリカンフットボールで1回の攻撃で取れる得点は最大で8点です。10点差はどうやっても2回の攻撃、つまり自分⇒相手⇒自分」と3回の攻撃シリーズをやらないと追いつけないのです。自分たちだけで1分を使えるなら、パスパスパスパスでいけなくもありませんが(※パスのあとは時計が止まるため数秒で大きく前進できる)、相手の攻撃シリーズが挟まる時点で絶望的。

「あ、残り1分あるけど試合終わった」
「こんなにロースコアのくせに幕引きだけ早い」
「ブレイディめ、ランばっかり選びおって」
「アディショナルタイムありませんかね!」
「5分くらい足してくれないと何も起きないです!」

サッカーでさえ、残り1分のドラマがあるというなかで、アメリカンスポーツで一番面白い最後の1分に「何も起きない」ことが決まってしまいました。あえて挙げるなら「勝利チーム最少スコア13点」「最少合計スコア16点」「最少タッチダウン数(1回)」という、とにかく点が入らなかったという面で記録ずくめとなったくらい。

アメリカンフットボールでも塩試合はできる、何故ならそれがフットボールだからだ…そんな新しい格言さえ生まれそうなほど歴史的な一戦。スーパーボウルだから面白いですが、スーパーボウルでなかったらどうなっていたことか。勝ったのが「またお前か」のペイトリオッツである点も含めて、塩釜焼きみたいなスーパーボウルでした!

↓ブレイディの娘がますます自由になっているのは、ちょっと面白かったです!

場慣れwww

何回も出場してるから自由www




守備が完璧に機能しちゃうってのは、エンタメとして考えものですね!